どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

みんなでつくる1本の辞書

2018年11月20日 | 絵本(日本)


    みんなでつくる1本の辞書/飯田 朝子・文 寄藤 文平・絵/2015年(初出2013年)


 まさしく「1本」とかぞえるものの辞書です。

 日本語には助数詞が約五百種類ありますが、そのなかでも「本」にしぼっています。

 「1本」と数えたものの絵が、350以上出てきますから結構な種類です。

 面白いのは業界用語でしょうか。

 家具屋さんでは、家具すべてを「一本」と数えているということ。それには職人さんがつくり、店にならべ、買ってもらったお客さんの家に届ける一連の流れを表現しているということです。

 鉄道はダイヤグラムで発車順がきまっていて「1本」とアナウンスしますが、直後には「無理をせず、1台おまち下さい。電車はつづいてまいります」とアナウンスするということ。ダイヤ上の運行数は「1本」で、乗り物としてかぞえているのは1台。

 個人的には助数詞の方に興味がありました。例をあげてみると、日本語がなんと難しいかわかりました。

(食べ物)
ご飯 - 1膳(ぜん)、1杯(はい)
食パン - 1斤(きん)あ行
イカ - 食品の場合は1杯(はい)、生物の場合は1匹(ひき)
うどん - 麺を指す場合は1玉(たま)。1杯(はい)
握り寿司 - 1貫(かん/二個で1貫説、1個で1貫説あり)、1個(こ)
タコ - 食品の場合は1杯(はい))
料理 - 1品(しな、ひん)、1人前(にんまえ)
果物 - 1果(か)、1菓(か)、果実は1顆(か)
エビ - 1頭(かしら)、1尾(び)
乾麺 - 1把(わ)、
魚 - 1匹(ひき)、1尾(び)、1喉(こん)
酒 - 1献(こん)
砂糖 - 1斤(きん)、1叺(かます)、1貫(ぬき)
海苔 - 1帖(じょう)10枚
箸 - 1膳(ぜん)
はららご(たらこ、筋子など、魚の卵塊) - 1腹(はら)
羊羹 - 1棹(さお)、1本(ほん)、1切れ(きれ)
米俵 - 1俵(ひょう)、1輿(こし)
豆腐 - 1丁(ちょう)

(住宅関連)
家 - 1戸(こ)、1軒(けん)、1棟(むね、とう)
灯り - 1灯(とう)
行燈 - 1張(はり)
椅子 - 1脚(きゃく)
鏡 - 1面(めん)
掛け軸 - 1幅(ふく)、双幅の場合には1対(つい)
井戸 - 1本(ほん)、1基(き)
畳 - 1畳(じょう)
蚊帳 - 1張(はり、ちょう)
箪笥 - 1棹(さお)
提灯 - 1張(はり、ちょう)、1帳(ちょう)
机 - 1脚(きゃく)、1台(だい)、1卓(たく)

(日常生活)
衣類 - 1着(ちゃく)
傘 - 1本(ほん)、和傘は1張(はり)
こて(アイロン) - 1丁(ちょう)
はさみ - 1挺(ちょう)
半紙 - 1帖(じょう)20枚
宝石 - 1粒(つぶ)、1顆(か)
新聞 - 1部(ぶ)
薬 - 1錠(じょう)、1カプセル、1服(ふく)、1包(ほう)、薬に包んだ散薬は1貼(ちょう)
靴 - 1足(そく/左右1組で)
墨 - 1挺(ちょう)
算盤 - 1面(めん)、1挺(ちょう)
お年玉 - 1封(ふう)
テープ(音響用、データ用) - 1巻(かん)
手紙(書簡) - 1通(つう)、1封(ふう)、1本(ほん)
株式 - 1株(かぶ)
銀行 - 1行(こう)

(着るものつけるもの)
烏帽子 - 1頭(かしら)
襟 - 1掛(かけ)
帯 - 1筋(すじ)、1条(じょう)
反物 - 1反(たん)、1匹・疋(ひき、むら)

(動植物、昆虫、鳥類、植物など)
アリ - 1頭(とう)
蝶 - 1頭(とう)
鳥類 - 1羽(わ)
虫 - 1匹(ひき)
ウサギ - 1羽(わ)
牛 - 1頭(とう)
花 - 1輪(りん)
花びら - 1片(ひら、へん)、1枚(まい)
枝 - 1枝(えだ)

(動くもの)
航空機 - 1機(き)
船 - 1隻(せき/船舶、艦船、艦艇など)、1艘(そう/帆掛舟等)、1艇(てい/ヨット、競漕ボート、艦艇など)、1杯(はい/伝馬船、艦艇など)
車両 - 1台(だい/自動車)、1両(りょう/鉄道車両など)
原動機 - 1発(はつ)、1基(き)

(娯楽・ゲームなど)
映画 - 1巻(かん)、1齣(こま/シーン)、1本(ほん)
囲碁の対局 - 1局(きょく)、1番(ばん)
将棋の対局 - 1局(きょく)、1番(ばん)

(スポーツ)
安打 - 1本(ほん)
相撲 - 1番(ばん/取組)、1枚(まい/番付の地位)

(武器等)
矢 - 1手(て)(矢二本で1手)、1条(じょう)、1本(ほん)
槍 - 1本(ほん)、1筋(すじ)、1条(じょう)、
弓 - 1張(はり、ちょう)
騎馬・騎兵 - 1騎(き)
銃 - 1挺(ちょう)
弾丸 - 1発(はつ、ぱつ)
戦車 - 1両(りょう)
大砲 - 1門(もん)
戦い - 1戦(せん)
刀剣 - 1振(ふり)、1腰(こし)、1口(くち)、1剣(けん)、1刀(とう)

(文芸など)
俳句 - 1句(く)
本 - 1冊(さつ)、1部(ぶ)
巻物 - 1巻(かん)
和歌 - 1首(しゅ)
川柳 - 1句(く)
演能 - 1番(ばん)
詩 - 1篇(へん)
鼓 - 1張(はり、ちょう)、1丁(ちょう)
三味線 - 1棹(さお)、1挺(ちょう)
琴 - 1面(めん)、1張(はり、ちょう)

(宗教関係など)
霊 - 1柱(はしら)、1位(い)
仏像 - 1躯(く)、1体(たい)
墓所 - 1区画(くかく)
墓石 - 1基(き)
塔婆 - 1基(き)
神 - 1柱(はしら)
地蔵 - 1尊(そん)
袈裟 - 1領(りょう)
遺骨 - 1体(たい)、1柱(はしら)
灯籠 - 1基(き)
魂 - 1柱(はしら)
数珠 - 1連(れん)


すうじの絵本

2018年11月20日 | 絵本(日本)


    すうじの絵本/作・絵:五味 太郎/岩崎書店/1985年


 家の中を見ると、時計、カレンダー、電話、テレビのチャンネル、体重計などなど、あまりにも当たり前になっているので、ありがたみが忘れられている数字。
 そのほかにもスポーツ、距離、速さなどの表示がでてきます。

 この便利さは、数字がなかったらどうなる?と疑問をだすことで理解できそうですが、この絵本の先は、大人の出番かも。

 江戸時代の時間表示は、子(午後11時~午前1時)、午(午前11時~午後1時)、丑(午前1時~午前3時)など。昔の人は漢数字が当たり前のことが、今ではやや戸惑う。

 プロ野球選手の通算安打数は、選手のすごさをふりかえるに指標。気圧や風速は台風の強さの予測にも便利。過去を見るのも予測するのも数字があれば一目瞭然です。

 数字の歴史を調べてみると興味深いことがあります。アラビア数字に感謝です。