さじかげんだと思うわけッ!

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「地の物」を教えてください、ですって。

2007-09-21 22:52:18 | 
久しぶりのトラックバック練習板ネタです。
「地の物」って、初めて聞いたのですが、要は地元の特産品とか特有の食べ物であるということでよいのでしょうか。

そうですね。
山梨といえば、やはり、ほうとうですかね。
信玄が考案した陣中食といわれているようですが、実はそれ以前から山梨だけでなく埼玉秩父地方や、群馬県の一部でも食されていたようです。
信玄が考案したというのは、まぁ観光戦略の一つであったというのが本当のところのようです。
ちなみに、わたしはほうとうがあまり好きではありません。
ほうとうとうどんだったら、うどんかなぁと。
うどんとそばだったら、そばかなぁと。
そんな感じですね。

それから、あわびの煮貝ですね。
これこそ、実に山梨という土地が作り出した名産ではないかと思いますね。
ご存知の通り、山梨には海がありません。
なので、塩をはじめとした海産物は静岡の駿河湾や、神奈川の相模湾からの輸送に頼っていたわけです。
静岡から山梨には、大河・富士川が通っており、江戸時代以降、富士川水運が発達したとはいえ、やはり陸路の輸送も重要で、海産物などの生ものを輸送する際には塩漬けにしたりとか、醤油漬けにしたりしていたわけですね。
それで、昔の駿河の商人…仮に、権蔵とします。

その権蔵氏が、焼津で仕入れたあわびを、甲斐の山猿どもに高値で売りつけてやろうと考えました。
ところが、そのまま運んでしまいますと、長旅の間に傷んでしまいます。
そこで、権蔵はそれまでのセオリー通りに、醤油樽の中にあわびを入れて運ぶことにしました。
前に、塩漬けにして運んだら、かぴかぴになってしまって売り物にならなかったことがあったのです。
今度は、そんな失敗はしないようにと考えたのでした。
焼津から富士宮に用があったので、富士宮に途中立ち寄って、精進みちを通って、甲府へと至りました。
海産物問屋の花輪屋へとたどり着くと、持ってきたあわびを醤油樽から取り出しました。
すると、傷んではいないようですし、前に見たいに乾ききってはいないようですが、すっかり醤油を吸ってしまったために、見た目も悪くどす黒く変色してしまっています。
花輪屋は買い取ることを渋りましたが、権蔵はせっかくこんな偏狭な地へとやってきたのだから、何とかしてほしいと粘りました。
そこで、取りあえず食してみようではないかということになり、でっちの貞吉にいって包丁とまな板を持ってこさせ、薄くスライスして食べてみました。
そうしたら、花輪屋はぎょぎょっと目を大きくして、手をがくがくとさせました。
やはり、見た目通りにしょっぱかったのかと思って、失礼を承知で権蔵も食べてみました。
「む…こ、これは…!?」
と、権蔵もやはり、目を丸くしました。
そのおいしさといったら、清水生まれ清水育ちの権蔵でさえも食べたことがないほどのおいしさでした。
それから、あわびは醤油樽に入れて運ぶようになり、「鮑の煮貝」として広く親しまれるようになったということです。

うーん、人に歴史有り、名産品にも歴史ありですね。
えーと…これで、トラックバックのテーマは果たせているのでしょうか?