《寒さについて》
サボは寒さに弱い、これが一般的なイメージです。
が、案に相違して、たいがいの熱帯植物より寒さには強いのです。
サボは南北アメリカ大陸(とその諸島)にのみ自生し、その分布域は北緯50度から南緯50度にまでわたっています。さらに標高も海岸近くから海抜4000メートル以上に及びます。
当然、日本より寒い地域に自生している種類も、少なからずあるわけです。
自然番組をよく御覧になる方なら、冬は氷点下20度にもなる草原で、雪を被っているウチワサボテンの映像を目にしたこともあるかもしれません。
もちろん、湿潤な日本の気候は自生地とは根本的に違いますし、一般に流通しているサボは日本で生まれ育ったもの。寒冷地の戸外で冬越しできるほどの耐寒性があるわけではありません。
とはいえ、健康なサボなら氷点下5度ぐらいは問題なく耐えるといいます。
温暖化が進んでいるためか、東京あたりでも柱サボテンやウチワサボテン、エキノプシス属のサボなどは地植えで越冬する種類もあるようです。
もちろん、わざわざ生存ぎりぎりの線で越冬させる意味はありませんし、霜に当たれば外観を損ねます。
取りあえず、0度以上あれば安全と考えておけばいいでしょう。メロカクタス属、ディスコカクタス属、ユーベルマニア属のように寒さに弱い種類でも、5度以上あれば問題ないでしょう。
つまり、最低5度以上を維持できれば、安心して冬越しができるということです。
サボの生育サイクルを狂わせないように、暖房の入った部屋に置く場合は、なるべく気温の低い窓辺に置きましょう。よく日に当てることはもちろんです。
《暑さについて》
むしろ問題はこちら。
水やり編でも触れましたが、サボの自生地は昼夜の気温差が激しく、一日中暑いわけではありません。
日本の夏はたいがいのサボにとって不自然な環境で、生育が鈍って休眠するものもあります。(マミラリア属など)
そういうサボが萎びて元気がないからといって、水をどばどばやってはいけません。萎びているのは根が働いてないからで、そこに過湿が加わると簡単に腐ってしまいます。
休眠中のサボは無理に育てず、ゆっくりと休ませてやります。置き場は午前の早い時間だけ日が当たるような場所が最適。水やりは月に2、3回軽く。