4/1虫

2012年04月01日 | その他

春。それは、ゴロゴロと転がっているだけだったネコケムシが、劇的な変態を遂げる季節です。
その変貌は古来より人の耳目を驚かさずにはいられないものであったらしく、まるで妖精にたぶらかされたかの心地になることから、「エイプリルフール」の言葉が生まれたといいます。
転じて、春にうすらぼんやりとしていたり、奇行に走る人々を揶揄する意味合いを持つにいたりました。
それが昨今の日本では、4月1日には正午までたわいのない嘘をついてもよいという、馬鹿げた風習を指す言葉として流布しているようで、日本人の教養はここまで低下したのかと慨嘆の思いにたえません。



ほぼ変態を終え、成体に限りなく近づいたネコケムシ。
そう、花から花へと飛び回るマルハナバチたちの幼年期は、あの怠惰なネコケムシだったのです。


こちらはまだケムシの形態を色濃く残す個体。
次第に胴体は萎んでゆき、数日のうちに我々がクロヒカゲとして親しむ蝶へと姿を変えます。