布屋忠次郎日記

布屋忠次郎こと坂井信生の日記

ホームレス中学生

2008-04-27 23:31:57 | 読書
2007年11月のはじめに図書館に予約した、麒麟・田村の「ホームレス中学生」。132番待ちだったわりには、回転のよさと市図書館の蔵書数のおかげで、意外と早く確保されました。
で、読んでみたところ、まあまあ面白い。Wikipediaによるとネタ作り担当は川島だというし、処女作でこれだけ書けるものだろうか、などとゴーストライターの存在を疑ってしまう。とくに、ラス前に取ってつけたような母への思いの章など、ゴーストライターが田村にインタビューしたような空気が濃くただようのだけど。
ま、でも、お笑いだもの、これくらい書けても不思議というほど不思議でもないか。

内容的には、おもに「人志松本のすべらない話」で披露済みの貧乏話(噺?)が多いのだけど、それよりも「寄る辺ない中学生を支えた周囲のみなさん」による人情話がそれこそ噺のようで、「こういうのって、東京とか都会だったらありえないよな」と思ってしまう。
たとえば「町内にこういう兄弟がいるのだけど、近所どうしで協力して経済的にもちょっとなんとかしてあげよう」なんて話が回ってきたとしたら、どうするだろう。
「そういう子らのためにも公的な何かがあるんじゃないのか?まず役所にかけあってみたら?」とアイデアだけ出して手は動かさないんじゃないだろうか。もしかしたら役所にかけあう程度の面倒は手伝うかもしれない。でもカネまで出して「大人になって働くようになったら返してくれればいい」なんてとこまでは、うーん、できるかなぁ。
大阪ならではというか、東京でも下町あたりだったらありえるかもだけど。