布屋忠次郎日記

布屋忠次郎こと坂井信生の日記

昭和天皇の心とは

2006-07-21 12:50:05 | 天皇・皇室
日経新聞が昨日7月20日の朝刊でスクープした、元宮内庁長官がメモしていた昭和天皇の靖国神社に関する発言。
その中でも「だから 私(は)あれ以来参拝していない それが私の心だ」というところがクローズアップされているようですが。

昭和天皇がその「私の心」を御在位中に公式には表明なさらなかったのは、御自身の発言が与える影響というものをいつも考慮しておられたからでしょう。
そういう意味では、今上天皇が以前に、国旗国歌について強制ではないほうがという発言をしてしまったのは(その発言に私は大いに賛同するけれども)、よしあしは別として、天皇というお立場についての考えが先帝陛下とはずいぶん違っているという感じを受けました。
とにかく昭和天皇は、好きな力士の名前も明かさないほど、御自身の公式な発言というものに注意をはらっておられました。

それを、今回このメモを公表した人たちは踏みにじったわけです。

しかもこの時期。与党第一党の党首選や、8月15日という日を前にした時期に。
昭和天皇の心を、昭和天皇の意に反して、政治問題に絡ませようという意図が見え見えと思います。

もとより、元宮内庁長官のメモというのは史料としての価値は高いと思います。私も興味有るし、できる限り手を加えないかたちで出版してほしいとも思う。
けれど公表するタイミングは、それこそ昭和天皇の心というものを考慮してほしかった。

などと思っていたら、今度の記事に関係有るのかどうか、日経新聞東京本社の社員通用口に火炎瓶らしきものが投げつけられたそうだ。
関係ないと思うほうが難しいけど。
関係有るとしたらその犯人は、日経新聞以上に、昭和天皇の「私の心」をわかってない!