ノミ屋(ノミや)とは、日本に於ける公営競技などを利用して私設の投票所を開設している者のことである。
また、その行為を「ノミ(呑み)行為」と言う。
「ハズレ券の購入金額の10%を払い戻す」といった、特別なサービスを行っているノミ屋。
ノミ屋の排除は主催者・警察により積極的に実施されている。
そのきっかけになったのは1985年2月23日に高知競輪場の場内で発生したノミ屋の縄張り争いも一因となった暴力団抗争による発砲事件で、これにより死者2名重傷1名が出た事である。
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輪太郎はいわゆる「のみ屋」からスカウトとされるとは夢にも思わなかった。
「うちの若いのは怖い顔しているだろう。客が警戒する。最近、売上が上がったりだ。そこでだ。あんたのような男の出番だ。あんたは見たところインテリー風だ。客は警戒しない。頼むよ。うちでやれば、あんたの競輪資金が出るよ。それで勝負すればいい。どうだい!」
輪太郎はノミ屋の手下になるつもりはなかったが、競輪ファンたちに声をかけるきっかけが出来ると思った。
つまり、ノミ屋のフリをするのだ。
「車券飲むよ」と声をかけて、輪太郎の買い車券を教えるのである。
いわゆるノミ屋ではなく、「コーチ屋」である。
客の車券が当たれば、ご祝儀にありつける。
10人か20人に教える。
誰かが車券を的中するはず。
払戻場で客を待っていればいい。
自分も車券が的中すれば幸運。
さらに客からも配当の一部をいただける。
だが、利根輪太郎は暴力団を敵に回してしまったのだ。
「お前、なめるなよ。俺たちのショバでコーチ屋しているそうだな!」
「邪魔などしていないよ。俺の教えた車券で勝って、ノミ屋を利用している客もいるんだ。確かめてみてよ」
小島は眉間に縦ジワをつくり、恐ろしい形相をしていたが、その月のノミ屋の売り上げはアップしていた。
競輪ファンは勝ったら勝ったで、さらに車券を買う。
ファンは勝ったら即、競輪場から出るべきだが・・・
競輪場の一万円は、それほどの現実感を伴っていない。
だが、競輪が終了し家路につく時、初めて1万円が1万円としての価値を生むのだ。
「お前は、面白いこと言う男だ。許してやる。今後、俺たちの邪魔したら許さん!いいな!」利根輪太郎は危機を脱したのだ。
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非合法ではないが非認可の予想屋も存在しており、古くは電話による予想屋業、最近ではインターネット上などでの予想屋業も存在し、公営競技場の敷地外近辺で予想屋業を行なっている者も存在する。
競技場内で認可なく予想屋業を行う者もいるが、これはノミ屋およびコーチ屋などの可能性がある。ノミ行為については参加させた側のみならず、参加した側も警察による取り調べの他、法により罰せられる事がある。競走の主催者もノミ行為防止の為、特に自施設内で非公認の予想屋として活動している者たちに対しては警察などと連携して取り締まりを実施しており、近年では関連法規の改正によりおとり捜査を利用した取り締まりも可能となっている。
また新聞記者や評論家なども予想を行い、その情報を新聞やテレビ等で公表することもあるが、彼らは新聞の記事やテレビの番組製作を担っている立場として予想を行うわけであり、予想屋と異なりその情報のみを売っているわけではない。競馬においては、古くは調教師や騎手などが新聞紙面などで予想行為を行っていた時期もあったが、現在は行われていない