昔々、聞きかじった言葉が、ひょいと頭の中に浮かんでくることがあります。
たとえば、「有るものは有る、無いものは無い」という言葉もその一つ。
何だ、それは? たぶん、わかったような、わからないようなこととして記憶に残ったのでしょう。
有るものが有る、当たり前ではないか。
でも、無いものは無い、というのはちと変ではないか。
否定の否定は肯定、無の無は有になるのではいか。
すべては有であるということなのか、わけがわからなくなってしまいます。
それだけ考えただけでも、有るとか無いとかいう概念がが難しいことに気づきます。
先立つものは有なのか無なのか。
無から有は生じるのか。ビッグバンの以前はどうだったのか?
宇宙科学にでもつきまとってきます。
西洋の考え方は有が先立ち、東洋では無が先立つといわれます。
おそらくは、神の存在とも関係してくるのでしょう。神が存在しなければ・・・。
東洋では、老子が無の思想を説いたし、仏教も無、空が中心の考えです。
ゼロが考え出されたのもインド。
死が有るか、無いか、の先を考えてゆくと、必然的に輪廻転生の考えが生まれる気もします。
有無の歴史、などという本があったら、有無を言わさず、ぜひ読んでみたいと思います。