久しぶりの映画館 ～ あしたのジョー ～

　昨日は会社に休みをもらったので、久しぶりに映画館で映画を観ました。観た映画は山下智久さん主演の『あしたのジョー』です。

　３月11日の地震の後の私が贔屓にしている近所の映画館は、営業自粛と計画停電の影響で、閉まっていたり、時間帯によっては開いていたり、と特別体制の営業を続けています。私がいつも利用していたレイトショウ鑑賞はできない状況です。３月には観たい映画が数本あったのですが、「何本かは見逃してしまうだろうなぁ。」と諦めていました。時節柄上映が中止となってしまったイーストウッド監督の『ヒアアフター』は最たるものですね。

　そんな状況の中、昨日はたまたま計画停電が夜（18時20分～22時）だったので午前中から映画館が開いていました。観る作品は観たい映画の中からロードショウ公開の終了が近い『あしたのジョー』を選びました。やはり映画館の大スクリーンで映画を観るのは最高ですね。

　さて、『あしたのジョー』ですが、原作漫画を少年時代から何度も繰り返し読んでいる私としては、製作発表の段階で「あのデビルマンの実写化の悲劇の再来か？。」と恐怖と失望感におののいていたのですが、劇場で公開されていた予告編を観てから「これは真面目に作っているなぁ。イケるかもしれない。」と想いが変わっていました。

　そして昨日、実際に観てエンドロールが流れる時には「これは紛れもなくあしたのジョーだなぁ。」と感心していました。物語の展開を知っている私も「この先どうなるの？。」と思いながら観てしまいました。同じ原作付き作品の『SPACE BATTLESHIPヤマト』を観た時に早い段階で感じた「俳優のみなさんが役を一生懸命に演じているなぁ。」と言う少し冷めた感情は最後までおきませんでした。これは私が作品に集中できた証拠ですね。細かい部分に関しては、

　・矢吹丈（ジョー）の性格の明るい部分の描き方が足りない
　・矢吹丈（ジョー）と丹下段平会長の関係の描き方が足りない
　・ヒロインの白木葉子の過去の設定がイマイチ
　・白木葉子役はマイコさんか香椎由宇さんが適役では？

と言った小さな不満はありますが、矢吹丈（ジョー）を演じた山下さんとライバルの力石徹を演じた伊勢谷友介さんの鍛え抜かれた肉体とボクシングシーンの前にはそんな不満はどうでもいいレベルです。２人の肉体には説得力があって圧倒されました。計量シーンの伊勢谷さんは『鬼気迫る』と言う形容詞がピッタリです。映画史に残る名シーンですね。

　そんな圧倒された本作ですが、なぜか１人だけ原作漫画そっくりに再現された香川照之さん演じる丹下段平会長の顔がスクリーンにアップされる度に笑いで吹き出してしまうのには難儀しました。最後まで笑ってしまいました。あそこまでリアルにあの特徴的な顔を再現する必要があったのかは疑問です（褒め言葉です）。


　以上が『あしたのジョー』を観た感想です。　私の評価は☆3.5です。大きなスクリーンの劇場で観て良かったです。２人の役作りの凄さはテレビで観ても伝わらないかもしれません。本作は映画館で観るべき作品かもしれませんね。

　本作は原作の前半部分で終わっているので、今回の興行成績が良ければ続編が作られる可能性があると思います。もしも続編が作られたら私は再び劇場に足を運ぶ事になると思います。それくらい本作は出来がいいと思います。

　尚、宮崎あおいさんが降板して続編を見る興味が全くなくなってしまった『ＮＡＮＡ２』の例もあるので、『あしたのジョー２』が製作される場合は、今回と同じキャスティングでお願いしたいですね。段平会長の香川さんだけでなく、ジム仲間のマンモス西を演じた勝矢さんと言う私が初めて見た俳優さんも良い表情と演技をしていたので続編でもキャスティングして欲しいです。