なんと、３日分の給料が２３０万円！・・・

　昨日やっと安倍さんの謝罪会見が行われた。相当やつれている様子で、顔色も悪く声に力がなく痛々しかった。だが、あのまま議員辞職かと思われたが、次期衆院選への意欲を見せた。これからは一代議士としてがんばりたいと議員辞職を否定したが、汚名挽回は並大抵のことではなかろう。岸、佐藤、そして安倍父子２代を支え続けてきた地元有権者は、次の選挙で安倍さんをどう評価するだろうか。政治家は地元に利益をもたらすための大事なパイプ役である。大臣経験もない、今回の中途半端な辞任劇で要職の肩書きもなく、発言力も衰えた一代議士に何が期待できるかと考えると、非情なようだが、私なら１票を投じる気にはならない。志半ばにして辞することは無念であろうと同情はするが、一国をあずかる宰相としてはお粗末な幕切れであった。

　さて、福田新総裁の初仕事。選対総局長を選対委員長に改め、これを格上げして党３役から党４役になったが、みんな派閥の領袖ばかり。経験豊富という点では安心感はあるというものの、海千山千の老獪なきつねや狸たち。福田新総裁もこれからが大変そう…。組閣人事に大きな変化はないそうであるが、まあ今のままなら身体検査も必要なし、それだけは安心できそうだ。とにかく早く正常な国会運営を望みたい。

　話がそれたが、先日、新参議院議員の丸山弁護士が、さんまの番組に出演していた。新人とはいえ、容赦ない切り口で政界の内幕を語った。今では舛添厚労相とこの人の強気が頼もしく感じられるというのは、なんだか情けない話である。
　丸山弁護士が議員になってまず感じたことは、「政界は非常識がまかり通るところ」だという。それは、８月１０日に議員としての初給料、７月分の歳費をもらったときのことだそうだ。７月２９日に当選、議員資格を得てから７月末までは、常識的に考えれば３日間である。それが、もらってびっくり、なんと２３０万円が支給されたという。歳費１３０万円、通信費などの事務費が１００万円で計２３０万円、この１か月分が丸まる支給されたというのだから、本人ならずとも驚く。
　この３日間は議員としての仕事は何もなく、ただバッジをもらいに国会へ登院しただけである。これが日割り計算ならまだ話も分かるが、まるまる１か月分が支給されるとは…。　
　丸山議員は驚いて、これでいいのかと事務局へ問い合わせたという。しかし、法的には正規の歳費支給だそうで、たとえ返却したいと申し出てもそれは認められない、受け取れないと言われたとか…。今回の参院選で当選した議員は２４２名、７月分歳費として総額５億５０００万円超が支給されたというのである。今までも選挙の度に我々の血税がこういう具合に使われていたとは、こんなことってありだろうか？
　これが国会の常識だとはあきれてものもいえない。こういうことをどれほどの国民が知っているだろうか。消費税の値上げ話もちらほら浮上している。だがその前に、こういう無駄な歳出を抑えることがまず先決であろう。
　この新議員の初歳費について、これまで公の場で異論を唱えた議員は１人もいない。また、新議員宿舎建設にしても決議までの情報公開はまったくない。また、この建設議案に反対した人もいなかったという。現在建設中の新参議院宿舎についても、民主党議員から凍結議案が提出されたが、自民党が反対しているという。こういう問題こそ野党が率先して是正しなければ、何のための抵抗勢力か存在の意味がない。しかし、いずれの議員も、自分たちの利益にかかわる問題については一切口をつぐんでしまう。結局、国民のことより自分たちが大事ということか。その人たちに一体何が期待できるだろうか。