フェルプスに見る、競泳に有利な体型と体質・・・

　競泳の全種目が終った。最終レースは４００ｍリレー、やはりアメリカが金メダルを獲得、それも世界新である。これでフェルプスは史上初の８冠、五輪最多の通算金メダル数は１４となった。日本勢は、２人目の平泳ぎで北島が折り返しの５０ｍでハンセンを抜きトップ。だが、３人目、フェルプスのバタフライに叶うわけがないことはわかっていたが、それでも堂々の３位、銅メダルに輝いたのは立派だった。
　
　フェルプスが８冠中、ただ１つ世界新記録に届かなかった１００ｍバタフライは、頭の位置は同じだが手の長さの違いだったという。１００分の１秒差なんて実際にはありえない数字で、フェルプスの運の強さというより他はなかろう。
　解説者が言っていたが、水泳は足が短い方が有利だとか。フェルプスの身長は１８７ｃｍで、上半身は９０ｃｍ。普通、上半身の長さが９０ｃｍだと、身長は２０７ｃｍに相当するそうだ。また、両手を広げた時の長さは身長とほぼ同じだそうだが、フェルプスは２０１ｃｍもある。そのためひとかきすると、ほかの選手よりさらに遠くへ進むというわけだ。
　さらに、フェルプスの足の大きさは３５ｃｍ、手のひらもバスケット選手の足ほどもあるそうで、手と足に「水かき」が付いているのと同じだという。そして、体に疲労をもたらす血中乳酸値はトップクラスの選手の３分１という少なさ、これは同じ試合に参加した選手が１時間をかけて体力を回復するとすれば、フェルプスはわずか２０分しかかからないことになる。
　こういう独特な体質と集中力、強い精神力とがあいまって史上初の８冠が達成できたのであり、やはり並みの人間ではなかったということである。この“怪物”を追い抜くにはこれ以上の資質を持つものでなければならない。イチローが北島を評して“君は魚類か？”と言ったというが、もう人間ではなく、それこそ“魚類”でなければならないようだ。

　オリンピックも閉会式まであと６日、もうメダルの可能性が期待できる競技はほとんど終ったように思う。この１０日間、ＮＨＫは朝から深夜までオリンピックの中継ばかり、ちょうど高校野球の時期と重なってスポーツ一辺倒だった。ニュースも競技の進行次第で時間はまちまち、おまけに内容もほとんどオリンピックのことばかりだった。せめて１２時と７時のニュースの時間くらいはきちんと時間通りスポーツ以外のニュースを放送してほしかった。まあ、報道すべきニュースらしいニュースがなかったということは大きな事件事故もなかったということで、平和を喜ぶべきであろう。
　だが、お年寄りの中にはＮＨＫしか見ないという人もおり、スポーツは苦手という人もいる。ＮＨＫの公共性、おまけに受信料を徴収していることを考えれば、少し公平性に欠けるという声もあったらしい。私も見たい競技以外は見ないので、ニュースに限りそう思ったことは確かである。

　お盆も終わり、高校野球も今日は決勝戦。今現在１４－０で、どうやら大阪桐蔭の優勝は間違いなさそうだ。一昨日から多少暑さも和らいできて、昨晩は早朝にかけて冷たい風が吹いて、いっぺんに秋の気配が感じられた。
　今日は久しぶりに泳いでスッキリしたが、さあ１週間の間に溜め込んだ脂肪をなんとかしなくちゃ…。