つれづれに 

老いてゆく日々、興味ある出来事に私見を添えた、オールドレディーの雑記帳です。

何十年ぶりの運動会・・・

2007-09-23 | 私事ですが
 今日は姪の子ども、小6・小4の2人が通う小学校の運動会だった。先日、子どもたちが「ばーばん、運動会見に来てー」と電話をくれた。今まで運動会へは行ったことがないのだが、せっかくのお誘いを断るわけにもいくまい。
 実は、昨年の10月16日のブログにも書いたのだが、姪一家の住む岡山県北の過疎の町では、毎年10月7日が秋祭りとなっている。その秋祭りには、明治時代から伝わる地下(じげ)芝居を神社に奉納する慣わしがあり、出し物の中に子ども歌舞伎がある。その子ども歌舞伎には地域の小学校の6年生全員(全員といっても10人ほどである)が出演することになっていて、昨年は長男が好評を博した。神社の近くに「春日座」という昔ながらの芝居小屋があり、衣装から化粧、舞台装置まで本格的なものである。今年は次男の番で、どういう役かしらないが、立ち役と女形の2役を演じるという。だが、あいにく以前から6・7日と隠岐島への旅行が決まっていて行けないので、その代わりに運動会に行くことにしたのだ。ついでといっては何だが、ご祝儀を前渡ししておいた。

 過疎の町の小学校はどこでもそうらしいが、年々児童数が減少しており、今年は全校児童39人、幼稚園児3人の計42人の運動会である。これでは午前中ですむだろうと思っていたら、それが違うのである。町内の老人会、現役消防団員とOBたち、保育園入園前の小さな子どもたちなど、町民こぞっての参加で、まるで町民運動会のようだった。

 見物客は児童数の3倍以上はいただろうか、父兄たちはビデオやカメラの三脚を立て、まるで記者団のような一群を作っている。プログラムを見ると、昼食をはさんで27の演目があるが、児童数が少ないのでみんな出番が多い。また、父兄も児童と一緒に演技したり、次の演技の準備や交代でアナウンス係をやるなど、みんな大忙しである。

 老人会の長老、100歳と3ヶ月のご老人が太鼓をたたき、みんなで踊ったが、なんだかほのぼのとして気持ちよかった。それにしてもお元気なこと、勢いのある太鼓の音だった。そして、老人会の面々がゲートボールで競争する演技では、全校生徒より老人の数のほうが多いという、まさに今社会の実情を呈していて、少々複雑な気持ちにさせられた。
 昼食は、体育館で子どもたちと一緒に食べるのであるが、これが楽しい。姪が朝から腕を振るったらしく、重箱にたくさんのご馳走がつめられ、あの人この人、あげたりもらったりで和気あいあい。昨今は子どもたちは教室で給食というところが多いと聞くが、こういうところが田舎のよさであろう。


 午後からの演技も無事に終了。そして、これがまた小規模校のよさだろうか、児童たちが後片付けを手伝うのである。3年生までは教室に、4年生以上の児童は自分たちの持てる範囲の小物を片付け、大きなものは父兄たちがやる。どこの家庭もほとんど両親が出ているのでその数も児童数の倍近い。テント、机・椅子、万国旗を吊るしたロープ、入退場門など、手際よく倉庫へ収めて、ものの30分もしない間に校庭はきれいに片付いた。これには驚いたが、この地区はこういうときにはすぐ団結するので何でもスムーズにいくのだと姪はいう。そして夕方から父兄たちは「懇親会」と称して飲み会を始めるそうである。
 前日からの準備、当日の進行の手伝いから後片付けまで、大変だろうなあと思うが、父兄たちは案外楽しそうである。子育ては、着せて、食べさせるだけでなく、こういう地域とのかかわりも大事なことであり、かわいいわが子のためとはいえ、親の大変さがよく分かった。
 「暑さ寒さも彼岸まで」とは程遠い今日の残暑、帰ってみれば首、腕と露出しているところが真っ赤に日焼けしている。でも、心地よい疲れで楽しかった。 
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10 コメント

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Unknown (うらら)
2007-09-23 22:30:23
ほのぼのとした行事の運動会ですね
老いも若きも一緒になってお互い気力が沸き起こりますね~
でも最近は過疎地に限らず
何処の町村でも多かれ少なかれ同じ様な事がおきている様子ですね
ほんとに日本はこれでいいのかと心細く感じ出しました、以前も私のブログに少しふれましたが、一年生から六年生まで組み替えがないなんて都会の郊外の学校でもあるとの事です、
難しい国情になったですね~
一寸前までは自分達の都合で子供を持たないが、今は生活に余裕がなくて持てない時代になるなんて10年前には考えられない世情になった気がします
意識調査で国民皆中流意識だった昔が有ったですよね

税金はしっかり払っているのだから国政をつかさどる方々は無駄使いや、裏金を貯め込んだり、ネコババしたり(猫が怒ります)又税金は自分の金と錯覚したりしないでほしい…なんて子供に言い聞かせるごとくにモウお願いの段階ですネ
せっかくいい気分で御帰還されたのに又むかつく話になって御免なさい
隠岐の島は二十歳のころに遠縁を頼って遊びに行きました、海の青さと日本海の荒波に削がれた岩肌の自然のおりなす光景は若い私的にはとても印象に残りました、楽しんで来てくださいね
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Unknown (板谷)
2007-09-23 23:08:37
とっても素敵ですね!
うちも10月に子供の初めての運動会です。
よその子供でも、頑張っているのを見ると感動するので、自分の子供が頑張ってるのを見るなんて・・・楽しみでわくわくします。

今時は、順位をつけないとか、保護者がBBQをしたり飲酒をしながら応援したり、という話も良く聞きますけど、そちらの運動会は、そんなものとは無縁そうですね。
私は、順位大いに結構、切磋琢磨大歓迎!派ですし、順位があるから、子供も頑張るし、保護者も応援に熱が入るんじゃないかと思うんですよね~。応援に熱が入ってたら、BBQは無理かと・・・。

日焼けは怖いけど、やっぱり、スポーツはするのも見るのも良いですね。
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Unknown (オールドレディー)
2007-09-24 09:17:29
♠うららさま
 子どもの数より老人の数のほうが多いという現実を見て、本当にこの国はどうなるのだろうと、運動会で考えさせられるなんてネ。今年で閉鎖、統合という学校がまだいくつかあります。
 100歳のご老人が挨拶のなかで言われました。「どうぞ子どもを生んでください。お願いします」って聞くと、この方も日本の将来を憂いているのだなと感じました。
 この子どもたちが大人になる時代がどうなるのか想像できません。国の成り立ちは人です。いくら経済的に豊かでも、文明科学が発展しても、人がいなくては国は滅びます。政治家たちは、根本的なことをおざなりにしているように思います。
 福田さんの首相就任が確実になりました。今度はきっちり真の政治をやってほしいですね。
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Unknown (オールドレディー)
2007-09-24 09:28:55
♠板谷さま
 昨日の運動会では順位はつけていましたし、終了してそれぞれご褒美をもらって子どもたちはうれしそうでした。
 派手派でしさはないけど、町内みんなで盛り上げた運動会でした。結構大人たちも楽しんでいましたね。
 過疎地の学校では、いじめなど無縁で、よその子どもの顔は知っているし、親同士の交流もあり、学力はともかく人間性の育成にはいいと思います。
 でも、今の学歴社会で、こんな状態で育った子どもが果たして厳しい競争に勝ち抜いてゆけるか、それを考えると複雑ですね。

 お子さんの運動会、パパはきっとカメラ担当ですね。小さいころは何をしてもかわいいです。いい思い出を作ってください。
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運動会 (ハトポッポ)
2007-09-24 10:11:30
運動会楽しかったですか!
うちは今年は二校が一校に合併後初運動会で、以前よりも児童数が増えて賑やかな運動会でした。
ただ、それまであったレディさんの記事のような保護者、地域の皆さんとの種目が構成の関係で事実上なくなったのはそれはそれで寂しかったですね。
まあ、子ども達が主体ですからしょうがないですけどちったあ、とうちゃんかあちゃん、あそこのおじちゃんおばちゃんの元気いい姿を見せ付けてやりたいもので...と、こう書いていて最近のオトナの人は妙に冷めていて参加意識が低いかもと、最後のリレーが終ったら速攻帰り出したオトナ達の姿で思うところでした。

ムズカシイナ。こんなとこから心の過疎化対策。
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Unknown (オールドレディー)
2007-09-24 12:46:57
♠ハトポッポさま
 数が多ければにぎやかでしょうが、それなりに大変でしょう。
 その点、過疎の町は普段から交流が深いので、催し物があると全員総出となります。親たちもいやいやというのではなく、むしろ楽しそうでした。

 毎年、町内の母ちゃん連中が亭主に子どもを預けて、大阪まで「矢沢えいちゃん」のライブに行くのだそうです。田舎でもやることは案外都会並ですが、バスを借り切っていくというのが面白いでしょう。
 それだけ和やかな関係が保たれているということでしょうが。こういう風に父兄が連携していれば、子どもたちへの目も行き届くと思います。
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素晴らしいですね! (ばーば)
2007-09-24 15:50:41
最初に秋祭りの歌舞伎の方を見せていただきましたが、何もかも本格的で、素晴らしい伝統芸ですね。槍をもって大見得を切っている加藤清正役、ダイナミックで、ババ馬鹿になる気持ち大いに分かります♪ 過疎の町というとマイナス面ばかり強調されますが、実際は良いところが有って、人間同士の触合いの薄い都会に住んでいる者はとても羨ましく思います。老いも若きも、みんなお役を持っていて張り切って駆けずり回っている光景なんて、今一番幸せな町だと思います。
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Unknown (オールドレディー)
2007-09-24 17:35:24
♠ばーばさま
 ババ馬鹿でお恥ずかしい限りです。
 過疎の町で育つ子どもたちはみなおおらかな気持ちのいい子どもたちです。また、親たちの団結力のよさには感心しました。こういう行事の時にはみんな仕事そっちのけで、両親ともに参加するようです。
 貧富の差など関係なく、みんな同じ立場で和気あいあいとやっています。 
 でも、こと学力はとなると都会のレベルには到底届きません。学力優先か人間性かと、親にとっては悩むところだと思います。今はこれでいいのだろうけど、これから先が問題です。
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Unknown (はなはな)
2007-09-24 22:30:57
こんばんは!
多くの万国旗からも、運動会を楽しく盛り上げようと!という意気込みが伝わってきますね!実に中味の濃い・アットホームな運動会だった様で、記事を拝見して羨ましく思いました。
今、過疎地といえども、ここまで住人が団結してる地域は、ありそうでないかもしれませんよ?
当町も年々、少子高齢化が進んでおりますが、人間関係はアッサリしてる気がします。やや将来が不安です(苦笑)。
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Unknown (オールドレディー)
2007-09-25 09:26:50
♠はなはなさま
 人間関係は年寄りのいる地域のほうが濃いですね。ということは年寄りの存在が、文化の継承に役立っているということでしょう。
 若い人たちばかりになったら個人主義が優先し、味気ない人間関係になってしまうでしょうか。寂しいですね。
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