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つれづれに 

老いてゆく日々、興味ある出来事に私見を添えた、オールドレディーの雑記帳です。

入浴中の急死は「浴室熱中症」・・・

2021-02-16 | びっくりしたなあ

 最近、高齢者の入浴時の救急事故が急増、交通事故死者数より多くなっているという。それについてネットに詳しく書かれた記事があったので、要点を抜き出してまとめてみた。
 熱い湯に身を浸し、ホッと一息。が、そのまま二度と目を開けず、死んでしまう人が増えているという。昨年暮れに起きた事例だ。70歳の男性が入浴中、風呂場が静まりかえっているのを不審に思った妻が見に行くと、夫は膝を抱え、湯に顔をつけた状態で浴槽の中に沈んでいた。すぐに119番通報したが、救急隊が到着した時にはすでに心肺停止、心臓マッサージなどの処置を受けても脈が戻らなかったという。
 死の直前にお湯を大量に飲んでいたため、最終的な死因は「溺死」とされたそうだ。男性に心臓や血管の異常は見られなかったが、病院に運び込まれた時、重度の脱水症状を起こしていた。「浴室熱中症」である。
 「浴室熱中症」とは端的に言うと、浴槽の湯の熱によって体が過度に温められ、夏場に発症する熱中症と同じような症状を引き起こす状態のこと。熱い風呂に浸かっていると体温が上昇する。汗をかいて体温を外に逃がそうとしても、頭以外は湯船の中にあるため放熱のしようがない。
 若い人であれば体の表面に熱い血液を集めて熱を逃がすことができるが、高齢者は血液を循環させる力が低下しているため体内に熱い血液が滞留し、心臓に負担がかかる。こうなると脳へ流れるはずだった血流が減少し、意識障害を引き起こす。意識障害が進めば、気を失って倒れこんでしまう。これが心臓や血管に異常がなくても意識を失ってしまう理由だという。
  1990年代頃から、浴室での死亡事故の多くは「ヒートショック」によるものだと考えられてきた。「ヒートショック」とは、寒い脱衣所にいた直後に風呂場で熱いシャワーを浴びたり、湯船に入ったりすることで血圧が急激に上がる。それに耐えきれずに心筋梗塞や脳梗塞を起こして死に至ることをいう。
 しかし、最近になって浴室での死亡事故の原因の大半はヒートショックではなく、「熱中症」なのではないかという見方が有力視されるようになってきたという。医療機器メーカー・テルモの調査によると、日本人の平均体温は36・89度となっている。42度のお湯に10分入ると体温が1度上昇する。つまり10分の入浴で、日本人の体温は熱中症の初期症状である倦怠感や頭痛を覚え始める38度近くまで上昇するのだ。この時点で多くの高齢者は湯船から立ち上がろうと思っても、体に力が入らず湯船から脱出することが不可能となる。程よい湯加減と思っていても、10分以上入っていると死のリスクがどんどん高まって、知らず知らずのうちに意識を失い、そのまま死んでしまう。これが浴室熱中症の怖さだという。

 昨年2月末、私の大切な友人が入浴中に急死した。検死の結果、心臓にも血管にも異常はなく、お湯を飲んでいたので「溺死」と判断されたという、が、ご主人は「お風呂で溺死」というのがどうにも納得できない様子だった。
 その頃彼女は、2年前に自転車で転んで痛めた肩の調子が悪く、前年の10月に手術、リハビリ中だった。術後半年近くになるのにあまり良くならない。家事が十分にできないことへの焦り、赤穂から三宮まで、週1回の通院もしんどくなっていたようだ。あれやこれやで心身の疲労がたまっていたのは確かだし、それが死因の一つのように思えたりもした。
 ここで言うのは不謹慎だが、できれば私も「浴室熱中症」で逝きたい。だが私は「烏の行水」で、5分も長湯できないから無理。それに「憎まれっ子世に憚る」のババに極楽往生なんてあり得ないよね。
 彼女が逝って1年。本人はもとより、残された家族にとっては不本意な最期だったろう。が、これが運命というものだろう。

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8 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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オールドレディさま (suri-riba)
2021-02-16 11:47:24
ゾーとしました。全く「浴室熱中症」にならなかったのが不思議なくらい、そのまま私にあてはまります。
脱衣場が寒いので45度の湯船にさっと浸かります。
湯船に静かに5分ほど浸かり、動くと熱いのでそーとしています。少し温度が下がるとまた45度の湯をたします。血圧は分からないのですが、危険な入浴ですね。でもストリップな状態で「検視」されるのも・・
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Unknown (飛鳥)
2021-02-16 14:02:39
実家の母の近所の一人暮らしの友人(90代)が、とても元気だったのに、お風呂で急死していたのを翌朝に発見されたそうです。
それ以後、母(89歳)はお風呂が怖くなり、最近は1日おきにして、お湯もたくさん入れず温まりすぎないようにしているそうです。
私はこの頃浴槽に浸っていても全然温まらず、出ると寒いので、また入ったりします。子どもの頃のように湯上りポカポカになりませんが、温まるのも危ないんですね。
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お風呂も危険因子? (sirousagi gamanoho)
2021-02-16 17:54:36
恐いですね。
ヒートショックの事は知っていましたが、「浴室熱中症」なんて!
高齢者は10分以上お湯に浸かっては「危険」週刊誌の見出しを見ても「???」でしたがオールドレデイさんの記事でよく理解出来ました。
歳をとるということは危険を背負って過ごす日々なんだと見に沁みています。
オサラバは仕方ありませんが【裸】で逝くのはごめんこうむりたいです。
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Unknown (オールドレディー)
2021-02-17 09:32:55
★suri-ribaさま
ジンジンするようなお湯につかってじっとしている時の気持ちよさ、わかりますが、高温度のお湯で長湯は禁物ですって。
私は烏の行水だけど水道代がもったいない。お風呂の掃除も大儀、ということで、もうずっとシャワーです。浴室暖房で温めて入るので寒くはありませんが、時にはお風呂に首まで浸かって入りたいと思います。温泉に行きたいで~す。
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Unknown (オールドレディー)
2021-02-17 09:43:57
★飛鳥さま
ご高齢のお母様の一人暮らし、ご心配ですね。毎晩電話で安否確認されて、親孝行だなあと感心してます。
ひとりでの入浴は危ないけど、年寄りはみんなお風呂好きだし、楽しみでもあるようです。お気をつけてあげて下さいね。
貴女はまだお若いから心配ないけど、疲れすぎての長湯も要注意ですよ。テレワーク大変そうですね。早くコロナ禍が収まってくれるといいですね。
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Unknown (オールドレディー)
2021-02-17 09:58:24
★shirousagi gamanohoさま
私の友人の「溺死」が、これで納得できました。
彼女は右肩の手術後、腕が上がらない、力が入らない、割りばしも割れない状態でした。右腕はダメ、それに腰の具合もよくなかったから、気付いてもすぐに動けなかったのだろうと思います。溺死って苦しいのでしょうね。
高齢者の一人暮らしは危険がいっぱい。どんな醜態を見せるかも覚悟しておかねばならない。ああイヤですね。
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ぞっとしました。 (千菊丸)
2021-02-17 16:11:18
「浴室熱中症」、恐ろしいですね。
家の中の方が外よりも危険度が高く、発見しづらいとか・・他人事ではありませんね。
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Unknown (オールドレディー)
2021-02-17 18:32:08
★千菊丸さま
若い人はすぐに動けるでしょうが、高齢者は動作が鈍くなっているし、浴槽にはつかまる所がないから危険です。浴槽にも手すりをつけておくといいですね。
明日はまた一層寒くなるそうです。三寒四温、もう少しの辛抱です。
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