令和5年11月18日
内陸地震の発生確率、人工衛星データで予測 M6級も評価可能に
政府の地震調査研究推進本部(地震本部)は、内陸で起きる地震の発生確率について、
人工衛星の測地データなどを使った新しい予測手法を導入する。
現在は活断層の調査が主だが、近年、活断層が確認できない地域でも大地震が起きているためだ。
21日に初会合を開く作業部会で検討を始める。
1995年の阪神大震災を機に発足した地震本部は、マグニチュード(M)7級に相当する
地表の長さ20キロ以上の主要活断層を調査し、2023年11月時点で114の主要活断層で、
地震の発生確率を予測している。
一般的に、M6級以下の地震では地表に断層面が残らないとされる。
しかし、00年の鳥取県西部地震(M7・3)や、07年の新潟県中越沖地震(M6・8)など、
それまで活断層が確認できなかったところでも大きな被害をもたらす地震が起き、
予測手法の改善を迫られていた。
内陸で起きる地震は、岩板(プレート)の運動に伴う間接的な力によって内陸部の岩盤にたまったひずみが解放されて起きる。
新手法では、全国に約1300カ所ある電子基準点を人工衛星で観測。
その測地データから、岩盤内にひずみがどれほどたまっているかを解析し、地震の発生確率を予測する。
作業部会の委員を務める西村卓也・京都大防災研究所教授によると、従来より小さいM6級の地震の評価が可能になるほか、
既存の活断層は過去十数万年の活動を対象にするのに対し、最近の活動を評価できるなどの利点があるという。
ほかにも、1920年代から整備された地震計のデータや、古文書に記された歴史地震など、
過去の地震のデータも予測に活用する方針だ。
主査を務める加藤愛太郎・東大地震研究所教授は「活断層の評価は重要だが、
それだけでは現状見えていない被害地震を起こしうる断層を見逃してしまう恐れがある。
こうした新たな手法を評価に反映させていくことが重要だ」と話す。
毎日新聞 によるストーリー (2023年11月18日)
内陸地震の発生確率、人工衛星データで予測 M6級も評価可能に (msn.com)