令和2年12月14日 i-JAMP
JAXA はやぶさ2、小惑星「りゅうぐう」由来
カプセル内に黒い砂確認
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は14日、探査機「はやぶさ2」から分離、回収されたカプセル内で黒い砂粒を多数見つけたと発表した。
科学的な分析は今後進めるが、カプセルの密封性能が確認されていることなどから、小惑星「りゅうぐう」で採取されたものと判断した。
探査機「はやぶさ2」が持ち帰ったカプセルの中で見つかった小惑星「りゅうぐう」由来の砂粒。
右側に黒いものが見える(JAXA提供)
小惑星の物質を地球に持ち帰ったのは、2010年の初代「はやぶさ」以来。
有機物や水を含むとされるC型小惑星からの回収は世界初の快挙となる。
カプセルは6日、
オーストラリア南部の砂漠地帯に着陸しJAXAが回収。
現地でガス成分を採取した後、チャーター機で空輸され、
8日にJAXA相模原キャンパスに搬入された。
JAXAによると、カプセル内の採取した砂を収めるコンテナの隙間に黒い砂粒が多数入っていたという。
コンテナ内部は3区画に分けられており、A室には19年2月の最初の着陸で、
C室には同7月の2回目の着陸でそれぞれ採取した砂が入る仕組みになっている。
C室には人工クレーター作成時に噴出した地下物質が入っているとみられ、JAXAはこれらを近く開封する。
JAXAは、試料に影響を与えないよう、真空や窒素を満たした環境でコンテナを開封。
約半年かけて顕微鏡による観察や分析などを行う。
試料のうち40%は分析技術が高度化する将来のために保管するほか、
一部は米航空宇宙局(NASA)の探査機が小惑星「ベンヌ」で採取し、持ち帰る予定の試料と交換する。
はやぶさ2ミッションマネジャーの吉川真JAXA准教授は「科学的な断定には分析が必要だが、
これだけ黒いものが入っていれば間違いない」と説明。
初代はやぶさが採取した試料が、肉眼では見えない微粒子だったのと比べ、「今回は砂のようにたくさん見つかった。
大成功ですね」と声を弾ませた。