平成29年12月23日 時事通信
農水省予算案-減反廃止でコメ改革に重点
農林水産省の2018年度予算案は、一般会計の総額で前年度比0.2%減の2兆3021億円と決まった。
公共事業費は0.4%増の6860億円。農家に主体的な作付けを促すために生産調整(減反)を廃止し、転作農家向け交付金を増額するなど、コメ政策改革に重点を置いた。
減反をめぐっては、生産数量目標を守った農家向けの「米の直接支払交付金」(17年度予算714億円)も併せて廃止。
これに代わり、主食用米から飼料用米や麦などに転作する農家向けの「水田活用の直接支払交付金」を4.9%増の3304億円とした。
8月の概算要求額が満額確保され、財務省幹部は「極めて珍しい事態」と話す。
主体的な作付けが進めば、農家は市場の価格変動の影響を大きく受けることになる。
これに備えて農水省は、農家の収入減少分を補償する保険制度を19年1月から導入。
保険料や積立金の国庫負担分などを260億円計上した。
概算要求時点では531億円だったが、加入農家の保険料・積立金の分割払いを可能とした影響で、国庫負担分も圧縮された。
農地の大区画化や農業施設の長寿命化といったインフラ整備に充てる「農業農村(NN)整備事業」関係費は8.2%増の4348億円で、6年連続で増加した。
NN事業予算は民主党政権時代に大幅に削減されたが、18年度当初予算と17年度補正の1452億円と合わせると5800億円となり、「農業関係者にとって一つの目標額」(先の財務省幹部)となっていた09年度当初予算額の5772億円を上回った。
農山漁村振興では、観光客を受け入れる「農泊」の推進に57億円、鳥獣被害防止対策と野生鳥獣の肉「ジビエ」の利用推進に105億円を確保。いずれも増額した。
国営諫早湾干拓事業(長崎県)をめぐっては、地元漁業者との和解に向けた基金の造成費100億円を概算要求に盛り込んでいたが、和解のめどが立たないため、予算計上を見送った。
林野庁では、林業の成長産業化策として235億円を新規計上。
①高性能林業機械の導入支援や路網整備などの「川上」対策
②直交集成板(CLT)の普及など木材需要を拡大する「川下」対策
③ICT技術の活用による流通コスト削減や人材育成―を3本柱とした。
特に路網整備を重視し、235億円のうち80億円を充てる。
治山事業は前年度と同額の597億円で、大雨災害時の流木被害を食い止めるため、スリットダムの建設などを進める。
水産庁では、漁業の成長産業化策として26.2%増の164億円を計上。外国漁船対策費は17年度補正と合わせて計272億円を確保した。
(2017年12月22日/官庁速報・電子版)
iJAMP加入者でないと、閲覧できませんが以下の資料が添付されています。
○2018年度農林水産予算の骨子=農水省(PDF:174.6k)
○2018年度農林水産予算のポイント=農水省(PDF:631.9k)
○2018年度農林水産関係予算の重点事項=農水省(PDF:334.8k)
○2018度農林水産予算参考資料=農水省(PDF:8,751.4k)
○2018年度組織・定員について=農水省(PDF:77.2k)
○2018年度税制改正主要事項=農水省(PDF:680.8k)
○2018年度東日本大震災復興特別会計における農林水産関係予算の重点事項=農水省(PDF:101.6k)
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日本農業新聞記事(12月23日)
農水省予算案-減反廃止でコメ改革に重点
農林水産省の2018年度予算案は、一般会計の総額で前年度比0.2%減の2兆3021億円と決まった。
公共事業費は0.4%増の6860億円。農家に主体的な作付けを促すために生産調整(減反)を廃止し、転作農家向け交付金を増額するなど、コメ政策改革に重点を置いた。
減反をめぐっては、生産数量目標を守った農家向けの「米の直接支払交付金」(17年度予算714億円)も併せて廃止。
これに代わり、主食用米から飼料用米や麦などに転作する農家向けの「水田活用の直接支払交付金」を4.9%増の3304億円とした。
8月の概算要求額が満額確保され、財務省幹部は「極めて珍しい事態」と話す。
主体的な作付けが進めば、農家は市場の価格変動の影響を大きく受けることになる。
これに備えて農水省は、農家の収入減少分を補償する保険制度を19年1月から導入。
保険料や積立金の国庫負担分などを260億円計上した。
概算要求時点では531億円だったが、加入農家の保険料・積立金の分割払いを可能とした影響で、国庫負担分も圧縮された。
農地の大区画化や農業施設の長寿命化といったインフラ整備に充てる「農業農村(NN)整備事業」関係費は8.2%増の4348億円で、6年連続で増加した。
NN事業予算は民主党政権時代に大幅に削減されたが、18年度当初予算と17年度補正の1452億円と合わせると5800億円となり、「農業関係者にとって一つの目標額」(先の財務省幹部)となっていた09年度当初予算額の5772億円を上回った。
農山漁村振興では、観光客を受け入れる「農泊」の推進に57億円、鳥獣被害防止対策と野生鳥獣の肉「ジビエ」の利用推進に105億円を確保。いずれも増額した。
国営諫早湾干拓事業(長崎県)をめぐっては、地元漁業者との和解に向けた基金の造成費100億円を概算要求に盛り込んでいたが、和解のめどが立たないため、予算計上を見送った。
林野庁では、林業の成長産業化策として235億円を新規計上。
①高性能林業機械の導入支援や路網整備などの「川上」対策
②直交集成板(CLT)の普及など木材需要を拡大する「川下」対策
③ICT技術の活用による流通コスト削減や人材育成―を3本柱とした。
特に路網整備を重視し、235億円のうち80億円を充てる。
治山事業は前年度と同額の597億円で、大雨災害時の流木被害を食い止めるため、スリットダムの建設などを進める。
水産庁では、漁業の成長産業化策として26.2%増の164億円を計上。外国漁船対策費は17年度補正と合わせて計272億円を確保した。
(2017年12月22日/官庁速報・電子版)
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○2018年度農林水産予算の骨子=農水省(PDF:174.6k)
○2018年度農林水産予算のポイント=農水省(PDF:631.9k)
○2018年度農林水産関係予算の重点事項=農水省(PDF:334.8k)
○2018度農林水産予算参考資料=農水省(PDF:8,751.4k)
○2018年度組織・定員について=農水省(PDF:77.2k)
○2018年度税制改正主要事項=農水省(PDF:680.8k)
○2018年度東日本大震災復興特別会計における農林水産関係予算の重点事項=農水省(PDF:101.6k)
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日本農業新聞記事(12月23日)