狸  森  日  記

                 ムジナnoモリnoクラシカタ

今は・・

2009-02-21 05:01:23 | ひとりごと


菜の花畑に   入日薄れ
見わたす山の端(は)   霞(かすみ)ふかし
春風そよ吹く  空を見れば
夕日かかりて  匂い淡し

・・・は、
小学唱歌の朧月夜(おぼろづきよ):高野辰之作詞・岡野貞一作曲
の1番の歌詞です。僕らが子供の頃、春、電車から見える風景はこの
歌詞のような、一面菜の花畑でした。山の頂上からも黄色い絨毯の
ように見えたものですが、今は福岡市の近郊で菜の花畑を見ることは
無くなりました。例え有ったとしても僅か1反ばかりの畑に過ぎません。


初夏の頃になると、彼方此方で菜の花の実を採ったあとの殻を野焼き
するのを、部活帰りの真っ暗な車窓に見いだしたものです。


菜の花の殻を燃やすと、その炎は真っ暗な闇に赤々と燃えていました
ああ、採り入れが済んだなぁ、もうすぐ夏だ・・・そう思ったものです。


今、その当時車窓から見えていた辺りを車で走ってみると、住宅が建ち
並んで、昔の面影は有りません。市の60万の人口が今は130万人近くまで
増えては、農地が宅地に替わるのは、極めて自然なことなのでしょう。


この「朧月夜」の歌は、今の子供達には理解出来ない事になって
しまったように思います。