ADD?先生の発達障害児 教育応援サイト

ADD?傾向のある塾教師がADHDやアスペルガー症候群の子にどうかかわり教えたらいいのか模索していくブログです。

診断を受けてもきちんとした早期療育が受けられません…

2008-10-19 18:07:34 | 発達障害児に教える基本
早期の療育について書いた記事に
さくらさく さんから、こんなコメントをいただきました。

はじめまして。うちの2番目ちゃんも上の子となんか違う、皆よりもごゆっくりさんと思って、保育園に相談したりしましたが「普通ですよ」と言われてました。
年長になって発達支援センターに連れて行ったところ、特定できない軽度発達障害と診断されました。
それ以来、いろんな本を読み、自分なりにかかわり方を変えて試行錯誤を続けています。
療育にも月2回のペースで通っています。
「もっと早くに、療育的にかかわったら子供がもっと伸びたのでは」という思いがあります。年長途中ではありますが、思い切ってたくさん遊んでくれる幼稚園に転園することにしました。(今の園は勉強系でつめこみのように思いました)
なおみさんもいつか書かれていましたが、「母親のかん」ってとても大事だと思います。
微妙なところにいる子供たちを助ける手だてがあるといいなと、いつも思っています。



診断を受けたものの、療育が受けられない…
療育を受けているには受けているけれど、内容は集団に慣れることが中心で、
診断別の対応法がわからない…
自分の今受けている療育だけで良いのか疑問を感じる

といった話をよく聞きます。

私も教室に通ってきてくれているアスペルガー症候群やその周辺部にいるグレーゾーンの子供たちを見て、
就学後に役に立つと思われる療育がきちんと行なわれていないことを痛切に感じます。
療育に通っている子と親御さんといっしょに
遊んだり勉強したりしていると、
親御さんが子どもに教えなければならない大切なポイントから
かなり離れた部分を強調して教えているシーンによくぶつかるのです。

注意の向け方や
情報の入力の仕方にハンディーがある子らは、
注目させるときに工夫して気持ちを引きつけたり、
視覚的なアプローチを加えたり、
何から手をつけたらよいのかわかりやすくさせたりするポイントをはずすと、
いくら教えても少しも身につかないことがあります。

また、就学後、具体的な困難を想定して、
練習を積んでおくと、助かることもたくさんあります。

たとえば、プリントが配られた時、
自分の1枚を取って、後ろの人に回す練習。

「教科書の3ページを開いてください」と先生が言ったら、
どうすれば良いのか、
教科書をぺらぺらめくり続けてはいけない、
などを学ぶ練習。

社会性を教えるという課題も、ただ集団ですごす練習を
続けるだけでは足りない気がします。

親御さんと遊んでいる時に毎回ズルをして
勝とうとするとき、どう教えればよいのか?

恥ずかしい…という感覚がわかりずらい子に、
みんなの前でどういう行為をするのが恥ずかしいことなのか、わからせるにはどう教えればいいのか?

そうしたことを、どのように教えたら子どもが理解するのか、
療育の場で具体的に何も教えてもらっていない親御さんが多いのです。

これでは診断を受けて途方に暮れている親御さんが
本当に困ってしまうと思います。
きちんとした集団での過し方を学べずに、就学を迎える子供達も困りますし、
集団を乱しがちな子を引き受ける小学校の先生も困ってしまうはずです。

今後、少しずつでも
早期療育の質が向上していくことを願っています。

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学習障害の子のための図形学習3年生

2008-10-19 12:01:43 | LD
小3の図形学習を楽しくする方法を紹介します。

小3の算数の学習で、

ひとつの辺が5センチの正方形をかきましょう

たて6センチ、よこ5センチの長方形をかきましょう

といった問題があります。
算数の単位を見ると頭がこんがらがってしまう子には、
いっしょに物差しを使って図形を描いてから、
手足をつけたり、屋根をつけたりして、動物やお家の絵を描く
という遊びをしていると、
苦手感が薄れて、図形がかけるようになってきます。
イラストをイメージすることで、○センチという長さの把握も
易しくなります。

物差しの使い方を教えるときは、
最初は大人が線を引いてあげ、子どもには「ストップ!!」と
声をかける役をさせると、
理解がはやいです。

LDのある子は抽象的なものはものすごく苦手なのに、
具体的なイラストとなるとすぐに理解できる子がいます。
そのこの得意な部分にアプローチする教え方をするとうまくいきますよ。

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学習障害の子のための考える 思考する練習法

2008-10-19 11:49:09 | 発達障害児に教える基本
前回の記事の続きです。
文字を見ると、考えることをやめてしまう☆ちゃん。
色と視覚的なものを通して、
考える練習をしています。

教材の作り方

5色のお人形か、お人形に色紙の帽子をかぶせたものとさいころを用意します。
名刺サイズの紙に、人形と同じ色の塗りつぶした丸を描いていきます。
いろんな色の組み合わせを作ります。

遊び方

カードを表に向けて置きます。
順番にさいころを振って、さいころの目の回数だけ人形を動かして、
カードと同じ配列に人形を並べられたら
カードがもらえます。

考える力、見比べる力、推測する力が伸びます♪

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かけざんがいつまでたっても覚えられない子

2008-10-19 09:46:59 | LD
かけざんがいつまでたっても覚えられないという子がいます。

そうした子の多くは、身体の動きも取り入れて(筋肉からの情報入力も加えて)
抑揚をつけて唱える
(伝承遊びの歌のリズムで唱えると覚えやすいです)

3いちが3 3にが6
など最初の2つだけ何度も繰り返したりして、
記憶の取っ掛かりを作る。

唱える時に、指で数を作ってみせ、
視覚的な記憶からもインプットしながら覚える

4にが8ブンブン~などだじゃれを入れて
覚えやすくする

九九だけでなく、遊び歌をいろいろ覚えて聴覚の記憶力を上げる

カセットデッキを利用して、オリジナルのかけざんカセットを作って
聞きながら練習する

などの方法があります。
こうしたさまざまな方法を取っていると、知的障害がある子でも、
きちんとかけざんを覚えることができます。

しかし、ごくたまにそうした努力をいくらしても、
家庭でもたくさん働きかけをしてもらっても、
かけざんが覚えられないという子がいます。

3年生の☆ちゃんが、そうした子です。さまざまな働きかけのおかげで、
他の能力はずいぶん伸びてきたのに、
かけざんだけはいつまでたっても覚えられないのです。
☆ちゃんは、お絵かきが得意ですし、お人形ごっこでも
楽しく遊べます。
そうした右脳に関わることは、それほど問題を感じさせないのです。
しかし、左脳の言語野を使って学ぶこととなると
極端に能力が落ちてしまうのです。

そこで、遠回りなようでも、カラーのイラストを使って、
お話としてかけざんを教えていくことにしました。
(九九の暗唱も同時にしています)

写真は5の段です。
5いちが5で りんごがあって、
5に10で 木とお池
5さん15で 木とりんご
5し20で あひるさんとお池
5ご25で あひるさんがりんごを食べて、
5ろく30 で大きなお耳がお池のボチャンという音を聞いて、
5ひち35 で、大きなお耳が りんごのおとだとわかって
5は40で ヨットとお池
5く45で ヨットの上でりんごを食べました。

5の段は最初の部分を少し暗唱できるので、
☆ちゃんが得意な画像を処理する能力
ストーリーを記憶する能力
色への敏感さ
に訴えて、記憶を定着させようと考えたのです。

できないところより、
できることを注目する

という発想の転換が大切だと考えています。


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