ADD?先生の発達障害児 教育応援サイト

ADD?傾向のある塾教師がADHDやアスペルガー症候群の子にどうかかわり教えたらいいのか模索していくブログです。

診断名がつかない子は、発達障害がない子なの? 2

2008-10-09 15:18:10 | 教育論
診断名がついていない子が、
軽くでも軽度発達障害があった場合、
親にすれば、周囲に分からなければいい、大きな問題さえ起こらなければいい
と捉えがちです。

が、本人にすれば、
さまざまな場で、とにかく誤解を受けます。
悪く取られたり、性格がひねくれている、他人をバカにしている、聞いてない、直す気がない、反抗的、などと注意を受けます。
子どもに問題があるのなら、しつけるのは当然、叱る、謝らせる、態度を改めさせるのは当然とおっしゃる方がいます。

それはそうなのですが、問題は、「誤解」がある点なのです。

それと、大人が問題を直させようとしてするアドバイスが、発達障害の子にとっては、間違っているし、役に立ちません…

まちがった指摘をされ続けた結果、
周囲の大人も自分自身も、
本当に当てにならない信用できないものになってしまいます。

誤解というのは、こうした例で例えられます。

目が悪い子が、後ろの席で授業を受けているため、成績が下がってきたとします。
そこで、「気合を入れてがんばりなさい」と叱っても、
ノートをきちんとつけていないことで注意しても、
問題は解決しませんね。
メガネをかけるか、前の席に変えてもらい、
本人が抱えている機能の問題を解決して初めて、
やる気といった心の問題や、
ノートの取り方といった 他の子と同じ指導ができるのです。

診断名がつかない子でも、
発達障害への対処法をしたとたん、
上の例でめがねや席替えをした場合と同じように、
それまでの問題行動がすっかりなくなったりします。
また、それまでずっと成績が悪かった子が、
どんどん伸びはじめたりします。

それと何度も書いているのですが、
発達障害の子には、欠点の分だけ 長所があります。
間違った指導で自信をくじかれるのではなくて、
正しい問題解決の方法を教えてもらって、ハンディーを少しでも克服して、
自分の才能を発揮していきたいはずです。

治療を受けて、良くなりたいから病院に行っているのに、
怪しい民間療法ばかり処方されたり、
心の問題ばかり指摘されたのでは困ってしまいますね。

発達障害について、まだよく理解されていないために、
ハンディーを持った子たちは、大人たちからそうした思い込みからくる
扱いばかり受けて、2次障害を起しています。

これから発達障害の問題が、多くの方に正しい理解をされる
ようになることを願っています。

もう少しくわしく、発達障害への支援と2次障害への対応について
しりたい方は☆NPO京都ハートネットワークの記事も読んでみてくださいね。

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診断名がつかない子は、発達障害がない子なの?

2008-10-09 09:16:36 | 教育論
実際に発達障害の傾向があっても
強く特徴が出ない子の場合、
診断名がつかないことは多いようです。

幼稚園で乱暴したり、集団行動ができない男の子を
ADHDではないか…?と病院に連れて行っても、
「この時期のやんちゃな男の子はみんなADHDみたいなものですよ。
まだ診断はできません。」
と言われたりするようです。
虹色教室に通ってきている高学年の子も、幼児期には診断名がつかず、
その後もはっきりした診断名がつかないまま何度か受診し、
高学年になった今となって
ADHDや広汎性発達障害という診断名がついた子や、
アスペルガー症候群の特徴を強く持っているのに、
幼児期に「ADHD」とだけ診断されていた子もいます。

いったん医者が「発達障害ではない」と診断しているのに、
それでも「発達障害かもしれない」と疑いを捨てずに保留して
何になるの???
と思う方がいるかもしれませんね。

私は自分自身が、子どものころから診断名はつかない程度に
ADDの傾向があるので、
診断名がつかないからと、発達障害という考え方をばっさり切ってしまう
ことの問題点をたくさん感じています。
子ども時代に診断名がつかず、大人になって自分で発達障害の知識を手に入れて
暮らしを整えていってる方々も、共感してくださると思います。

昨日、テレビで、アルツハイマーにかかった画家と、
脳卒中で右脳がほとんど使えなくなり、
そのために左側の世界を意識できなくなった女医さんの
暮らしの様子が報道されていました。
曜日がわからなくなったり、まさかこんなこと忘れるはずが…と自分で
捉えているものが思い出せなくて苦しんだり…
自分の衝動が抑えられなくてかんしゃくをおこしたり、
右にあるものだけ見えて、左にも世界があることをしばしば忘れて
しまったり、
社会の基本ルールが頭から抜け落ちていたり…
その症状は重くて大変です。

重い軽いや、症状そのものはずいぶんちがうのですが、
自分でも「えっ???」という事態に見舞われて
困惑する部分が、
私がこれまで感じてきたADD傾向からくる「困り感」ととてもよく似ていて、
他人ごととは思えませんでした。

アルツハイマーにかかった方が、
「今、何するんだっけ?」「今日は、何月何日で何曜日だっけ?」と、
物忘れをして困惑するシーンがテレビでありましたが、
私は子どものころから、そのレベルの物忘れがしょっちゅうありました。他の人が、日付や曜日を忘れずにいれる方が驚きで…!

ちがうのは、
記憶力を測るテストで、スプーンや腕時計などを机に並べて
布をかけ、何があったか当てるテストの方は、私の場合、
むしろ一般的な人より
得意なんじゃないかとも思いました。

ある面で記憶力良いかと思えば、一方では3歩歩けば全て忘れる「鳥頭」な
もんですから、
何か忘れるたびに、「わざと…」「なまけ」「ルーズな性格」と、
責められていました。
私としては大真面目に、忘れ物やミスをしたくない!と年中気にしていて、
いろんなアドバイスを取り入れてもいるのです。
が、うまくいかないどころか、かえって失敗が増える始末…。

が、大人になって
発達障害の知識を手に入れたとたん、思いも寄らなかった
記憶できなかったりミスが多かったりする原因がいくつかわかり、
それまで何が降りかかってくるかわからない不安定だった世界が、
コントロール可能なものに変りました。

記憶できないものにいくつかパターンがあるのです…
耳で聞いた記憶はダメとか、
書類やカレンダーもADDやADHDの人はここが認知しずらく見落としてしまう…
とかいったことで、
カレンダーや時計を適したものに買い換えただけで、
それまで悩み続けていた問題がすっ~と解決したりするのです。

問題の解決には、
たくさんの気合よりも、たったひとつの発達障害の知識!!!…です。

ちなみにADDの障害を持った人々は 以下の部分のみ 正常に機能しないそうです。
やりかけた仕事を 確実に続ける
先を読んで 手順を考える
雑多な用事の 優先順位をつける
それが、↓
本業が出来るのに雑務が出来ない。
仕事は出来ても 家事が出来ない。

となるのですが、
ADDに対応する知識がない場合、努力しても仕事はできても困った人とならざるえないところ、きちんと知識を学びながら、対応していけば、
雑務や家事もうまくこなせるようになるし、ADDの長所を生かして仕事がしていけるのです。
実際、ADDもADHDも長所はたくさんあるのです。(が、欠点でつまずいて先にいけない人が多い…)
プライドを取るか、社会人としての自立を取るかなら、私は後者を取ります。
自分が発達障害かもしれないと考えるのがイヤだからという理由で、
いつまでたってもあれもできない、これもできないと挫折ばかりして、
人生で実現できることの幅を小さく設定してしまうのはつまらないので…。

いつもだらだら取り留めない文章となっていますが、次回に続きます。

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