前回までは骨盤帯の腸骨にフォーカスして解説してきました。
腸骨の歪みは前述のとおり、3次元方向に変位していきますが、仙腸関節で連結している仙骨も当然腸骨と連動して歪みが起こっています。
仙骨もやはり側屈、前後屈、捻転と同様に3次元に変位していく可能性がありますが、腰椎5番とも腰仙関節と連結している関係性からその腰椎5番、そして腸骨の3方向を事前に矯正するとかなり仙骨も連動して動いていきます。ただ、交感神経が優位な状態が継続し、仙骨神経支配の内科的問題からくる炎症が強く起こると、仙骨の捻転等歪みも大きくギックリ腰を引き起こすことから仙骨の3次元矯正もしっかり行う必要もあります。
ここではそこまでの変位ではなく腸骨等事前に調整した後に残存する仙骨側屈調整について述べていきます。
腹臥位になって術者は仙骨をしっかり固定します(図1)。その状態のまま、膝を伸ばしたまま、股関節からゆっくり左右伸展動作を行います(図2.3)。脚が挙げにくい側の腸骨に仙骨底が側屈、引っかかりが生じ、伸展制限が起こっている証拠となります。
脚が挙げにくい側に仙骨底、つまり仙骨上部が傾いているので、挙げ易い側から仙骨下部の仙骨尖(尾骨側)をじわっと押圧して仙骨の傾きを矯正していきます(図4)。
次回はセルフ対処法をご紹介します。