せんべいとビスケット

昨日、今年初のトライアルの課題を
一応一通り訳し終え、ただ今推敲中…。

今回の課題は、平易な英文のように見えて、
いざ日本語に翻訳してみるとなかなか
表現が難しいという、なかなか厄介なものです。

情景描写が多く、しかも小学校低学年の女の子の
視点から描いている物語なので、
それらしく訳さなくてはならず、訳語の選択が難しいです。

最近気付いたのですが、
子供やティーンエージャーの視点から描かれた物語を
翻訳するのは大変です

何て言うか、その年代からかけ離れてしまっているので、
感情移入しづらいって言うんでしょうかね…。

ついつい、大人のかたい表現になってしまうんです。
翻訳修業でも自分のトシを思い知らされる今日この頃…

でも自分が何歳であろうが、
その物語の登場人物の年代に合わせてスッと
感情移入をして訳せるのが、『プロ』の翻訳者
なんでしょうね。

私は、まだまだです…

9月に提出したトライアルは、
小学校高学年の女の子が主人公だったのですが、
やはりその年代に合った訳語の選択や表現ができず、
『原文の理解度』は『B(上から2番目)』の評価だったのに、
『語彙と表現』は『D(下から2番目)』という評価でした…

要するに、『物語の内容は理解しているけれど、
小学校高学年の女の子らしい表現はできていない』
って事ですね。

ここが翻訳の難しいところのひとつです。

いくら英文を理解していても、
その物語の背景や登場人物の年齢や性格、またその物語を
読む人の年齢層も考慮したうえで、それに合わせた日本語で
表現できなければ、翻訳者としては落第なのです。

「翻訳は、ただタテのものをヨコにする作業ではない」
とよく言われますが、

その通りだと思います。

今取り組んでいる課題でも、
『自分が小学校低学年だったら…』と一生懸命想像して
慎重に訳語を選択しているつもりなのですが、
推敲してみると、やっぱり『せんべい』のようにかたい。

『ビスケット』
のように、
サクッとやわらかい訳文にしなくては…
今回の推敲は、いつも以上に難航しそうですが、っす!

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