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世界と日本のボーダー文化

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ロベルト・コッシーのサッカー部長日記(2)

2015年04月16日 | サッカー部長日記

4月11日(土)

 このところ、冬に逆戻りしたかのように、肌寒い日がつづく。

 きょうも、昨夜からの雨が残っている。お昼すぎには雨も止み、曇りになるという予報。試合は1時50分より駒沢競技場。対戦相手は法政大学。昨年二部優勝、総理大臣杯準優勝のチーム。

 7時すぎに家を出て、電車で北千住へいき、喫茶店で朝食をとりながら、たまった原稿を書く。そこから、電車で駒沢大学駅に向かう。サッカー部の学習支援を担当してくれる鬼山暁生君(大学院文学研究科2年)と待ち合わせ。駅の近くのレストランでランチを一緒にとる。

 競技場で栗田大輔監督をはじめスタッフ全員に鬼山君を紹介する。スタンドにあがると、前部長の別府昭郎先生も観戦にこられている。別府先生にも鬼山君を紹介。

 控え室に戻りミーティングに参加。きょうの監督のテーマは「圧倒」。学生たちの「テーマ」は「油断するな」。

 メンバー表を見ると、センターバックの山越康平君(政経学部4年)の名前がいない。トレーナー宮本康良さんによると、膝を怪我したらしい。その代わりに、工藤将太朗君(商学部4年)がリーグ初出場。

 試合は、前半に左サイドバックの高橋諒君(文学部4年)がゴールラインぎりぎりに、さかんに切り込みをはかり、センタリングをあげるが、ゴール前の選手と合わない。両チームとも譲らず、ある意味膠着状態。

 ハーフタイム前に、FWの藤本佳希君(文学部4年)がゴールを決める。小谷光毅(政経学部4年)からの絶妙のロングパスを受けて、ドリブルでディフェンスを振り切りシュート。

 後半の開始直後にも、藤本君がこの日2点めとなるゴール。道渕諒平君(農学部3年)がドリブルでしかけ、ディフェンスにひっかかったところに、あとを追っていた藤本君が絡み、そのままドリブルでゴール前に直進。彼にとっては容易な(と思える)フィニッシュだった。もはや誰も機関車のような藤本君を止められない。

 このゴールで安心したわけではないだろうが、法政に立て続けにいいクロスをあげられ、あわや!という危険なシーンが訪れる。ベンチは、選手交替のカードを切る。後半19分に小谷光毅君に代えて、土居柊太君(政経学部2年)を投入。70分に、法政の西室隆規君(鹿島ユース出身、4年)の左足の見事なフリーキックで1点を奪われる。2-1に。明治は守勢にまわり、試合が落ち着かなくなる。73分に、ベンチは道渕君の代わりに木戸皓貴君(文学部2年)を投入。その数分後に、木戸君がドリブルで突破したあと、左足で見事なシュート決めた。木戸君、きょうも途中出場で、ゴールを奪う。藤本、木戸のドイツ文学コンビ炸裂である。

 これで試合が終わってくれればいいのだが。87分、後半から入った法政の高田一輝君(川崎ユース、3年)がゴールを決めて3-2。接戦に持ち込まれてしまった。だが、3分のインジュリータイムをなんとか凌いで辛勝。勝点3をゲット。

 奇しくも初戦とおなじ、3-2になった。

 八谷惇希君(政経学部3年)の試合後のコメント。「キーパーなので、セットプレーで点を取られるのが一番悔しい。無失点なら負けることはない。無失点で勝ちたい」

 接戦をものにすることで、選手はタフになる。厳しい環境を生き伸びるために、ある種の知恵を獲得する。

 キューバの革命の闘士、フィデル・カルトロも言っている。

「旋盤が金属片を削るように、いろいろな困難が人を形作っていく」*(1)

 註(1)イグナシオ・ラモネ(伊高浩昭訳)『フィデル・カストロ みずから語る革命家人生』(岩波書店、2011年)

(上)試合前の応援席 (下)試合後の応援席(選手の後ろに別府先生と鬼山君の姿も)

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