『おさん』の中には、二人の女が出てくる。おさんと、おふさ。
おさんは、作りやすいのだが、おふさが、どうにもうまく作れない。
しっかりものを前に出すと、かわいい部分が、出来なくなる。例えば…
朝顔を見つけて、その朝顔の蕾が開くところを見たと、参太に報告する場面。
「九月に朝顔が咲くのか」
「小さいの、これくらい。それがまるで生きているみたいに、いやだ、生きているんだわね」おふさはくすっと笑った、
「くるくるっと、こういうふうにほぐれるの、巻いている蕾がくるくるっとほぐれて、先のところに ほころびができるの、着物の やつくちみたいに、ひょっと ほころびができたと思うと、それがぱらぱらっとほどけて、ぽあーっと咲くの、――なにが可笑しいのよ」……
ここで、止まってしまいます。読んでいて、ああっ可愛くない!! と笑っちゃうくらい、気持ち悪い女になるのです。オカマみたい?
しっかりもののまま、このせりふを言わねばならない。可愛い女にすると、おさんになってしまう。おさんとの違いを鮮明にするためには、オカマにならずに、可愛い女になる方法を探るしかない。ひとりで稽古していると、こんなところで、固まってしまうのです。解決の糸口が見つからない、よぉ
おさんは、作りやすいのだが、おふさが、どうにもうまく作れない。
しっかりものを前に出すと、かわいい部分が、出来なくなる。例えば…
朝顔を見つけて、その朝顔の蕾が開くところを見たと、参太に報告する場面。
「九月に朝顔が咲くのか」
「小さいの、これくらい。それがまるで生きているみたいに、いやだ、生きているんだわね」おふさはくすっと笑った、
「くるくるっと、こういうふうにほぐれるの、巻いている蕾がくるくるっとほぐれて、先のところに ほころびができるの、着物の やつくちみたいに、ひょっと ほころびができたと思うと、それがぱらぱらっとほどけて、ぽあーっと咲くの、――なにが可笑しいのよ」……
ここで、止まってしまいます。読んでいて、ああっ可愛くない!! と笑っちゃうくらい、気持ち悪い女になるのです。オカマみたい?
しっかりもののまま、このせりふを言わねばならない。可愛い女にすると、おさんになってしまう。おさんとの違いを鮮明にするためには、オカマにならずに、可愛い女になる方法を探るしかない。ひとりで稽古していると、こんなところで、固まってしまうのです。解決の糸口が見つからない、よぉ
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