気晴らしの素

　人も何十年か生きてくると、人の生というものが面白おかしいものだけで構成されているのではないということがわかってくる。楽しいことときびしいこと、嬉しいことと悲しいこと、あたたかいことと寒々しいこと、対照的なさまざまなことがらが雑多にめぐってきては通り過ぎていく。
　その中で、それぞれのことを明るく受け止めるか、暗く受け止めるかで、その人の幸福感が異なってくるのだろう。
　人生も半ばぐらいになると、若い頃にあった熱しやすい何かが少なくなってくるようでもある。そうすると冷たくもないが熱くもない、飲んでも飲まなくてもいいようなスープのような、味気ない日々が続く可能性がある。というか、時々ふっとそんな寂しい心の風が吹くときがある。
　そんなとき、いかんいかん、もう少し熱くならないと。パワーを生み出さないと、自分を鼓舞し励ましたりする。
　虚構でもいい。自分を元気にするもの。そういうものが必要であるなあと思う。
　おばちゃんたちが、いい歳をしてスターのおっかけをしたりしているのを横目で見て、溜息をついていたりしたが、最近、あれはあれでよいのだ、と思うようになった。
　うすうす半分自分でも、「演じている」ことがわかっていても、それをすることは楽しいことなのだ。醒めた目ですべてのことを観てはいけない。もちろん、そういう視点も必要だが、時には頭が熱くなって、理性的ではないなと思うことでも、何かに夢中になるということが大切だなという気がする。
　これだけ、背景を語っておいて言うのもなんなのだが、最近の私の「偶像」はある女優だ。名前はもったいないから言わない。まあ、このブログを読んでいる人には一目瞭然だ。
　それだけ言うのに、長い長い背景説明をするのだから、おじさんにはなりたくないなあ。

　けれども、とにかく、おじさん、彼女に「恋」をしていると言っても過言ではない。
　ああ、二十年前に、会いたかった。（アホか。笑）

　・・・ハグハグ。