ミゾカクシとサワギキョウ

２日にわたって、やんたん散歩の様子をご紹介しましたが、その散策途中で出会ったこの花。
そう、ミゾカクシ（キキョウ科ミゾカクシ属）です。


昔は田んぼの畦などに普通でみられ、珍しくもなんともない花でした。
ところが、田んぼ自体が少なくなり、除草などの影響もあって、ここのところ全然見ていませんでした。
上の写真は行きに撮った写真、まだ気温も低く生き生きしていますが、帰りには・・・
ちょっと暑そうな感じになっていましたね。


でもそれ以外にちょっと気づいたことが・・・
ミゾカクシの５枚の花弁の上にまるで潜望鏡のように突き出した部分・・・
ここがミゾカクシの蕊です。５本の葯が集まって筒のようになっています。
上の写真は、筒が閉じて先から少しだけ毛のようなものが覗いています。雄性期です。

一方、下の方の花は葯筒の先から花柱が覗いています。雌性期です。


雄性期の花に虫が止まると、先から出ている毛に触れて花粉がぱふぱふ出てくるそうです。
で、それが雌性期の花の柱頭について、受粉するというしくみ。

同じミゾカクシ属（ロベリア属）のサワギキョウも同じ仕組みで受粉します。
昔の写真をひっくり返して探してみました。
雄性期の花。葯筒から毛が出ているのが見えますね。


一方、こちらは雌性期。二裂した柱頭が見えています。


え、見えないですか？　しょうがないな～トリミングしてみました。
左が雄性期、右が雌性期です。
　

こちらはせっせと花粉を運んでいるハチ。マルハナバチが主な媒介者だそうです。


最後は、同じく雄性期と雌性期があるゲンノショウコ。
湯屋谷で撮った写真、たまたま隣同士で雄性期と雌性期の花だったので、ご覧くださいませ～


今日は雌雄同花だけれど、雄性先熟のお花をご紹介しました～

【撮影：2020/8/29　宇治田原町湯屋谷地区、2019/8 六甲高山植物園】