甘酸っぱい日々

面白くても何ともならない世界で 何とかしようとする人達のために

2014年ライブ総括&みなさまへの御礼

2014-12-31 18:30:52 | Weblog
<1月>
5日 BEST9 ~ネタとコーナー~
17日 うしろシティのライブ
25日 さらば青春の光トークライブ おでかけさばのゆ
26日 ジューシーズライブ『元を正せば新鮮コンピューター大っ嫌い!』


<2月>
12日 さらば青春の光トークライブ 職務質問
13日 さらば青春の光ふぁいなるプレゼンツ 東口バンドデビュー
28日 さらば青春の光東口企画ライブ「ぐっちり」


<3月>
8日 さらば青春の光トークライブ 職務質問
18日 ライスドキャスト
29日 さらば青春の光 全国コントツアー『外回り』 静岡公演


<4月>
27日 BEST9 ~ネタとコーナー~ Vol.2
28日 血塗られた放課後の仲良しクラブ
29日 人前でまだ1,2回しかやったことないネタをやるライブ


<5月>
5日 山里亮太の不毛な議論プレゼンツ さらば青春の光単独公演おまけつき
10日 さらば青春の光全国コントツアー 『外回り ツアーファイナル ~帰社~』
11日 さらば青春の光全国コントツアー 『外回り ツアーファイナル ~帰社~』
17日 さらば青春の光トークライブ 職務質問
18日 さらば青春の光 ザ・森東2014年外回り報告会
24日 うしろシティ第5回単独ライブ 『それにしてもへんな花』
31日 月極コント批評 #5
    神保町花月『甚雨』


<6月>
20日 さらば青春の光ネタライブ「まっさら」
22日 BEST9 ~ネタとコーナー~ Vol.3
28日 ライスドキャスト


<7月>
5日 月極コント批評 #7
11日 神保町花月『ロシュ・リミット ~奇抜探偵・四条司の婉然たる面影~』  初日
17日 神保町花月『ロシュ・リミット ~奇抜探偵・四条司の婉然たる面影~』  千秋楽
20日 さらば青春の光 GEKIBA JACK(1部・2部)
    ジューシーズのわくわくのんびりツアーズ
21日 ライスドキャスト
29日 ライストークライブ『耳愛撫』
30日 トッパレ


<8月>
9日 さらば青春の光単独ライブ『野良野良野良』
10日 さらば青春の光単独ライブ『野良野良野良』
11日 ライストークライブ『耳愛撫』
14日 賞レースもうすぐ2回戦ですねライブ
21日 血塗られた放課後の仲良しクラブ
22日 Simple Set Party
24日 ジューシーズの脱出ゲーム
28日 キングオブコント2014 2回戦 東京2日目
29日 キングオブコント2014 2回戦 東京3日目
31日 BEST9 ~ネタとコーナー~ Vol.4


<9月>
1日 さらば青春の光コントライブ「ごっそり」
9日 キングオブコント2014 準決勝1日目
13日 ジューシーズ単独ライブ『個人的ウサギ跳びTV』
28日 ライストークライブ『耳愛撫』


<10月>
9日 しもきた大旋風
26日 BEST9 ~ネタとコーナー~ Vol.5
28日 漫才5・コント5


<11月>
2日 法政大学学園祭お笑いライブ
    神保町花月『斜本』
5日 しずるのトークライブ
23日 CONTE人
30日 ライスドキャスト


<12月>
11日 犬の心単独ライブ『冬犬』
12日 しもきた大旋風
18日 ライスドキャスト
22日 ライストークライブ『耳愛撫』
28日 BEST9 ~ネタとコーナー~ Vol.6
29日 ロシアンモンキー・マキシマムパーパーサム解散ライブ『スパイダーおかんがハゲとるやないか!』



本年のライブは60本でした。
今年の最初の方は、もろもろ忙しくて全然ライブに行けなくて、今年は大幅に減るだろうと思っていたのですが、
こうやって書き出してみると、ひと月に10本とか行ってる時もあるので、結局あまり変わりませんね(笑)
行ける時と行けない時の差が激しいことがよくわかる(笑)

今年はとにかく、BEST9の存在が私の中でとても大きいです。
「小粒揃いの9期」と言われていたあの9期が、今やそれぞれのフィールドで堂々と大きく活躍して、
このメンバーが集まるところが二ヵ月に一度見れたなんて、本当に幸せだったなと改めて感じています。
9期は今年で11年目。
それぞれに、いい時も、悪い時もあって、
でも誰かの調子が悪い時は、誰かがそれを拾って、笑いに変えて、
また次へと進んでいく。
そんなところが見れるから、だから9期が好き。
12月のBEST9の感想、今年中に書いておきたかったのですが、終わらなかったので、
続きはまた年始に(笑)

今年は解散するコンビが本当に多くて、
今見れる幸せが、当たり前のことではないってことを、何度も思い知らされました。
「何でもないようなことが幸せだった」と、後から言うのは悲し過ぎるから、
「何でもないようなことが幸せだ」と、今この時に何度でも言うよ。
ファンにできることは、何もなくても、
一つひとつのライブで「面白かった」「楽しかった」と言い続けることが、
少しでも芸人さんの支えになったら嬉しい。
だから、こんな変なブログを7年続けてきたし、
8年目も続けることにします。

今年こんなブログへ来て下さった皆様、読んで下さった皆様、大変にありがとうございました。
よろしければ、来年もお付き合いください。



2年間夢中で追いかけたあるコンビの話

2014-12-31 03:00:46 | Weblog
今年中に書いておきたいと思ったので、勢いで仕上げておきます。
深夜のひとりごとです。
ご了承ください。



私は大体、2年とか3年おきくらいに、好きなものが移り変わる周期がある。
新しく好きになったものがあると、最初の1年は結構夢中で楽しくて、その人の情報を調べたり、ネット上のレポを熱心に探して読んだり、そういうことを楽しくやっている。
でも、1年半~2年くらいしてくると、好きな人の嫌な面も色々と見えてくる。
好きだからこそ、よく見るからこそ、
直してほしいところとか納得できないところが出てくる。
そこを、どう自分の中で、折り合いをつけていけるか。
適度な距離感を保てるか、自分なりに理由をつけて納得できるか。
それができれば、ひと山越えたという感じで、またしばらく好きな時間が続く。
そんな感じのことがずっと続いているのが、私の人生です。
で、2012年の10月くらいに本格的に好きになり始めたあるコンビ、もうすぐ本格的に好きになって2年ということで、そのひと山がくるというタイミングで、
あー、私、多分ここは越えられないなぁと思っている、
という話です。


詳しくは知らない。視聴者側、ファン側に来る情報は限られてる。
だから一概に悪いと言いたくない気持ちもある。
けれど悪いのは事実だから仕方ない。
ただ、そういう事実関係は関係なく、「世間の目」というものがあると思うのだ。
世間は間違いなく、向こう側に同情するし、彼のことを冷たい目で見るだろう。
つい数時間前まで放送されていた番組もそうだった。
世間様を敵に回して、多くのお笑いファンからも「さすがにないわ」という目で見られて、
ただでさえ未だに前の事務所とは確執があって、
そうやって、あらゆる人を敵に回してる人達のことを好きで居続けること、
はっきり言ってもう無理だ。
水面下で繰り広げられる、双方のファンの主張戦、情報戦、
直接リプライはしないけれど他ファンの価値観を否定するような雰囲気、
そういうのにもう疲れてしまった。
好きになるのは一瞬だ。
でも、好きで居続けるのは本当に難しい。

そもそも、彼らのことを純粋に、なんの曇りもなく応援できていたのなんて、2012年の後半から2013年の1月中旬までの、たった4ヶ月ほどだった。
それからは、ただ怒涛の日々だった。
彼らの決断と置かれた状況を理解して、着いて行くのに必死で、
私自身の考えとは合わないところがあったとしても、そこはあまり気にしないようにしてライブに追いかけた。
それほど、コントは面白かったから。
でも、やはり見続けていると、ネタ以外のところで、嫌なところ、直したほうがいいところ、納得できないところが色々出てきて、
少しずつ歪みがあらわれていたのかもしれない。
私が、そういうのを気にしない人間なら良かったのだろう。
「私生活はどうでもいいから面白いコントが見たいだけ」と割り切れればいいのだろう。
それとも、「何があっても応援する」といった、すべてを受け入れ肯定するある種の盲目的なファンならばいいのだろう。
でも私にはそれができなかった。
頭では、「私生活がどうであろうが私は何もできないんだから、これまでと同じようにライブを見に行けばいいじゃないか。コントを見れなくてもったいないのは自分だよ」と思っている。
頭では割り切ってる。
けれど、心がついていかない。
心は、「こんな人のことを応援するなんて無理だ」という信号を出し続けている。

頭と心が一致しないことは、2年ほど前にもあった。全然内容は違うのだが。
好きな芸人が結婚した。
頭では、別に結婚しようがなにも変わらないんだし、これまでと同じようにファンを続ければいいと思っていた。
頭ではわかってる。けれど心がついていかなかった。
寂しくて、ショックで、動揺して、ライブに行けなくなって。
そんな自分がバカらしくて、早くライブを見に行きたい、ファンに復帰したいと思っていたのに、結局すぐにはできなかった。
頭と心が別の方向を向いている。
そういう時は、もう、時間が過ぎるのを待つしかないのだと、悟った。
世の中には、時間でしか解決できないこともあるのだと、身にしみてわかった。

2年前のことを、冷静に捉え、色々な絡まった感情をほぐすことができるようになったのは、今年のことだ。
だから、今のこのモヤモヤも、葛藤も、どんなに焦ってもすぐに解決するのは無理だ。
本当は、離れるのは残念だけど。
すぐにファンに復帰できるならしたいけど。
単独すら行かないなんてもったいないのはわかってるけど。
しばらく時間が経ったら、また会えたらいいな。

色々書いたけど、怒涛の日々だったけど、2012年の後半~2014年の前半までの2年間、
本当に楽しかったから、そこに恨みや後悔はありません。
さらば青春の光さん、
まあ、また、2年後くらいに。

ロシアンモンキー&マキシマムパーパーサム解散ライブ「スパイダーおかんがハゲとるやないか!!

2014-12-30 00:00:00 | ライブ感想♪
ロシアンモンキーとマキシマムパーパーサム。
ともに、東京NSC出身の6期生。
芸人から愛され、お客さんからも愛され、東京よしもとのお笑い界に欠かせない存在だったこの同期の二組が、2014年12月29日、合同で解散ライブを行いました。
タイトルは、二組の代表的なネタを合わせた、「スパイダーおかんがハゲとるやないか!!」。
会場には、多くのお客さん、さらに芸人仲間も集まり超満員。
正直、この日を迎えるのが寂しくて仕方がありませんでした。
けれども、ライブが始まると、ひたすらふざけて、しんみりする時間すら取ってくれない二組。
オープニングVTRでの
『最後に涙とかそんなのいらねえ 笑って終わろうじゃねえか』
という言葉通り、やりたい放題の舞台に、全編通して笑いが絶えませんでした。
オープニングでは、ロシモンすーなかが、なぜか当たり前のようにテーブルクロス引きに挑戦し、成功しそうな片鱗も見せずあっさり失敗。コンビそれぞれのネタでは、キレキレの「ハゲとるやないか!!」を見せるマキパー、「みんな~」の言い方だけで延々としつこくボケるロシモン。
ロシモンのネタが終わると突如銃声が鳴り響き、なぜか撃たれるすーなか。その銃撃を止めようとして舞台に上がったチーモンチョーチュウ菊地は、音楽が流れ出すとブレイクダンス。そして、結婚していたことを3年間黙っていた件について謝罪させられる菊地。平成ノブシコブシ吉村も乱入し、ライブを見ていた芸人仲間をクズ呼ばわりし、「オレ売れてんぞー!」と絶叫。途中の「くじで席番号を引き、そこに座っていたお客さんに特技を披露してもらいプレゼントをあげる」というコーナーでは、元アームストロングの栗山が一般人のように舞台にあがり、懐かしの「所沢肛門病院」のギャグを披露します。
二組がネタ準備中の幕間をつなぐイシバシハザマ、セブンbyセブン、ピクニック。突如始まる、相席スタートを交えた6人のユニットコント。主に竹内健人、ブロードキャスト!!房野を中心とした仲間の芸人達のツッコミのヤジ……。
これ、全部、2時間のライブの中での出来事です。しかも全然書き尽くせていない、これでもほんの一部。
なんて濃いライブだったんだろう。改めて見ても思います。
最後まで、ひたすらしつこいボケと茶番の数々。本当に楽しかった。「いつも」のロシモンらしさ、マキパーらしさが詰まっていました。
だからこそ、「いつも」そこにあると思っていたものが、「いつも」ではなくなる瞬間。
最後のロシモンの漫才、「桃太郎」を見ながら、今まで何十回と見てきたこの鉄板のネタが、明日からは見れなくなるんだと実感した瞬間。
そこで、思い出したように、寂しさをひしひしと感じてしまいました。

ライブの中で、特に印象に残っているシーンがあります。
それは、サカイストとブロードキャスト!!が、二組に感謝の手紙を書いてきたのでそれを読みあげるという企画でのこと。
企画の冒頭こそ、真面目な雰囲気になるんじゃないかと思っていましたが、全くそんなことはなく。
ブロキャス房野は、手紙を読みあげている間、ボイスチェンジャーで声を変えられ、ワイドショーのインタビューに答える関係者みたいになる。ブロキャス吉村は、読んでいる途中に曲が流れ始め、手紙をそっちのけで歌い出す。サカイストまさよしの時には、BGMが大き過ぎて全然内容が聞こえない。ほんっとに、ひとっつも真面目にやらないライブです。
そんな中、ヤジっている芸人仲間から、「最後の砦だよ!」などと言って送り出されたデンペー。
満を持して手紙を読み始めますが、「つよしは、一緒にプールに行く時に、必ずマクドナルドが食べたいって言うよね。あと、一緒にスロットに行ったりもしたね。」などと、絵日記のような文章、しかも棒読みの読み方で、大いに笑わせます。
しかし、そんな小学生の作文のような文体ながらも、「ノブは舞台上でポジション取るのが上手かった」「川口くんは、リーダー気質があり、甘えん坊。そんな川口くんが僕は好きでした」など、仲間のことをしっかり見ているデンペーにぐっときました。
そして、シメの一言。

「ねえ、ぼくのワガママを聞いて。これからも、4人のお兄ちゃんでいたいよ。」

ここで、私はなんだか我慢できなくなって、涙があふれてきてしまった。
芸人仲間からは、「お兄ちゃんでいろよ、勝手に!!」「SMAPの森くんの手紙を意識してるのかよ!」などとツッコミが飛んでいて、そのヤジに耳を傾けて大笑いして、それでも私は泣いていた。止まらなかった。
デンペーは、兄弟コンビであるサカイストのお兄さんだ。でも、それと同時に、芸歴が比較的上の方だということもあって、多くの東京吉本芸人にとってのお兄さんのような存在なのかもしれない。
ツッコまれても、うとまれても、めんどくさがられても、いつも弟のことを大切に思う愛情が垣間見えた気がして。
そして、それはロシモンとマキパーが解散しても、続くものなんだなぁって。
もちろんデンペーだけじゃありません。

『ロシアンモンキー、マキシマムパーパーサムの解散ライブが終わり二組は地球上から消滅しました。14年間ありがとう!そしてこれからもよろしく 』(グランジ佐藤大のツイートより)

『ロシアンモンキー、マキシマムパーパーサムの新しい門出に乾杯!素晴らしい二組でした!ロシモン!マキパー!せんきゅっそ!!これからもよろしく。』(ブロキャス吉村のツイートより)

これから進む道は違っても、この先もずっと仲間だと、そんな思いをみんな持っていたのではないでしょうか。
ライブ全体を通して感じた、二組が今まで築いてきた関係性。その温かくて強い絆に触れ、私は思わず涙するほど心が動かされました。

よく、売れている芸人さんや放送作家さんとかが、「本当に面白い芸人であれば時間がかかっても必ず売れる」という意味合いのことを言っているのを聞きます。
でも私は、今まで6年近く東京のライブシーンで芸人さんを見てきて、そういう実感がありません。
もしかしたら、その芸人さん達が売れ始めた時代は、実際にそうだったのかもしれません。
でも今は、テレビやお笑い以外にもたくさんの娯楽がある。長時間労働で娯楽に割く時間が減ってきている。
何より、先行きに不安感が増す日本社会の中で、新しいお笑い芸人に対する寛容さが無くなってきて、もう「テレビで売れる」ことができる枠は残っていないような気すらします。これはいち視聴者の体感ですが。
今はもう、「面白ければ必ず売れる」時代ではないよ。
寂しいけれど、本当は辞めてほしくないけれど、14年間も頑張って来た芸人さんに対して、先の保証もないのに「もっと続けて」とは軽々しく言えません。
だけど、それが無駄な時間だったかと言われれば、絶対にそんなことはない。
「テレビ的」に売れることができなくたって、舞台上で、お客さんを強い力で引きつけて、常に私たちを楽しませ続けてくれた二組。
テレビに決して負けることのない熱量が、そこにはありました。

ロシアンモンキー、マキシマムパーパーサム、今まで本当にお疲れ様でした。
最後に集大成のライブを見せてくれて、本当に楽しかったです。
これからも、それぞれの道で、それぞれが出会った人を笑わせ続けてください。
きっとそれが、みなさんの14年間を、さらにゆるぎなく輝かせてくれることになると、勝手ながら思います。

BEST9 ~ネタとコーナー~ (14/12/28)

2014-12-29 23:26:00 | ライブ感想♪
***
『BEST9 ~ネタとコーナー~』
12/26(日)13:30~ @ヨシモト∞ホール
囲碁将棋、エリートヤンキー、えんにち、しずる、ジューシーズ、天狗、ゆったり感、ライス
***


隔月でやってきた東京NSC9期生のライブ、BEST9。
通算6回目、本年最後の回に行ってきました。
本当に楽しくて楽しくて、2014年の最高の思い出になりました。
全体の流れをざっと。
特に企画に関しては、私の好みのところだけ好き勝手に書き残していきますので、ご了承ください。




・OPMC しずる
グレーのセットアップで決める村上さん、
黄色のパンツにいつもの顔Tシャツ、そしてその上に黄色のジャケットを羽織っている池田さん。
セットアップで揃えた?なコンビしずる。
村上「この黄色のジャケット、合わせるの難しくないですか?」
池田「難しいとか難しくないとかで服選んでないから。オレは、価格!」
村上「じゃあこの服は価格の集合体ってことですか?」

ここから一気に8組のネタ披露。



・エリートヤンキー お見合い
 見る度にみのちゃんのキレが増している感じがしたなぁ。
 テンポよくてすごく面白かった。
 でも西島さんが何であんなに上手くできないのかわからなくて、そこの理由だけほしいと思っちゃった。
 フリに一言でもいいから何か入れて欲しい。


・天狗 おかしな言い方
 「健康に気をつけたい」という導入はもはや全然関係なくなってくるネタ(笑)
 2人ともすごくノリにノってる感じがして楽しかったなぁ。
 1位でもよかったんじゃないかってくらいの沸き具合。
 しかし、「EE JUMPのおっととっと夏だぜ」というワードがわかる人って、あの場にどれくらいいるんだろうか(笑)
 私くらいの年齢がギリだよ(笑)


・ジューシーズ 爆弾処理
 いいネタなんだけど、せめて導入のセリフはもうちょっと一字一句ちゃんと決めて、ちゃんと振ってください(笑)
 それが出来ればあとは好き勝手でいいからさ(笑)


・ゆったり感 英将をください
 懐かしいネタだなー!
 数年前のAGEAGE(ばちーん?)で見た記憶があるのですが、その時よりも数段面白かった。
 つっこんでる江崎さんのワードとか表情にバリエーションが出たことが大きいのかなぁ。
 やっぱり、人柄が見えてくる方が私の好みなのかもしれない。


・えんにち 一流のヤクザになりたい
 編み物が得意なアイパーさんが、自分で編んだブローチをつけてきたり、
 アイパーさんが編んだネクタイを望月さんが普通につけて登場したり(一見すると手造りとは思えないクオリティ)、
 もうキャラの濃さがすごい(笑) 素敵です。
 ネタもとても良かった。
 フリボケがしっかりしていてわかりやすいし、
 それでいて単調な感じにならないのがいいですね。


・囲碁将棋 人によっては怖い話
 やっぱり囲碁将棋の魅力って、こうやって語ったり状況説明が長い場面でも、
 ごちゃごちゃせずにすごく聞きやすいところだなぁと思ったり。
 文田さんの落ち着いた語り口で、情景が目に浮かんでくる。
 「怖い話」というありがちなテーマながら、ちょっと意地悪っぽい理屈を展開してくる 囲碁将棋らしさも健在で、
 とても斬新なネタに仕上がっていたと思います。


・ライス 拷問
 この日の10日前にやっていたライスドキャストで初おろしのネタ。
 10日間で、細かいところをばっちり修正してきていて、さすがだなと嬉しくなりました。
 関町さんのセリフもだいぶ削ってきて、不自然じゃない程度になっていたと感じたり。
 ただ、最後の、関町さんが仕組みに気付くところ、観客側にももうちょっとヒントがほしいよなー。
 ライスドの時よりもだいぶわかりやすくなったけれども。
 とはいえ、本当にすーっごくウケてました。
 狙い通りにお客さんが反応してくれているのを見るのは気持ちがいいですね。


・しずる びっくり先生
 このBEST9は今回で6回目ですが、コント師勢はそれぞれ持ってくるネタの方針が顕著にあらわれていて。
 (「コント師勢」と書いたのは、私がふだんあまり漫才師勢を見に行かないからで…すみません)
 ライスはだいたい直近でやったライスドキャストのネタから、
 ジューシーズは単独でやったネタの中から、
 そしてしずるは、「過去の名作をもう一度」というコンセプトなのかなぁと思っています。
 枠とか、同窓会とか、そして今回のびっくり先生。
 せっかくだから、「今」のしずるのネタが見たいという気持ちも正直あるのですが、
 それでも、こうやって改めて過去の名作を見ても、その衰えなさにびっくりする。
 びっくり先生なんて、何周も何周もして改めて本当に面白いもんなぁ(笑)
 これは、しずるの元々のネタのクオリティがとんでもなく高いこと、台本自体が面白いことに加えて、
 二人が日々進化を続けて、改良を続けているからなんだなあと。
 「何度見ても面白い」というコントは、天才的なひらめきと、日々の努力が合わさらなければできないものじゃないかと感じました。



★コーナー クイズ!プレイバックBEST9
MC:天狗

毎回MCが変わり、そのMCが企画を考えるコーナー部分。
今回のMCは天狗。
そしてコーナーの内容は、9期は来年でもう12年目なのでそろそろ初心に帰ろうということで、
NSC(養成所生)時代のライブ(up!up!)、そしてNSC卒業の時のライブの映像を見ながら、
その時々で出題されるクイズに答えるというものでした。

・並び順は下手側から、天狗・ライス・いごしょ・えんにち・ゆったり感・エリヤン・ジューシーズ・しずるという感じ

・天狗のMCをひたすらボケ続け邪魔し続け、全然問題に行かせない9期生たち

・始めの問題は囲碁将棋のup!up!の映像
 ひたすらチャラい二人、今と全然キャラが違う文田
 自分の映像を見て崩れ落ちる文田

・西島「この頃から肛門のネタとかやってたの?」
 いごしょ「そんなネタないよ」
 ウケたかどうか以前に、ネタの存在を抹消しようとする

・回答はコンビで一つなので、問題ごとにコンビ内で回答者を変えるためにフリップとペンを渡すが、
 その交代する人達の何気ないしぐさに何だか萌える

・思い切り自分のひざに乗せて回答を書いていた文田の肩を隣の田所が叩き、
 小声でおそらく「そんな書き方したらお客さんに全部見えるぞ」というようなことを言って顔を見合わせて笑っていたところ萌え

・みんな気楽に回答を続ける中、一人だけ勝手にストイックな大喜利を続ける児玉

・エドはるみよりずっと前に「グーググー」を先取りしていた川田

・エリヤンについての「卒業公演で二人の服がかぶってしまいました、どんな服装だった?」というような問題で
 「わかった」「絶対大丈夫」となぜか自信満々の田所。
 その回答は『宇宙服』
 客席の芳しくない反応に、田所「もっとウケると思った」「あんなに振ったのに」

・ライスの映像で、あまりにも痩せている関町に客席から悲鳴。
 橘「今と全然違うじゃん!これだったら、今同窓会とか行っても気付かれないでしょ?ってオレが言うことじゃないけど」

・ネタは相変わらずの安定感のウケ具合

・ライスの問題、トーク部分で田所が「僕達一緒に住んでるんですけど、そこの大家さんが~」この後何と言った?という問題。
 ところがライスは一緒に住んだことはない。
 ボケのつもりで言ったが、それが全然ウケなかったためスルーしたのではないか

・ライスの問題で、池田「多分知ってるな」 村上「何か聞いたことあるよな」と言い合うしずる

・横山の「ライスっぽい答え」というヒントから、西島「グロい系?」

・メンバーの回答
 橘『ホモなので僕ら体で家賃払ってます』
 全員「うわー!!ありそう!!」
 根建『大矢さんが実は横浜の監督で忙しい』
 全員「これは太一の答えじゃん」
 村上『実は、大家さんが鮭で…』「イクラを生んで~とか」
 全員「わかるー!」「言いそう!」

・「みんな、全然オレらのことわかってない!」という田所の回答
 『百目』
 客席ノーリアクションで芸人だけ大笑い
 (ちなみに答えは『いつも覆面をかぶっている』) 

・ゆったり感は驚くほど痩せている中村と、信じられないほど大きなアフロヘアーの江崎に客席から悲鳴。

・ゆったり感の問題「この後、江崎がギャグをやりますがそれはどんなもの?」
 太一『江崎、山崎、犬吠埼!』
 全員「ありそうー!」
 池田『江崎、高崎、群馬にあるところ!」
 群馬にあるところ(笑)

・西島「昔、『やる気、元気、江崎!』ってやってたよね?」
 江崎「でも、政治家の人がやり始めちゃったから」
 その時の江崎の心境→「パ、パークられたぁぁ!!」
 全員「怖い」「怖いよ」
 

・えんにちの映像。アイパーと望月はこの時はまだ別コンビ。
 テンポよく勢いをつけてどんどんボケを詰め込むNSC生達の中で、たっぷり間をとって振るアイパー。
 高田純一ダンスでめちゃめちゃウケる。


・一方その頃、望月は遅刻した罰として坊主。衝撃映像。
 横山「もう少しイジりたいんですけど、時間が無いので次行きます」

・しずるの映像を見ながら、松橋「この頃はピスタチオ?」池田「ううん、この時はもうしずるで~」などと言い合っている松橋と池田かわいい。

・しずるの問題、「この後村上は何と言った?」というような問題の関町の答え、
 関町『僕は将来、ラーメン○郎と揉めます!!』
 村上「わかってたら揉めないわ!!」
 このいじりが大好きすぎる関町。

・ジューシーズは、まだガッチャの頃だったので、児玉&赤羽と松橋は別コンビ。
 センターのモニターで松橋の映像を見ていた児玉が、笑いながら後ろを振り返り松橋を見ようとするけど、
 松橋は池田と一緒にサイドのモニターを見ていて児玉の視線に気付かず、
 児玉は何事もなかったかのようにセンターのモニターに視線を戻す…っていうところが最高に萌えた。



最後にネタ投票の結果発表。
ライスとジューシーズが同率1位ということになりました。強い!おめでとうございます。
こんな感じで、2014年最後のBEST9は終わったのでした。




感想の最後の方、「かわいい」とか「萌える」という言葉を多用し、強烈なボキャブラリー不足を見せつけてしまったことをお詫び申し上げます(笑)
だけどこの回は、なんだか本当にしみじみと、この面々を見れることの嬉しさを感じてしまって。
BEST9は毎回いろんな企画があって、中には、クイズに不正解だったら舞台上からハケてみたいなものもあって、
それはそれで面白い企画だったんですが、やはりこうやって舞台上にみんながいて、
ひたすらわちゃわちゃし続けているところを見れる幸せったらないです。
この回、舞台上を見ながら「は~、幸せだなぁ……」とかいちいち思っていたせいで、途中ちょっと記憶が飛んでいます(笑)


毎回毎回本当に楽しかったのですが、特に印象に残っている回があります。
8月31日のBEST9。この日は、KOCの準決勝進出者発表の翌日。
9期コント組のしずる・ライスは受かったけれども、ジューシーズは落ちたという衝撃の直後の回でした。
その日のコーナー冒頭、突如始まる茶番(笑)

田所「ジューシーズ、KOC落ちるなんて何やってるんだよ!」
→24時間テレビのTシャツ着てる松橋「KOCだけにとらわれるのもおかしい。こういうテレビの仕事の方が大切」
→田所「そんな強がったこと言って、本当は気にしてるんだろ!」と松橋の胸ぐらを掴む
→すると、24時間テレビTシャツがめくれて下に着ているポロシャツが見える。それはKOC審査員のあの白いポロシャツだった。
→田所「お、お前…」
 松橋「決勝行きたかった…涙」
→抱き合う二人。
  完。

……という、急激な茶番があって(笑)
きっと、KOCの結果に何にも触れないのも不自然だから、こうやって笑いに変えて披露しようとしたんだろうなって。
ただ、まぁ、それでも、松橋さんの「決勝行きたかった」という言葉にガチさを感じてしまって、客席から若干悲鳴上がってたけども…(笑)
他にも、結果発表のあと、関町さんが松橋さんにLINEして、
「落ちちゃったボケならたくさんあるから貸すよ」と言っていたらしいです。
ライスファンとしては複雑な心境だけど(笑)、でも優しいな。
中村「ちなみにどんなのがあるの?」
田所「中耳炎になって欠場しました、とか」(笑)

今回のBEST9でも、エリヤンが率先していごしょのTHE MANZAIのことをいじっていたりして、
あぁ、こうやって、遠慮なく切りこんで笑いにしていけるのが、同期ライブならではの強みだよなぁって。


11年も芸人やってればさ、
きっといい時も悪い時もあって、
その度みんなでこうやって、
笑いにして、くだりにして、昇華してきたんだろうなって、
改めて感じた。
8月はジューシーズで、12月はいごしょで、
でも時が変われば、状況が変われば、
またみんなで励まし合って進んでいくんだろう。
だから9期推しはやめられない。


自分達のやりたいことをつきつめながら大衆に挑戦していく囲碁将棋も、
常に新しい漫才を追求するエリートヤンキーも、
みんなに愛される魅力的なキャラの持ち主えんにちも、
何年間も9期を引っ張り続け、テレビと舞台の狭間でもがくしずるも、
BEST9の場でまるで単独ライブのようにのびのびネタを披露するジューシーズも、
リズムネタでお茶の間への浸透を目指す天狗も、
どんな時でも9期の平場を盛り上げる強さを持つゆったり感も、
いつだってBEST9で、勝負ネタをかけ続けてくれたライスも。

9期が、大好きだ。
みんなみんな大好きだよ。
何年経っても、私の人生の隣には9期がいて、
疲れた時にそっと立ち寄って、また次の日から頑張れるような、
これからも、そんな存在でいてくれたら嬉しいな。

ライスドキャスト (14/12/18)

2014-12-21 00:40:04 | ライブ感想♪
***
ライスドキャスト
12月18日(木) 19:00~
@大宮ラクーンよしもと劇場
出演:ライス、ブロードキャスト!!
ゲスト:THE GEESE
***


・OPトーク(ライス、ブロキャスの二組で)
この日は東○ガスのサラリーマンの団体さんが見に来ていた。
すごく丁寧に自己紹介をする二組。
「普段は、練りに練ったネタをやるんですが、これは新ネタライブなんで!」
「フワフワしてるのを楽しんで下さい」
などと始まる前から言い訳。
「僕たちは吉本で、ゲストのザ・ギースさんはAsh&Dっていう事務所で~」というところから説明。
吉村「あのー、なんで来ちゃったんですか?」

房野「それでは、そろそろネタ行きましょうか」
3人「え~~~」
房野「このくだりも、初めて見た人はわかんないから!すみませんね、こういうくだりがあるんですよ」


・ブロードキャスト!!(1本目):隣人


・ライス(1本目):拷問


・THE GEESE:自殺コント


・ブロードキャスト!!(2本目):美術の授業


・ライス(2本目):見逃してくれ(命乞い)



・EDトーク
関町に乗せられ、ほぼ尾関のクズエピソードで終わる。
房野「なんで大宮に来てまで、こんなトークばっかりなんすか」
尾関「関町さんがフって来たからー!」


***



超ざっくりしたメモですみません。
今回は、いつも神保町のライスドが大宮でやるという時点で特殊だったのですが、
そこに、サラリーマンの団体さんがいらっしゃるということで、さらに一個乗っかったレアな状況となりました。
OPで、団体さんが東○ガスの社員さん達だと聞き、ライスとブロキャスが「いい会社ですよね~」とゴマするくだりがあったのですが、
そこでライスが
関町「お弁当のCMとかいいですよね!」
田所「チャーハンのやつとかもね!!」
と、東京ガ○のCMを絶賛していて、そういう流れとはいえその言葉は本心で言っていたと思うので、おおっとなりました。
まさか2014年の終わりごろになって、間接的とはいえあのコントと繋がる話を聞くとは思っていなかった。
東京○スのみなさま、ライスは貴社のCMからインスパイアされて、9分の名作コントを仕上げたんですよ。
ぜひ営業に呼んであげて下さい(笑)
ちなみに私は、おばあちゃんの料理のCMが好きです(笑)

それはともかくとして。
よしもとのライブ通いももう6年目になりますが、
こういう風に、鉄板ネタを楽しめる通常公演ではなく、普段からライブに通ってるお客さん向けの公演に、
ライブを見慣れていないお客さんが来るという状況に居合わせることも、一年に一、二回くらいはあることで。
こっちは、そのちょっとイレギュラーな状況も含めて楽しんでるんですけど、
こういうときにやはり、その来られていた方々はどう思ったんだろうということが気になってしまう。
一見さんはどうしても、テレビで知っている人が見れたりとか、
あるいはわかりやすくフリオチがしっかりしていて、見やすいネタを好むような気がするので。
そういうお客さんにとっては、知らない芸人の、しかも新ネタライブなんて。
見慣れていないと、笑いどころを見つけるのが大変だったかもしれないなぁと。
どう感じられたでしょうか。楽しんでもらえたかなぁ。
「なんか知らない芸人がよくわかんないことやってた」ではなく、
「こういうお笑いの世界もあるんだ」と、好意的に受け入れてくださっていたらとても嬉しいなと、
部外者ながら勝手に思います。
そして、大宮や幕張など、都心から離れたところに劇場を作るというのは、そういう層を開拓するという目的であってほしいです。


ゲストのギースのネタ、すっごい面白かったなぁ。
自分達がシュールと言われていることを逆手に取った、ある意味色々な方向を敵にするネタ(笑)
相当メタに振りきれてるのに、ひねくれた感じやわかりづらさがなく、「ずるいなぁ」と思いながらも笑わされてしまう。
途中のマジックのところとか最高だった。
あと、「一発ギャグをして死にます」というフレーズにやたらツボってしまってダメでした(笑)



そして今月のライスの新ネタ2本が、どちらもまぁ面白くて、私の好みど真ん中で、
大宮遠いけど本当に来てよかったと思いました。
1本目は拷問がテーマ。
以前にも拷問のネタあったけれど(「イメージ」)、今回はそういう映像を使わずに、
二人のやりとりだけで笑わせるシンプルな作り。
ネタの肝となるシステムも、意外性があるけれどもわかりやすい。
さらに拷問というテーマなのでちょっと引いてしまいそうなところを、絶妙に調整していて、
過激なシーンが苦手な人でも面白く見れる感じがしました。
田所さんのマイムのこまやかさも相まって、舞台上に実際には存在していないものを見せるのが本当に上手で引き込まれました。
ただ、関町さんがちょっと、なんて言うか……
言葉が多い(笑)
以前、3月のライスドに行った時も思ったのですが、関町さんはすごく丁寧に振ってくれてるのはわかるんだけど、
あんまり言葉数が多いと、冗長になってしまうというか、聞いてる側が全部拾えない、理解が追いつかないというか。
今回一緒に見ていたお友達も、終演後にお喋りした時、同じことを感じていたことがわかって、
「団体のお客さんにわかりやすいようにしてたのかなぁ」なんて話していました。
まぁ、こういうのは、何回も回を重ねるごとにセリフもそぎ落とされて行くと思うので、
ぜひ色々なところでかけてほしいですね。
近いうちにまた見たい。


そして2本目。これも素晴らしかった。
1本目と、「振り回す側」「振り回される側」が交代する形になって、このネタでは振り回すのは関町さん。
その振り回しっぷりが見事だったー。最高に面白かった。
全体をつらぬくシステムは、本当にシンプルで、くだらないことで(笑)、
よくこれで4分持つなと思っちゃうんだけど、
関町さんの口調、表情、緩急をつけた言い方とかで、毎回鮮やかに裏切られて大笑いしてしまいました。
中盤の、一瞬空気が静かになって、シリアスになるところ、
「お前も金で雇われてるんだろう?いくらもらったんだ。2倍、いやその3倍……」の緩急が!緩急がすごい!
相当テクニカルなことやってるんだけど、それをあまり感じさせずに、爆笑へ持っていけるのはすごいことだ。
田所さんも相当楽しんでやっていたようで、普通に関町さんの演技に笑っちゃったりしてて(笑)
それは、田所さんが考えた、ネタの肝となるシステムを超えるほど、
関町さんの人間力、表現力がすごかったのかもしれないなと思って。



最近のお笑い界のトレンドは、「人間で笑わせる」ということだと感じています。
今年のKOCで優勝を決めたシソンヌ、二本目のタクシーのコントは、特にわかりやすいボケがあったわけではない。
ただただ、恋破れた女性とかっこいいタクシー運転手の一場面を、リアリティたっぷりに演じただけ。
今年のTHE MANZAIで優勝を決めた、博多華丸・大吉さんも、
「ユーチューバーになりたい」という題材の新しさはあったものの(笑)、
ネタに斬新なシステムがあるわけではなく、シンプルに二人のやりとりと、人柄で笑わせていた。
この流れは、しばらく続くかもしれません。
しばらくは、「こんな仕掛け見たことない!」みたいなタイプのネタは冬の時代になるかもしれない。
それはそれとして、そういう流れに文句を言うつもりはありません。
事実、「人間力」みたいなものに特化した、先日の犬の心の単独も素晴らしいものでしたし。
だけど、ライスに関しては、やっぱりシステムで魅せて欲しいと思ってしまう。
常に、「こんなコント見たことない」「こんな発想どこから思いつくんだろう」って思わせてほしい。
ただ、今の世の中、システムだけでは、上には行けない。

ライスドキャストでのライスは、そのもどかしさを打ち破ってくれるネタを、次々と見せてくれていました。
システムで笑わせることを大切にしつつ、その枠組みの中で、どれだけ二人の人間性を出せるか。
初期の頃のライスの、システムに特化して、まるでロボットのように二人の感情が全く見えてこない、無機質っぽいネタも大好きなのですが、
二人のキャラクターを前面に見せるようになると、お客さんを巻き込む強度が増すような感じがするんですよね。
だから今年、ライスを見に行っている中で、何度も本当に「爆笑の渦」にいるなと感じることがありました。
それが本当に嬉しかった。
きっと、来年に繋がる一年になったと思います。
今までのライスらしさと、これからのライスらしさを掛け合わせて、
そんな場所でも人々を巻き込める、引き込めるコントを作っていってほしいな。
ライスのコントを好きな人が、もっともっと増えるといいな。


本年のライスドキャストはこれで終わり。
片手で数えられるほどの数しか見に行けなかったけれど、どの回もとても楽しかったです。
また、新しくてドキドキワクワクするネタに出会えるのを楽しみにしています。
一年間お疲れ様でした。


犬の心単独ライブ『冬犬』 (14/12/11)

2014-12-13 23:30:13 | 単独ライブ
***
犬の心単独ライブ『冬犬」
12月11日(木) 19:00~
@座・高円寺2


・OPコント 殉職

・思っていたより

・日本の冬

・出社

・自分の身体

・人生最高の日

・新世代

・エンディング

***



今年、KOC決勝に進出し、大きく飛躍の年となった、犬の心の単独ライブ、初日に行ってまいりました。
これがもう、本当に本当に素晴らしい単独でしたので、
私のつたなくて大して中身が無い感想ですが、勢いで書きのこしてみようと思います。
詳しいレポートは、お笑いナタリーさんの取材が入っていたのでこちらでご覧下さい。
  KOCファイナリスト犬の心が単独ライブで変化のコントを披露

ここのブログでは、本当はひとネタずつ感想を書いていきたいところなのですが、
今回は特に、何か感想を言いたいと思ったらそのネタの肝の部分に触れてネタバレしてしまいそうなので、
詳しい感想は書かずに、単独全体の印象を少しずつ。
よろしければお付き合いください。



とにもかくにも、今回、見終わった後の満足感が半端ではありませんでした。
上質なコントを沢山見ることができて、本当に幸せで満ちたりた気持ちで帰路につきました。
一つひとつのコントが長尺で(15分くらいやっていたと思う)、そのコントの世界にじっくり浸ることができて、
そして、2人の世界に引き込むパワーが尋常じゃなくて。
座・高円寺は、きれいで広めで、客席も段差が大きくてかなり天井が高い会場なんですが、
全然舞台との距離感を感じませんでした。
それが実現したのは、コントのコント自体の面白さと、2人の演技力が両立しているから。
双方について書いていきたいのですが、まずはコントの本としての面白さについて。

私が犬の心を犬の心として認識して、しっかり見るようになったのは2008年の後半からなんですが、
その頃の犬の心と言えば、AGEAGEライブで「オシャレ空手選手権」「八曲署」「ローレライ」とかをバリバリやっていた時期。
特に、「犬の心の押見です」「池谷です」のショートコントを初めて見た時の衝撃は今でも忘れられない。
あんなコント、一度たりとも見たことなかった。
「常識」や「前提」「枠組み」、みたいなものを全部ぶん投げて、自分達のコントを作り上げていた。
シュールと一言で言えば簡単で、本当に理解不能なところも諸々あったけど(笑)、
それでも、斬新な設定を披露しつつ、観客にちゃんと理解させる余地を与えるところが本当に好きでした。
そこから時間は流れ。
今回の単独は、そういう、設定から斬新で飛んでるものはほとんどなかった。
ナタリーさんの記事で、押見さん自身が語っていたように、
いわゆる、「パターンで笑わせる」ものではなく、「人間性で笑わせる」という感じ。
一見普通の人に見えるいけやさんが変な人で、それをなだめる押見さんも実は変な人で、それに反抗するいけやさんもやっぱり変な人だった、みたいな(笑)
入口は、日常にありそうな普通の風景なのに、全く予想もつかない方向にどんどん進んでいく。
もちろん昔のテイストのコントも大好きですが、今回のも本当に面白くて。
芸歴17年目の彼らが、色々なコントを、色々な環境を経験したのちに辿りついた、
年を重ねたからこそ表現できる、哀愁や嫉妬、駆け引き、憎しみ、
そしてそれら全てが笑いに昇華される人間ドラマ。
今だからこそ表現できるものだと感じたのです。

もう一歩、コントの構造的な話をするとすれば。
今回、改めて思ったのが、犬の心はコントのその15分だけを表現しているのではないということ。
コントの登場人物が、本当にこの世の中に存在していて、
その人物の長い人生の一部を、切り取って見せてもらっている、という感覚。
例えば、KOCで披露した「手品」も、あの池谷さんと押見先輩の2人の間には、過去に告白した側された側という複雑な事情があって、
それが、本人達の「当たり前」のテンションの中、絶妙なタイミングで差し込まれてくるから、観客は大いに笑う。
ただ、観客からしたらすごい事実だけど、コントの中の当人達には共通認識だから取り立てて言うことでもない。
だから最初からそれが明かされるわけではなく、何かのきっかけで明らかになる、というリアリティ。
今回の単独でも、そういう構成面の妙を大いに堪能することができました。


そしてもう一つ、2人の演技力について。
犬の心の演技力がすごいなんて、今さらわざわざ言うことでもないし、みんなわかっているし、
それでも、改めて本当にすごいなぁと思わされた。
何がすごいのかを言葉で表現するのは難しいんだけど、間とか抑揚とか、テンションの上がり方、上がるタイミングとか。
特に今回の単独は、「犬の心」なんだけど、押見泰憲といけや賢二という、2人の個人の真剣勝負という感じがして。
自分がどんな演技をしても、どれだけ振り切っても、
相手がきちんとそれを拾って返してくれる、という絶大な信頼感があるように感じられて。
それがあるからこそ、双方が高めあっていく演技ができる。
そんな瞬間が垣間見えて、かっこよかった。



エンディングでは、「今日は何曜日でしたっけ?」と何気なく聞いた押見さんに、
いけやさんが「木曜日です。病院が休みの日ですね!!」と明るく答えて、会場微妙な空気に……
押見「……長年連れ添ってますけど、こういう時、本当に上手くいかない」(笑)
さっきまで、あんなに息ぴったりのコントを見せてくれたコント師とは思えない(笑)
その事実にも笑ったけど、「長年連れ添ってる」っていう押見さんのワード選びにも笑ってしまった。夫婦か!(笑)
……それと同時に、ふと心に浮かんだのは、
今年解散を発表した多くのコンビのこと。
彼らのように17年目を迎えることが出来なかった、私が今までよく見ていた多くのコンビのこと。

犬の心と同じように年月を重ねることができるコンビばかりではない。
家族の事情もあるだろうし、それまで気持ちが続かないコンビだってたくさんいるだろう。
そんな中で、解散をしたコンビや、解散を考えているコンビに、
葛藤している芸人さんを前に、犬の心を例に挙げて、
「いつかはああなれるから頑張れ」なんて、
「いつか賞レースの決勝に行けると思うから頑張れ」なんて、
そんな無責任なことは言えない。
言えないけど……これだけは言える。
売れなくてもがいた日々も、上手くいかなくて試行錯誤した日々も、
きっと無駄ではない。
そういう道なき道を通ったからこそ、今表現できるものがある。
犬の心はそれを見せてくれたから。
進化を続ける17年目の犬の心は、
今が一番、かっこいい。


「冬犬」は、凍てつくような冬の朝に、一筋の陽の光が差してきて、
心がじんわりと温かくなるような、
そんな、柔らかくて、幸せな満足感で心が満たされる単独ライブでした。