甘酸っぱい日々

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ハナコ・リクエストライブ このハナコがすごい! (19/1/25)

2019-01-25 23:30:00 | ライブ感想♪
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『このハナコがすごい!』
2019/1/25(金) 19:00~ @駅前劇場
MC:ライス田所
1.休憩室(ジャングルポケット太田リクエスト)
2.家カフェ(ラブレターズ塚本リクエスト)
3.天空龍(うしろシティ金子リクエスト)
4.爆弾処理班(ザブングル加藤リクエスト)
5.三者面談(シソンヌじろうリクエスト

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遅くなってしまいましたが、1月最後の金曜日は「このハナコがすごい!」に行ってきました。
ハナコのネタが好きなゲストが、自分の見たいネタをリクエスト。
田所さんはMCだったのですが、ネタ後のトークで色々な話をしてくれ、端々から田所さんのコント観も聞くことができる、大変贅沢なライブでした。
ハナコは公式YouTubeチャンネルを持っているので、公式にアップされているネタはリンクを貼ろうと思います。
本当、最近こうやって芸人さんがネタを上げるのが当たり前の流れになってきてますよね。
アップしてくれていると、ライブ後に改めてそのネタを見て、余韻を楽しめるので本当に感謝です。

太田さんのリクエストは休憩室。
出てくるなり、ハナコのすごさを熱弁する太田さん。やっぱり、同じトリオとしてネタを見てしまうと。
太田「ハナコはね、雑魚キャラの使い方が上手い!!」(笑)
こうしてライブ開始早々に菊田さんがいじられる流れになり、それは最後まで続いたのでした(笑)
太田さんは、菊田さんとか、おたけさんみたいな、ポンコツの芸人さん達を船に乗せて海へ行かせ、太平洋の真ん中で爆発させたいそうです(笑)
太田さんが初めてハナコを見た時、なんだかそのコミカルな風貌から、パワー系のネタをやるんじゃないかと思っていたとのこと。
しかしストーリーがしっかりと精密に練られているところに衝撃を受けたそう。発想についても絶賛。
田所さんが、逆にハナコにもっとこうしたほうがいいんじゃないかっていうところある?と聞くと、「秋山くんがあまりにも上手すぎて逆に違和感」という意見が。
それを聞いて田所さんが「ああすごくわかる!」と勢いよく同意してたのが印象的だったなあ。
太田「普通ツッコミ役でも、もっと自分を出したがると思うんですよ。東京03の飯塚さんみたいに!」(笑)
田所「そう。プレイヤーに徹してるんだよね」
結果、太田さんは「秋山君は逆にサイコパスに見える」とまで言い出していた(笑)


2本目。ラブレターズ塚本さんのリクエストのネタは、「家カフェ」


塚本さんがこのネタを選んだ理由は、1個もボケていないというところだそう。
ただただ、本当にありそうな「家カフェ」というコンセプトカフェの様子を見せているだけなのに、笑いが起きるすごさ。
田所さんも、
「普通だったら間を取るのって怖いだろうと思うし、他の芸人のネタを見ていても、『ちょっと笑いが起きない時間が長いな~』とか思ってしまう。
 けれどハナコにはそれを感じさせられない。それほどの演技力があるのだと思う、普通にドラマ見ているみたい」
と手放しでほめていたのが印象的。
田所さんは自分がネタを書くときも、お客さんがどれくらいの間まで耐えられるかを考えているんだろうなぁ。
田所さんから、「ネタを書いている時もう一人欲しいな~」って思うことない?と聞かれ、「わかります~」となる塚本さん。
例えばこのネタの設定を思いついたとしても、2人じゃできない。
もし、お父さん役の人がお母さんもやるとか、一回袖にはけてヅラをかぶり直して…っていうワンクッション置かなきゃいけないよねと。
逆にハナコは、「このネタ2人でできちゃったなあ」と思うこともある。そうなると、無理矢理菊田さんの役をぶっ刺してネタを作るそう(笑)
田所さんは、トリオの人が逆のことを思うこともあるということに興味深い様子でした。


うしろシティ金子さんのリクエストのネタは、

金子さんのリクエストは天空龍。オタク役の2人がリアリティがすごい、と。
金子「岡部なんて裸足だもん、公園の設定でしょ?(笑)でもそれくらいの熱量があるやつなんだなって」
オタクをテーマにしたネタをやる人はたくさんいるけれど、誇張しすぎていると気持ちが引いちゃうと言う金子さん。
そして金子さんは、この秋山さんのキャラは、さっき家カフェにいた秋山少年と同じでしょ?家カフェを出て歩いたらこの光景に出会ったんでしょ?と。
ハナコのコントは、全部同じ町で起こっていることのように見える、だからこの町のマップを作ったら面白いんじゃないかと。
面白いアイデアだなあと思ったし、それは何より、コントのキャラクターを愛情深く育てている金子さんだからの視点ですよね。
キャラがそのネタだけで成立しているのではなくて、その人生がずっと続いて行くような感覚になります。
最近なかなかうしろシティ見に行けてませんが、こういうところ本当好きです。

岡部さんは天空龍のネタが一番好き。
ライブがある日に3人のLINEで、今日何をやろうか?というときに、とりあえず一回「天空龍」と送ってみるそうです(笑)。
ライブの雰囲気や、以前やったスパンなどを考えて、いいかどうか判断するのは秋山さん。
秋山さんが「やろうか」というと喜ぶ岡部さん(笑)
菊田「俺もこのネタ好きなんですよ!」
田所「一番?」
菊田「いや、一番は違うネタなんですけど…」
金子「一番でいいだろ!お前は岡部の言うことに全部ハイって言っとけ!!」(笑)
田所さんは、岡部さんの「好きなネタをやりたがる」という様子に新鮮に驚いている様子。自分達の場合は、例えばランキングされるライブとかだったら、強いネタをやって勝たなきゃいけない、とか考えていたから、
このネタが好きだからやりたいみたいな気持ちでネタを選んだことはないと言っていました。


4本目のコント、爆弾処理班をリクエストした加藤さんは、ネタの話はそこそこに、金と女の話(笑)。
KOCの賞金はいつ入ったのか、振り込みか(笑)、それは何に使ったのか、などなど。
賞金は12月くらいにそれぞれの口座に3分割で振り込まれたそうです(笑)
パーッと服に40万円くらい使っちゃった菊田さんと、堅実な秋山さん岡部さん。
優勝してもあまり浮足立たず、お金もあまり使わないし女性とも遊ばない。そんな新世代感にびっくりする加藤さん。
岡部さん自身はお金は使いたくなかったけれど、彼女さんが急に高い買い物をねだってきたと(笑)。でも、「それが普通だよ!!」と言う田所さん、共感する加藤さん。
さらに加藤さんは、よく賞レースの優勝者が、賞金について聞かれているのもちょっと気になってしまうそう。
自分自身は優勝者じゃないのに、「1000万円の使い道は?」とか言われているのを見ると、
「いや!1000万ちゃうやろ!分けるから500万やろ!」と言いたくなってしまうらしい(笑)優しいね。
加藤さんに、それこそ田所さんの使い道はどうだったのか聞かれる。
田所さんは引越しした時に家具なども全部買い換えたので、結構使ってしまったと。
だから「賞金の使い道は?」みたいな質問に、全然面白い答えができない。
だけどウケるために変な使い方をしなきゃいけないのか?それもどうなんだ?という気持ちがあるのも本当のよう。

最後の5本目。シソンヌじろうさんのリクエストのネタは、三者面談。


じろうさん曰く、岡部さんが反対方向を向いているのがいいと。
もしこれが実際にある状況だったら、いくら変なことが起きてもお母さんと子供に大声で突っ込む先生はいない。
そこで一回外の方を向いているから、直接聞かせるわけではない。面白さがありつつもリアリティがある。
じろう「変な動きとか変なことを言ってるわけじゃない、シンプルな構成なのにここまでウケるんだよって。コントの教科書の1ページ目に載せたいコント」
ちなみに、じろうさんがその教科書に載せたいもう一つのコントは、しずるの銃のコントとのこと。あの、立てこもり犯を説得するやつですかね?
そして、じろうさんが言った時にすぐに何のコントだかわかった様子の田所さんに、ライスしずる大好き人間の私は、心の中で萌えを必死に抑えていました。

もともと岡部さんはシソンヌが好きで、芸人1年目の時に自腹でシソンヌのライブを見に行ったそう。
その時に岡部さんと一緒に行った芸人さんがいて、その方がじろうさんに「ナベプロで芸人やっています!今日見に行ってとても面白かったです!」というリプを送ったと。
普通だったらそんな人危ないのに(笑)、じろうさんは優しく
「ありがとう~、次から招待で通すから声かけてくれていいよ」という感じで言ってくれたそう。
岡部「だから俺たち、繋がるのに成功したファンみたいな…」
田所さんが「いやいや!それとは違うでしょ!!」と言いつつもめちゃめちゃ笑っていました(笑)
さらに、「笑けずり」という番組で、シソンヌがコントの講師をしていたこともあり、以前から親交があったという。
そこからじろうさんはかわいがっていて、ハナコが賞レースで優勝した時、それだけじゃなくてK-PROさんの小さなライブで優勝した時にすら、「おめでとう」と連絡をくれるということで。
田所さんはそれを聞いてびっくり。
「俺の知ってるじろうはそんな奴じゃないよ!本当にクズなんだから」(笑)

KOCの直前にもじろうさんは、「あとは運だよ。その場を楽しみな」と言ってくれて、それで心が軽くなった岡部さん。
優勝した後、なんて連絡が来ているかと思ってLINEを開いてみると、
じろうさんから何通もメッセージが出てきて、「OK!」「いけるぞ!」みたいに実況中継をしていたそう(笑)
田所さんは、「シソンヌとしては、チョコプラがライバルになってたっていうのも、(どちらを応援するか)難しいところはあったんじゃない?」と聞く。
じろうさんもそういう気持ちはあったけれど、途中からチョコプラがあんなにきれいに失速したら心置きなく応援できたそうです(笑)

最後に全員集合でエンディング。
楽屋に残っていた太田さん・塚本さん・金子さん・加藤さんは、それぞれコント談義に花を咲かせていたそうで、
「どこでネタ作ってる?」とか「もう制服のネタをやりたいと思ってもキツイ」みたいな話をしていたとのこと。
加藤「俺なんかもう44歳やで!」
田所「学生服着てきた時点で違う笑いになっちゃいますね」(笑)

ハナコのネタがそれをナチュラルに表現し、「ボケていないのに面白い」という状況を作るのが上手いからですよね。
そしてみんな、菊田さんにやいやい言いながらも(笑)、彼のプレイヤーとしての実力にケチをつける人は全然いなかった。
それがとても暖かくて、同じコント師としてリスペクトを感じている様子が伝わってきました。いい雰囲気だったなあ。
そして、田所さんのコント観を聞くことができて本当に幸せでした。
どうやってネタを作っているのか、全て知ることはできなくても、言葉の端々から考えを見せてくれるだけで幸せです。
素敵なライブを本当にありがとうございました!