甘酸っぱい日々

面白くても何ともならない世界で 何とかしようとする人達のために

うしろシティ第5回単独ライブ『それにしてもへんな花』 (14/5/24)

2014-06-15 00:30:50 | 単独ライブ
***
うしろシティ第5回単独ライブ 『それにしてもへんな花』
5/24(土) 18:00~ @シアターサンモール
***

うしろシティの5回目の単独ライブ、東京初日に行ってきました。
今回の会場はシアターサンモール。
キャパ294の大きくてきれいなホール。
たぶん私がここに行ったのは、愛の賛歌以来だったと思います。すっごい懐かしかった。
会場に入ると、各局の番組や著名人からの色とりどりのお花でロビーが華やかに彩られ、
まるでそれは、非日常の世界への入口のようでした。
今回の単独は、全てのコントも、幕間VTRも含めて、全体が一つの作品だなぁという感覚がすごく強くて。
この現実世界と並行してどこかにあるパラレルワールドへ行ったような気持ちになった。
とてもとても素敵な単独でした。

毎度の事ながら、今後この中のネタをやることもあると思いますので、基本は感想だけになっています。
また、コントのタイトルは私が勝手につけています。
カメラも入っていたようなので、DVDになるか、どこかのサービスで配信されるようになるかもしれません。
ネタバレになるようなことは書かないつもりでおりますが、どこかで見るまで待ちたいという方はご注意ください。



・OPコント 契約
<……これか?>
一発目からとても好きでした!
日常的な設定なのにファンタジック、
かわいらしい設定なのにバカバカしい部分もあり(笑)
もう少し尺を長めにして、展開を多めにした状態でも見てみたい。


☆OPVTR
公園でシャボン玉を吹いたり、フリスビーをしたり、枝をバットにして野球をしたり……
ナチュラルに楽しそうな2人の笑顔が印象的。


・5分遅刻
<すみません、電車が遅れて……>
すーっごいよかった!楽しかった!
こういうコントって、種明かしをしないというか、なんでそういうことになるのかという理由を明かさない場合が多い気がするのですが、
それを明かして、しかも最初はそこそこ納得できてしまうというのがとてもいい。
後半からおかしくなってくるけども(笑)
オチも良かったなぁ。この後、このコントのストーリーはまだまだ続いて行くんだろうなってところで終わらせるところ。


・彼女の話
<ほら、俺も彼女いるから!>
かなり初期の話シティで、理想の女子はどんな女子だとイメージを膨らませあっていた、
そのトークがそのままネタになったような感じ。
ネタの冒頭では可愛らしかったのに、途中から静かな狂気を帯びてくる金子さん、とってもいいですね。
強烈な破壊力の名前ボケは相変わらず健在(笑)


☆ブリッジVTR 相方の趣味をやってみよう!金子編
スカッシュをやる金子と阿諏訪。
阿諏訪がヘタすぎるので金子にハンデとして枷をつけることに。
しかし、だんだんなぜか2人とも枷をして色々なものをつけながらスカッシュ(笑)


・喫茶店
<店長には内緒で……>
あー!うしろシティだー、これぞうしろシティだなー!!
それぞれの状況は日常でもよく見る光景。
それなのに、2つの光景が同時に起こってしまうと、リアリティがありつつも一気に非日常的な世界に放り込まれる感じ。
あー、さすがうしろシティだ、これぞうしろシティだなー。
……と、一番強く思わされたネタでした。
余談ですが、今回の単独が終演した後に流れる、いわゆる客出しの音楽で、ブラックビスケッツの「タイミング」が流れてたんです。
懐かしすぎる(笑)
この曲がリアルタイムでわかるの、私くらいの年齢がギリギリなんじゃない?
私でも小学校低学年だった頃の曲だと思うから、今の中学生とか絶対わかんないでしょ(笑)
で、そこで聴いたので、家に帰って改めて聴いてみたら、
なんだか、うしろシティにぴったりな曲だなぁと思いました。

 ズレた間の悪さも それも君の“タイミング”
 僕のココロ和ます なんてフシギなチカラ


・あぁ、そうだよ!
これが本当に本当に、最高に好きでした!!
なんていいコントなんだろう。
こんなパターンのコント見たことない。本当に面白かったー。
金子さんの負担が大き過ぎるし(笑)、阿諏訪さんほとんど喋ってないし(笑)、なかなか他の場じゃできないだろうけど、
もう本当に本当に好きだったよー。
何度やっても、同じ口調で同じ表情で、素敵な笑顔を浮かべられる阿諏訪さんに心奪われたし、
金子さんの淡々としてる調子で、平然と話が進んでいく感じも本当に楽しかった。


☆ブリッジVTR 相方の趣味をやってみよう!阿諏訪編①
阿諏訪の趣味である料理、ギョウザ作りに挑戦。
阿諏訪と金子が交互に工程をこなしていくが、相方が何をやっているかは見る事ができない。
ギョウザの皮が見つからず、ライスペーパーを並べる金子(笑)


・銀行強盗
<500億を盗みに行く!>
前回の単独ライブ、「うれしい人間」の監禁のコントに出てきた、ボスと部下の続編のようなストーリー。
なんとかして自分の希望を通そうとする、ちょっと可愛らしくてとぼけてるボス。


☆ブリッジVTR 相方の趣味をやってみよう!阿諏訪編②
金子の工程の時に使えるように、水溶き片栗粉を用意しておいてあげる阿諏訪。
しかし金子は意味がわからず捨てる→このくだりを2回(笑)
ライスペーパーにそのまま具を乗っけて包んだため、やたらでっかくて、およそギョウザとは呼べないものが完成。
でも食べてみると……
阿諏訪「うまいね」
金子「うん、うまい」
味は普通においしかった模様(笑)


・清掃のアルバイト
<ぶっ込みます!>
これもすっごく面白かったなー!
金子さんが一切ブレることなくピュアで、その真っ直ぐさが恐ろしくなってくる(笑)
起承転結がすごくきれいで、肝となる一つの部分を貫いているのに、全く飽きることなく最後まで楽しめる展開も見事でした。
それにしても2人とも役に入り込む深度が本当にすごい。金子さんの幸薄そうな青年っぷり素晴らしすぎる。
そこからの「ぶっこみます!」が最高(笑)


☆ブリッジVTR manabuのファッションコーデ
ちょうちん、タケノコなど、とんでもないものをmanabuはどうファッションに取り入れ、着こなすのか?
真面目にバカバカしいことをやってるのがとってもよかった(笑)
しかし、スーツを着た金子さんが、ばっちりキマっててどぎまぎしてしまいました。普通にかっこよかったなー。


・リンゴ
今回の単独で一番物議をかもした、衝撃の問題作(笑)
ただただシュール極まりないし、色んな意味で恐ろしすぎる。
もう怖すぎて、この次のコントの冒頭の内容が、頭の中にあまり入ってきませんでした。
簡単に言うと、「うしろシティがこんなコントやっちゃダメー!」っていう感じ(笑)
とにかく不条理で、なんの説明もなくて、ただただひたすら進んでいく。
私、2700のキリンスマッシュを初めて見た時に、「10年先のコントを見てしまったような気持ち」って書いたんですが、
今回も同じようなこと感じました(笑)
でも、こういう、奇抜でちょっと怖面白いようなネタがあるからこそ、全体のバランスもぐっと引き立つし、
さらに単独としてのパッケージ感、満足感が高まって、とてもよかったんじゃないでしょうか。
ひゃーひゃー悲鳴を上げながら見るのも、そういう観客のリアクションも込みで楽しめる感じがして。
これまた見たい。通常のライブじゃ絶対できないことはわかってるけど(笑)


☆ブリッジVTR うしろシティバトルカードのCM
今回の単独グッズである、バトルカードの茶番CM(笑)
これもすっごいよかったなぁ。
あらゆるものをエンターテイメントとして取り入れて楽しんでしまう感じがさすがです。
ブリッジVの感想はだいぶあっさり書いてしまいましたが、
このCMだけではなく全体的に、うしろシティならではの良さが溢れていてとても好きでした。
どこかにロケに行ったり、派手にお金を使ったり、という感じではないけれど、
こうやって2人の好きなこと、キャラに焦点を当てれば、満足度の高いものが出来あがるんだなと感じました。


・旅行先
<いいですよ、ゆっくりしに来たんで>
「とにかく間が悪い」「無邪気な金子に振り回される阿諏訪」といった、うしろシティらしさがふんだんに詰まったコント。
とても自由に楽しそうにやっている2人。
単独の最後にふさわしい、ほのぼのとした感じでした。


・EDコント
銀行強盗を実行した、あのボスと部下のその後……








今回の単独は、私としては今までの中で一番好きだなぁと思っております。
それぞれのネタが、まだまだ「そんな切り口あったのか!」「こんなパターンあったのか!」と驚かされるようなものばかり。
私は以前から、それこそがうしろシティの魅力だと感じていたということを、
改めて思い起こさせてくれました。
うしろシティと言えば、ポップでかわいらしくて、純粋でハートフル、そんなイメージがあるけれど。
でも今回の単独では、「あのうしろシティがこんな怖いコントやっちゃダメ!!」みたいなネタもあって(笑)
そうやって、常にいろんなパターンを見せてくれて、
「うしろシティらしさ」の創造と破壊を、平然と一緒にやってしまうことこそが、
うしろシティらしさなのかもしれない。

私は個人的に、前回の「うれしい人間」が、一つひとつのネタは面白かったのに、どこか不完全燃焼だったように感じていて。
ちょっと二人のやりたいことを自由につめこみすぎているんじゃないかなぁなんて思っていました。
それぞれのネタで、体感としてちょっと尺が長いように思ったところがあったし、
オチの一個前で落ちてるように感じたのに、あれまだ続くの?という感じで、間延びしていると感じたんです。
それに、テーマが似たようなネタもあったりして。
その点、今回の単独は、様々なネタがバランスよく配置されていたと感じました。
長いネタ、短いネタ、ポップ、シュール、楽しさ、かわいらしさ、恐ろしさ……(笑)
単独ライブというものには、2つのパターンがあるなんてよく聞きます。
ひたすら新ネタをやっていくというものと、単独全体で一つの作品になっているというもの。
前者のような単独も、もちろんそれは芸人側も見に行く側もそういうものだと理解しているからいいんですけれども、
こうやって、様々なネタを見ることができると、あー単独見たなぁってすごく思います。
明らかにテレビじゃできないようなネタもあり(笑)、また一方が全然しゃべらないから他のライブではやりづらいようなネタもあり、
でもこういうことができるのが、単独ライブだよなぁと。
今は、オンバトもレッドカーペットも、地上波のネタ番組が何もなくなってしまった。
本当に残念だけど、それならそれとして、ぜひDVDを出してもらって、
この単独ライブそのものを一つの作品として、一つのパッケージとして、多くの人のもとに届けて、多くの人に楽しんでほしいって思います。
今回のライブに来られなかった方は、ぜひDVDを見て頂きたいし、
見る際には、ゆっくり時間があるお休みの日に、一気に続けて見て、作品全体を味わうのが一番楽しいんじゃないかなって思います。
そして、芸人さんの単独ライブというものが、もっともっと市民権を得て、世間的な知名度も高くなって、
一つの文化として認められるようになってほしい。
「テレビに出れない売れない芸人がやっている」ではなくて。
「ライブはいつかテレビ芸人になるための踏み台」ではなくて。
コントを大切に作り上げている人達が、今ここにいるのだから。

今、若手お笑いの中で人気のコンビを挙げろと言われたら、間違いなくその筆頭に挙げられるコンビ。
だけど、華やかなイメージとは裏腹に、もちろんいつもいつも順調というわけにはいかなかったコンビ。
「若い女子に人気急上昇中のイケメンコンビ!」といったようなハードル高い煽りフレーズがつけられ、
うがった見方をする人からは顔ファンしかいないと言われ、
未だにKOC2013の8位をイジリ倒され(これはオイシイ面もあるけどね)、
鳴り物入りで始まったはずのバチエレは半年で終了し、
松竹芸能からはあらゆる期待を一身に背負わされ、
その割に3月の給料は7万。
それでも、その全てを乗り越えて、明るく強く笑い飛ばして、
うしろシティは今日もゆく。
自分達にできることはいいコントをするだけだと、その姿から力強く表明するかのように、
うしろシティは、混沌としたお笑い界の中を、今日もゆく。






うしろシティ単独ライブ「それにしてもへんな花」[DVD]
アニプレックス



主役はこの3組、この9人

2014-06-09 01:13:33 | お笑い全般
ジューシーズ・パンサー・ジャングルポケットの3組が、毎週色々な企画に挑戦していく番組、333(トリオさん)。
2010年の10月に番組が始まり、もう3年半が経過しました。
私は、録画失敗した時以外(笑)、毎週見ているのですが、
ライブの感想を書くだけで精一杯で、改めてこのブログで触れるということは今まであまりありませんでした。
でも、先週・今週と放送された特別企画の、『333 夜のピクニック』回が、なんだかとてもとても素敵な回だったので、
この機会に改めて、トリオさんについて書いてみようかなと思い、今回書かせて頂きます。


『333夜のピクニック』がどういう企画だったかというと、恩田陸さんの有名小説『夜のピクニック』になぞらえて、
9人がそれぞれ3グループに分かれ、深夜の街をひたすら歩くというもの。
夜10時に六本木のテレビ朝日を出発し、7時間後の翌朝の日の出までに、15km離れた若洲海浜公園まで辿り着くのを目標とします。
それぞれのグループは、やいやい言い争ったり、くだらないノリで盛り上がったり、歩き続けて疲労がたまったりしながらも、
次第に、番組への感謝や自分達のトリオのこと、将来のことを、飾らずに赤裸々に語り始めていく…という感じ。
夜の街を歩くという非日常体験のワクワク感も重なり、楽しみながらも、なんだか味わい深い回となりました。
「テレ朝動画」というサイトの、「333タダネット」というところで、未公開シーンが配信されていますので、
それを見て、もし、見逃した方、そして放送地域外の方で、「面白そう」と思った方がいたら、ぜひ本放送を購入して見て頂けたらな…と…。
視聴可能な地域にいて、タダで見れている私が言うのも、なんだか申し訳ないんですけども。
加えて、まるで関係者のような立場で言ってますが、関係者でもなんでもなくただのファンなんですけども。


メンバーは、
Aチーム:菅・太田・松橋
Bチーム:向井・児玉・斉藤
Cチーム:尾形・赤羽・武山
という3つに分かれるのですが、このグループ分けがまた絶妙。
それぞれのチームに、しっかりとカラーが表れているんです。
各トリオのネタ作り担当が集まった「頭脳派」のAチームは、
自分達のトリオのこととか、トリオさん内でのメンバーの立ち位置などを真面目に語り合っていく。
東京タワーを見ながら静かにカッコよく黄昏ることも、恥ずかしがることなく出来ちゃうタイプ。
一方Bチームは、終始テンション高めで、3人仲良くおしゃべりしながら、テレビ的・バラエティ的なトーク、見せ場を作るのが本当に上手い。
コンビニで飲み物を買い出しに行く時に、自分達の分だけではなくスタッフさんの分も購入して、
「他のチームじゃこういうことはできないでしょ~」と笑ったり。
これで、他のチームが実際にスタッフさんの分を買っているかどうかは問題ではない。どっちに転んでも面白いですもんね。
こういう発言をしている、ということ自体が、番組の見せ場を作っている。
そして、各トリオのポンコツ的な3人が集まってしまった、ズッコケ3人組のようなCチーム(笑)
「ベタなボケをしたら1ポイント」というゲームをしたり、歌いながら歩いたり、あいうえお作文を始めたりと自由奔放(笑)
でも、赤羽さんが痛風が出てしまって歩けなくなってしまった時に、過剰に責めたてたりすることなく、
ぶつぶつ言いながらも肩を組んで歩くことができるのは、尾形さんと武山さんだからこそだったんだろうな。
何よりもこうやって、各チームを絶妙に振り分けて、それぞれのチームに色をつけることができるのは、
3組を3年半見守って来たスタッフさんが積み上げてきた、信頼感の賜物なんだろうなと感じて。
「彼らにしかできないこと」をやらせてくれているんだなと感じて。



例えば、賞レースとかで、自分の芸人さんがいい結果を残し、テレビにどんどん呼ばれるようになり、芸人さんの軸足がライブからテレビに移り始めている時に、
「売れ始めちゃうと寂しい」「ずっとこのままでいてほしかった」
なんて思ってしまうファン心理は、いつの時代も一定数あるのではないかと思います。
その理由は様々で、
ずっと近くで見ていた芸人さんが遠くに行ってしまって、自分が育てた訳じゃないのに、息子が巣立つのを見届ける親みたいになってしまうのとか、
あるいは、ライブに出てくれなくなって、ライブで近い距離で見れたり、出待ちでお話ししていたことが出来なくなってしまうとか、そういう物理的要因もあるでしょう。
私も、そういう気持ちも少しあるのですが、
何より一番「売れ始めちゃって寂しい」と感じるのは、芸人さん達が、
別に、その芸人さんじゃなくてもいい場所に行ってしまう、というところです。

芸人さんは、色々な場所で結果を残して、最終的にはテレビの世界で「バラエティタレント」になることを目指している方が多いと思います。
でも、芸人さん達が目指している、最近のテレビ界の中に、「この芸人さんじゃなきゃダメ」って番組ってどれほどあるんでしょうか。
最近のテレビ番組は、クイズやグルメや雑学、世界の衝撃映像……みたいなものばかり。
どこのチャンネルを回しても、いまいち変わり映えがしなくて、今見たいバラエティって、正直、あまりないです。
もちろんそれは、何でもかんでもクレームを入れる視聴者とか、スポンサーへの配慮とか、
様々な事情でこういう状況になってるとは思うので、すべてテレビ制作側の責任にするつもりはないのですが。
けれど、そういう無難で、同じような番組ばかりで、
芸人さんは呼ばれても映像を見ながらワイプの顔を作るばかりで、スタジオでのコメントも数回しか振られなくて、
そんなところに、その芸人さんじゃなきゃいけない理由ってあるの?
ただ、誰でもいいから、とりあえず話題性がある人を呼んで、適当にコメントさせてるだけじゃないの?
そんなところに行ってしまうなら、ライブの世界を卒業しないでほしい。
ライブの世界で、その芸人さん達が見たくて集まっている、「あなたじゃなきゃダメなんだ」って思っているファンの人達の前で、ずっと主役でいてほしい。
……まぁ、こんなことはファンの理想論で、現実はもっとシビアで、
こんな事情はわかっているけどそれでもテレビで売れたいんだと思う人や、
現実的にライブだけじゃ食べていけないからテレビの世界に行きたいと思う人もいるんだろうな。
私だって、ここで色々書いてるけど、そんなこと言って、芸人さんの人生の責任が取れるのかって言われたら、出来ないし。

そんなテレビ界の中だけど、トリオさんは違う。
スタッフさん達の、「この3組じゃなきゃダメなんだ」「この3組を育てたい」っていう、
厳しいけど深い愛情が伝わってくる。
トリオさんメンバーのファンの方が本当にうらやましい。
それは、単にレギュラー番組があるからではなくて、
この3組が主役で、この3組のための、9人のための番組だからだ。
もう番組が始まって3年半、お互いのいいところも悪いところも知り尽くしている9人が、
もがきながら、悩みながら、時には罵り合いながら(笑)、
それでも自分にしかないカラーを模索して、成長していくのを見守ることができる番組だからだ。
本当にうらやましい。
極端なことを言えば、今後爆発的に売れる新人コンビが出てきたとして、
たくさんレギュラーを獲得することが出来たとしても、
たった一本、トリオさんのように、その芸人さんが主役の番組を持たせてもらうことは、
数多のレギュラー番組を獲得する事より、難しいかもしれないよ。

放送開始から3年半、時間帯は上がるどころか、ちょっと下がってるけど(笑)、
でも、この雰囲気を残してくれるなら、それでもいいよ。
このまま息の長い番組として続いてほしいな。
こういう若手ユニット番組って、ゴールデンに進出してしまうと、その芸人さん達だけだと物足りないと考える人達が出てくる。
だから、番宣の芸能人ゲストをガンガン呼ぶようになる。
その結果、例えば「今週は、あの有名女優がコントに挑戦!!」みたいな煽り文句ばかりで、
芸人さんが主役の番組ではなくなってしまうんだよね。
そうなってしまうくらいなら、今のままでいいよ。
でも、いつかは、少しずつでいいから、時間帯が上がっていって、
この雰囲気のまま、この9人のまま、もっと多くの人に知ってもらえて、
9人ごと、番組ごと、愛されるようになるといいですね。
成長する9人の姿に、夢を乗せて。
今の時代に貴重になってしまった、「夢を見させてくれるテレビ」は、ここにある。



  向井「トリオさんってさ、収録中にノリで罵り合うじゃん。意外と気にしてるよね、みんな(笑)」
  斉藤「でも、そういう場所でいいかなってオレは思う。トリオさんは」
  児玉「……うーん、まぁ、『応援してる』じゃないけどさ、『愛』じゃないけどさ、そういうことだろ?」
  斉藤「まぁ、ライバルだって言っても、なんとかみんなさ、平等に売れていきたいじゃない」

(14/5/31 『333夜のピクニック』前篇 Bチーム3人の会話より)






333(トリオさん)1 [DVD]
よしもとアール・アンド・シー




333(トリオさん)2[DVD]
よしもとアール・アンド・シー



333(トリオさん)3 [DVD]
よしもとアール・アンド・シー