甘酸っぱい日々

面白くても何ともならない世界で 何とかしようとする人達のために

「さよなら、絶景雑技団」 2019本公演 (19/3/22)

2019-03-22 23:00:00 | ライブ感想♪
***
『さよなら、絶景雑技団』 2019本公演
2019/3/22 19:00~ @三越劇場
出演:ピース又吉、グランジ五明、しずる池田・村上、ライス田所・関町
   サルゴリラ児玉・赤羽、囲碁将棋根建、ゆったり感中村
   パンサー向井、井下好井好井、スパイク小川
***


「さよなら、絶景雑技団」2019年の本公演3公演、本当にお疲れ様でした。
私は今回、初日の3/22しか行けませんでしたが、時間が許すなら毎日行きたかった。
そう思うほどの、思い入れのある特別なライブです。
素敵な時間をありがとうございました。

ちなみに、参考程度に…というか参考にもならないかもしれませんが、私が書いた以前の絶景の記事を貼っておきます。

「New又吉の誕生や!」  6月6日  さよなら絶景雑技団
「NewNew又吉の誕生や!」 1月4日 さよなら、絶景雑技団~追加公演~

今読んでみても思い出せないコントもたくさんあるけれど(笑)、それでも、雑でも、ちゃんと書いておいてよかった。
2017年も本当に楽しかったのですが、感想書けていなかったのが心残りでしかたがないです…。
というわけで、今回はちゃんと感想書きたいと思います。
ちゃんとと言っても、詳しくコントの内容に触れるわけではなく、全体の印象のみ。
ちなみに、私が見た公演は、ライブの後に会見もあり、さらにレポもアップされていたので、貼っておきます。
(さらに余談ですが、今まで「よしもとニュースセンター」と言っていたサイトが、「ラフアンドピースマガジン」というサイトになったようですね)

ピース又吉 主催のコントライブ「さよなら、絶景雑技団」10年目の開催にしずる村上「又吉さん、もっと偉そうにしてほしい」


「絶景雑技団」というライブについて

今回の会場は、三越劇場。
初めて行ったんだけど、あまりの豪華さにちょっと引いてしまうほどだった。
オペラ見に来たのかな?みたいな会場の雰囲気で、「こんなところでやっていいの!?」と(笑)。
でもね、なんだろう、客席の感じ、広さとか天井の高さとかは、浅草を思い出す感じだったんだよね。
この、絶景雑技団が始まったのって、2009年で。
浅草の5656会館で、AGEAGE絶頂期のメンバーが集まって。
そのころから素晴らしいユニットコントやってたけど、まだ「一部のマニアのみぞ知る」みたいな感じだったと思うんだ。
それが10年経って、今回の2019年で、また新たに、ここから始まるんだなあって思った。
チケット代は6000円に跳ね上がり、
壮麗な雰囲気の劇場で、
見にいらっしゃっている関係者の皆さんもあまりに豪華。
(あいみょんがツイートしていたのはさすがにひっくり返りました)
でも、ここには確かに浅草のあの10年前の空気が流れてるんだなあって。
それだけでももう胸がいっぱいでした。
もちろん、この大幅な環境の変化は、又吉さんがもたらしてくれたもの。だからその点の感謝は当然ある。
けれど、その一方で、彼らは10年前から、最先端のコントをやっていたんだぞって。
又吉さんは当時から、彼らに目をかけてくれていたんだぞって。
そう誇らしくなる気持ちもあったのでした。

メタ的なオープニングコントが始まり、
全員集合して、全員が一列に並んで、
それぞれが「おー!!!」とか「わー!!!」とか絶叫してから、
『さよなら、絶景雑技団!!!』
暗転して、ナンバガの「疾風鋭くなって」が流れて、オープニング映像が始まるの。
ずっと、ずっと変えないでいてくれるこの流れ、胸が熱くなる。
変化の激しい世の中で、「変わらない」ということが、どれだけ貴重なことか。「あの時と同じだ」ということが、どれだけエモーショナルだということか。
又吉さんはきっと、本当によくわかってくれてるし、その世界観を大切にしてくれている。
だからこそ大好きだし、信頼しています。


本公演での「テーマ」

絶景雑技団では、ユニットコントが何本も披露され、その一つ一つは独立している。
けれども、毎公演、その公演を貫くテーマのようなものがあると思うんです。
それは明示されているわけではないから、一観客である私が勝手に思っているだけなのだけれども。
絶景雑技団のこれまでのテーマ、
09年は「自分の殻を破る又吉」
11年は「芸人をやめる後輩へのエール」
17年は「離れてもなお大きい綾部の存在」
そして今年、2019年度版の本公演は、「向井慧の異常なまでのラジオへの愛情」といったところでしょうか。

パンサーは、「出待ち率ナンバーワン芸人!」などという、良くも悪くも強烈なフレーズで推され始め、メディアに取り上げられるようになり、
圧倒的に女性人気が高まり、華やかな世界の仲間入りをした。
しかし向井さんの根底にあるのは、ラジオばかり聞いて、純粋にお笑いに憧れていた少年時代の自分。
本公演の中でも言っていたけれど、彼が大事にしたいのは、ラジオを通した一対一のコミュニケーション。
結局彼は純粋に「お笑いが好きだ」という気持ちだけでここまで成り上がってきた人で、
又吉さんもその胆力をわかっているから、今回の本公演で彼にメインを張らせたのではないかな、などと思ったり。
そういえば、2017年の絶景雑技団では、オープニング映像でそれぞれのメンバーが「絶景」だと思う写真を紹介していくというものだったんですけれども、
向井さんの写真は「深夜のラジオブース」だった。
ああ、ぶれないなあ。
あんな紹介されて世に出た人なのに、自分の一番大切なものは絶対に手放さなかったんだなあ。
本当にぶれない人だし、そのぶれなさをきっと又吉さんも面白がっている。
ある種、一つのサクセスストーリー。夢のある世界だ。
そんな彼の愛情は、見方を変えれば一種の狂気のようで、
その狂気の部分を切り取り、ラジオが好きすぎるあまり狂気に呑み込まれていく様子を描いていったのかななんて思ったのでした。


先輩としての又吉さんと、一人一人の個性について
一人一人の個性を見極めて、的確なポジションを与えてくれる又吉さん。
関町さんには、高度な演技力が要求されるネタを当ててくださってありがとうございました。
「絶景日本語講座」というコント。
『そうなんだ』という、たったこの一言が、シチュエーションによって全く違う意味合いを帯びてくる。
その表情、口調、言い方のテンポ。あらゆる細かい表現ができないといけない役を関町さんにやらせてくださったことに大感謝です。
中盤みんなが暴れるネタでは、一人一人の個性を理解して声をかける。
小川ちゃんの篠原涼子は最高すぎて笑いながら泣きました(笑)
そしてやっぱり児玉智洋はすごい。あの人の「主人公力」はなんなのか。
観客みんなが彼に引き付けられてしまい、彼を応援したくなってしまう、あのパワーはなんなのか。
又吉さんもそれを存分に理解して彼を主役に置いている。
あの人はもはや、脇役ができないんじゃないか。脇役に置いておいても主役をやらせたくなってしまうから。
しかしそれが何よりの彼の魅力だ。



又吉さんの芸歴20周年という大切な時に、絶景雑技団を開催してくださって、
そしてライスをコンビで呼んでくださって、本当にあらためて感謝です。
最先端を走り続ける又吉さんの挑戦を、ぜひこれからも見させてください。
また来年も、本公演があったらいいな。


又吉直樹「中学生の時から活躍して…」イチロー引退(日刊スポーツ)

又吉、自由な笑い届ける コントライブ「絶景雑技団」開幕(東京中日スポーツ)

ピース・又吉直樹「綾部さんはアメリカで活動しているので…」 相方からの刺激が原動力?(AbemaTIMES)