甘酸っぱい日々

面白くても何ともならない世界で 何とかしようとする人達のために

『ライスドキャスト』 (2015/8/24)

2015-08-24 23:30:00 | ライブ感想♪
本日はライスドキャストへ。
冒頭、第一声、田所さんが吉村さんに掴みかかって、
「なにキングオブコント受かってんだよー!!」とカッコ悪いキレ方をするところから始まったライブでした(笑)
ザンゼンジを迎えたトークも、賞レース落ちた後の芸人あるある。全体的にKOC一色でしたね。

ネタ後のトーク、ザンゼンジと一緒に、落ちた後どんなツイートをすればいいかの話に。
去年、武田さんは「僕の顔のせいで落ちました!」とツイートしたところ、
優しいお客さんから「そんなことないですよ」「元気出してください」みたいなリプが来て、双方悲しい思いをしてしまったと(笑)
田所さんは、KOC落ちた後普通に「悔しい、情けない」という感じのツイートをしてしまったら、
その後の五明さんのツイートハザマさんのツイートを見て反省したそう。
何も言わずにモノクロの写真だけ投稿した五明さん、まるで遺影(笑)
ハザマさんは、『なんや!小笑2回取って、後半失速させたやろ!』→ザンゼンジもブロキャスも、これは素晴らしいと絶賛(笑)
田所「もう落ちた瞬間から、別のグランプリが始まってるんだなって」

田所「(関町さんのツイートについて)こいつのはひどかったですよ」
吉村「なんて書いたの?」
関町「鼻血ブー」
田所「こんなのグランプリの最下位ですよ!まだ普通に書く方がいい!」
でも武田さんも、去年の三福さんはひどかったと語る。
武田「『旅に出ます』って。お客さん心配するじゃないですか!しかも旅、行ってないし」(笑)
武田さんは、去年ずっと半年くらい、「自分だけ結果をまだ見ておらず落ちたことを知らない」
というボケを続けていたそうです(笑)

落ちた後の振る舞いやコメントの話があまりに面白かったのでそればかり書いてしまいましたが、もちろん予選そのものの話も。
ザンゼンジが登場するなり、「ウケすぎなんだよー!!」とカッコ悪いキレ方をしながら掴みかかる田所さん(笑)
今年の2回戦、袖でウケを聞いていたそう。なるほどね……。
三福「てか何で落ちてんすか!ライスさんはこんなとこでくすぶってる人達じゃないんですよ!」
めっちゃ応援してくれている(笑)
ライスとザンゼンジは、去年も今年も同じブロック。
去年はザンゼンジ落ちライス合格、今年はザンゼンジ合格でライス落ち。なんか縁を感じますよね。
今年はザンゼンジの2組後にライスでしたが、去年はザンゼンジの直後にライス。
そうそう、実は去年ザンゼンジがすごくウケてて、
「これはこの後に出てくるライス厳しいかも…」と思った覚えすらあります。
それでも落とされてしまうのですから、何があるかわからないものですよね。

ザンゼンジの今日のネタは2回戦と同じ、笛のコント。
今日も予選に負けず劣らずよくウケてました。
動きや勢いでパワフルなイメージもありつつ、
ストーリーや言い回しを丁寧に積み重ねていく感じもあってとてもいいコントだなぁ。楽しいなぁ。

ライスの2本もとても好きでした。
特に2本目が、バカバカしいのに、ワードに凝ってて緻密で、そういう才能の無駄遣い感本当に好きです。
そしてどちらも起承転結とか、緩急とか、笑いどころの他にストーリーとして楽しめるところがあり、
まぁ後の祭りですが、こういうタイプの方が良かったのかななどと…。
あと単純に、普通の男性2人が登場するコントよりも、役や設定がしっかりあって、それにグッと入り込む方が2人とも映えるんじゃないかなぁなんて…。
まぁ、でも、もういいですよね。
どんなのが予選で受けるかなんて、また1年後に考えれば良くて。
しばらくは色んなタイプのコントを楽しもう。



2本目のオチが綺麗に決まって、
ネタは最低なのに美しくて、
暗転して笑い声を聞きながら目を閉じて、
あぁ私ライスのコント大好きだなぁって思って、
そういう瞬間が一番幸せです

ライスドに行く時は、いつもこのライブのオープニングにかかっているフジの「会いに」を聴いてテンションを上げているんですが、今日はなんだかこの歌詞が一層私の心に染みてきて。
「君のいる所に会いに行くよ 会いに行くよ」
まとまっていない気持ちだけれど届けてみたい。ライスが好きだって言ったからって、
世の中何も変わらないけれど届けてみたい。
君のいる所に会いに行くよ。
大宮でも幕張でも会いに行くよ。
君に言葉持って行くよ。


フジファブリック 『会いに (フジフジ富士Q Live ver.)』


ちょっと早いこの夏の終わりに寄せて

2015-08-21 03:57:22 | お笑い全般
みなさんこんばんは。
以前からこのブログに来て下さっている方は、お久しぶりです。
とは言っても、あまりに間が空き過ぎてしまいましたね。
一応更新するのは今年初めてではありませんが、2月に更新した記事は、他の記事の紹介だったので、
実質的には今年初ということになるかもしれません。
2015年に入ってから、仕事の状況が目まぐるしく変わり、びっくりするくらい時間が取れなくなってしまって、
ライブにはちょこちょこと行っていたのですが、落ち着いて感想を書く時間もなくなってしまいました。
そんな私が、久しぶりに書く話がこんな話で申し訳ないのですが…。
本日発表された、キングオブコント2015準決勝進出者。
そこに、ライスの名前はありませんでした。
私にとっての2015年の夏は、ここで一回終わってしまったので、
今日はとりあえずその話を。
本当は、もう少し時間が経ってから落ち着いて自分の気持ちを整理したかったのですが、
全然眠れなくなってしまったので、今日中に全部書いちゃいますね。
よろしければお付き合いください。


私は、8月19日のKOC2回戦、ライスが出場する日を見に行きました。
その時のライスの印象を、率直に書いてみたいと思います。
敗者にムチ打つような感じになってしまったら申し訳ないのですが、
決して彼らを責める目的で書くわけではないので、できるだけそうならないように気をつけます。
自分の感覚を冷静に言葉にしておくことで、後から見た時に何らかの役に立つかもしれないので。
(何の役に立つかは分からないんですが)

まず申し上げたいのは、ライスさんは決してウケていなかった訳ではないこと、
準決勝に行ってもおかしくない、行っても文句は言われないだろう出来だったと思うということです。
その上で、私が気になったこと二点。
一点目は、もっと、ストーリー性や登場人物の人間性が表れているようなネタをやってもよかったのではないかと。
今回ライスがかけたネタは、「気になる」というコントで、
田所さんが「長年付き合ってた彼女と結婚した」と切り出し、指輪を見せるのですが、
それを見た関町さんは、それよりも気になるところがあって…というコント。
このネタは、確か今年1月のライスドキャストで初めてかけたネタなのですが、
実は私はその時、新年一発目からすごいネタを見れたなぁと思ったのです。
私がすごく好きなタイプのネタで、客席もすごく沸いていて、
さらに、その客席の笑い声に押されて、舞台上の田所さんと関町さんもどんどん乗って行って、
2人は本当に楽しそうにネタをやっていて、その相乗効果でさらに面白くなる感じがして。
すごくカッコつけて言うと、グルーヴ感?お笑いでグルーヴ感なんて言わないかなぁ?(笑)
でもそれくらい、演者と観客が一体となって、お互いの熱を高めあう感覚を味わった。
こういう瞬間に立ち会えるのがライブの醍醐味だなって、
新年一発目から、今年の勝負ネタになりそうなネタが生まれるなんて、すごいなと思ったのです。
ただ、その後も色々なネタを試していたので、正直今回の2回戦にこれで来るとは思っていなかった。
だから、ライスの出番になって、明転して、このネタだとわかった時、ちょっとびっくりしたけど嬉しかったんですよね。
これ、客席の空気を掴んで、上手く波に乗れたらあるかもしれないと。
でも今回、あの初めて見た時のような一体感や高揚感は、残念だけどちょっと足りなかったかも。
何が原因かはわからないけれども、その一因として考えられるのは、
最近のKOCでは「ストーリー性」や「人で笑わせる」ということが求められているのではないかということ。
以前、こちらの去年12月のライスドキャストの感想のところにも書きましたが、
KOCの審査員の先生方は、いくらコントのシステムやパターンが優れているネタでも、
その中に登場人物の人間性や、バックグラウンドが含まれているようなネタでなければ、あまり評価しないんではないかと思うのです。
具体例を挙げさせて頂くと。
今回、19日の出演者の中で、私の好みに一番合致して、
「もう大好き!」と叫びたいくらいツボなコントを見せてくれたのは、夜ふかしの会でした。
私は正直に言って、夜ふかしさんは、KOC2012のコントも、またその後に他のライブで見た時も、
あまりツボにハマるコントではなかったんです。
彼らのコント、「システムは面白いなー」と思うけれども、
それ以上に心を掴まれる何かがほしいなぁと思ってしまっていて。
それが、この19日のKOC2回戦で見せてくれた彼らの「フルーツバスケット」のネタが本当に良かったんです。
コントの基本となるシステムも面白かった上に、
コントの登場人物それぞれにしっかりとキャラがついていて、5人でいる意味が限りなく表現できている。
ちょっとかわいそうになっちゃうような人もいて、その登場人物のバックグラウンドまでこちらに想像させる余地があり、
「バカだなぁ」と思いつつもそのキャラが愛しくなってくる感じ。
まさに、「システム」と「人で笑わせる」ということを両立させていて、どちらが好きな人も満足できるようなネタ。
加えて、コント内の4分間で、話が急展開するような場面もあり、
起承転結が美しくて、ストーリーとしても楽しめる。
あの夜ふかしさん本当にいいコントだったなぁ。もう一回見たい。
また、この日イチのウケをとったGAG少年楽団も、コントのストーリー自体が面白いんですよ。
そういうコントって、やっぱりインパクトがあるし、心に残る。
その点、ライスの「気になる」のネタは、システムはすごくいいんだけども、
パターンだけを連発している印象になってしまい、登場人物の人柄が見えてくるようなコントではなかったかも。
ライスはきっと、やろうと思えばそういうネタだってあると思うんです。
個人的には、システムだけで勝負するストロングスタイルも好きなんです。
(というか、多分初期のライスは、あえてそういうコントを狙っていた感じがする。
 登場人物の人柄を出さず徹底的に無機質な人間を演じることで、システムに注目させるような)
ただ、KOCの審査員先生方のお好みには合わないのかもしれないなぁと思ったのでした。

二点目。
どんな状況でも、文句ないくらいウケることが出来るか、ということ。
先ほど、「この日イチのウケをとったGAG」と書いたのですが、
そのGAGのいるグループが、ライスの出番のグループと同じだったんです。
そして、この【ザンゼンジ→GAG少年楽団→馬鹿よ貴方は→ライス】という4組の流れが、
この日一番の盛り上がりだったんじゃないかというくらい、強いグループだったんですよね。
最初のザンゼンジがとてもよくウケる、
次の出番のGAGがそれをさらに超えるくらいウケる、
さらにその次の出番の馬鹿よ貴方はも、テンポはゆったりでも一つひとつ爆発的にウケる……
といった感じで。
その流れの中で出てきたライスは、正直、3組と比べるとウケ具合は一段階落ちてしまっていたかもしれない。
加えて、おそらく2人もこの前3組のウケ具合が明らかに本日トップクラスであることを感じとっていて、
どうしても意識してしまって、本来の間でできなくなってしまったんじゃないかとも感じるのです。
ネタの導入がねー、2人ともすっごい早口だったし、あと関町さんの声のトーンが入りから高かった。
その2人のテンションに、客席がついていけてない感じがした。
見ながら私は、あぁ、もうちょっとテンポ緩めていいのに…とちょっとハラハラしてしまいました。

KOC予選の審査というのは、一組ずつ合格か不合格かを決めるようなオンバト形式ではありません。
5人か6人の審査員の先生達が、それぞれ持ち点100点を持っていて、一組ずつ点数をつけていきます。
それを単純に合計して、順位が上の組から合格させるという審査方法だそうです。
つまり何が言いたいかというと、前の3組が爆発的にウケていたら、
相対的に4組目の点数はどうしても下げたくなってしまうかもしれない。
4組連続で同じような点数をつけるのは、人間の心理的にちょっと抵抗があるかもしれない。
例えば他の組に95点つけていた審査員が、90点にするとなると、
一人の審査員にとってはちょっとした差でも、全体になると大きな差になるということです。
これが例えば、全然ウケていないグループに入れられていた場合点数が違ってきたかもしれない…
なんて考えてしまうのです。
でも、仮定の話をしても仕方がないですよね。
結局、厳しいけど、しんどいけど、どんな状況でも文句ないウケを取れるくらい、強くなるしかないんですよね。
どんな状況でも、いつもの自分達のようにやれるようになるしかないんですよね。
ライスはここ数年で本当に変わったと思います。観客を巻き込む力が格段に上がった。
それでも、まだあと一歩足りなかったということなんですよね。
厳しいけれど、それが現実なんですよね。
けれど、それはもっともっとのびる部分だと思うし、
日々の舞台を一つひとつ丁寧にやっていくことが、その近道なんじゃないかなって、勝手に感じます。



今年のライスは、「money」というコントライブを立ち上げて、
他事務所のコント師さんを呼んだり、コントを愛する先輩芸人さんを呼んでトークしたり、
3月から7月までの4ヶ月間、計4回そういうライブを行いました。
その初回、KOC初代チャンピオンのバッファロー吾郎・竹若さんがトークゲストの時。
竹若さんはライスに「こういうライブをやるってことは、チャンピオンになりたいと?」とストレートに聞き、
ライスは2人揃って、しっかりと「はい」と答えました。
(ただその後、2人揃って「なんか恥ずかしいですねー」とか言ってヘラヘラしていたんですけども・笑)
私はこの時、涙が出るかと思うくらい嬉しかったです。
ライスは今まで、「芸人たるもの努力を見せるのはカッコ悪い」というスタンスで、
ガツガツしているところを見せるよりも、余裕があるように見せる方がいい、その方がお客さんも笑いやすい、と考える人たちでした。
それはそれでいいといと思うし、そのポリシーに口を出すつもりはなかった。
けれど、今年初めて、ライスははっきりと口にした。
このままじゃダメだ、チャンピオンになりたい、決勝行きたい、変わりたいと。
変わりたいとハッキリ口にするのは、怖いことだと思う。
そう公言することで、プレッシャーも高まる。
けれど、そのリスクを負ってでも変わりたいと表に出したライスのことを、
私は嬉しく思った。かっこいいと思った。
その通りに、moneyで他事務所芸人さんのファンもいるなかで毎回爆笑を取ってたこと、
本当に本当に、好きだなって思ったんだ。
だからお願い、自分達のことをだらしないなんて言わないで。
今シーズンのライスが、大好きでした。


私、3年前、2012年にライスが準決勝に行けなかった年、こんなことを書きました。
   どうせ、どうせ
……今読んでも恐ろしく暗い(笑)

この時に私は、「ファンが面白いって書いても何の意味もない、世間に何の影響もない」と嘆いていました。
でも、今年の私の気持ちは、少し違うかも。
ファンが面白いって書いても、世間に何の影響もないなら、じゃあ、書こう。
ファンが好きって言っても、世間に何の影響もないなら、じゃあ、言おう。
私がそうしたいから。私がそうしたら嬉しいから。
……そして、どうせ何の影響もないことはわかってるけど、
私が好きって言うことで、もし、ほんの少しの可能性でも、
何かが変わったら嬉しいから。
誰かにライスのことを知ってもらえたら嬉しいから。
ファンが自分の好きな芸人のことを、好きだって、面白いって言う当たり前のことを、
どうして私は、そんなに躊躇していたのかなぁ。
どうせほとんど世間に影響もないんだから、思い切って言おう!

ライスが好きだ、大好きだ!
ライスのコントが大好きだ!
今シーズンのライスが、本当に、本当に、大好きだったよ!
幸せだったよ、ありがとう!
わがままを言わせてもらうと、
また来年も、頑張る2人のことを
応援させてもらえたら嬉しいな!


ライスのシチサンLIVE 復活!目覚まシチサン起こしまShow (15/8/16)

2015-08-20 23:00:04 | ライスのシチサンLIVE
***
『ライスのシチサンLIVE 復活!目覚まシチサン起こしまShow』
8/16(日)19:00~ @よしもと幕張イオンモール劇場
出演:ライス、チーモンチョーチュウ菊地、ピクニック、LLR福田、しずる池田、ジューシーズ児玉、囲碁将棋、かたつむり林、ゆったり感江崎、マヂカルラブリー野田
***


シチサンAage期(2009年)

シチサンレギュラー期(2009〜2010年)

シチサン復活期(2012〜2013年)

シチサン復活期セカンドシーズン?(2015年〜)←new!



久しぶりの更新は、こちらのライブの感想ということで。

いやー、まさか、このカテゴリーの記事を再び更新する日が来るとは思っていませんでした。
嘘みたいだけど嘘じゃない。
2009年のAage制度時代の最終回、2010年にレギュラー期最終回、2013年に復活期最終回。
そして今回、満を持して4度目の復活。
もう異例中の異例、特殊中の特殊ですよね。
そしてそれぞれの最終回が、本当に先の見通しがなくて、本当に最終回にする予定で、
だけど色々な縁やきっかけがあって復活しているというのが、またいいなぁと思ったのです。
きっと今回、懐かしいなぁという思いを持って劇場へ行った方もいらっしゃるだろうし、
あるいは、配信で見ていたけれども様々な事情で劇場には行けず、今回初めて生で見た方もいらっしゃるだろうし、
あるいは、最近ファンになった方で、一度もリアルタイムでシチサンを見たことはないけれども、
過去のレポやYNNを見てその存在を知り、今回初めて体験した方もいらっしゃるだろうし。
復活は偶然ではありますが、結果的には、この適度なインターバルを置きつつ何回も復活してくれる感じが、
適度にファンの熱を維持させ、人気を持続させていく秘訣なんじゃないかなぁと思います。
ただ今回は、配信がなかったんですよね?
それがただただ残念。
私は本当に運よく、今回行くことが出来たけれども、様々な事情でそれがかなわない方もいらっしゃる。
劇場が遠くて行けない人も、昔は東京に住んでてよくライブ通いしていたけど今は離れてしまった方も、
そして、物理的にではなく気持ち的に、お笑いから離れてしばらく時間が経ってしまった方も。
やっぱり、全国各地にいらっしゃる、どんな状況の人でも、この日この時に集って来て一緒に騒げるっていうのが、
シチサンの何よりの醍醐味だと思うんですよねぇ。
だから、この復活期セカンドシーズンが続いていくのかどうかは分かりませんが、
もし次回やるなら、やっぱり配信はマストでお願いいたします。


私は今回が、よしもと幕張イオンモール劇場の初上陸でした。
もう行く時には本当に遠くて、途中でちょっとめんどくさくなってしまって、
「私、なんで寝起きの芸人を見に行くために片道2時間もかけて向かってるんだろう…」
と、急に我に返ってしまうほど(笑)
でも、確かに遠かったんだけど、やっぱりそれだけの価値があるライブだった。
シチサンは他の何にも代え難い。
劇場こそ、無限大ではないのは残念だけれども、
でもシチサンのあのオープニング映像は継続で使ってくれて。
さらに、暗転中の音楽も同じ、懐かしのレシートコーナー、田所さんの「コーナーの方にまいりましょう!」も、
懐かしくて愛しくて胸がいっぱいで。
今回、寝起きの野田くんが、まだ頭が回っていない中で、
舞台上を見ながら「なんか夢みたい…」とつぶやく場面があったんですが、
私はまた別の意味で、「うんうんわかるよ、夢みたい」って思ってました。
2年ぶりのライスのシチサン復活。
私も、劇場にいてその場で体験しているのに、そして私は別に寝起きじゃないのに(笑)、
なんだか現実のことに思えなくて、本当に夢みたいだなぁって思っていました。
劇場からの帰り道、イオンモール劇場から海浜幕張の駅はバスに乗るんですが、
行きはひたすら長いなぁと思っていたその距離が、帰りはなんだかちょうど良く感じて。
夜の闇に包まれ、街灯もまばら、車通りも多くない。
そんな道のりを通っているバスが、なんだか現実感ない道を走っているようで。
夢の世界から、現実世界へと移動するためのバスのようでした。
何を言ってるんでしょうか私は。
でも、本当にそんな感じがしたんです。


本当は、何度も思ったことがある。
私は、ライスが好きだとか、東京吉本芸人が好きだというよりも、
AGEAGE全盛期の、あの2008~2010年くらいの雰囲気が、環境が、好きだっただけなんじゃないかって。
あの頃は本当に楽しかった。
私自身がお笑いライブに通い始めたばかりということもあって、何もかもが新鮮で、
そしてちょうどエンタ、レッドカーペット&レッドシアターなどが人気番組となり、
KOCという大会が始まるなど、世の中全体がお笑いブーム。
私が普段見ている、この無限大ホールの中から、近いうちにこういう番組に出てハネる芸人さんがいるはずだって、
そうやって毎日が明るい期待に溢れていた。
けれども、お笑いブームはバブルのように弾けて、お笑い番組は少なくなり、今はすっかり氷河期。
賞レースは、ファイナリストでさえ人生が変わったと言うほど売れる人は少なくなってしまった。
せっかく、一年間死ぬ気で努力を重ねてきて、やっとKOCの決勝という晴れ舞台に立ったり、
あるいは何年も準決勝の舞台に立っているのに
そこから先に進めない、これ以上どうやったら売れることができるのかと。
そういう状況の芸人さんをたくさん見てきた。
夢と希望だけで溢れている世界ではないことを、月日が流れるごとに痛感した。
加えて、私が大好きだった芸人さん達は無限大ホールも神保町花月も卒業、
品川プリンスシアターも浅草花月も閉館し、
私が青春時代を費やしてきた場所が、どんどんなくなっていく日々。
多分、過去のことだから余計美化されて感じられるんだろうけど、それでもさ、
やっぱり、昔の方が楽しかった。
私は、「今」のライスを見たい訳じゃなくて、
「過去」のあの雰囲気を味わいたいから、ライブに足を運んでいるんじゃないかって。
本当は、何度も思ったことがあるんだ。

でも今回、少しその考えが変わったかもしれない。
確かに、昔のシチサンの雰囲気を味わえたことは本当に嬉しくて、
「みんないい意味で何も変わってない」っていうことに何より感銘を受けた。
ライスのシチサンを見てる時って、時空が歪んでるように感じられると言うか。
今が何年かわからなくなるんですよね。
もし今回と全く同じライブを、2009年に見たとしても違和感なかったと思う。
それくらい、ずっと変わらない良さを維持してくれている。

私は、結局自分が過去にこだわっているところがあるというのは否定できない。
けれど、「変わらない」っていうのは、本当に大変なことだ。
何もしなければ変わらないでいられる、なんて訳ではない。
変化の激しい世界で、変わらないでいてくれること、
そして辞めないだろうと信じさせてくれることの尊さを、改めて実感する。
だから私が見に行ってるのは、やっぱり今のライスであり、今の東京吉本勢であり、今のシチサンなんだ。
「昔と変わらない良さを見せよう」と尽力してくれている、
過去を大事にしながらも、新しい面白さを見せようと尽力してくれている、
その全てを含めて、「今」の彼らなんだ。
そんなふうに思うことができた。
そういえば私は、復活期最終回のシチサン感想でこう書いた。


  過去も今も未来も、みんなここにあって、
  全部全部、これが全部ライスのシチサン!

そうだった、過去も今も未来も、全部ここにあるんだ。
昔の良さを守り続けながら、今とこれからの皆を見せてくれている。
そんな彼らが好きなんだ。
ありがとう、私の青春は全部全部ここにあるよ。
ライスが作ってくれるライブの中にあるよ。本当にありがとう。


何年経っても、何回見ても、何回でも思える。
ライスが好きだ、大好きだ。
東京よしもと芸人たちが、大好きだ!!