甘酸っぱい日々

面白くても何ともならない世界で 何とかしようとする人達のために

酔い処 福仁 (20/2/6)

2020-02-06 23:30:00 | ライブ感想♪
***
「酔い処 福仁」
20/2/6 19:00~ @ヨシモト∞ドームⅠ
LLR福田、ライス田所
ゲスト:笛田サオリ(さめざめ)
***

今月のゲストは、「さめざめ」の笛田サオリさん。
信念を強く持っていらっしゃって、生き様も言葉もかっこいい。
実体験をもとに曲をお作りになるシンガーソングライターで、
「『友達のことを歌にしました』なんて言うミュージシャンは信用できない」と言っていたのが最高でした(笑)

そもそも、今回出演してくださることになった経緯は、福田さんがミュージシャンの方にお話しを聞いてみたいと思ったから。
けれど、全然知り合いがいないし、ツテもないので、周りで唯一ミュージシャンと交流があるグランジの遠山さんに相談してみたのだそう。
そしたら、遠山さんが、笛田さんがいいんじゃないかと話を通してくださり、快諾してくださって、今回の出演が決まったということのようなのです。
お笑い界とミュージシャンに共通する点や違う点を、笑いを交えつつも真剣に話してくださって、その温度感が合っている感じがすごく良かった。
そして、遠山さんが、福田さんと田所さんにだったら、笛田さんの雰囲気が合うだろうと見極めていらっしゃった、という点にもぐっときてしまいますね。
遠山さんありがとう、次は遊びに来てくださってもいいですからね!(笑)
(福田さんと田所さんに、「なんで遠山さん来ないんだよ!来いよ!」と言われていたので…笑)

興味深いお話はたくさんあったのですが、特に印象的だった部分。
笛田さんは実体験を曲にしていることがほとんどで、感情が高まったときに、曲が降りてくるという感じのことをおっしゃっていて。
それを聞いた福田さんと田所さんは、「芸人にはそんなやついない」(笑)
福田「芸人がネタ書くのは、締め切りに追われたとき」
田所「『もう単独ライブ打っちゃったよー』ってね」(笑)
そんな風に、散々芸人のダメっぷりの話をしていたのですが、その後、
田所「そうやって締め切りを設定するからこそ、書けるっていうのもあるんだけどね」
という感じでおっしゃっていたのが、たまらなく好きだったなあ……。

さらに、曲の作り方について。
笛田さんは、曲を作るときにサビから作るけど、作ってる途中でその歌詞が別の曲に移動したり、
メロディが移動したりして、結果的に3曲生まれた、なんてこともあるそう。
逆に、芸人さんはどうやって作ってるんですか?と、2人にたずねる笛田さん。
すると田所さんは、ライスのネタを書くときは、最初のボケから作ると。
笛田さんが、「じゃあ、Aメロからという感じ?」と言うと、田所さんは「いや、一個目のボケがサビだと思っている」と言ったんです。
それを聞いた福田さん、
福田「サビから始まるなんてGLAYみたいじゃん!!ライスのネタがカラオケに入ったら、採点機能で点数取りやすいタイプだな!!」
もう本当に面白すぎる(笑)
福仁は、トークの内容だけではなく、福田さんの発想とワードセンスを楽しむのも大好きな時間です(笑)
だけど、田所さんの考えはちょっと違うみたい。
例えば、
 『こんなところに新しいラーメン屋できたんだ、入ってみよー』←この前振りがAメロ
 『うわー!なんか変な店員出てきたー!』←ここがサビ
ネタの一個目のボケ、つまり俗に言う「バラシ」の部分が、楽曲で言うとサビで、ある意味でピークだと思ってネタを書いているんだなあ。
確かに、そこがハマるかどうかで評価が分かれてしまいますもんね。
こうやって、他の業界の方のお話しを通して、田所さんと福田さんの考えが垣間見えるのがこのライブの魅力ですね。
今回は特に、それぞれの業界の違いが聞けて、とても楽しかったです。


話題は前後しますが、もう一つ、ゲスト登場前のお二人でのトークのこと。
田所さんが先日、囲碁将棋の文田さんと話していた時に、聞いた話を教えてくれました。
いごしょがトークライブで、グッズ付きのチケットを発売したら、売れ行きも好調で、お客さんからの反応も良かったとのこと。
なので、福仁でもグッズを作ろうか?という話になり、色々考えてみる。
このライブのコンセプトは飲み屋さんだから、やっぱりグラス?それともコースター?などと話しているうちに、
いごしょは何を作ったのかという話になり、田所さんが福田さんに、湯呑みだそうですよと教える。
すると、じゃあ俺らも湯呑みでいいじゃん!という福田さん。
シメのお茶を飲むという感じで、グッズで湯呑みを販売して、
それを持っているお客さんには、二人がお茶を注いでサービスしてあげるっていうのはどう?
湯呑みを持っている人は飲み放題で!と提案する福田さん。

それめっちゃいいじゃん!と好感触の田所さんですが、
福田「まあ、それで大体2万くらいで売ればペイできると思うから~」
田所「どっひゃー」
コントみたいなオチになっていた(笑)
でも、アイデア自体はすごくいいと思う。
飲み放題にしなくてもいいので(笑)、ぜひ実現してくれたら嬉しいな。


最後に、せっかくなので、私が今回のゲストの笛田サオリさんのYouTubeをいくつか拝見して、一番好きだった曲を貼っておこうかな。
私は、今は通勤でほぼ毎日新宿を通っていますが、それ以前はやっぱり新宿というのは、
「大人の街」「憧れの街」そして、「ルミネtheよしもとがある街」と思っていて、その憧れは今でも消えないんです。
そんな、理想と現実、憧れと夢破れた姿、そんな狭間で揺れ動く、絶妙な気持ちを表現してくれている曲だと思いました。

さめざめ MUSIC VIDEO / 新宿ドキュメンタリー



至極の10分ネタライブ (20/2/2)

2020-02-02 23:30:00 | ライブ感想♪
***
至極の10分ネタライブ
20/2/2 19:00~ @座・高円寺2 

まんじゅう大帝国:アレクサ
ザ・マミィ:腹踊り
ねじ:ヒーロー
ランジャタイ:バスケットボール
囲碁将棋:芸名
マツモトクラブ:村越さん
ライス:記憶喪失
ゾフィー:謝罪会見

***

本日は、K-PROさんの「至極の10分ネタライブ」に行ってきました。
出演者はぐっと絞って、一組ひとくみの良さをじっくり堪能できる、とてもいいライブでした。
こうやって、それぞれのコンビの世界観に浸れるのこそ、ライブという場の醍醐味のように思います。

ライスのネタは記憶喪失。
このライブは、ネタ前に暗転中にセッティングをして、その後にスクリーンにコンビ名が映し出されるのですが、
そのコンビ名が出されるときのプロジェクターの光で明るくなった時に、ベッドとラジカセがスタンバイしてあるのがわかって、
もう心の中で叫んでいました。
このネタ見れるなんて!本当に嬉しい!

【ライス】コント/記憶喪失【ネタ】


(以下、ネタバレも含む感想ですので、ぜひネタをご覧になってから読んでいただければと思います)
このネタをやっているのを、私はネタコレ以外の場で初めて見たのですが、
お客さんの反応が全然違って、それが大変新鮮でした。
ネタコレでじわじわ笑いが広がっていったところで、今日はすぐにレスポンスが来たり。
逆に、ネタコレではサラッと行ったところで今日は小さな悲鳴が上がったり(笑)
なんというのでしょう、ライスって結構ブラックで、それが彼らのことを知っているお客さんにとっては当たり前だけれど、
そうではないお客さんにとっては、まだまだ新鮮なのかもしれません。
なので、ライスファンのお客さんだったら、一発目のボケ(バラシ)で、ああ結構ブラックだなあと言うのが伝わると思うのですが、
今回はそこはサラッとすぐに笑いが返ってきて。
でもその分、関町さんの「まだまだ入院が必要だねえ……」というところで、笑いと同時に悲鳴というか(笑)
ああ、ここでこのブラックさがみなさんに伝わったんだなあって、客席にいる私ですらそう感じた。
あと、「ケイトさんに失礼だと思わないのか?」のところ、すっごいウケてたなあ。

当たり前のことですが、そんな中で2人が、客席の反応を敏感に感じ取り、
ネタコレの時は間を空けていなかったところで空けたり、逆にゆっくり時間をとっていたところをサラッと流したり。
そんな様子を見て、そのプロフェッショナルさに感動するし、こういうところが好きなのだなあと改めて思いました。

そしてこれも当たり前のことですが、
「今は西暦何年?」
『2019年』
「元号では?」
『5月に令和になったので令和元年です』のところも、
ちゃんと『2020年』『令和2年』に直してきていました。
それを聞いて、ああ、年が明けたんだなと実感しました。どこで実感してるんでしょうか私は(笑)
しかし、私はライスの2人は、セリフをリズムで覚えてる人達だと思ってるので、
こういう些細なところで、体に染み込ませたリズムを一回抜くのは大変なんじゃないかなと邪推してしまいます。
特にここはポンポン行かなきゃいけないところなので。
でも、その苦労を感じさせられないところ、また好きですね。

そして、ここからはエンディングの話。
ライスがメトロンズの告知をした後に、MCをしていたねじの佐々木さんが
「『Sunny day Sundayのセンチメンタルバス!』って答えて不正解になる所、正解は何なんですか?」と聞いてくれたんです。
確かに、私もずっと気になっていたんですよね。結局何の曲を使ったんだろうって。
ネタコレの時から気になっていたのですが、3公演見た後3公演とも、お友達と興奮気味に喋り倒してしまって、すっかりそれを調べるのを忘れていて(笑)。
しかも歌詞がない部分までしか流れないので、調べるのも難しいし、自分で調べようとしても無理だったかも。
だから佐々木さんが聞いてくれて嬉しかったんです。
なんて答えるんだろうなと思っていたら、
田所「ああ、あの曲……フリー素材なんですよ(笑)」
みんなが「えーっ!?」「そうなんですか!?」とざわめく中、田所さんはニヤリと笑って、
田所「悪徳病院ですよねえ」
と言っていたのでした。

ああ、本当にびっくりした。まさかフリー素材を使っているなんて。
フリー素材にしたのはきっと、すごく現実的な話をすれば、著作権関係で揉めることがないからっていう理由だとは思うんです。
このネタをYouTubeにアップしたり、今後テレビでやる機会もあるかもしれないし、そういう時に問題にならないようにしたのだろうなあと。
でも、田所さんは昨日そういう風に言わなかった。
それどころか、「悪徳病院ですよねえ」と笑って、そのコントのキャラクターがあえてフリー素材を使っているという設定に持って行っていたのでした。
そうすることで、あのコントの深みがさらに増す気がするし、コントの世界観を壊さないようにすることができますよね。
すごくなんていうか、夢を守ってくれているように思いました。
……と言いつつ、「現実的な話をすると~」なんて言って、その裏側を読もうとしてごめんなさい(笑)
エンディングの何気ない一場面だったけど、このやりとりを聞くことができてよかった。
聞いてくれた佐々木さん、ありがとうございました。
そして、「あのコント、楽屋でみんなで見てて、クイズやってたんですよ。覚えてるかどうか、絶妙なラインですよね~」という感じで言ってくれて。
ライスのネタを、楽屋で多くの芸人さんが一緒に見ててくれたという事実もとても嬉しかったです。ありがとうございました。

囲碁将棋のネタを見れたのもすごく嬉しかったです。
生で見ることができたの久しぶりなのに、ワードセンスが一つひとつ刺さりに刺さって、ずっと笑いが止まりませんでした。
根建さんの「やってみろよ!」も相変わらず最高でした(笑)

他に、特に印象的だったのはマツモトクラブさん。
人生の切なさや遣る瀬無さを表現しているそのストーリーに、心臓を鷲掴みにされるような思いでした。
なんだか、カッコ悪い人の姿を淡々と映し出している様子が、逆に人間の愛おしさを炙り出しているようにも思えたのです…。
……そんなことを思いながら見ていたら、ネタの終盤でランジャタイが登場(笑)
コントの中に出てくるお店にやって来たお客さん、という設定だったのに、なぜか客席に降りてお菓子を配り始め、お祭りのような雰囲気に(笑)
それも含めて、特別感があってとても楽しかったです。


エンディング。メトロンズの告知で出てきたライス、なぜか、
関町「ちょっと写真はやめてください…」
田所「何でだよ!」
根建「お前みたいなの撮りたい人いねぇんだよ!こんな、青と黒の奴」
みんな『お前も同じ配色だよ!!』『上下逆なだけ!!』
すっごい笑っちゃった(笑)




ゾフィーが、キングオブコントでやったあの謝罪会見のネタをフルでやってくれました!
長尺でも飽きないどころか、さらにふくちゃんのペースに巻き込まれていく感じが最高に面白い。
そして、ふくちゃんとライスが同じ画面に入っている写真を撮れたことに感謝です。


こちらは、ゾフィーのサイトウさんが一押しのギャグ「チェだぜ!!」をやったのに、
あまりにも客席の反応が薄くて、芸人さんたちがみんな崩れ落ちて笑っているところです(笑)


エンディング、幕が閉まるギリギリまで手を振ってくれる根建さんでお別れでした。
みなさん楽しいライブをありがとうございました!

ライスのシチサンLIVE ~今年もやります!クリスマスお呼ビンゴ~ (19/12/24)

2019-12-24 23:30:00 | ライブ感想♪
***
『ライスのシチサンLIVE ~今年もやります!クリスマスお呼ビンゴ~』
 2019/12/24 19:00~ @幕張イオンモール劇場

<来てくれた芸人さん>
・バンビーノ藤田
・佐久間一行
・LLR福田
・5GAP秋本
・ピクニック
・怪獣竹内
・グランジ五明
・おかずクラブオカリナ
(手違いでゆいPにもメールが送られて来てくれた)
・ザ・パンチ パンチ浜崎
・サルゴリラ児玉
・犬の心押見

<呼ばれてないのに、ホームページを見て、
 お呼ビンゴやるなら行かなきゃと思って、勝手に来てくれた芸人さん>
・ゆったり感 中村

***
ライスのシチサンLIVE ~5年ぶりに復活!クリスマスお呼ビンゴ~
『今回のライスシチサンライブの突然の復活が、今後また開催される予定があるのか、そういうことは全然わからないけれど。
 でもまたさ、1年に1回でもいいから、やってほしいよ。 
 みんなが楽しそうにワイワイやっている姿を見るだけで、幸せだからさ。』

去年このようなブログを書いたのは間違いなく私ですが、本当に1年後にまた実現してくれるとは思っていなかった。
いつものメンバーも、初めて来てくれたメンバーも、みんなみんなありがとう。楽しいクリスマスイブでした。


今回、最初に来てくれたのはバンビーノ藤田さんだったのですが、ライスが企画の説明を終えたくらいでもうピンポンが鳴り登場してくれる。
「こんなことだとは思ってなかった!」と、あのおなじみのメールを見て本気で心配してくれていました(笑)。
最初の登場にふさわしい。このリアクションが本来なら普通です(笑)
藤田さんは、この時期は体調不良とかで急にライブに出られなくなっちゃう芸人も多いので、本当の話だと思って本気で心配して来てくれたそう。
クリスマスっぽくなるように、ニーブラのネタでやっているシカの被り物まで持ってきてくれました!本当に優しい!
ありがとうございました!

その後やってきてくれた、福田さん、竹内さん、五明さんに関しては、もはや特に説明も求めない(笑)。
竹内さんは登場するなりなんだか不服そう。
竹内「別にいいんだけどさ、関町、この前『クリスマスって何してるんですか?』って、もう直接聞いてきただろ!」(笑)

コンビで来てくれたおかずクラブ。ところが、ビンゴの表にはオカリナの写真だけで、ゆいPの枠はない。
実はもともと、ライスがゆいPを呼ぼうと思っていたのだけど、体調不良だとのことでオカリナを呼ぶことにしたのだという。
ゆいP「私のところにもメールが来ました…」
えーっ!!
本当はゆっくり体調を整える日にしたかったのに来てくれたゆいP。
コンビでメールが来たから、一緒に行こうねって言って、本気で心配して来てくれたそう。
それなのに先輩達が はしゃいでるから(笑)、事態が飲み込めない2人。
ゆいP「私達を使って……賭けをやってたんですか…?」
あーっごめんねごめんね(;_;)
おかずクラブのリアクションがあまりにも新鮮で、いかに私がこの過酷な企画に慣れすぎてしまったかを実感してしまいました(笑) 。
そうだよね、ひどいよね(笑)
屋敷さんは、以前シチサンLIVEに来てくれた時に、
『NSCの時にYouTubeで見て、大好きだった企画に呼んでもらえて光栄でした!』と書いていましたが、
そのツイートももうなんと7年前。
びっくりですよね。そりゃあ、この企画自体を知らない後輩がいるのも当たり前。
それでこそ企画が成り立つんだけど、なんだか今回はちょっと残酷さの方が際立ってしまうような気がしてしまって。
個人的には来年もぜひやってほしいですが、何かしらもう少しマイルドな雰囲気になる工夫があるといいかもしれませんね。
でも、おかずクラブもそのあとは楽しそうにしてくれて良かったです。ありがとうございました。ゆいPお大事に。

前回も今回もそうだったのですが、幕張まで来て、
特に「なんなんだよー!」とか「遠かったんだぞ!」とかも言わず、
あまりにも普通にずっといたメンバーに馴染み、普通に楽しんで帰っていくサルゴリラ児玉さん。
何気に面白いです(笑)

そして、今年いろいろとあったパンチ浜崎さんも来てくれました。
登場するなり、「えーこの度は……」と、手にエアーのマイクを持って話し始めるところに会場爆笑(笑)
さらに、禊だからといってあの電気ビリビリゲームをやらされる(笑)
みんながお座りくださいと言っても、「いや、皆さんが座るまでは座れません!」と言う浜崎さん。
飲み物は何がいいですかとゆいPが聞いてくれても、「水道水でいいです!」と言う浜崎さん。
誰かが「仕上がってるな〜」と言っていました(笑)

パンチ浜崎さんが、終盤が近づいてきた時、「これ、ビンゴになったらどうなるの?」と素朴な疑問。
ライスは「人望があって良かったねってなる」と言っていましたが(笑)。
確かに以前は、ビンゴの列が揃うごとにギャラupとか、ビンゴしたら会場のお客さんに写真プレゼントとかありましたよね。
何かしら、そういうのがあってもいいんじゃないかなあって思いますよね。せっかく皆さんが頑張ってきてくれたのでね。

押見さんがみのるさんが来てくれればビンゴが一列できる…!というときに登場してくれた中村さん。
でもライスはメールを送る依頼を出していない。
中村「ホームページ見て、ライスがシチサンLIVEやるっていうんだから、そりゃ、来るだろ~!!!」(笑)
最っ高でした。いつもありがとう(笑)
本当にざっと流れだけ書いてしまったのですが、この間にも芸人さん達の色々なトークが聞けて本当に楽しかったです。


本当にいっぱいいっぱい笑ったのですが、一番印象に残ったところがあってね。
昔は代々木に住んでいた芸人さん達が続々引っ越して、もうみんな残ってないという話の時。
五明さんが、代々木から一度柏の実家に帰って、その後また東京に戻ったのに、
グランジの活動の拠点は幕張の劇場になり、さらにbayfmのお仕事が決まったと。
「これなら実家にいれば良かったよ!」と言う五明さんに、
みんなで『いや、いいんだよ』『実家にいたら仕事決まってなかったよ』って、間髪入れずに口々に言うんです。
……ああ、こういうところ本当に素敵だなと思ったのです。
福田「実家にいたらきっと八王子のコミュニティFMが決まってたよ!」笑

スピリチュアル…って言ってしまうと、ちょっと違うと思いますが、
世の中の物事について、きっとそういう風になってるんだって、人事を尽くして天命を待つみたいな、
そういう認識をみんなが共有しているところが、好きだなあって思ったのです。
10年以上続けてきた人たちだからこそ言えること、とも。

「みんな売れてない」とか「去年も同じじゃん」「毎年ずっとこんな感じだよ」と言っているけれど、
ずっと続けてくれることだけでどれくらい価値があることか。
そして、売れていないって言いながらも、この仕事に対して、誇りと覚悟を持っているところが好きだよ。
今年もありがとう。最低で最高のクリスマスでした。




SIX GUNS(メトロンズ第0回公演) 「KASAMATSU」

2019-08-25 23:30:00 | ライブ感想♪
***
SIX GUNS「KASAMATSU」
8/24 17:00~
8/25 12:00~、17:00~
@渋谷ユーロライブ

作・演出 中村元樹
出演
しずる(村上純、池田一真)
ライス(田所仁、関町知弘)
サルゴリラ(赤羽健壱、児玉智洋)
***

SIX GUNSの「KASAMATSU」、2日間3公演最高に楽しませていただきました。
渋谷駅からの坂を上って、ユーロライブに行って、
公演を見て思い切り笑って、坂を下って渋谷駅に戻って、
お友達とご飯を食べに行って語り合って、
それを繰り返した3公演。
あまりにも幸せすぎて、思い出すだけで泣いてしまいそう。
まさに「夢」のようにあっという間でした。

約80分のお芝居一本勝負。
この6人は、長年一緒にやってきた経験値が違うから、やっぱり抜群に息がぴったりだ。
もちろん神保町で見ていた時からそう思っていたけれども、今回はそれをさらに感じました。
その人間が自然に存在しているかのようにナチュラルに演じるなんて、彼らにとっては当たり前。
それ以上に、テンションの上げ方、スピードのかけ方、プレッシャーの緩め方。
そういう、感情の波まで事細かに合わせているところに、徹底したこだわりと、演技に対しての妥協を許さないプライドを感じます。

そしてなんと、この公演はYouTubeで無料で全編公開してくれているというすごさ。本当に嬉しいです。
3公演、この大好きな6人の公演を目に焼き付けようと思って必死に記憶に刻み付けていたのですが、
それでも何度も楽しめることは本当に嬉しい。ありがとうございます。
ということで、見て頂くのが一番ですが、一応私の視点でまとめたあらすじもアップしてみます。

メトロンズ 第0回公演「KASAMATSU」


・・・
物語は、あるペンションで殺人事件が起きてしまったことから始まる。
大雪で電話線は断線し、救助が来てくれるのは3日後。
暇を持て余し、重苦しい雰囲気でUNOをしているオーナー(児玉)、
高校時代の同級生だった3人組の麻木(田所)・山村(村上)・大河内(赤羽)、そして探偵の花田(関町)。
気まずい空気に耐え切れず、オーナーは言った。
「花田さん、ちょっと、早すぎたかもしれませんね…。犯人、言い当てるの。」
そこには、殺人犯の桃川(池田)が、手をロープで縛られた状態で座っていたのだった………。
ペンションの中では様々な問題が起き、対立を繰り返す。
しかし、桃川は段々とひとりひとりの心の緊張をほどき、自分の味方にしていく。
探偵の花田は、周りの4人が段々と桃川に言いくるめられていく様子を見て、
彼にサイコパステストを行い、本物のサイコパスだということを証明してみせた。
桃川が殺した、隣の部屋の女性は、オーナーと一緒にこのペンションを経営していたのだが、
実はオーナーからお金を騙し取っていた詐欺師だった。
オーナーは、ペンションの経営も悪化し、殺人事件が起きてしまったこの宿には、さらにお客さんも来なくなるだろう、
仕方がないからもう自分を殺してくれ、と桃川に頼む。
しかし、桃川はそれを断り、3人と一緒にペンションを立て直す案を考え始める。
最初は非協力的だった花田だが、話し合いの内容に耐えかねて、自ら案を出した。
こうして6人は、みんなで和気あいあいとペンションの立て直し案について話し合いを始めるのだった……。

暗転して場面が変わると、そこはプロレスの試合会場。
レフェリー(池田)と、覆面レスラー(関町)、
そしてその覆面レスラーに技をかけられているレスラー、カサマツ(児玉)。
カサマツは意識が朦朧としている中、レフェリーに話しかける。
「桃川さんはどうですか?」
レフェリーは、カサマツを叩き起こして言う。
「桃川?誰だよそれ!」
え?ペンションの立て直しはどうなった?混乱するカサマツ。
そしてやっと認識する。自分は今試合中で、技をかけられて意識が遠のいていた。ペンションでの出来事は全て夢だったのだ……
「夢、長っ!!」
・・・

雑なのですが、とりあえず全体の流れをまとめてみました。
これだけ書くとすごくシンプルな話に思えてしまいますが、本当のカオス、そして物語の山場はこの後からなんですよね(笑)
初日に見終わった後に思ったのは、「どんな人でも楽しめる」ということでした。
とにかく笑えればなんでもいいという方も、ガッツリしたお芝居を見たい方も、
斬新なものを期待している方も、起承転結のストーリーをしっかり見たい方も、
そして、ナンセンスな笑いを求めている方も。どんな方でも楽しめると思う。
私がこの人達に求めているのは、まさにそういうことなんですよね。
「お笑い」を見に行っているというのはもちろんだけど、
やっぱりこの6人のことを、神保町花月本公演とかでずっと見てきたから、シリアスなシーンの演技にも全幅の信頼を置いていて。
だから、欲張りだけど、そういう緊張感あるシーンも見たいなって思ってたんですよね。
なのでKASAMATSUは、その通りのことをやってくれたのがすごく嬉しかった。
私が喜ぶことと、みんながやりたいって思ってくれることが、無理なく一致してるっていうのが嬉しかったです。
笑いのパートは涙が出るほど笑いまくりました、本当に面白い。
それなのに、シリアスなシーンに急ハンドルを切っても、
全員が一気にその空気に切り替えられるのこそ、この人達の魅力。
本当に最高だった。

ここからは、私の解釈を書いてみたいと思います。
これが、作者の意図なのかというと、多分違うのですが(笑)、
とりあえず、自分の感じたことをメモしてみたいと思います。
プロレスラーのカサマツは、試合が終わった後、トレーナー(田所さん)に「お前、落ちてるときに笑ってたぞ。夢でも見てたのか?」と聞かれる。
カサマツはちょっと間を置いた後、「全然覚えてない」と笑う。
……でも彼は、本当に夢を覚えていないのかな?
私は、カサマツが最初に夢から復帰した時に、レフェリーに「桃川さん」と呼び掛けていたことから、覚えているんじゃないかと思っている。
そして、他にも、覚えているんじゃないかなと感じられる理由があって。
カサマツは、プロレスの試合中に意識が飛びかけている。
もしかしたら、プロレスラーとして再起不能なケガをしてしまうかもしれない。あるいは、本当に死んでしまうかもしれない。
彼はそんな、死の淵で夢を見る。
夢に出てくるオーナーは「ケガをして前の仕事を辞め、もう一つの夢だったペンションのオーナーを始めた」と言った。
そのことから、カサマツが見ているのは、自分のやりたいことであり、
そして自分がもしかしたらこれから進むかもしれない、あるいは進んでいたかもしれない未来だと考えられる。
そう考えると、カサマツが落ちそうになるたびに見ている夢は全て、カサマツがやってみたい仕事、なりたい自分なのではないだろうか。
ペンションのオーナー、競技かるた……官能小説家?(笑)
死の淵でいろいろな夢を見て、いろいろな自分の可能性を想像して。
もしプロレスラーを辞めたら、どうする……?
何度も落ちそうになりながらも、最後には試合に勝つことができたカサマツ。
トレーナーに言われて、一瞬夢のことを思い出す。
もしこの試合で大きなダメージを受けていたら、再起不能なケガをしていたら、引退して他の夢を追いかけていたかもしれない。
でも、カサマツはその夢を振り切るようにして笑って、「全然覚えてねえや」と言ったんじゃないかな。
そして、その瞬間に他の自分になる可能性を捨て、プロレスラーとして生きていく覚悟を決めたのかな、なんて。私はそんな風に感じました。
……と、長々書いてしまったのですが、多分作者の意図とは違うと思います(笑)。
今回に限らず、物語というのは、それを受け取る側のコンディションにも左右されることが多々あると思っていて。
簡単に言うと、私自身が今、転職や人生に悩んでいるので、そんなメッセージを感じ取ってしまったのかな。
でも、どんな風に楽しんでもいいという、器の大きさごと、この作品の良さにも感じます。
とはいえ、裏話トークライブみたいなのがあって、あの部分はどういう意味だったのかとかを教えてくれるような機会があれば、ぜひ行きたいなと思ってしまうのですけどね(笑)。

そういえば、カサマツが何度もダウンしそうになる中、レスラーのボラドール(?)にリングに連れ込まれ、ダウンしてしまう実況の村瀬アナウンサー(赤羽さん)。
初日は村瀬アナの夢の転換は、カサマツの夢と同じように青い照明だったと思うのですが、2日目昼からは赤い照明で転換していました。
目が見えないお母さんに、様々な風景を描写していた幼少期の村瀬くんは、もっとうまく表現できるようになりたくてアナウンサーを目指したのかな。
カサマツの夢は「これから起こりうるかもしれない未来」だけど、村瀬アナは「過去からつながる現在」を表していた。
そんな、カサマツと村瀬アナの夢の違いが、照明によってわかりやすくなったのかなと思います。
他にも、初日が終わって、バッサリとカットされたシーンもあり、本番が始まってもさらに改善していいものを見せようという、その心意気が嬉しかったです。


今回の物語を貫くテーマは、やはり、交代で一人ずつ桃川を見張っていた時にオーナーが語っていたことだと思います。
このペンションの名前の由来となった小説の一部。
「わたしがこれから語ろうとするさまざまな真実の事柄は、みんな真っ赤な嘘である」。
ペンションのシーンは、現実のシーンだと思って見ているけれど、実際には全てプロレスラー・カサマツの夢の中。
「今みなさんが御覧のシーンは全て真っ赤な嘘ですよ」ということを、すでに観客に暗示していたということなのかな。
そしてその次に続くオーナーの、「この小説は全ての嘘を優しく肯定してくれる。自分のペンションもそんな存在になれたらいい」というような言葉も好きでした。
カサマツの荒唐無稽な夢も、全てがこの物語の中では肯定されていたね。

そしてこの「嘘を優しく肯定してくれる」という言葉は、今回のこのKASAMATSUという舞台全体にも言えることのように感じています。
今回の公演を見たお客さん達は「何だよ、夢オチだったのかよ!」と怒るのではなく、
それぞれに好きなシーンや、込められた意味を自分なりに考察・解釈して楽しんでいる。
全ての嘘を何よりも優しく肯定しているのは、何よりも私たち自身なのかもしれませんね。
ただその一方で、「なんだよこの作品、夢オチって何だよ、どこからどこまでがホントなのかウソなのかわかんないじゃないか」と思う方も、もちろんいらっしゃると思う。
私は初日公演のエンディングトークが忘れられなくて。
アンケートをぜひ書いてくださいという流れで、田所さんが
「どんなことでも書いていいです。意味わからなかったら、わからないって書いてもいい」という感じのことをおっしゃっていて。
私は、それにすごく感動した。
自分達が面白いと思ったものを自信をもって提示しつつ、観客の感性も否定しない田所さん。
そのバランス感覚に、改めてこの人についていきたいなと思わされたのでした。

初日の公演後に、これからこのメンバーで、「メトロンズ」という劇団のような形で活動していくという
神保町花月で毎月公演されていたSIX GUNS。
私はそんなに行けたわけではないけれど、毎回本当に楽しかった。
3組のそれぞれのコントと、毎回5~10分ほどのユニットネタが見られて、すごく充実していました。
その形式で続けて行ってほしいなという思いもあったのですが、彼らが新しく大きな挑戦を始めたこと、
そして私にとってそれがとても好みの内容であったことから、これからもずっと見続けて行きたいなと思いました。
最高の夏の思い出、一夜の真夏の夜の夢のような3公演をありがとう。

神保町花月本公演「予言者たち」 (19/6/23)

2019-06-29 19:01:59 | ライブ感想♪
***
神保町花月本公演『予言者たち』
2019年6月13日~23日
出演:
田所仁、関町知弘(ライス)
児玉智洋(サルゴリラ)
川上友里(はえぎわ/ほりぶん)
高畑遊、川崎麻里子(ナカゴー)
金山寿甲(東葛スポーツ)
野上篤史
脚本・演出:鎌田順也(ナカゴー)
***


神保町花月「予言者たち」。
去年12月、2019年には神保町花月がいろいろな劇団さんとコラボするという企画が発表され、ライスの名前もあり、ずっと楽しみにしていました。
その期待をさらに超えてくるような本当に楽しい舞台でした。
久しぶりに、ガチで演技をするライスと児玉さんのことが見られて嬉しいです。
私は14日、22日(昼)、23日(千秋楽)の3回見に行くことができました。
私的初日だけでもとても面白かったのですが、やはり2回、3回と見るにつれて、様々なことに気が付いて、楽しみ方が増しますね。
今回の記事では、いろいろな項目に分けて、私の感想や考察をまとめてみようかなと思います。
あくまでも個人的な見解なので、違うご意見の方もいらっしゃると思いますが、「この人はこう思ったんだね」ということでご理解いただけますと幸いです。


まずは今回のコラボについて。
ナカゴーさんの作品を見たことがないのにあまり言えたことではないのですが、かなりいつもの神保町花月作品とは違う雰囲気に感じられて。
むしろ、関町・田所・児玉の3人が、ゲストとしてナカゴー作品に参加させてもらっているかのような感覚だった。
演出や見せ方が斬新で、刺激や衝撃を受けることばかり。
でも、とにかくストーリーが面白い。
落ち着いた始まり方から想像できないほど、後半は観客が声をあげて笑えるところばかりで、演者の熱量もどんどん上がっていく。
そういうところが演劇初心者の私でも見やすかったと感じられた一因なのかな。
そんな中でも、劇団の色に合わせつつ、自分達の持ち味や個性を爆発させていた3人の姿を見て、なんだか胸が熱くなってしまった。
今までとは違う文化にちょっと苦労したところもあるだろうに、そういうのを全く感じさせられない。
後半の、暴れまわる児玉さんなんて、もはや普段の児玉さんだったもんなあ(笑)
そんなわけで、普段とちょっと違う雰囲気の3人を、昔からこの3人を見ていた神保町花月で見るというのも、エモーショナルなものがありました。


演出・ストーリーについて

「登場人物、全員予言者」というテーマのこの舞台は、登場人物のみならず、観客の私たちも予言者になれるような、そんな仕掛けがちりばめられていました。
まず、開演時間10分前になると、前座のようなパフォーマンスが始まる。
登場人物が2人ずつ入れ代わり立ち代わり舞台に出てきて、この舞台のセリフを断片的に話し始める。
それを聞いた観客は、セリフの意味はわからないものの、その言葉はなんとなく頭に入った状態でお芝居を見始めることになり、
ストーリーが進んでいくうちにそのセリフが出てくると、「ああ、さっき言っていたのはこれだったのか!」と快感を感じる。
さらに、ストーリーの中でも、予言者たちが、このあとどんな展開になるのかを全部言ってしまう。
このような仕組みによって、自分も予言者になったかのような感覚になるのでした。本当に面白い試み。
そして、このあとの展開を全部言ってしまっているのに面白いというのは、それだけみなさんの見せ方が上手いからですし、
展開だけではなく、そこに至るまでの登場人物達の心の動き、感情の揺れに、様々考察したい点が出てくるからなのだろうな。

物語の中心を貫くのは、「見て見ぬ振りはできない」という言葉。
子供の頃、見て見ぬ振りができずにいじめられてる桑子ちゃんを助けたいぶきさん。
彼女のその態度は、大人になった今でもずっと貫かれていた。
不倫に手を出してしまったいぶきさんは、悪いことだとはわかっていても止められなかった。
けれど、痛い目に遭って、自分のしていることの愚かさに気付いた時、きっと見て見ぬ振りはできなかった。
だから高見沢さんに別れを告げる決意をしたのかなと。
夫の良純さんは、いぶきさんと高見沢さんが不倫をしているのを知っていても黙っていたことを、「俺は見て見ぬ振りができる人間だから」と言った。
それは言外に、いぶきさんはそうではないと伝えていているということで、その言葉がラストシーンにいきてくる。
ドタバタ劇だし、いっぱい笑えるけれど、最後にずしりと観客の心に残るメッセージを残していったのでした。
「見て見ぬふりはできないわ」

そしてもう一つ、テーマとしては「人間の業の深さ」みたいなものを感じさせられました。
冒頭の、いぶきさんのお店に桑子ちゃんがラーメンを食べにくるシーン。
桑子ちゃんがデザートの杏仁豆腐を食べた後に、オーギョーチも食べてもいいですよ、追加料金なんかとりませんと言ういぶきさん。
その後に言う。「1つ食べたら、もう1つ食べたくなるのが世の常です」。
それは、「結婚相手がいるのに不倫に手を出してしまう」、という、もう1つ食べたくなってしまった、この話の登場人物達のことを暗示していたのかな。
不倫をしていたカップルのうち、高見沢さんは一級建築士、里中先生は中学校教師というエリート。
それでも、自分を抑えられずに不倫に走ってしまったところに、業の深さが表れているような気がする。
さらにこの二人は、女性側からこの関係を解消しましょうと言われても、諦めることができない。
最後に死んでしまうのもこのふたりということで、結局悪い人間には天罰がくだるというような、昔話的な要素も感じられました。


登場人物全員、予言者!? 怒涛のように巻き起こる“ややこしい事態”(カンフェティ)
こちらは稽古が始まる前のインタビューなのですが、これを読むと、今回の台本は、ある程度はアイデアを考えたのち、
演出・脚本の鎌田さんが本人達に会ってから、本格的に当て書きをして仕上げていったという感じなのでしょうかね。
というのも、私は3人の役柄がまさにぴったりだと感じられたので。
それでは、関町・田所・児玉の3人のキャラクターについて。

関町知弘@里中先生
関町さんは本当に、「正しい普通の人」が何よりのハマり役。
彼が頭がおかしい役をやってるのももちろん好きですが、見た目は普通そうな人なのに頭がおかしいという役をやっているのはさらに好き。
関町さんは、正義感が強すぎるせいで、最後は教え子を守るために自分を刺してしまうというカオス。
こういう、まっすぐなのに狂っている役の関町さん、本当に大好き。
あまりにも正しさを貫こうとするせいで、逆に冷静に考えたらおかしくなる…という感じ、本当に好きなんですよね。
里中先生は、蒔絵さんと別れたくないという時に、あなたがいればもう何もいらないし、「仕事だって誰かにくれてやるよ!」と叫んだ。
でも最後にふっと我に返った時、自分が一番大切にしたかったのは、教師という立場と、その正義感だったのだろうな。
今回の舞台では、意図的に時代設定を古めにしているのか、あるいは里中先生が年齢高めの役柄だったのかというのは、
最後まで分からなかったのですが、かなり古風な言い回しが多かったように感じられて。
「あなた、電話口でずっと泣き続けるものだから」
「僕は、あなたから離れられる気がせんのです」
(すみません、3回しか見てないし、メモも取ってなかったのでうろ覚えで…でもこんな感じのセリフ)。
普段の言葉遣いとはだいぶ違っていても、それを違和感なく自分の言葉にして乗りこなす関町さんのことが大好き。

田所仁@高見沢
田所さんは、表情豊かで、二次元のアニメキャラクターがそのまま三次元にやってきたかのような、
コミカルな動きや表情が堪能できて最高に楽しかったなあ。
かと思えば、シリアスな雰囲気の場面では、こちらがハッと息を呑んでしまうくらいに一気に空気を変える。
そのすごさに改めてドキドキしてしまいました。
そしてとにかく物語後半がすごかった。
台詞量が膨大で、しかも、誰かのセリフを受けてではなく、きっかけもオチも含めてほとんど自分から言わなきゃいけない。
今まであまりなかったと思うし、だいぶ難しそう。でもそれを感じさせないテンポ感でした。

そしてね、今回のライスに共通して言えることなのですが、
鎌田さんが、演出をつけるときに、かなり二人をその…セクシーに描いてくださっていたのではないかなって(笑)
なんなのでしょう、今回のライスは本当に大人の色気が溢れていた。
私はね、ライスのこと、昔から好きだったので、そういう色気を感じることも多かったのですが、
それを世の中の全員に理解して頂けるなんて全然思っていなかったし(笑)、
作り手側でライスのことをカッコイイって言ってくれる人なんて、山脇唯さんくらいだと思ってたので(笑)
(参考:「2SEE MORE #19」ゲスト:関町知弘(ライス)

例えば、いぶきさんのお店に、高見沢さんがひょこっと顔を出して、「後で、公園でね」と言うシーン。
高見沢さんが引き戸を閉めようとしたときに、思わずいぶきさんが駆け寄るけれど、
高見沢さんはそれをわかっていながら、「おあずけ」とも言いたげな表情で引き戸を閉める。
例えば、里中先生と蒔絵さんが公園で逢引きをするシーン。
里中先生が、突然自分を呼び出した蒔絵さんに対して怒った後、
でも本当に嫌だったら来ない、あなたに逢いたくて来たのは私の判断だというようなことを言いながら、
蒔絵さんの膝に置かれた手にそっと自分の手を重ねる。
今回、こんなに彼らの色気を感じられたのは、
演出の鎌田さんが引き出してくださったのか、「不倫」という背徳感のあるテーマがそうさせるのか、それとも、その両方か?
ともかく、鎌田さんが、もし「芸人としてのライス」をあまりご存じなかったとしたら、
そういう方がフラットな目で見た時に、新たなライスの魅力として、こういうセクシーな部分を引き出していただけることに、
他ジャンルの方とのコラボレーションの可能性の広がりを感じたのでした。
……なんか、すごくいろいろ、評論家ぶって書いてしまったんですけれども、
結局言いたいことは、「セクシーなライスが見られて本当に嬉しい」という、一言に尽きます(笑)

児玉智洋@たいやき屋の主人
児玉さんはすごい。
児玉さんは本当にすごい。
自分のターンになったら圧倒的な存在感で場を支配して、何でもないセリフでもはちゃめちゃに面白く感じられてしまう。
本当に、いつどんな場でもおいしいところを持って行くよね、強いよね。
この人は一体なんなんでしょうか(笑)(褒めていますよ)。
どんなお客さんの前でも笑いをもぎ取り、主人公になってしまう力が強すぎる。
もう、言いたいことはたくさんありますが、特に「家族!!」の一言で笑いを奪っていったところは、
あまりにもすごすぎて、ヒーヒー笑いながら感動すら覚えました(笑)
ああ、この人のすごさ、もっと世に知れ渡ってほしいな。
冒頭にも書きましたが、普段とは違う演出、普段とはちがう客層の中で、あまりにもいつもの自分を貫ける強さ、素晴らしかったです。

急遽出られなくなってしまった赤羽さんが本当はやるはずだった役も、とっても魅力的で素敵な役だったなあ。
この役を赤羽さんがやっていたら、もう少しコントっぽくなって、全体の印象もまたちょっと変わっていたかもしれませんね。
とはいえ、とにかく健康が一番…ゆっくり休んでください…。
大変贅沢な話ではありますが、またいつか、ライスとサルゴリラの4人で共演できる時があればいいなあ。



久しぶりに、神保町花月本公演に出演しているライスのことが見られて、本当に嬉しかったです。

私的初日、14日の公演を見終わった後に、ぼんやりと考えていました。
こんな私だけれど……いろいろ文句言ったり、一時期離れていたり、全然優良なファンではなかったけれど、
でもそんな私でも、彼らを見続けてきたからこその感慨ってあるなあと。
私、この場所で、この劇場で、いろんなことをやっているライスを見てきたのです。
昔、「宇宙でクロール」の時とかは、田所さんが女優さんをギュッと抱きしめただけで、ピュアな私は心の中でキャーキャー言ってたわけです。
あの頃は本人達も若かったし、私も若かった。
でもそれから、彼らも年を重ね、恋人がいる役が当たり前、結婚してる役も当たり前になって、
今回はさらにその先、二人とも不倫をする役柄だなんて。
本当にね、関町さんが不倫相手に「あなたがいれば他に何もいらない」と言う場面や、
田所さんが女性に手を上げる場面が見られるなんてね。
生きていれば、いいこともあるものですね(笑)
彼らが歳を重ねてきた分、今だからこそできる役柄、表現がある。
例えば、もう神保町作品のようながっつりした演劇で、彼らが学生役をやることはもうないかもしれない。
けれど、その分、今だからこそできる役柄の表現を見ることができるんだなあって。
そう考えると、年を重ねるのも悪いことではないのかもしれないなって思えてくるのでした。
これからも、その年齢の彼らだからこそ見せられる役柄、表現を見せ続けてほしい。
それを見届けるために、一緒に年を重ねさせてほしい。そう思ったのでした。


【公演レポート】“予言者たち”が汗だくで熱演、鎌田順也「不倫のお話が主です」

“ネタバレありき”で展開!? 不倫カップルの群像劇「予言者たち」でライス、サルゴリラ児玉が熱演

(ナタリーさん、ラフアンドピースマガジンさん、写真いっぱいありがとうございました!)

神保町花月本公演「演劇♡顧問」 (19/4/28)

2019-04-26 23:00:00 | ライブ感想♪
***
神保町花月本公演「演劇♡顧問」
2019年4月26日~5月6日
出演:
村上純(しずる)
池田一真(しずる)
カートヤング
バイク川崎バイク
ヒラノショウダイ
日高ボブ美(□字ック)
大竹ココ(□字ック)
水野駿太朗(□字ック)
山田佳奈(□字ック)
脚本・演出:山田佳奈
***


神保町花月が今年から行っている、外部の劇団さんとのコラボ公演。
4月は□字ックさんとしずるのコラボ。
どんな雰囲気なのかちょっと緊張して行ったんですが、全員が当たり前のように演技力が高く、
しかも役者さんと芸人さんがお互いをリスペクトしている様子が伝わってきて、とてもいい相乗効果だと感じました。
しずるの二人はさすが、もはや「演技力が高い」とかそういう問題ではなく、あまりにもナチュラルにその人物として物語の中に存在している。
感情をぶつけ合う人々の中で、BKBさんとカートヤングさんの抑えの芝居も素晴らしい。
ヒラノさんは未来の神保町を担う人だねえ。いや、むしろもう担っている。
ロ字ックのみなさんの、パワフルな演技も本当に見ごたえがあって楽しかった。
色々と言いたいことはあるのですが、今回の感想はあえて絞って、しずるのお二人のことをメインにしたいと思います。


ストーリーは、高校の演劇部顧問の先生達が織りなす、複雑な人間ドラマ。
地域の高校の演劇部が出場するコンクールの打ち上げで、居酒屋さんに集まってきた顧問の先生たちのワンシチュエーションコメディ。
それぞれの作品についてお互いの思いを語り合う中で、だんだんと建前が崩れ、本音が溢れ出す。
さらに、この場に審査員の村上さんと川崎さんが到着したことで、一層混沌とするその場。
池田先生がおもむろにマイクを取り、客席に語りかける。
『こんなところでアイツと再会するなんて思っていなかった』
審査員の村上さんは言った。
「池田、久しぶり!」
そう、この二人は以前同じ劇団で、ともに夢を追っていた仲間だったのだ。
まさか、別々の道を選んだアイツと、こんなところで会うなんて………。



すごく中途半端にあらすじを書いてしまったのですが(笑)、もうとにかくストーリーも配役も大好きでした。
演劇部の顧問の先生たちは、それぞれの高校が披露した作品について激論をかわす。
大衆受けするものがいいものなのか?
顧問の先生がいいと信じたものを生徒に押し付けていいのか?
高校生が不倫のストーリーをするなんて、作品としてはよくても教育上どうなのか?
いろいろな意見があり、いろいろな価値観がある。
公演を見に行く前の村上さんのコメントで、こんなものがありました。
 『高校演劇大会とお笑いの賞レースには思い当たる共通点がチラホラありまして、
  今回脚本を読ませてもらって改めてニマニマしてしまいました。』
 神保町花月4月本公演 □字ック×しずる「演劇♡顧問」稽古場レポート
そのコメントを思い返しながら、今回の舞台を観劇させていただいてました。
そうだね、通じ合うものがある。
「なにがいいものなのか」なんて、シンプルだけど一番難しい、ということ。

何がいいものなのかを追い求めて行く、この物語の登場人物たち。
彼らのカッコ悪さ、ダサさ、意地悪さが浮き彫りになりつつも、人間はやっぱり愛しい。
そんなストーリーはまるで、村上純が作り出すコントの世界のようだ。
演劇に青春を費やした高校生は大人になり、演劇部の先生になり、自分が担当する子供たちに夢を託す。
そこには大人たちのもう一つの青春がある。
しずるがそんな姿を演じている様子は、まさに青春コントを引っ提げて世に飛び出した彼らが、
年を重ねて新たな表現を追求している姿と重なるようにも感じられました。

このお芝居では、出演者の本名がそのまま役名になっていて。
だからみんな〇〇先生、と呼び合っているのですが、
そんな中で、審査員の村上さんが、池田先生に呼びかける。
「池田、久しぶり!!」
二人の関係性が一気に明らかになる、この村上さんの一言を聞けた瞬間、
まだまだ舞台の序盤なのに、胸が高鳴り、私は「あぁ……今日本当に来てよかった……」と思ったのでした(笑)
しずるの二人にこんな関係性の役柄を割り当ててくださった、脚本・演出の山田さんに感謝しかありません。
二人が、本名と同じ名前で呼び合いながら、別々の道を選んだ昔の仲間を演じるなんて、エモーショナルが爆発しそう。
もしかしたらこの二人にも、こんな未来があったのかもしれない。
だけど、今ここにいてくれる。
この公演のストーリーも相まって、改めて、
しずるがこの道を選び続けて、二人でこの世界の最前線に挑戦し続けてくれていることに、感謝でいっぱいになりました。



平成最後の神保町花月本公演。
そして個人的な話ではありますが、この公演が、私の平成最後のお笑いライブでした。

私自身が、自分の過ごした平成という時代を語る上で、間違いなくしずるの存在は欠かせません。
レッドシアターを見て彼らを知り、この人達のネタを見てみたいと思って劇場に足を運んだ時から、私の東京吉本ライブ通いは始まったのです。
東京吉本の芸人さん達を追いかけて、いろいろな劇場に行ったし、いろいろなライブや舞台を見に行った。
その中で、私の性格が形成されたし、芸術に対する感受性を磨いていただいたと言っても過言ではありません。
平成最後の神保町本公演は、演劇に青春をかける大人たちの物語。
私自身が自分の青春を全て費やした劇場でそういうお話を見て、平成を締めくくることができたのが、本当に嬉しかったです。

今の私があるのは、みんな、しずるのおかげだよ。
しずるに新しい世界を教えてもらって、色々な場所に連れて行ってもらった。私の平成という時代を彩ってくれてありがとう。

お笑いライブにすべて費やした私の平成という時代、全力で駆け抜けました!楽しかったです!
皆様ありがとうございました。それでは、良い時代を!




【公演レポート】泣く、うめく、吠える!演劇部顧問たちの熱い一夜描く「演劇▽顧問」開幕

「さよなら、絶景雑技団」 2019本公演 (19/3/22)

2019-03-22 23:00:00 | ライブ感想♪
***
『さよなら、絶景雑技団』 2019本公演
2019/3/22 19:00~ @三越劇場
出演:ピース又吉、グランジ五明、しずる池田・村上、ライス田所・関町
   サルゴリラ児玉・赤羽、囲碁将棋根建、ゆったり感中村
   パンサー向井、井下好井好井、スパイク小川
***


「さよなら、絶景雑技団」2019年の本公演3公演、本当にお疲れ様でした。
私は今回、初日の3/22しか行けませんでしたが、時間が許すなら毎日行きたかった。
そう思うほどの、思い入れのある特別なライブです。
素敵な時間をありがとうございました。

ちなみに、参考程度に…というか参考にもならないかもしれませんが、私が書いた以前の絶景の記事を貼っておきます。

「New又吉の誕生や!」  6月6日  さよなら絶景雑技団
「NewNew又吉の誕生や!」 1月4日 さよなら、絶景雑技団~追加公演~

今読んでみても思い出せないコントもたくさんあるけれど(笑)、それでも、雑でも、ちゃんと書いておいてよかった。
2017年も本当に楽しかったのですが、感想書けていなかったのが心残りでしかたがないです…。
というわけで、今回はちゃんと感想書きたいと思います。
ちゃんとと言っても、詳しくコントの内容に触れるわけではなく、全体の印象のみ。
ちなみに、私が見た公演は、ライブの後に会見もあり、さらにレポもアップされていたので、貼っておきます。
(さらに余談ですが、今まで「よしもとニュースセンター」と言っていたサイトが、「ラフアンドピースマガジン」というサイトになったようですね)

ピース又吉 主催のコントライブ「さよなら、絶景雑技団」10年目の開催にしずる村上「又吉さん、もっと偉そうにしてほしい」


「絶景雑技団」というライブについて

今回の会場は、三越劇場。
初めて行ったんだけど、あまりの豪華さにちょっと引いてしまうほどだった。
オペラ見に来たのかな?みたいな会場の雰囲気で、「こんなところでやっていいの!?」と(笑)。
でもね、なんだろう、客席の感じ、広さとか天井の高さとかは、浅草を思い出す感じだったんだよね。
この、絶景雑技団が始まったのって、2009年で。
浅草の5656会館で、AGEAGE絶頂期のメンバーが集まって。
そのころから素晴らしいユニットコントやってたけど、まだ「一部のマニアのみぞ知る」みたいな感じだったと思うんだ。
それが10年経って、今回の2019年で、また新たに、ここから始まるんだなあって思った。
チケット代は6000円に跳ね上がり、
壮麗な雰囲気の劇場で、
見にいらっしゃっている関係者の皆さんもあまりに豪華。
(あいみょんがツイートしていたのはさすがにひっくり返りました)
でも、ここには確かに浅草のあの10年前の空気が流れてるんだなあって。
それだけでももう胸がいっぱいでした。
もちろん、この大幅な環境の変化は、又吉さんがもたらしてくれたもの。だからその点の感謝は当然ある。
けれど、その一方で、彼らは10年前から、最先端のコントをやっていたんだぞって。
又吉さんは当時から、彼らに目をかけてくれていたんだぞって。
そう誇らしくなる気持ちもあったのでした。

メタ的なオープニングコントが始まり、
全員集合して、全員が一列に並んで、
それぞれが「おー!!!」とか「わー!!!」とか絶叫してから、
『さよなら、絶景雑技団!!!』
暗転して、ナンバガの「疾風鋭くなって」が流れて、オープニング映像が始まるの。
ずっと、ずっと変えないでいてくれるこの流れ、胸が熱くなる。
変化の激しい世の中で、「変わらない」ということが、どれだけ貴重なことか。「あの時と同じだ」ということが、どれだけエモーショナルだということか。
又吉さんはきっと、本当によくわかってくれてるし、その世界観を大切にしてくれている。
だからこそ大好きだし、信頼しています。


本公演での「テーマ」

絶景雑技団では、ユニットコントが何本も披露され、その一つ一つは独立している。
けれども、毎公演、その公演を貫くテーマのようなものがあると思うんです。
それは明示されているわけではないから、一観客である私が勝手に思っているだけなのだけれども。
絶景雑技団のこれまでのテーマ、
09年は「自分の殻を破る又吉」
11年は「芸人をやめる後輩へのエール」
17年は「離れてもなお大きい綾部の存在」
そして今年、2019年度版の本公演は、「向井慧の異常なまでのラジオへの愛情」といったところでしょうか。

パンサーは、「出待ち率ナンバーワン芸人!」などという、良くも悪くも強烈なフレーズで推され始め、メディアに取り上げられるようになり、
圧倒的に女性人気が高まり、華やかな世界の仲間入りをした。
しかし向井さんの根底にあるのは、ラジオばかり聞いて、純粋にお笑いに憧れていた少年時代の自分。
本公演の中でも言っていたけれど、彼が大事にしたいのは、ラジオを通した一対一のコミュニケーション。
結局彼は純粋に「お笑いが好きだ」という気持ちだけでここまで成り上がってきた人で、
又吉さんもその胆力をわかっているから、今回の本公演で彼にメインを張らせたのではないかな、などと思ったり。
そういえば、2017年の絶景雑技団では、オープニング映像でそれぞれのメンバーが「絶景」だと思う写真を紹介していくというものだったんですけれども、
向井さんの写真は「深夜のラジオブース」だった。
ああ、ぶれないなあ。
あんな紹介されて世に出た人なのに、自分の一番大切なものは絶対に手放さなかったんだなあ。
本当にぶれない人だし、そのぶれなさをきっと又吉さんも面白がっている。
ある種、一つのサクセスストーリー。夢のある世界だ。
そんな彼の愛情は、見方を変えれば一種の狂気のようで、
その狂気の部分を切り取り、ラジオが好きすぎるあまり狂気に呑み込まれていく様子を描いていったのかななんて思ったのでした。


先輩としての又吉さんと、一人一人の個性について
一人一人の個性を見極めて、的確なポジションを与えてくれる又吉さん。
関町さんには、高度な演技力が要求されるネタを当ててくださってありがとうございました。
「絶景日本語講座」というコント。
『そうなんだ』という、たったこの一言が、シチュエーションによって全く違う意味合いを帯びてくる。
その表情、口調、言い方のテンポ。あらゆる細かい表現ができないといけない役を関町さんにやらせてくださったことに大感謝です。
中盤みんなが暴れるネタでは、一人一人の個性を理解して声をかける。
小川ちゃんの篠原涼子は最高すぎて笑いながら泣きました(笑)
そしてやっぱり児玉智洋はすごい。あの人の「主人公力」はなんなのか。
観客みんなが彼に引き付けられてしまい、彼を応援したくなってしまう、あのパワーはなんなのか。
又吉さんもそれを存分に理解して彼を主役に置いている。
あの人はもはや、脇役ができないんじゃないか。脇役に置いておいても主役をやらせたくなってしまうから。
しかしそれが何よりの彼の魅力だ。



又吉さんの芸歴20周年という大切な時に、絶景雑技団を開催してくださって、
そしてライスをコンビで呼んでくださって、本当にあらためて感謝です。
最先端を走り続ける又吉さんの挑戦を、ぜひこれからも見させてください。
また来年も、本公演があったらいいな。


又吉直樹「中学生の時から活躍して…」イチロー引退(日刊スポーツ)

又吉、自由な笑い届ける コントライブ「絶景雑技団」開幕(東京中日スポーツ)

ピース・又吉直樹「綾部さんはアメリカで活動しているので…」 相方からの刺激が原動力?(AbemaTIMES)


ハナコ・リクエストライブ このハナコがすごい! (19/1/25)

2019-01-25 23:30:00 | ライブ感想♪
***

『このハナコがすごい!』
2019/1/25(金) 19:00~ @駅前劇場
MC:ライス田所
1.休憩室(ジャングルポケット太田リクエスト)
2.家カフェ(ラブレターズ塚本リクエスト)
3.天空龍(うしろシティ金子リクエスト)
4.爆弾処理班(ザブングル加藤リクエスト)
5.三者面談(シソンヌじろうリクエスト

***


遅くなってしまいましたが、1月最後の金曜日は「このハナコがすごい!」に行ってきました。
ハナコのネタが好きなゲストが、自分の見たいネタをリクエスト。
田所さんはMCだったのですが、ネタ後のトークで色々な話をしてくれ、端々から田所さんのコント観も聞くことができる、大変贅沢なライブでした。
ハナコは公式YouTubeチャンネルを持っているので、公式にアップされているネタはリンクを貼ろうと思います。
本当、最近こうやって芸人さんがネタを上げるのが当たり前の流れになってきてますよね。
アップしてくれていると、ライブ後に改めてそのネタを見て、余韻を楽しめるので本当に感謝です。

太田さんのリクエストは休憩室。
出てくるなり、ハナコのすごさを熱弁する太田さん。やっぱり、同じトリオとしてネタを見てしまうと。
太田「ハナコはね、雑魚キャラの使い方が上手い!!」(笑)
こうしてライブ開始早々に菊田さんがいじられる流れになり、それは最後まで続いたのでした(笑)
太田さんは、菊田さんとか、おたけさんみたいな、ポンコツの芸人さん達を船に乗せて海へ行かせ、太平洋の真ん中で爆発させたいそうです(笑)
太田さんが初めてハナコを見た時、なんだかそのコミカルな風貌から、パワー系のネタをやるんじゃないかと思っていたとのこと。
しかしストーリーがしっかりと精密に練られているところに衝撃を受けたそう。発想についても絶賛。
田所さんが、逆にハナコにもっとこうしたほうがいいんじゃないかっていうところある?と聞くと、「秋山くんがあまりにも上手すぎて逆に違和感」という意見が。
それを聞いて田所さんが「ああすごくわかる!」と勢いよく同意してたのが印象的だったなあ。
太田「普通ツッコミ役でも、もっと自分を出したがると思うんですよ。東京03の飯塚さんみたいに!」(笑)
田所「そう。プレイヤーに徹してるんだよね」
結果、太田さんは「秋山君は逆にサイコパスに見える」とまで言い出していた(笑)


2本目。ラブレターズ塚本さんのリクエストのネタは、「家カフェ」


塚本さんがこのネタを選んだ理由は、1個もボケていないというところだそう。
ただただ、本当にありそうな「家カフェ」というコンセプトカフェの様子を見せているだけなのに、笑いが起きるすごさ。
田所さんも、
「普通だったら間を取るのって怖いだろうと思うし、他の芸人のネタを見ていても、『ちょっと笑いが起きない時間が長いな~』とか思ってしまう。
 けれどハナコにはそれを感じさせられない。それほどの演技力があるのだと思う、普通にドラマ見ているみたい」
と手放しでほめていたのが印象的。
田所さんは自分がネタを書くときも、お客さんがどれくらいの間まで耐えられるかを考えているんだろうなぁ。
田所さんから、「ネタを書いている時もう一人欲しいな~」って思うことない?と聞かれ、「わかります~」となる塚本さん。
例えばこのネタの設定を思いついたとしても、2人じゃできない。
もし、お父さん役の人がお母さんもやるとか、一回袖にはけてヅラをかぶり直して…っていうワンクッション置かなきゃいけないよねと。
逆にハナコは、「このネタ2人でできちゃったなあ」と思うこともある。そうなると、無理矢理菊田さんの役をぶっ刺してネタを作るそう(笑)
田所さんは、トリオの人が逆のことを思うこともあるということに興味深い様子でした。


うしろシティ金子さんのリクエストのネタは、

金子さんのリクエストは天空龍。オタク役の2人がリアリティがすごい、と。
金子「岡部なんて裸足だもん、公園の設定でしょ?(笑)でもそれくらいの熱量があるやつなんだなって」
オタクをテーマにしたネタをやる人はたくさんいるけれど、誇張しすぎていると気持ちが引いちゃうと言う金子さん。
そして金子さんは、この秋山さんのキャラは、さっき家カフェにいた秋山少年と同じでしょ?家カフェを出て歩いたらこの光景に出会ったんでしょ?と。
ハナコのコントは、全部同じ町で起こっていることのように見える、だからこの町のマップを作ったら面白いんじゃないかと。
面白いアイデアだなあと思ったし、それは何より、コントのキャラクターを愛情深く育てている金子さんだからの視点ですよね。
キャラがそのネタだけで成立しているのではなくて、その人生がずっと続いて行くような感覚になります。
最近なかなかうしろシティ見に行けてませんが、こういうところ本当好きです。

岡部さんは天空龍のネタが一番好き。
ライブがある日に3人のLINEで、今日何をやろうか?というときに、とりあえず一回「天空龍」と送ってみるそうです(笑)。
ライブの雰囲気や、以前やったスパンなどを考えて、いいかどうか判断するのは秋山さん。
秋山さんが「やろうか」というと喜ぶ岡部さん(笑)
菊田「俺もこのネタ好きなんですよ!」
田所「一番?」
菊田「いや、一番は違うネタなんですけど…」
金子「一番でいいだろ!お前は岡部の言うことに全部ハイって言っとけ!!」(笑)
田所さんは、岡部さんの「好きなネタをやりたがる」という様子に新鮮に驚いている様子。自分達の場合は、例えばランキングされるライブとかだったら、強いネタをやって勝たなきゃいけない、とか考えていたから、
このネタが好きだからやりたいみたいな気持ちでネタを選んだことはないと言っていました。


4本目のコント、爆弾処理班をリクエストした加藤さんは、ネタの話はそこそこに、金と女の話(笑)。
KOCの賞金はいつ入ったのか、振り込みか(笑)、それは何に使ったのか、などなど。
賞金は12月くらいにそれぞれの口座に3分割で振り込まれたそうです(笑)
パーッと服に40万円くらい使っちゃった菊田さんと、堅実な秋山さん岡部さん。
優勝してもあまり浮足立たず、お金もあまり使わないし女性とも遊ばない。そんな新世代感にびっくりする加藤さん。
岡部さん自身はお金は使いたくなかったけれど、彼女さんが急に高い買い物をねだってきたと(笑)。でも、「それが普通だよ!!」と言う田所さん、共感する加藤さん。
さらに加藤さんは、よく賞レースの優勝者が、賞金について聞かれているのもちょっと気になってしまうそう。
自分自身は優勝者じゃないのに、「1000万円の使い道は?」とか言われているのを見ると、
「いや!1000万ちゃうやろ!分けるから500万やろ!」と言いたくなってしまうらしい(笑)優しいね。
加藤さんに、それこそ田所さんの使い道はどうだったのか聞かれる。
田所さんは引越しした時に家具なども全部買い換えたので、結構使ってしまったと。
だから「賞金の使い道は?」みたいな質問に、全然面白い答えができない。
だけどウケるために変な使い方をしなきゃいけないのか?それもどうなんだ?という気持ちがあるのも本当のよう。

最後の5本目。シソンヌじろうさんのリクエストのネタは、三者面談。


じろうさん曰く、岡部さんが反対方向を向いているのがいいと。
もしこれが実際にある状況だったら、いくら変なことが起きてもお母さんと子供に大声で突っ込む先生はいない。
そこで一回外の方を向いているから、直接聞かせるわけではない。面白さがありつつもリアリティがある。
じろう「変な動きとか変なことを言ってるわけじゃない、シンプルな構成なのにここまでウケるんだよって。コントの教科書の1ページ目に載せたいコント」
ちなみに、じろうさんがその教科書に載せたいもう一つのコントは、しずるの銃のコントとのこと。あの、立てこもり犯を説得するやつですかね?
そして、じろうさんが言った時にすぐに何のコントだかわかった様子の田所さんに、ライスしずる大好き人間の私は、心の中で萌えを必死に抑えていました。

もともと岡部さんはシソンヌが好きで、芸人1年目の時に自腹でシソンヌのライブを見に行ったそう。
その時に岡部さんと一緒に行った芸人さんがいて、その方がじろうさんに「ナベプロで芸人やっています!今日見に行ってとても面白かったです!」というリプを送ったと。
普通だったらそんな人危ないのに(笑)、じろうさんは優しく
「ありがとう~、次から招待で通すから声かけてくれていいよ」という感じで言ってくれたそう。
岡部「だから俺たち、繋がるのに成功したファンみたいな…」
田所さんが「いやいや!それとは違うでしょ!!」と言いつつもめちゃめちゃ笑っていました(笑)
さらに、「笑けずり」という番組で、シソンヌがコントの講師をしていたこともあり、以前から親交があったという。
そこからじろうさんはかわいがっていて、ハナコが賞レースで優勝した時、それだけじゃなくてK-PROさんの小さなライブで優勝した時にすら、「おめでとう」と連絡をくれるということで。
田所さんはそれを聞いてびっくり。
「俺の知ってるじろうはそんな奴じゃないよ!本当にクズなんだから」(笑)

KOCの直前にもじろうさんは、「あとは運だよ。その場を楽しみな」と言ってくれて、それで心が軽くなった岡部さん。
優勝した後、なんて連絡が来ているかと思ってLINEを開いてみると、
じろうさんから何通もメッセージが出てきて、「OK!」「いけるぞ!」みたいに実況中継をしていたそう(笑)
田所さんは、「シソンヌとしては、チョコプラがライバルになってたっていうのも、(どちらを応援するか)難しいところはあったんじゃない?」と聞く。
じろうさんもそういう気持ちはあったけれど、途中からチョコプラがあんなにきれいに失速したら心置きなく応援できたそうです(笑)

最後に全員集合でエンディング。
楽屋に残っていた太田さん・塚本さん・金子さん・加藤さんは、それぞれコント談義に花を咲かせていたそうで、
「どこでネタ作ってる?」とか「もう制服のネタをやりたいと思ってもキツイ」みたいな話をしていたとのこと。
加藤「俺なんかもう44歳やで!」
田所「学生服着てきた時点で違う笑いになっちゃいますね」(笑)

ハナコのネタがそれをナチュラルに表現し、「ボケていないのに面白い」という状況を作るのが上手いからですよね。
そしてみんな、菊田さんにやいやい言いながらも(笑)、彼のプレイヤーとしての実力にケチをつける人は全然いなかった。
それがとても暖かくて、同じコント師としてリスペクトを感じている様子が伝わってきました。いい雰囲気だったなあ。
そして、田所さんのコント観を聞くことができて本当に幸せでした。
どうやってネタを作っているのか、全て知ることはできなくても、言葉の端々から考えを見せてくれるだけで幸せです。
素敵なライブを本当にありがとうございました!

ライスのシチサンLIVE ~5年ぶりに復活!クリスマスお呼ビンゴ~

2018-12-24 23:30:00 | ライブ感想♪
***

『ライスのシチサンLIVE ~5年ぶりに復活!クリスマスお呼ビンゴ~』
2018/12/24 19:00~ @幕張イオンモール劇場

☆来てくれた芸人さん
 みのるチャチャチャ♪
 LLR福田
 囲碁将棋根建
 さらば青春の光森田
 ブロードキャスト!!房野
 竹内健人
 サルゴリラ児玉
 ゆったり感中村
 犬の心押見

***



今日一番笑ったのは、間違いなく、房野さんが登場するなり言い放った、
「ライスさぁ、いつまでこんなことやってるの?」(笑)
房野さんの一言に、全てが凝縮されているかのようでした。
無限大でこれをやっていたのはそれこそ8年くらい前。
当時のメンバーが一堂に会することはなかなかなくなってしまったけれど、集まれば当時の空気に戻る。
いつまでもこんなことやって、終わらない青春を見せてほしいのです。あー楽しかった!


なんと5年ぶりになるお呼ビンゴ。
でもさすがに、クリスマスイブに幕張という「悪条件が重なった(田所さん談)」開催に(笑)。
もしライスしか来なかった場合は、
関町「まあみなさん、何かしら僕たちに向かって投げるものは持ってますよね」(笑)
場所は幕張になったけれど、以前のように、舞台上に畳を置いてくつろげるようにしてくれ、
テーブルの上にはシャンメリーやチキンでクリスマス感を演出。
そしてあの懐かしの電気ビリビリも登場(笑)
この雰囲気を見ると、5年ぶりなのに、5年もたったとは思えない。

悪条件のため、今回は本当に安定を狙ったメンバー中心にメールを送っていました。
なので、毎回のように
「ミスで出演者がいない状態になってしまいました。あなたが来てくれればライブが成り立ちます」というメールが送られてきたのに、
登場しても特にライスに説明を求めない出演者のみなさん(笑)
その結果、お呼ビンゴ初参加のさらば森田さんだけが「なんすかこれ?なにやってんすか?」という事態となっていたのですが、
本来ならこの戸惑いのリアクションが正解です(笑)。
5年ぶりなのに、他のメンバーの慣れすぎっぷりが本当に面白かったです(笑)
出演をお願いするメールには、今までのように、ライスが両手を合わせてお願いするポーズの写真が添付されていたのですが、
それを見たみのちゃんが、
みのる「逆効果だよこれ」
関町「まあ、確かに、仁の顔ふざけてるもんね」
全員『お前もだよ』
この一斉にツッコミする速さ!最高でした(笑)

囲碁将棋根建さんは21時から本社でよしログがあるということで、そしてさらば森田さんはこの後銀シャリ橋本さんと飲むということで、
電気ビリビリゲームだけやって帰って行きました(笑)。
出演時間5分!この一瞬のためにありがとう!
今までなんだかんだで、お呼ビンゴやった時に、ビンゴが一列も揃わなかったことはないらしい。言われてみれば確かにそうかも。
ライブ終盤、『押見さんが来ればビンゴが完成する!どうなる…!?』
というドキドキの空気の時に、「うぃーっす」っていう軽い雰囲気で登場したゆったり感中村さんに、はちゃめちゃに笑いました(笑)。
明日がピンネタ単独で稽古も大詰めという時に、来てくれてありがとう!
今回はさすがに厳しいか…となって、ライブの残り時間もあと5分、そろそろ締め切ろうかとしているときに、
押見さんが登場してくれてビンゴ達成!!
最高に盛り上がりました!
本当にみんな幕張までありがとう……感動のフィナーレでした。
でもその後すぐにみんなにイジられていた押見さん(笑)



中盤、新しい出演者が来るペースが完全に止まってしまったタイミングがあって。
根建さんと森田さんは帰ってしまったので、舞台上にいた、田所、関町、福田、房野、みのるの5人でダラダラ喋ってた時間、最高だったなぁ…。
畳に寝っ転がって、他愛もない話をして。
田所さんが途中で「マジで誰かの家に来たみたい」なんて言っていましたけど、本当にそんな感じでした。
まるで、大学の仲間で誰かのうちで鍋パして、食べ終わって、その後ごろごろしてどうでもいい話をしているような。
青春の一場面のような。

その時に福田さんが話していたのが、
「品川駅にある蕎麦屋は注文してから出てくるのが異常に早い。魔法の蕎麦屋だと思う」という、本当になんでもない話でした(笑)
本当になんでもない話だったんですが、福田さんが
福田「その蕎麦屋があまりにも早いんだけど、自分しかそんなことを言ってないから幻かと思ってた。
   そしたら、同期だったクレオパトラの長谷川が同じことをツイートしてて、『あぁ、やっぱりそうだよな!?』って思った」
……と言っていて。
さすがにこのくだりは、なんだか胸がキュッとなったなあ。
そんなピンポイントで、自分が思っていることがツイートされている時ってあります!?
しかも同期が。
今は活動拠点が離れてしまった同期が。
これがエモいという感情なのかなあなんて思ってしまったりして。
本当に、今日久しぶりに姿を見れた芸人さんも、久しぶりに名前を聞いた芸人さんも、たくさんいて。
みんな、元気ですか。
元気だといいなあ。


今回のライスシチサンライブの突然の復活。びっくりしたけれども本当に嬉しかったし楽しかった。
お呼ビンゴ5年ぶりとは思えないくらい、みんなが思い出す定番のくだり。
あの電気ビリビリのゲームを見ただけで「あーっ!」という声が客席から上がる雰囲気。
定番のくだりを見るたびに、
仲良しの仲間でワイワイやっている姿を見るたびに、
ちょっと胸が苦しくなってしまったのは、
それが久しぶりだと、
なかなか見られなくなってしまったものだと、
実感してしまったから。


今回のライスシチサンライブの突然の復活が、どういう経緯で行われたのか、
今後また開催される予定があるのか、そういうことは全然わからないけれど。
でもまたさ、1年に1回でもいいから、やってほしいよ。
みんなが楽しそうにワイワイやっている姿を見るだけで、幸せだからさ。

そしてまた房野さんに、「いつまでこんなことやってんの?」って、言ってもらいましょ(笑)


ライスネタコレクションライブvol.3 (18/12/21)

2018-12-21 23:30:00 | ライブ感想♪
***
ライスネタコレクションライブ vol.3
18/12/21 19:30~ @ルミネtheよしもと

1.銃弾
2.状況証拠
3.引っ越し
4.魔王からの手紙
5.金庫破り
6.エロイ
7.「ぽい」
8.攻めまして日米
9.それいけ!シロッペ
10.あっちとこっち

***

ライスネタコレクションライブvol.3に行ってきました。
これからもライスのファンでいたいけれど、それと同じくらい、
今日ライスのファンを辞めても後悔はないと思えてしまうほどの圧巻のラインナップでした。
幸せです。ありがとうございました。

ちなみに、各ネタの初出しと思われる日
2.状況証拠(2018年グラン)
4.魔王からの手紙(2012年カヴィ)
5.金庫破り(2014年7月?ライスドキャスト)
6.エロイ(2008年マフェ&バザバザ)
7.「ぽい」(2018年グラン)
8.攻めまして日米(2008年マフェ&バザバザ)
9.それいけ!シロッペ(2009年鈴虫のお腹)
10あっちとこっち(2017年ブラン)

いろいろと間違いもあるかと思いますが、簡易的なメモとして大目に見て頂ければ幸いです。
何が言いたかったかというと。
今回のvol.3は、かなり初期のネタか、かなり最近のネタか、というように極端に分かれていて、
間がほとんどなかったような印象だったので、改めてざっとまとめてみました。

vol.1は、2012~15年あたりの、特にライスドキャストをやっていた時のネタが中心だったと思うんですよね。
vol.3では、ご本人達もエンディングでおっしゃっていましたが、今までの2回でだいぶネタを出しちゃったから、
今回は最近ほとんどやっていないもの、1・2回しかやっていないものもやろうと。
結果として単独のネタが多めになり、かなりボリューム感がありつつも、カラっと笑えるネタもある大変バランスの良い10本になったように思います。
ネタコレでやってくれるネタだけでも、彼らの歴史を辿ることができる。

どのコントも大好きなのですが、意外性重視で言うと、まさか「エロイ」と「あっちとこっち」をやってくれるなんて、全く予想していなかったなあ。
こんな上質なロングコントを無料で見れていいのでしょうか。大感謝です。

さて……。言いたいことはたくさんあるのですが、もう今日は1つしか書きません。
攻めまして日米のことです。
これから長くなりますが、お許しいただければ幸いです。

攻めまして日米が、大好きです。
本当に本当に、このコントを見ることができて、このコントに出会えて、幸せです。
私の人生を変えてくれたと言っても過言ではありません。
これまで見ることができたのは、4回かな。

昔話をしようと思います。
私が、初めて、攻めまして日米を見れたときの話です。
その時はまだ、「サッカーと戦争」って呼んでました。
2009年に行われた、「ラ・ゴリスターズvs東京シュール5」ってライブ。
何をするのかよくわかっていなかったけれど、このメンバーが出るなら面白いだろうって。
まあ、ゆるいゲームコーナーみたいなのも楽しかったのですが、全組本ネタをやったのが一番楽しかった。
そこで初めて、攻めまして日米を見て。
本当に、言葉にならないほどの衝撃でした。あの時の気持ちは今でも表現することができない。
ゆるいゲームコーナーの後に(笑)あんなコントを見ることになるなんて思いもしなかった。
よみうりホールの約1000人のお客さんが、息を呑んでこのコントの行く末を見守っていました。
思い出すだけでも、鳥肌が立ちます。本当に、本当に忘れられない。
私は2008年の夏ごろからライスを追い始めたので、1回目と2回目の単独には行けなかった。
それまでも、ライスのネタとか、籠の城とか、たくさん興奮する舞台は見せてもらっていた。
でもこの、サッカーと戦争のコントを見た時に、あぁ私は、この人達の本当のすごさを何にもわかっていなかったんだって、そう思ったのです。

本当に不思議なコントだと思う。
システムと情緒が絶妙なバランスで混じり合い、どちらがメインなのかを判別するのは難しい。
それは人によって感じ方が違うだろうし、同じ人でも見るタイミングによって変わることもあるかもしれない。
「情緒的なことをやりたいためにシステマチックな仕掛けを作った」ととるか、
「システマチックな構造を前面に出したかっただけで情緒的なストーリーは後付け」ととるか。
当時もわからなかったし、結局最後まで分からなかったような気もします。
だから、過剰にストーリーに肩入れするのも、どうなんだろうとは思うのだけれども。
ただ、システマチックな仕掛けを壮麗に見せるために情緒的なストーリーを選んだのかもしれないけれど。
それでも私は、このコントを見て、「死の間際だからこそ輝く生の煌き」のようなメッセージを感じ取ったのでした。

本当に不思議なコントなのです。
これを見るたび、今に感謝して精一杯生きなきゃ、とか思う一方で、
「こんなにすごいものが見れたのなら明日死んでもいい」と思ってしまうほど。
両極端なようで、どちらも本当の私の気持ち。

私、ライスを好きになって、世界が変わったんです。おおげさじゃなく、本当に。
毎日が楽しくなった。
充実してるって思えた。
色んな感情を教えてもらった。
大切にしたいお友達にも出会えた。
こんなこと言うのも恥ずかしいけど…生きていることに、純粋に感謝できるようになった。
その始まりです。

それから、2010年の京橋花月単独、2013年のグローブ座単独で見ることができました。
そして今回。
田所さんの「もう攻めまして日米をやるのは最後」という11月のツイートに、本当に落ち込み、悲しくなり、
どうしたらそれを撤回して頂けるのだろう、お願いだからもっとやり続けてほしいと、そればかり。
その思いは今でも変わっていません。
だけど、田所さんが今日のライブ終わりに、丁寧に説明してツイートしてくださったこと、本当に嬉しかったです。
それは、私と同じような気持ちの多くのファンの方がいるということを、田所さんなりに感じ取ってくださった結果なのかなと思います。
何より、『今日観たお客様の記憶にいつまでも残しておいてくだされば幸いです。』って、すごい言葉ですね。
自分の好きな人から「永遠」を求められるなんて。
ファンって幸せですね。

私はこのコント以上に好きになるコントには、今後絶対に一生出会えないと心からそう思っています。
普段、「ずっと」とか「絶対」なんて全く口にしない私ですが、これだけは絶対です。
私の「人生で一番」と「世界で一番」という言葉は、全て攻めまして日米に捧げます。
心から感謝しています。
ただ、万が一、いつか、いつかまた何年も先に、またやりたいなとおもってくれたのなら。その時は大歓迎です。
いつか、いつかそんなときが来るなら嬉しいなと、淡い淡い期待を持つことだけは、許してくれたら嬉しいです。