甘酸っぱい日々

面白くても何ともならない世界で 何とかしようとする人達のために

戻る場所のない3年目

2011-04-28 23:16:02 | Weblog
エントリーシート、GD、面接…。
そんな言葉に囲まれて、ちょっと頭がおかしくなりそうな日々。
耐えられなくなって、昨日お友達を誘って強引に飲みに行ってきました。
今まで抑え込んでいた気持ちが全部あふれだし、
「もう就活やだよー!!」「こんなのやってられない」「どうせ落とされる」「私達の気持ちなんかわからないくせに!!」
と大騒ぎ。
めんどくさい絡みをしてしまい申し訳なかったです…。
呆れたお友達におごってもらったアイスで、やっと少し酔いがさめました(笑)
でも、私はお酒飲めない素人なので、この状態に至るまでに白桃サワーをグラス1杯半しか飲んでいなかったのでした……。


最近見たものリスト。


①アメトークのお酒飲めない芸人。
 かつて、こんなに同意出来た回があっただろうか!
 「バーと言ったらドリンクバー」に頷く。
 「『ウィスキーはお好きでしょ』って歌われても、好きじゃない!」に大笑いしながら頷く。
 そして、「『水みたいだから』と言って焼酎を飲まされる」に首が痛くなるくらい頷く(笑)
 私たちの思いを代弁してくれてありがとう!(笑)
 

②オンバト+
 うしろシティ、初オンエアおめでとう!!
 ちょっと流れが悪いなぁ、と感じるところがいくつかあって、もったいなかった気もしますが、でも相変わらずすごく面白かった。
 「オレちょっと、友達になりてぇもん…」のところがかわいくて好きです。
 ぜひぜひ、これからオンバト常連になっていってほしい。
 余談なのですが、コンビ紹介の時のアナウンサーさんの煽りが、
 『ナナイロのボケで~』という言葉から始まったのにびっくりして、心臓が跳ね上がりました。
 こういうところ、たとえ誰も気づかなかったとしても、やってくれるオンバトが好き。
 芸人さんに対して、本当に愛情があるんだなと感じられるオンバトが好きです。
 あの頃ナナイロを見ていなかったら、今の私はきっといないから。
 今みたいに、ライスとうしろシティが好きな私はここにいないから。
 またここから始まるんですね。


③333沖縄すごろく
 オンバトと同じく、表面的には厳しいけれど、とても愛のある番組トリオさん。
 今週も面白かった~。
 そしてひいき目だけど、やっぱりジューシーズのコメントが一つひとつ好き。
 「尾形以上」
 「早いの!」
 「東京に帰らせてくれー!!」
 来週の企画の「美女選びセンス」という言葉に「???」となりながらも、なんだかんだ楽しみ。


④20マウスが面白い!!
 あんなに人数がいるのに、バラバラにならずちゃんとまとまっているのがすごい。
 全員に見せ場があり、チームとして進んでる感じがして、すごく雰囲気がいいですね。
 メインになっているピースと、副リーダー的なオリラジの力量が大きいんだろうな。
 佐々木蔵之介さんの回では、私自身もあの髪下ろす選手権に参加したいと思ってしまった(笑)
 いいな~!私もシチュエーション指定したかった!(笑)
 あの大人の色気たまらないね、かっこいいな…。
 芸人さんばかりみていると、なかなかこういう気持ちにもならないからなぁ(笑)


⑤見たものの話ばっかりなので、見ていないものの話を最後に。
 今月、ライスの出演するライブに一度も足を運びませんでした。
 行きたかったライブが少なかったことや、行きたいライブがあってもタイミングが合わない、ということが重なって。
 これがどういうことなのかというと、だいぶ大きなことで。
 私がライスを好きになってから今まで、海外に行っていた10年2月を除いて、月に一度もライスを見に行かないなんていうことはありませんでした。
 数えてみたら(10年2月を例外とすると)、29ヵ月連続で見に行っていました…。
 ……改めて数字にしてみると、ちょっと、引きます(笑)
 私、そんなに長い年月をこの人達に費やしていたのか……(笑)
 記録を継続させなかったのは少しもったいない気もしますが、まぁね。
 これから見に行けないことも多くなるだろうし、そろそろお笑いへの依存は卒業しないと、と一応思っています。
 ……それにしては、私、テレビ見過ぎじゃない??




今日は4月28日。
あの伝説のシチサンから、もう2年です。
もう2年も経ったということも引いていますが、それよりも、
「もうあれから1年経ったなんて早い!」
と騒いでいた→去年の今日から1年経ったことの方が引いています(笑)
早かったなー!!
あの頃がどれだけ幸せだったかということが、当時も思っていたけれど、今になって改めてわかりました。
最近渋谷に行くと、切なくなるんだ。
寂しいって気持ちに、頑張ってフタをして、気付かないふりをしているけど、
それでも、渋谷に行ってしまうと、色々なことを思ってしまうんだ。
さて、今日からは3年目。
2週間に一度の楽しみがなくなった。
2週間に一度、頑張って頑張って、どんなに頑張っても、帰るための場所がなくなった。
戻る場所のない3年目は、どんな一年になるだろう。

4月7日 うしろシティ・さらば青春の光ツーマンライブ 『うしろさらばの前向きツーステ』

2011-04-12 00:03:51 | 単独ライブ
前々からすごく楽しみにしていたライブに行ってきました!
楽しかったー!!本当に楽しかった。大満足です。
わくわくしない時間が、一秒もなかったなぁ。
初めにタイトルを書いて、その後ざくざくと好き勝手に感想いきます。
いつも以上に不親切、ご覧になった方しかわからないメモです、すみません。
ちなみにタイトルは、さらばは始まる前に自ら言っていたのですが、うしろシティは何も言っていなかったので私が適当につけています。
ブリッジは全て音声のみでした!
それでは、さらばの方から。


~さらば青春の光~

・合格発表
 <二人とも合格した!……はずなのに……?>

・ブリッジ ぼくのお父さん(神)

・オークション
 <700万!700万!>

・ファミレス
 <じゅー、きゅー、はちー……>

・ブリッジ ぼくのお父さん(怪物)

・マジック
 <この紙に好きな数字を書いてください……>

・親友
 <どういう教育受けてきたんや!?親の顔が見てみたいわ!!……>

・ブリッジ ぼくのお父さん(大工さん)

・美容室
 <正夢ー!!……>

・バー(うしろシティと合同コント)
 <ぼったくりやないか!!>


~うしろシティ~

・待ち合わせ
 <向かいのカフェにタモリがいる!……>

・ブリッジ 永沢くんを呼び出す

・卒業
 <とばーしまーしてー!!(涙)>

・道案内
 <あ、ここ押上ですね……>

・ブリッジ 武田を呼び出す

・サッカー
 <もうキーパーやだ!!代わって!!……>

・刑務所
 <15年ぶりの再会が、こんな形になるなんて……>

・ブリッジ 武田を呼び出す

・デートのプラン
 <考えごとしてる阿諏訪やだ!!……>

・結婚式のスピーチ(さらばと合同コント)
 <見たー!!……>

・エンディング
 そのまま舞台上に残り、二組でトーク!
 みなさん、やりきったいい表情をしていらっしゃいました。
 今までツーマンをやった時の組み合わせは、漫才組&コント組という組み合わせが多かったので、どうしてもつなぎの部分でコーナーとかをやらなければいけなかった。
 しかし今回は、二組ともコントなので、ユニットコントでつなげることが出来た、と嬉しそうに語る阿諏訪さん。
 そのつながり、上手かったなぁ、鮮やかだったなぁ!!
 森田さんが、「うしろシティはおしゃれかどうかばっかり気にする!!」と(笑)
 ユニットの内容を打ち合わせしている時も、「それおしゃれかな?」と言ってくるそうです(笑)
 あー、なるほどねぇ。それであぁいう上手い展開が多いのですね。
 今回、一本目のユニットコントのオチがなかなか決まらなかったそう。
 その上お互いのネタもあるし、みんなピリピリしていた。
 だから森田さんがユニットどうするかということを相談しようとしても、うしろシティは軽くシカト(笑)
 東口さんは東口さんで寝ているし(笑)
 森田さんはそんな状況であたふたしていたそうです。
 そんな中、ユニットコントはあとオチだけ決めれば完成、という状態のはずなのに、
 「学校のコントやろうよ」と言いだした金子さん!!(笑)
 森田「イチから作り直そうとしてた!!」(笑)
 金子「しかも、今日の朝6時にね」
 自由奔放すぎます(笑)
 阿諏訪「それで、昨日森田が『エンディングでこのピリピリしてた話しましょうよ』って言ってね」
 うわ、これバラされるのは恥ずかしいー!!(笑)
 森田「やめろ!!お笑いは全部ガチや!!」

 大阪と東京で拠点が離れていたため、打ち合わせは電話で行うことが多かったそう。
 ところが、森田さんの電話の感じがむかつく、といううしろシティ。
 阿諏訪さんが森田さん役になって再現。
 金子『あー森田?あのコントのなんだけどさ――』
 森田『あー、はい!はい、はいはいはい』
 相槌が激しい(笑)
 金子「時々、相槌が内容追い越してたことあるよ」(笑)

 そして最後にお知らせ。
 このたび、松竹の新しい劇場が出来るそうで、そこで2組ともそれぞれソロで単独をやれることになったそうです。おめでとう!!
 やりきった本当に楽しそうな表情のまま、終演となりました。


もう素晴らしかった!とても楽しい時間でした。
それぞれのコンビが、それぞれのスタイルを確立し、堂々と色を出しきっているなぁと思いました。
さらばは、一言で言ってしまうと、本当に「バカだなぁー」という感じ(笑)
一つひとつの設定とか、発想とかは、すごく斬新。細かいところにまで凝っているんだろうなぁということも伝わってくる。
それなのに、コントとして出されたものを見ると、まるで中学生男子の昼休みのような、バカバカしさとくだらなさを受けるんです(笑)
これは、言葉が間違っているかもしれませんが、いい意味で才能の無駄遣いだなぁと。
大元のバカバカしさっていうのは変えず、色々なパターンを用意しているのも魅力で。
今回私が特に気に入ったのは、マジックと美容室。
マジックの方は、もう明らかに見てるやん!というくだらなさなのに、そこにあえてツッコミをせず、ただただ引いているのが面白くて仕方ない(笑)
そして美容室は、とにかく森田さんの動き!!
何あれ、本当に気持ち悪い!!(笑)
最後まで何の説明もなく、理解が追いつかなくて、ただただ気持ち悪いという印象が残りました。
いつか夢に出てきそうで怖いです(笑)

うしろシティは、エンディングでも言っていたように、本当に「おしゃれ」に重点を置いているんだなぁと。
「おしゃれ」と一言で言っても、その中には様々な事柄が含まれていると思います。
展開の妙、伏線の回収、鮮やかなオチ……。
そういうことをひとまとめにして、感覚的に表現した言葉が「おしゃれ」なんでしょうね。
やっぱりコントですので、私自身も彼らの言う「おしゃれ」感があるもののほうが好きです。
それでこそ、コントにしかできないものだと思うのでね。
彼らは、単独という場でしかできないこと、自分たちがやりたいこと、そしてお客さんがやってほしいことが見事に一致しているんだなぁ。

みんなよかったんですが、中でも好きだったネタは、卒業と道案内でした。
卒業は、とってもかわいらしくて、金子さんにひたすら振り回される阿諏訪さんにほのぼのしちゃって(笑)
彼らのネタって、「完全な悪者」が出てこないことが特徴だよなぁと思ったり。
例えばこのネタだったら、確実に振り回しているのは金子さんなんだけれども、悪気があってそうしているわけじゃない。
どこか憎めないキャラクターも、彼らのコントの魅力だと思います。
…で、全然関係ないのですが、私がこのネタを見ていたとき、ちょうど一年前のライス単独の「純」というコントに似てるなぁなんて思っていました。
そのコントは、その時なんだか飛び抜けて浮いていたような印象があったんです。
今回その理由がわかった気がする。
面白い面白くないとかそういう問題以前に、ただただライスの雰囲気に合ってなかっただけだったんだろうなって(笑)
やっぱり、魚は自分に合った水の中じゃないと住めないんだよね。
もう一つの道案内も、「もーっ!!」となりつつも笑っちゃう、ほのぼのした感じで(笑)
すごいな、このコンビ。
日常によくある風景を切り取って、ちょっと変化させただけで、こんなにも素敵なネタができるのか。
私達が今生きている世界って、こんなにも美しく、きらきらした世界だったのか。
そんなことを感じさせてくれました。

だからこそ、うしろシティに持っていたイメージというものがありました。
しかし今回のツーマンを見た後、私は恐らく、今まで彼らのことをちょっと勘違いしていたんだなと今回感じました。
私は今まで、ポップで心温まるかわいらしいネタをやっている彼らを見ていて、こうやってほのぼのとネタを作り続けていくんだろうなと思っていました。
ですが、恐らくそれは違うんだな、と。
彼らはポップなネタをやってはいますが、その心の奥底には「このコントで攻めてやるんだ」「これで勝負するんだ」といったような、アツい気持ちがあるんだ。
そんな部分が見え隠れしていました。
自分たちのスタイルに自信を持っていることが、すごく伝わってきました。
相手を否定しない、ブラックな要素を入れない、悪者が出てこない。
そんなコントがあったっていいじゃない。
大げさじゃなく、新しい時代の到来かもしれないって思っています。

素敵なコントがたくさん見られて、本当に嬉しくて楽しかった2時間でした。
これから、堂々と世に出ていってほしい、期待大の2組です。

オシャレスイーツ並み

2011-04-11 01:13:20 | チュートリアル☆★
もう一ヵ月ですか、早いですね……。
やっと、少し落ち着いてきました。
自分では冷静なつもりだったのですが、無意識のうちにだいぶストレスがかかってしまっていたみたいです。
単独延期の時のブログ見返してみたら、どう考えても冷静とは言えないですね。
一ヵ月前に生きていた世界は、あまりにも平和だったんだな。
どんなに願ってもその時に戻れるわけではないので、今自分が出来ることを頑張っていかなければいけないな、と思った次第です。
このブログは、相変わらず自分の好きなことをただただ書き綴っていくだけなのですが、みなさまが気が向いた際、ほんのちょっとでも楽しんでいける場所になれたら幸いです。


さて。
ここには全くと言っていいほど書いていないことなのですが、私最近、トリオさんが大好きです。
毎週欠かさず見て、本当に愛のあるいい番組だなぁと、ちょっと3組がうらやましい(笑)
そして今週、その番組に彼らがゲストとして出ていたこと、なんかすごく不思議な気持ちになりました。
私の中で彼らはもう、完全に「テレビの人」で。
その人達と、劇場で頑張っている3組が絡んでいるところを見ると、ねぇ!なんか!すっごい変な感じ!
CG合成なのかとすら思うほど(笑)
もう「兄さん」とか言われる立場になっちゃったんだね。
ついこの前までは、アドバイスをしてもらう側だったのに……。
と思ったりしましたが、よく考えてみたら、優勝したのは06年のことでした。
もう4年も前になるのですね。
そりゃあ兄さんと呼ばれるわけです。
高校生だった私も、就活生になっているわけです。恐ろしいです。
福ちゃんが「お前らうるさい!!全員で来んなって!!」と言っていたことが嬉しかった。
私も全く同じことを思っていたんです!
みんな頑張っているのはわかるけど、ガツガツしすぎて声がかぶって、時々誰の言葉も聞き取れないことあるよ(笑)
そういう点では、やっぱりガツガツしてない、はんなりマイペースな彼らを好きになったのは、当然の流れだったのかなと。
そして、「若手芸人なんて飴細工のドーム型のパリパリのやつの上に乗っかっているようなもん」という、さすがの比喩を見せてくれた徳井義実さん。
恐らく、この思いつきをわかりやすくするために、編集スタッフさんがあのスイーツの画像を探したんだろうなぁと思うと、なんか申し訳なくなってきます(笑)
「番組って、思てる以上にあっさり終わるからな」というリアルすぎるアドバイスをする徳井義実さん。
この言葉を聞いたときに、一気に→この辺のことを思い出しちゃったよ(苦笑)
一つの番組の、一回の放送に一喜一憂。
一つレギュラーが増え、一つレギュラーが減るごとに一喜一憂。
感情の起伏が激しくて結構キツい時期でしたが、そういうことを思えたのも幸せよね。
今や、レギュラーが減っても特に何も思わなくなっちゃったもんな。というか、何本レギュラーがあるのか把握してない。
悲しくなることはなくなったけど、その分楽しみに思うこともなくなっちゃった。
これはよくないよなぁと、ちょっと反省。
兄さんたちのアドバイスを大事に、3組には真摯に取り組んで、頑張り続けてもらいたいな。
若手芸人なんて、オシャレスイーツの上に乗っているようなもの。
なんだけども、オシャレスイーツの上に乗れるようになれるのだけでも幸せなのだから。
初めてとは言えそこに辿り着いたことに、自信を持って。

芸人において、「売れてほしい」「売れたい」と一口に言っても、それが一慨にいいことなのかと言えば、私にはそうとは思えません。
特にこの人達の場合はそうだった。
テレビで売れるということは、ロケでキャラが出せるかとか、バラエティで面白いコメントが言えるかとか、そういうことが重要になってくるわけで。
もっとネタが見たい、二人だけのトークが見たい、という私の理想からはどんどん離れて行ってしまいました。
自分が見たいものが見れるわけじゃないから、いくら彼らが出てるからと言っても、番組は見なくていいやと思ってしまった。
でも今回、久しぶりに彼らを見て、そんなのもったいないなと感じました。
もったいない、もったいないな。そんな理由で彼らから離れちゃうのは。
何も変わっていなかった。
環境が変わっても、自分達の色は変わらずに様々なお仕事に取り組んでいる。
ちょっと強制的にでも、この人達を意図的に見る時間を増やしたいなと思いました。

今年度の初めに、初心に返ることが出来てよかったです。
頑張っていきましょう。それしかないや。
予期せぬことがあっても、くじけないで頑張り続けることだ。

神保町花月『せりざわ君、キミは間違っている。他』

2011-04-06 23:54:39 | 神保町花月
久しぶりの劇場、すごく楽しかったです!
今回もあらすじは神保町ブログにおまかせし、私の感想をつらつらといきます。

やっぱりやっぱり関町さんです。
今回も相変わらず、非の打ちどころがないくらい素敵だったなぁ。
ひねくれていて、心に闇がある感じが本当に上手い。
始めの「バカじゃねえかこいつ」からの長台詞で、一気に空気を変えたのがすごいなと思いました。
世界を悲観的に見ていて、ひねくれていて、投げやりな態度。
それなのに、スカルプと出会えてからは、その様子ががらっと変わるのが印象的だったなぁ。
ともひろもスカルプも、ただ友達がほしい、ただ信頼できる相手がほしいって思っていて、
その純粋な気持ちが残っていることがすごくよくわかった。
だからこそ、「世界を真っ黒にしてやる」という悪事で団結してしまったのが、とても残念に思えてしまいました…。
本当は悪い人たちなんじゃないってわかるから。
このギャップを平然とやりきった関町さんに、結局今回も心奪われっぱなしでした。

押見さんは、世の中の矛盾とかはかなさとか、そういうものをじわじわとあぶりだすようなお話を書かれていて、
この方は一体普段何を考えていらっしゃるんだろうかと、とても気になりました。
ハッとさせられるような、心がえぐられるような。
例えば、ともひろが若田とよりを戻して、いちゃいちゃし始めるところ。
さっきまであんなに仲良くしていたスカルプに対し、思わず冷たい言葉を言い放ってしまう。
人間の黒い部分を見せられたところというか。
もう一つ、若田と亮ちゃんマンの取り調べのところも忘れられませんでした。
悪いことをやったやつを殺したまでだから、自分は正義だと言い張る亮ちゃんマン。
じゃあ、その亮ちゃんマンを捕まえている若田は、正義なのか、悪者なのか……?
見ている私の価値観まで、揺るがされそうになりました。
本当の正義ってなんなんだろうか。
自分が善だと信じているものを、本当にそうなのかなって思うと、ちょっと怖くなってしまいました。
押見さんは一体、何を考えて生きているんだろう……。

……とか、とか、とか。
色々と書いてきましたけれども、こういうことを考えられるようになったのは、公演が終わってだいぶ経ってからの話。
終演直後は、とにかく全員のキャラの濃さに圧倒されて、「なんだこれ!!!」としか思えなかったのが正直なところです(笑)
もうなんなの!!
「普通」の人が一人もいなかったよ(笑)
若田のゲイっぷり、徹底していました。
私が行った日のエンディングで、徹さんが関町さんに苦情。
徹さんは、ゲイ役なんだから徹底的にちゃんとやりたい、と。
がっつり役を入れてる徹さんは、アドリブで関町さんとおでこをくっつけたかったのですが、それをやろうとしたら関町さんに避けられたらしい(笑)
関町「どこに力入れてるんですか!!」(笑)
いやぁそれほど、徹さんがノリノリでやっていました。
上手かったなぁ、ゲイ役上手かったなぁ(笑)

田所さんの衝撃…(笑)
あんな格好なのに、ちょっとかわいいと思わせてしまう魔力。
クトゥンになるのだけは許せなくて、ひとみちゃんになってしまったお父さん。
素晴らしかったのが、こちらもギャップの話になってしまうのですが、いきなり素の姿に戻ってしまうところだよなぁと。
大木に「おじさん」と言われて、「えっ?」と急に素に戻るところ、なんかすごい衝撃でした。怖さすら感じた。
こちらは田所さんのあの姿を「そういうてい」として見ているから、その前提が急にひっくり返された感じがして。
これは太田さんが上手かったのもあると思いますが、いやすごかったなぁ。

そしてそして武山さん!
超楽しそうだったなぁ(笑)
実はこのお話って、武山さんがいなかったら平凡というか、いやもちろんそれでも十分平凡ではありませんが、
そんなに特殊でもなかったような気がするんです。
だけど、武山さんがいたからこそ、さらに押見ワールドになったんだろうなぁ。
自由奔放、やりたい放題で、お芝居の世界と観客の世界を行ったり来たりする武山さんを見て、愛の賛歌の「素」を思い出していました。
押見さんは自分がやってた「素」からヒントを得ていたのかな?
そう思うと、あのぴょんぴょこやってたひとみちゃんは、まるで黒子みたいだったし、
ともひろのちょっと鼻につく態度もボンボンみたいだな……なんて思ったり。
武山さんの雰囲気に合ったやりたい放題感、楽しかったです。

最後に一つだけ。
こんな感じで、今回の感想をつらつらと書いていたときに、演出の成島さんのブログを拝見しました。
そこで、スカルプの思わぬ誕生秘話にびっくり。
影ではこんな苦労があったんですね……。
極限の状況で、それでもいいものを作ろうとしてアイデアを出せる押見さんがすごい。
ちょっと関町事故死ドッキリの時を思い出しました(笑)
追いつめられるほど、いいものが出来るのかなぁこの方は。
今回、みなさん本当に大変だったのだろうなぁ。
本当に公演が出来るのかということも直前までわからず、モチベーションを保つのも大変だったと思います。
それでも、こちらにそのような苦労は一切見せず、やりきってくださいました。
私自身、3月に行く予定だったライブがことごとく中止・延期になってしまったため、この日に本当に久しぶりに行きました。
久しぶりに大笑い出来て、すごく楽しかった。気持ちよかった。
ちょっと間が空いちゃっているし、それに気持ち的に笑えるかどうかまだ不安だったのですが、それを吹き飛ばして下さいました。
みなさんが今出来る最大限のことを、パワーを持って強い気持ちでぶつけて下さったことに感謝です。
まだまだ、完璧に以前のような状態には戻れないかもしれない。
それでも、だからと言って立ち止まっちゃいけないんだな。
自分に出来ることをあきらめちゃいけないんだな、きっと。
とても楽しい公演を、ありがとうございました。
行ってよかった。