甘酸っぱい日々

面白くても何ともならない世界で 何とかしようとする人達のために

キングオブコント2014決勝戦 ネタ総括

2014-10-19 23:30:45 | お笑い全般
【第1試合】

・シソンヌ ラーメン屋
 トップバッターで、これだけ落ち着いて自分達の世界観を作ることが出来るって、本当にすごいと思う。
 2人とも演技力が半端じゃなくて、現実にこんな人いそうっていうリアリティがあって一気に引き込まれる。
 長谷川さんのツッコミワードのキレっぷりも最高。


・巨匠 おじさんを作るおじさん
 こんなネタが放送されちゃっていいの?と思いつつ、ゴールデンの地上波で、シナリオ変更なくやりきったことに、まず拍手!!(笑)
 この舞台でも、なんだか言い表しようのない不気味さが表れていて、気持ち悪い感覚がしつつも大笑いしてしまいました。
 ただ、ちょーっとだけ、岡野さんのセリフの間が詰まっちゃってた感じがするのと、
 2人とも、セリフに微妙に抑揚が無くて、平坦に淡々と進んで行っちゃったかなぁ。
 「いつも通りにやる」ということがいかに難しいかを実感。

<シソンヌ 54 : 47  巨匠> で、シソンヌの勝利



【第2試合】

・ラバーガール 子供服売り場
 準決勝でも見て、ネタの内容はわかっているのですが、それでも声に出して笑っちゃうくらい本当に面白い。
 最後のお会計のボケの、「いろんな値札入れておいてください」なんて、笑いすぎて好きすぎて泣いた(笑)
 ほんとすごいボケ。こんな発想したことない。
 ……でも、思っていたより芸人審査員にハマらないものなんだなと。
 「自分が生まれた頃のこと思い出しますねー」とか「生まれたばかりなので性別ない」のあたり、もっとウケててもよかったはずなのに。
 ネタ終わりで飛永さんが言った、「ここはお客さんだけで、芸人は笑わないんだなって思った」って言葉、ホント偽らざる本心だったんだろうな…。
 あと、ほんの少しだけ間が早い気がする。
 想定してたよりウケてないところを気にして、どんどんセリフ回しが速くなっちゃったんじゃないかな。


・リンゴスター スパイ
 東京03に憧れているだけあって、すごく3人それぞれが生かされていてトリオ感があるし、ストーリーも緻密で展開がどんどん気になる感じ。
 あと、ついに私と同年代の芸人さんがこのKOCの舞台に立ったっていうこともあって、親近感がありました。
 会社の改革のディテールを詰めることができるのも、若いからこそできる事というか。
 長く芸人をやっている人達だったら、こういう発想は出てこないだろうなってところもあり。
 「後半スラム街じゃねぇか」みたいな細かいワードも好き(笑)
 ただ、ツッコミの平田さんが、なんか……準決勝あんな感じだったっけ?(笑)
 準決勝で見た時は、もう少しテンションが落ち着いてたような気がするんですよね。
 ちょっと決勝の舞台では、最初から声張りすぎて、力を入れすぎて、見ている側がそのテンションについて行けなかった感じが。
 あと、せっかく中盤で、「もう裏切れやー!!」っていう、もう一段階盛り上がるところがあったんだから、
 テンションをそこに取っておいて欲しかったなぁ。そこがあまり効果的にならなかった。
 
<ラバーガール 83 : 18 リンゴスター> で、ラバーガールの勝利



【第3試合】

・バンビーノ ダンシングフィッソン族
 個人的に、今年一番好きなのはこのネタかもしれない。最高!超楽しかった!!
 一見むちゃくちゃなことをやっているように見えてしまうけれど、でもそこは本当に丁寧に計算され尽くした構成で、
 このコントの中におけるルールを明示するのが上手すぎる。
 そして、みんながルールを理解した上で、「次にどうなるんだろう?」という、期待のさせ方と、その裏切りが絶妙。
 たっぷり時間を使うところ、そして不意打ちのところ、そういうテンポのバランスも素晴らしかった。
 新しいことをやっているのに親しみやすくて、その衝撃にハート撃ち抜かれました。いいネタだったなー!!


・さらば青春の光 おっさん
 準決勝の感想を書いたときに、まるで恨みでもあるのかのようにキツいことばかり書いてしまったのですが(笑)、
 よく決勝でここまで仕上げてきたなと思いました。…っていうか、逆に準決勝は何だったんだろうってくらい。
 ネタの肝となるところは超バカバカしいのに(笑)、脚本としては一つひとつがちゃんと積み重なって、丁寧に盛り上がっていく感じ。
 そして、やっぱり最初の笑いが来るところの構成が美しすぎる。
 きっしゃんがフリーズするごとに、見ているものは「ん?どういうことだ?」って疑問を抱いていて、
 その答えがシンプルに一言で示されて、ドカンと笑いが来る。
 いいよなぁ。この、バンビーノが独自の世界観を繰り広げたネタをやった後でも、ぐっと自分達のところに引き付けるパワーは本当にすごいや。
 「被告もおっさん、原告もおっさん、それを裁くのもまたおっさん」辺りのフレーズの強さも感心してしまう。
 
 でも、思っていたよりハネなかった原因として、いくつかあるとは思うのですが。
 まず、私の個人的な感性から言うと、このネタには「必然性」がないんだよねぇ。
 おっちゃんがきっしゃんに、「下ネタ無理なおっさんなんてきしょいで!!」ってしつこく言うけども、なんでおっちゃんはそんなに必死なの?
 そうしなければいけない理由が見当たらない。
 例えば、ぼったくりバーだったら、法外な値段をぼったくられて店から出られない、
 イタトンだったら、自分の能力を試したくて子どもを使っているからその場を離れられない、
 Rockだったら、溢れる怒りをぶつけたい、
 オカリナだったら、社長をおだててでも何でも契約を取らないといけないから帰れない……って感じで。
 でも、このネタは、きっしゃんが下ネタ無理って言ったら、「あっそ」で終わってもいい感じがするんですよね。
 それをしつこく問いただしていく理由がわかんない。
 こんなところ気になる人はそんなにいないと思いますが、もしかしたらこういう微妙な引っかかりが、
 このネタのテンションについていけず、少しずつ心が離れていく一因になってしまった人もいたかもしれないなって。

 さらに、KOC後に各所で意見を見てみると、「さらばに期待していたのに下ネタじゃ無理でしょー」みたいなのが結構多くて。
 結論から言うと、私は「下ネタだから無理」とは思いません。
 2人がやりたいことは、このネタの肝となる仕掛けが明かされる瞬間であったり、2人のやりとりで笑いが増幅されて行くところだったり、
 下ネタどうこうではなく、そういうことがやりたいんだろうなと思っているので。
 ただ、これは後述するのですが、やっぱりKOCという舞台では、自分達の色は出しつつも、万人に受けるものが最後に勝つのかなと思っています。
 今回のネタだって、きっしゃんと同様、「下ネタ入ってるだけで生理的に無理!!」と思ってしまう人もいるかもしれないし、
 そういう人に、さらばのコントの様式美を伝えようって言ったって不可能ですよね(笑)
 
 そして最後にもう一つ。ここからはもう私の勝手な意見です。
 ……全国放送で、たくさんの人が見る場で、このネタはどうなんだろう。
 きっと、見た人の中には、ネタだけじゃないところを含んでるって思った人もいると思うんです。
 つまり、「あのスキャンダラスな東口が下ネタ無理っていうネタってwww」っていう笑い方。
 本人達がどういうつもりなのか知りませんが、
 そんなつもりがなかったのなら、そういう笑い方をされる可能性があるというのは本意ではないだろうから、やるべきではなかったと思うし、
 もしそういうつもりでやったのなら、それこそやるべきではないと思います。
 ネタに私情は持ち込んで欲しくない。ネタそのもので勝負してほしい。
 わざわざ賛否両論を巻き起こすようなことをやって欲しくない。わざわざ火中の栗を自分から拾いに行く必要はない。
 ……まぁ、色々言いましたが、結局今年の最大の敗因は、このネタ以上に強いネタが作れなかったことって感じでしょうかね。


 <バンビーノ 58 : 43 さらば青春の光> で、バンビーノの勝利




【第4試合】

・ラブレターズ モリヤス
 すごく、すごく良かったと思うよ!!
 本当に!!いちお笑いファンが何言ってもしょうがないかもしれないけど!!(笑)
 散々やりつくされた「ホームランの約束」というフォーマットで、ここまで新しいことできるのはすごい。
 さらに、溜口さんが本当に魅力的なんだよなぁ。
 「モリヤスは、何しに来たの?」とか、「死ねー!お前なんか死ねー!!」っていう、
 文字にしたら何でもないようなセリフでも、溜口さんが言うと、一気に輝いて聞こえる。
 これで、スベってたなら仕方ないけど、結構ウケてたのにこの点差はきついよね。
 ラブレの2人は最近、「何が面白いのかわからなくなってきた」って言ってるみたいで、何かもう……胸が痛い(涙)
 新システムの被害者ですよ。面白いのは確実なので、またどこかでチャンスが巡ってくるといいですね。



・犬の心 手品
 いやーすごかった。この日のウケは、このネタの理想としているウケ方という感じでしたね。全てが狙い通りに芸人にハマっていく。
 もし、従来のように点数での審査方法だったら、このネタは950点くらいついたんじゃないだろうか。
 それくらいの気持ちいいハネっぷり。最高でした。
 また、このネタですごいのは、「手品の一万円がなくなった」と「複雑な先輩後輩の2人の関係」という2本のストーリーの軸があって、
 でもそれが無理なく、自然に絡み合って一本のコントを作っているというところ。
 実際押見さんがこのネタを作った時に、どちらから着想したのかは分かりませんが、
 先輩がバイセクシャルだということを、最初にバラしてしまっては面白くない。中盤に持ってきて効果的に効かせたい。
 だから、複雑な関係のくだりを見せたい→そのために服を脱がせる必要がある→そのためになくなった一万円札を探す
 という感じで、それぞれ必ず「そうならなければいけない理由」として機能しているのが、本当にすごいなあって。
 その上で、いけやさんの飄々とした感情が読めない雰囲気と、押見さんの微妙に揺れる心情が、最大限に発揮される2人の演技力。
 自然なやりとりの中で笑いを増幅させていく、無駄のないセリフ回し。
 あらゆる面において、17年の積み重ねが忌憚なく発揮された、凝縮された4分間だったなぁと思いました。
 
 ちなみに私は、準決勝の感想を書いたときに、「TV的にNGなんじゃないかという懸念箇所もありましたが…」と書いていましたが、
 それが何かと言うと、もちろんバイセクシャルのくだりで(笑)
 実は私は数年前から、KOCには「ホモや同性愛をテーマにした人は、ウケに関係なく不合格」という裏ルールがあるんじゃないかと感じていて。
 これは何の確証もなくて、私が勝手に考えている事なのですが、
 でもKOC予選でそういうことをネタにして、しかも「気持ちわりーよ!」みたいな展開に持っていく人で、合格した人を見たことが無い。
 ウケていても、結構容赦なく落とされる。
 実はライスの4年前の2回戦も、そういうことだったんじゃないかなぁって感じています。
 まぁもし、そういうルールがあったとしても仕方ない。
 ライブとは違って、TVの全国放送で沢山の人が一気に見るわけだから、そういうネタで傷ついて苦情を送る人がいないとも限らないし。
 だから、準決勝で犬さんのネタを見た時に、これもしかして決勝あるかもしれないよ!と思いつつ、
 バイセクシャルのくだりだけでアウトにされてしまうかもしれないな、とも思っていました。
 今だからこそ思うんだけど、これが、同性愛を否定するネタだったらダメだったんじゃないかなぁ。
 ネタの中でカミングアウトするネタではなく、カミングアウト後のことをネタにしてる。
 同性愛のことを当たり前のように受け入れてる。こんなネタ見たことないよ(笑)
 そこが最大のポイントであったんじゃないかなと思います。
 いやー、でもね。こんなネタやられちゃったら、もう今後他の芸人さんは大変ですよね。
 こんなネタやられちゃったら、もう今後「お前ホモだったのかよ!気持ちわりーよ!!」みたいな安易な展開のコントは、勝ち目無いよね(笑)



<ラブレターズ 7 : 94 犬の心> で、犬の心の勝利

 今年のKOCの一番の話題になっているこの点差(笑)
 でもこれで、「この点差はおかしい」「こんなに差がつくわけない」って必死になって叩く人は、一旦クールダウンしてほしいよ。
 特にそういう人の中で、「自分は犬の心の方が好きだけどこの点差は変」って言ってる人達さぁ。そういうことなんだよ。
 審査員だってきっと、「どちらも面白かったけれど、どちらかと言うと犬の心」って、悩み抜いたうえでの結論かもしれないじゃないか。
 そういうのが積み重なってのこの点差なのですから。
 もしかして、従来通りの採点方法だったら、犬さんが950点で、ラブレが940点くらいとってるかもしれないじゃん。それはわからないよ。
 芸人はそういうのをわかった上で7点をイジっているけど、今回の結果しか見ていない人達はラブレのことそんなにつまらないのかと思うだろうし、
 さらには、「やっぱり芸歴長い方が有利なんだ」とか「吉本勢の組織票」みたいなことを本気で言う人達が出てくるからさぁ。
 イジられないことこそ悲しいことかもしれませんが、でも真に受ける人もいるから、もう芸人にはあまりイジらないでおいてほしいよ。
 ……でもまぁ無理だろうなあ(笑)



【第5試合】

・チョコレートプラネット クイックオープン
 ハネたねー!!素晴らしい出来でしたね。
 私は以前このネタをライブで見たことがあって、すごく面白かったのですが、終始2人のテンションがちょっと低いんじゃないかと思っていて。
 でも、最初から最後まで、長田さんの淡々とした感じが、リアル感を崩さなくて逆にハマリましたね。
 業者とお客さんの会話の距離感も徹底されていて素晴らしい。

 
・アキナ ボール取れへん
 一つひとつのくだりを丁寧に積み重ねていって、階段を上がるようにストーリーが展開されて行く美しさ。
 ちょっと意地悪な深層心理をえぐってくる感じも、持ち味らしさが出ていてとてもいい。
 そして、「とれへん。とれへーん」と真似したくなるフレーズがくせになります(笑)


<チョコレートプラネット 80 : 21 アキナ>で、チョコプラの勝利




【ファイナルステージ】

1.チョコレートプラネット カラオケ
 今年、一番笑ったのはこのネタ(笑)
 当て字だけでここまで展開できて、しかも飽きさせることなく次々と期待を上回るボケを繰り出してくるのが本当にすごい。
 九城伸明の経歴が知りたくなるわ(笑)
 最後の消費カロリーのオチも、ズバッと決まって気持ちよかったなぁ。
 ただ、もうここからは、個人の好みとか、ポリシーの話になってしまうのですが。
 すごく面白かったのですが、優勝に相応しいネタかというと…って、ちょっと思ってしまったなぁ。
 当て字ボケはとてもいいけど、でも、他のコンビでも成立しちゃうと感じて、「そのコンビらしさ」をもっと見たいなと思ってしまった。
 だから、2人のやりとりにもう少しオリジナリティがあったり、長田さんが歌っている時の松尾さんのツッコミワードがもっと強め立ったりしたら良かったんじゃないかと思うのですが、
 優勝するにはちょっと物足りないネタだと感じてしまったのが、正直なところです。


2.バンビーノ ハグゲッター
 これは去年の準決勝で見たことがあったネタで、その時に「なんかとんでもないコンビが出てきたな」と思ったことを鮮明に覚えています。
 1本目と同様、明示的な説明が無いのに、ルールを理解させるのが実に上手い。
 ただ、このネタは、もう少しそのルールをわかりやすくしてほしかったなぁ。
 その方が、見ている側の期待と裏切りの落差が効いて、もっとウケそうな気がする。


3.犬の心 妹がほしい
 速いセリフ回し、独得の間、淡々としたテンポ、ほぼ抑揚をつけない口調。
 実は、従来の犬の心っぽいネタはどちらかというと、1本目よりもこっちのネタの方ですよね。
 面白いんだけど、1本目であんなに審査員にハマったのは、押見さんの強烈な熱量のセリフがあってこそだと思うので、みんなそういう系統を期待してしまっていたんじゃないかなぁ。
 ……っていうか、「あん時好きだったからって今でも好きだと思うなよ!!」って、改めて考えてみると、なんだよこれ、どんなコントだよ(笑)
 でも、何でもないような自然なかけ合いの上手さはさすがでした。らしさは存分に出ていたと思います。


4.ラバーガール 美容室
 これも結果論になってしまいますが、ラバガはどちらかというと、こういう従来のスタイルではなく、
 なんか飛永さんもバカみたいな感じの、ダブルボケっぽいネタでもよかったのかもしれないなぁ…。
 芸人はそういう方が好きそう。
 とはいえ私は、最後までラバガに優勝してほしいと思ってました。何度見てもホント面白い。絶対的な安定感。


5.シソンヌ タクシー
 いいコントだったなぁ。
 おそらく台本の字を追っていくだけだったら、何も笑いどころがないようなこのストーリーを、2人の演技力の絶妙なさじ加減で笑いに変えてしまう。
 口調も表情も仕草も、全てが噛み合って最高のコントになりましたね。
 それで、このシソンヌのネタを見て思ったのですが、やっぱりKOCで最後に優勝するネタって、
 強烈なインパクトはあった上で、さらにいい意味で「どんな人にも評価される」ネタなんだろうなって。
 去年のKOCは、鬼ヶ島や天竺鼠がめちゃめちゃに荒らしたりした一方(笑)、うしろやさらばはしっかりとストーリー重視のコントをしていて。
 でも、結局最終的に勝ったのは、狂気を持ちつつもしっかりとストーリー性を練り上げた、かもめんたるだった。
 今年も同じように、色々なパターンのコントがあったけれども、最終的に勝ったシソンヌのコントは、
 ストーリー重視の人、
 キャラクター設定に魅力を感じる人、
 演技力やリアリティを大切にする人、
 難しい事は何でもいいからとにかく笑いたい人、
 そういう、あらゆるポリシーを持った人に響くことができるコントだった。
 素晴らしい。本当におめでとうございました。



今年は例年以上に、どの組もそのコンビの持ち味を十分出しきって、しっかりとウケていた組が多かったんじゃないでしょうか。
地上波ゴールデンで15本ものコントを楽しむことが出来て、本当に楽しかったです。
KOC全体の感想については、また後日。とりあえず今日はネタ総括だけで。
本当にお疲れさまでした。
全出演者の皆さん、そしてそれを支えた芸人審査員、スタッフの皆さん、本当にありがとうございました。




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キングオブコント2014 準決勝1日目 (14/9/9)

2014-10-11 02:20:03 | ライブ感想♪
***
キングオブコント2014 準決勝
9/9(火) 18:00~ MC:あべこうじ
@赤坂BLITZ
***


SEO・検索エンジン最適化、という言葉を知ったのは、ほんの一年くらい前でした。
それを全然意識することなく、なんとなくブログを続けて来てしまって、
特に対策とかもせず、意識して手を加えたこともなく、気付いたら7年も経っていました。
だから、検索エンジンで自分のブログがどの程度上位に来るかというのは、もう成り行きに任せていました。
その中で、自分が結構楽しく書けた、よく書けたと思っている記事が検索の上位に来ることは嬉しいんですけども、
そうではなくて、意図していない状況で、このブログが検索上位に来てしまう時、なんだか申し訳ない気持ちになるんです。
みんなが求めているのは、この情報じゃないんだろうなぁって。
だから、記事によって、あるいは時期によって、検索のひっかかりやすさを変更することが出来ればいいのになぁ。
出来るかもしれないけどやり方がよくわからないや。

……何をぶつぶつ言ってるのかと思われた方、申し訳ありません。
つまり何が言いたいかというと、最近、私のブログに来られる方の検索ワードで、
「キングオブコント 準決勝 2014」「KOC準決勝 感想」
みたいなワードが、ダントツで多くて。
私、今年の準決勝の感想書いてないのに。
あまりにも多いので、Google検索で同じワードで検索してみたら、なぜか、私の3年前の準決勝の感想記事が上位に来ていることが判明。これが原因か!
本当は、今年の感想はうまくまとまらないので書かないつもりだったんですが、
検索でひっかかったら3年前の記事だったなんて、せっかくこちらへ来てくれた方になんか申し訳ないので、
今さら感満載ではありますが、簡単に2014年の準決勝感想を。
私は1日目しか見ておらず、また、仕事で開演に遅刻してしまったので、最初の4組は見れませんでした。
私の主観で好き勝手書いておりますが、それでもよろしければ、どうぞお付き合いください。



・ゾフィー

・クラスメイト

・ラフレクラン

・夜ふかしの会


・ロビンフット アイドル
 気持ちが明るくなるような、楽しいネタでした(笑)

・やさしいズ 現代文追試
 2人のやりとりが可愛らしくて、なんだか心が温まる感じ。

★リンゴスター スパイ
 いやー、すごいね!本当に本当の無名からの決勝進出!
 すごく丁寧に練り上げられたストーリーとベースの設定。
 王道だけれども新しい。いいコントだったと思います。

★犬の心 手品
 犬さーん!!
 決勝進出、本当におめでとうございます!!
正直、ネタの冒頭では、ちょっとお客さんの空気を掴み損ねたんじゃないか?と思ったところがあったんです。
一瞬不安がよぎったのですが、でもそこから、絶妙なテンポ感、淡々とした間と、
次々と展開される重層的なストーリーに、ぐんぐん引き込まれるような雰囲気になったのが、見てるだけでも分かって。
ネタが終わった直後、これあるぞ、これあるかもしれないぞ!と、期待が高まりました。
もしかしたら、テレビ的にNGだと判断されちゃうかもしれない、という懸念箇所もちょっとあったのですが、それを乗り越えて見事決勝へ。
いやーすごい。かっこよかった。


・うるとらブギーズ なぞなぞ
 2回戦と同じネタ。
 すごく面白いんだけど、この広い舞台だと若干見劣りしちゃう感が。

・5GAP 公園の子ども
 前半のベタな感じから、後半は一気にやりたい放題の世界になっていくのがいいですね(笑)

・ライス 誘拐
 いやー、まさか、このネタを持ってくるとは思っていなかったなぁ。
 個人的には、3月のライスドキャストで見て以来、大好きなネタだったんです。
 見た直後から、このネタでKOCに挑んでもいいんじゃないかと思っていたほど。
 でも、それ以後、ライスがこのネタをかけているライブに遭遇できたことがなくて、
 しかも他の方のレポとか見ていても、ライスド以降2回くらいしかやっていないんじゃないかというほどで、これはないものだと思っていました。
 だから明転した瞬間びっくり。温存していたのかなぁ。
 客席も結構沸いていていい雰囲気だったのですが、
 尺の関係か、ライスドでやったくだりを削っていたところがあって、
「あっちの方がよかったんじゃないか」「これとあれのくだりを入れ替えておけば!!」みたいな気持ちも少しありつつ。
 結果的には残念でしたが、確かに賞レースに合いそうなタイプのネタだと思うので、ネタ選びを責める気はない。
 最後までわくわくさせてくれてありがとう。
 しかし、改めて考えてみるとすごいよね。
 私は今年、色々な場でライスのコントを見てきて、もう今年の勝負ネタは、「入れ替わり」と「想像の世界」の2本で決まりでしょ!と勝手に思っていた。それが決勝で見たかったし。
 でも結局、予選では違うネタだった。それほど強いネタが何本も出来たってことだ。
 今から来年が楽しみだ。
 そしてもちろん、「来年」につながるための「今」のライブ一つひとつもね。

・トップリード ラブぞっこん5
 もうすごい。とにかく感動と感嘆。
 さりげなく敷いた伏線を派手に回収し、最後には誰も傷つけないハッピーなコント。
 こんなこと出来るのはトップリードだけだよなぁ。本当にすごいなぁ。
 ただ、私が一番笑ってしまったのは、「どこぞの太田プロの芸人の~」という突然のぶっこみ(笑)


・ロビンソンズ 花火大会
 発想は良いと思うけど、間が長すぎるから賞レースには合わないだろうというのと、
 あんまり女性を殴るシーンが多いのは、コントとわかっていてもちょっと引いてしまう。

・ジャングルポケット 上司の誘い
 斉藤さんの熱量が素晴らしいし、ネタ全体のウケの平均値はとても高かったと思うけど、
 なにか一つでいいから、山場になるワードが欲しかった感じ。

・ジャルジャル お尻をケガした
 なんてくだらない(笑)
 この一つのことで最初から最後まで引っ張るってすごい。
 技術もすごいし、勇気もすごい。

・ずん マッサージ屋
 めちゃめちゃ面白いけど、コントのストーリーうんぬん関係なく、ただただ飯尾さんがみんなに受けいれられすぎてる気もしないでもない(笑)


・ロマン垰 食品偽装の謝罪会見
 ひたすらしつこいゴボウ押し。私は結構好きでした(笑)
 でも、謝るほうの人(ボケの人)が、ボケどころのときに、泣きマネが激しすぎて何言ってるか台詞が聴き取りづらかったのが残念。
 それともあれは笑っちゃってたのかな?

・2700 ワールドアルファベットチャンピオンシップ
 これ決勝行って欲しかったなー!!
 私の周辺はめちゃめちゃウケていて、行けるかもと思ったんだけどなー!
 いつも常人の想像の100歩くらい先を行く2700。
この日もそういう世界が見れて、頭を殴られるような衝撃と共に、とってもわくわくしました。

・ブロードキャスト 反抗期の息子
 ……順番、かなぁ……(笑)
 2700の後に、オーソドックスなボケツッコミのコントっていうのはなかなかどうにも、って感じだよねぇ(笑)

・チョップリン 大道具さん
 お笑いファンが喜ぶことを全力でやってくれた感(笑)
 準決勝だもん、お祭りだもん、こういう組がいてもいい。

<休憩>

・ななまがり まあまあ強い
 面白かったなー!休憩明け直後で、客席がちょっと重かったのがもったいない。
 順番違ったらいけてたかもしれない。

・や団 殺人現場
 うるとらブギーズと同様、2回戦はよかったけど、この場で見ると…という感じ。
 しかしやっぱりクセになる。

・うしろシティ 監禁
 このネタは、「うれしい人間」で見た時もそんなに好きではなかったし、
さらにオンバトチャンピオン大会でいまいち掴み切れずにおわっちゃったイメージが残っていたので、どうなんだろうと。
ですが、この日は結構よかったです。
ワードもテンポもいいように洗練されていました。

★ラブレターズ メジャーリーガー・モリヤス
 この日、初めての大爆笑!
 どの組も平均的にウケてて、なかなか一歩抜けた組がいないなぁと感じる中で、
 爆発を起こして、その集団から抜けだしたのはラブレターズでした。
 素晴らしかった。緩急がすごい。
 性格悪いコントながら、なんだか笑顔になっちゃうのはずるい。
 何度でも見たいコントです。良かったなぁ。


・だーりんず 父親の寿命
 ずっとブラック一辺倒で行ってしまったのがなぁ。
 途中ちょっと空気を変える何かがあればいいんだけど。

★巨匠 おじさんを作るおじさん
 あー、頭おかしかったー!!(褒めています・笑)
 めちゃめちゃに狂ったネタながらも、ちゃんと観客を着いてこさせて、この日トップクラスのウケ。
 テレビ的に落とされるんじゃないかと思っていましたが、これを上げたKOC審査員の作家先生方すごい。
どんな空気になるのか、本番が超楽しみ(笑)

★さらば青春の光 おっさん
 準決勝の感想を書く気にならなかったのは、ここに対する感想が自分の中でまとまらなかったからで。
 面白かったし、普通にウケてたし、
 だけど…もっといい時があったはずって思ってしまう。
 「もっといい状態を知ってる」なんて、何の意味もないとは思う。
 単独とかで長めの尺でやれるのと、こういう場での状態を比較すること自体に、何の意味もないのかもしれないとは思う。
 でもさ、やっぱり、もっといい状態に近付けることはできたはずだよ。
 面白いけど、普通にウケてたけど、
 ストーリーの軸がブレてるし、起承転結がきれいに進まずに行ったり来たりしている感があったし、何より、あの投げやりなオチ、何なの?
 この準決勝の一週間前に、さらばは「ごっそり」という自分達主催のネタライブをやったんだけど、
 その時の状態のまま出してくれればよかったのに。考え過ぎ。余計な手を加え過ぎ。
 部分部分はいいかもしれないけど、一つのコントとしての、くだりの繋がりが雑すぎる。
 ……って、こんなことを思っていたから、決勝進出者が発表された時、ちょっと動揺してしまった。
 なんか、いいね。こんな微妙な出来でも、客ウケ大したことなくても、
 審査員にハマって決勝行けていいね、みたいな。
 どうせ行くなら、誰も文句つけられないような完璧なウケで抜けて欲しかったのに。
 ……はぁ、めんどくさい。自分がめんどくさい(笑)
 私、こんなんでファンか。
 ごちゃごちゃ言わずに、頑張ったねよかったねおめでとうって、どうして言えないのか。
 まぁ、審査員の先生方は、この日の出来うんぬんよりも、ポテンシャルを評価して下さったんだと思うので、本番までには完璧に仕上げて来てくれるはず。
そういう人達ですよね。

・シャカ 愛の無い結婚
 全体的にちょっと一本調子だったかなぁ。さっと通り過ぎてしまってあまり印象に残らない。


・ニッチェ ゾンビ
 面白かった。私が見たニッチェのネタの中では一番好きかも。
 顔芸やキャラだけではなく、ストーリー運びにも無理が無いのが好印象。
 近藤さんの、「マカロンが高いことなんて、女子はみんなわかって買ってるのー!!」っていうくだりが最高に好き(笑)

・鬼ヶ島 タカシ
 個人的には、鬼ヶ島のネタの中だとかなり好きな方に入ります。去年の決勝2本よりよっぽど好き。よっぽど面白い。
 でも、「鬼ヶ島らしさ」はないよねぇ。
 その鬼ヶ島らしさこそが、彼らが評価されている理由だと思うので、こういうネタが面白くても、
「思ってたんとちがーう」っていうのが、見てる人の頭の中によぎってしまうんじゃないかなぁと。
 
★ラバーガール 子ども服売り場
 とにかくすごかった!!文句なし、完璧なファイナリスト!!
 いつものラバーガールの雰囲気で、ナチュラルなテンションで淡々と進んでいくのに、一つひとつのボケもツッコミもがっつり観客の心を捉えて離さない。
 そして終盤の、お会計のボケで爆発!
 もー見てて本当に楽しかった。
 ファイナリスト、どの組も面白いし、もちろんみんな頑張って欲しいですが、
 今年はぜひぜひラバーガールが勝つところを見たいです。

・レイザーラモン スティーブジョブ子
 今回の出場者の中で、「荒唐無稽さ」なら絶対に1位(笑)
 あのスティーブジョブズを、ふつう、性別変えてまでコントにする!?(笑)
 荒唐無稽ったらありゃしない。でも面白かった。


・かまいたち 警察署長のスキャンダル
 シリアスな導入、すっごい良かった!!導入だけなら、この日一番好き!!(笑)
 その後も良かったのですが、ちょっとワンパターンになりすぎて、あまり展開が感じられなかったかも。

・パンサー プレステ6
 私はパンサーが好きです。
 あまりライブには行けないけれど、333は毎回楽しみにしてるし、たまたまつけたテレビでパンサーが活躍しているところを見ると嬉しいし。
 でも、今回はちょっといただけない。
 そもそも、パンサーのネタっていつも、<向井と尾形>、<向井と菅>っていう感じで、2人のやりとりで完結してしまってて、3人がちゃんと絡んでいるくだりがほぼないように感じられるんですよね。
 連携が無いというか。せっかくトリオなのに、トリオである意味が感じられない。
 加えて今回は、まず菅さん役の人物設定がちょっと特殊なのに、それを処理し切れていないまま、
その上にコント全体に関わる別の設定を乗っけてきてて、個人的にはかなり序盤からついていけなくなってしまいました。
……まぁ、ここまで書いといてなんですが、そういう構成上のことも色々ありますが、それより何より、
何か、「このネタで勝ち抜こう!」「決勝行こう!」みたいな気概が全然感じられなかったのが、見ていてちょっと残念でした。
本当に大変だと思う。ネタのテンポも良くなかったし、あまりネタを合わせる時間もないんだと思う。
でもさ、来たくても、この準決勝の場に来れなかった芸人さんも沢山いるわけだし、
ウソでもハッタリでもいいからさ、もうちょっと情熱を見せて欲しかったな。

・ななめ45° 送別会のカラオケ
 2回戦でも見ましたが、何度見ても楽しい。私も歌いたくなる(笑)
 ただ、導入のセリフがちょっと長すぎるかなー。これが伏線になってるんだってことが観客にばればれなのが、もったいない。

・エレキコミック チアリーダー
 もう最高に面白かったよー!!なんで落とされちゃうんだよー!!
 自分達のやりたいことを好き放題やってるのに、あらゆる角度から、見ているものの心をつかむためのフックが用意されているような感覚。
 客席も大いに沸いて、この豪華メンバーのトリを立派に勤めあげてくれました。超楽しかった。
 これ、決勝で見たかったなー!!



ということで、この日の全出演者終了。お疲れさまでした。
準決勝は二日間行われたのですが、この初日から選ばれたのは6組となりました。
私は2日目を見ていないのでわかりませんが、1日目だけで言うと、もうほぼ順当。本当にガチなメンバーが選ばれたなぁと思いました。
終演直後から、この日のウケ具合TOP3を決めるとしたら、ラブレターズ・巨匠・ラバーガールだなぁと感じて。この3組を落としたら可哀想だとすら思って。
だから、ここをしっかり上げてくれて良かったです。

ただ、そうやって、知名度とか、テレビ的な華とか考えずに(笑)、ガチもガチなメンバーを選んでるから、一般の人にはおそらくなじみが薄いだろうなというのもわかる。
これで決勝で、そんなにウケが芳しくない組がいたら、「このコンビを受からせるくらいなら○○を出せ」みたいな論争もおそらく起こるでしょう。
でも、準決勝を見て思うのは、
準決勝だって2回戦を勝ち上がってきている強豪ぞろいなのに、その中でも順位がついてしまうので、決勝だって同じことだなって。
みんな面白いけど、その中でも勝敗はつく。誰かが勝って、誰かが負ける。
なかなか、全員ウケるというのは難しいですよ。
仮に、「○○の方が良かったはず」と思っても、その場でウケるかはわからない。
特にKOCは芸人審査で、芸人は面白くないと思ったら本当に笑わないから(笑)
みんな実力は折り紙つき。
その上で、誰が決勝当日、その場の空気を掴むかは、始まってみなければ誰にもわからない。
「今年のメンバー、あんま知らないな」「地味だな」と思っている人もいるかもしれませんが、
誰が最後に空気を掴むのか、楽しみに見て頂けたらいいなと思います。


2回戦も準決勝も見に行って、こんなにちゃんと感想を書いたのは久しぶりでした。
色々と思うところもありますが、今年の決勝も心から楽しみにしています。


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ライストークライブ『耳愛撫』 (14/9/28)

2014-10-05 23:30:24 | ライブ感想♪
***
ライストークライブ『耳愛撫』 
9/28(日) 18:00~
@神保町花月
***

ライスが、8月から2人だけのトークライブ「耳愛撫」を3年ぶりに復活。
前回の感想も書けていないのですが、今回色々と感じたことも多かったので、
先にこちらを書いてしまうことにします。
それで、私はいつもトークライブの感想を書く時って、すごくだらだら書いてしまって、
時間もかかるし全然面白くないので、
今回はちょっと新しい試みとして、お笑いナタリーさん風に書いてみようかなと思っております。
ナタリーさんの文章って、とても冷静で、レポに徹していて、
私の文体とは正反対なのですが(笑)、
ちょっと挑戦してみます。読みづらかったらすみません。

***




9月28日、神保町花月では二回目の開催となる、ライスのトークライブ「耳愛撫」が行われた。この日は、補助席まで出るほどの大盛況。ライスの2人は、ところどころ空いている席を気にしつつ、来場した観客に感謝を述べた。

まずは、今月は珍しい仕事が多かった、という話題からトークが始まった。今月の初頭に行われた、幕張駅周辺のイベントにおいて、ライスは竹内健人と一緒にMCを行った。しかし、別会場で行われている「サンマ1万匹無料配布」の方にたくさんの人が集まってしまい、集客にだいぶ苦戦していたようだ。ちなみにこの話をする際、関町が竹内のことを「ミルククラウンの元竹内さん」と述べたり、「俺と竹内さんと俺と…」と、なぜか関町が増えたようなトークをしてしまった。

さらに、「Y'sキッチン」の動画収録という仕事もあったというライス。これは、ファミリーマートの商品を使って芸人がお手軽レシピを紹介する企画なのだが、ライスはどちらも特に料理が上手というわけではないのに呼ばれてしまったそう。関町は「『ライス』っていうコンビ名だけで、料理がうまそうって判断されちゃったんじゃ…」と懸念を語った。
動画収録当日は、料理を1分で作らなければいけないことに苦労したという。時間制限がある中だが、芸人だし何とかボケを入れたいと考えてしまった2人。途中の行程で、ボウルに入れた材料をレンジで温める際に、
関町『じゃあ、これ温めてください』
田所『ちょーっとお断りします』
関町『いや、なんでだよ!』
というくだりを入れたものの、1分を超えてしまいNGを連発。最終的には、
関町「じゃあ、これ温めてください」
田所「はい、わかりましたー。」
と、あっさりその部分を行ってしまったそうだ。
もうすぐ動画が公開される予定なので、田所は「この部分がカットされたくだりなんだ、と思いながら見てください」と告知した。
(追記:11/2にこの動画が公開された)
ライス 関町の1分レシピチャレンジ"カルボナーラごはん"【Y'sキッチン】



ライスはこの時期、芸人仲間と共に、福島県へ旅行に行くことが恒例となっている。毎年、キングオブコントが終わった頃ということで、慰安旅行も兼ねているようだ。まさにこの日、ライブが終わった直後に旅行へ出発するということで、話題はその話へと移っていった。
毎年お互いが楽しみにしている旅行だが、関町は田所に対して不満を抱いているという。
去年・一昨年は、福島にある関町の祖母宅へ旅行へ行っていた。ところが今回は、その家に大量に虫が発生してしまったため、同じく福島(猪苗代)にある関町の奥さん方の親戚の別荘を借りることになったそうだ。関町が田所にその話をしたところ、田所は『お前…何者だよ』とだけ言い放ったという。関町はさらに、「んで、それ言った後にどっか行ったじゃん!!」と怒りがぶり返す。
関町「その後も何も言って来ねーの!!オレは、猪苗代行くの初めてだから、『猪苗代 ○○』で検索してるのに』
検索しつくして調べる事が無くなった関町は、猪苗代の景色のきれいな有料道路まで調べ始めていたそう。そんな関町に対して、「俺ももちろん楽しみだよ!内に秘めるタイプなんだから!」と、必死にフォローする田所であった。
さらに関町が苛立つのは、一緒に旅行へ行くLLR福田に対して。前日、福田は竹内と電話をしていた時に、『昨日からオールナイトでずっと仕事続きだったから、車の中で寝たい』と言っていたという。竹内からそれを聞いた関町は、「寝る!?みんなで旅行行くってのに!?」と激怒。
田所が「寝不足で運転しても危ないし、仕方ないじゃん」とフォローしたが、関町は「いや、いっそ事故ってもそれはそれでいいよ!そのスリルも旅行の醍醐味じゃん!!」などと言い始めた。旅行に対する関町の狂気的な熱量があらわになった瞬間だった。

企画のコーナーへ行く直前、田所が「一つだけいいですか?」と話し始めたのは、田所のメールアドレス流出事件について。
LLR福田が、田所とのメールのやりとりをスクリーンショットをしてTwitterに載せたところ、田所のアドレスが薄く読みとれる状態でアップされてしまっていたことが判明。田所は、電話番号をメールアドレスにしていたため、番号とアドレスが両方流出する結果となってしまった。
しかし田所は、それよりもむしろその後に不満だという。流出が発覚してから、田所のスマホには、「福田さんですか?」というメールばかり届き、「田所さんですか?が一件もない!!」と憤っていた。
田所は、やめてくださいと言いながらも、そういう時に一件も来なかった場合は寂しいのだという。客席に、「次に同じようなことがあった場合は、みなさんお願いしますよ」と含みを持たせていた。


ここからは企画のコーナー。
今回の企画は、「神保町で働く全スタッフに聞いた演技が上手いと思う芸人」「上手いと思う女優」そして、「下手だと思う芸人」のランキングを発表するという、容赦ない企画であった。以下、順位を書いていくが、実際のライブでは発表は下の順位からであった。

<スタッフに聞いた演技が上手いと思う芸人・BEST5>
1位 シューレスジョー (どんな年齢でも演じる事が出来る)
2位 ピクニック  (さすが神保町の申し子)
3位 犬の心 押見 (老若男女演じられる、与えられた役を完璧に演じている)
4位 ライス 関町 (声がとてもいい・客席の奥まで響く、感情の起伏が激しい役が上手い)
5位 シソンヌ じろう (オカシイ役をやらせたら右に出る者はいない)

4位の関町は、シソンヌじろうの話をしている時に、カンペに自分の名前が入っているのを見てしまい、思わず顔がほころんでしまいあわてて隠したという。スタッフからの「声が響く」という意見を聞いて、「確かに、最近神保町から出ていけって言われる。声が大き過ぎて、もっと広いところでやった方がいいって」と明かした。
3位の犬の心押見に対して、「嚙めば噛むほど味が出る俳優」というスタッフのコメントを受け、田所「スルメだと思われてんのかな?」関町「スルメっぽい芸人第3位じゃないですよね?」といじり始めるライスであった。


<スタッフに聞いた演技が上手いと思う女優・BEST5>
1位 伊藤真奈美
2位 平田敦子
3位 児玉絹代
4位 枝村明子
5位 武内由紀子


<スタッフに聞いた演技が下手だと思う芸人・BEST5>
1位 井下好井 井下 (「機械である。」)
2位 囲碁将棋 根建 
3位 LLR 伊藤  (感情の変化が伝わって来ない)
4位 サカイスト デンペー (どんな役をやってもデンペーさん)
5位 タモンズ 安部 (声に特徴があるので、どんな役も同じに見える)

5位の安部に関しては、ライスの2人は「そうかな?」「あれはあれでいいと思うけど」とさほど共感できない様子。しかし、4位のデンペーの際にもあったように、スタッフからの意見では「何をやっても同じように見える」というところが評価の基準になっていたようだ。
3位の伊藤には2人も共感。普通、最初の本読みの時は、みんな流して棒読みなのだが、伊藤はそこから本番まで全く変わらないという。
2位の根建とは、つい最近「奇抜探偵」で共演したライス。その際に、台本に『ふむ…』と書いてあった箇所を、根建は文字通り「ふむ」と読むというエピソードを話し、(関町)「普通、そこは『んー』とか」 (田所)「『ふーん』とかでいいのに」と、思い出して笑っている2人であった。

さらにこの後は、「2012年ごろから神保町花月によくいた時期がある竹内健人が選ぶ演技が上手い芸人・下手な芸人」と、演技が上手い芸人にノミネートされたTOP2のピクニック・シューレスジョーが選ぶ、「自分が出演した作品の中で気持ち良かった役ランキング」が発表された。

<竹内健人が選ぶ演技が上手い芸人・BEST3>
1位 シューレスジョー
2位 犬の心 押見
3位 ライス 関町

<竹内健人が選ぶ演技が下手な芸人・BEST3>
1位 LLR 伊藤
2位 クレオパトラ 長谷川
3位 エリートヤンキー 西島

竹内は、関町について、「声量がすごいし、どんな役でもそつなくこなしている。出会った頃からすでに上手かった」と絶賛する。しかしその一方、神保町の公演を見ていて以前から感じていたことで、さらに最近ライスのネタ中にも感じたことを指摘するという。それは、関町の声量が大き過ぎて、田所とのバランスが取れておらず、田所の声が小さく感じて聴き取りづらいということ。「仁の声が小さいんじゃない、お前の声がでかすぎるんだ!!抑えろ、バカ!!」と、ライスのことをよく見ている竹内ならではの、愛あるダメ出しであった。

<ピクニックが選ぶ演じて気持ち良かった役・BEST3>
1位 風見しんご(えんジルドキャスト)
2位 加賀美教人(サカサマ島綺譚~奇抜探偵・四条司の静謐なる思考~)
3位 吉良上野介(マジで忠臣蔵)

<シューレスジョーが選ぶ演じて気持ち良かった役・BEST3>
1位 トビ(オカマーズ9)
2位 博士(時代に流されろ!!)
3位 菅田貫太郎(悪党たちの甘い生活)



最後に、ランキングとは関係ないが、ライスが観客に見てもらいたいVTRがあるという。
それは、ジューシーズ赤羽の伝説の出トチリシーン。本来赤羽が舞台上に出てはいけないシリアスなシーンに出てしまい、そこからごまかすようなアドリブも言えず静かにフェードアウトしていく姿に、ライスと観客ともども爆笑に包まれた。

来月の「耳愛撫」の開催は、10月29日。田所は「あっ、何かの次の日ですねぇ…。」と、自分の誕生日の翌日であることをさりげなくアピールしていた。チケットはすでに発売中。ライスのトークと、これまでにないような企画を楽しみたい人は、ぜひチェックしよう。



***
あぁ……難しかったぁー!!
いやー、ほんと難しかった。
お笑いナタリーさん風の文章に挑戦なんてした私が間違いでした。すみませんでした(笑)
淡々と書いているようだけれども、読んでいる人にわかりやすく、しかも面白いポイントを的確に伝えるのは、
こんなに難しいものなのかって実感しました。
あと、改行が!!
私はすぐに改行したくなってしまう改行魔なので(笑)、それをしないのが難しかった。
どこまでが一段落かわかんない。
はぁ難しかった……。改めてナタリーの記者の方々を尊敬しました。
さて、ここからが本当にやりたかったこと。
以下、今回の感想を好き勝手に。



もう恒例になりました、この時期の福島旅行の話。
毎年この話を聞くたびに、本当にライスって変なコンビだよなぁと思います。何回でも思います。
世の中には、プライベートで相方と一切会いたくない、行動を共にするなんて考えられない、っていうお笑いコンビが多いだろうに、
他の芸人仲間の中で、ライスだけコンビで一緒に旅行に行くなんて本当におかしいと思う。
それだけでも変なのに、「相方がテンションあがっていない」って言う理由でぷりぷり怒っている関町さんは一層変でした。
そんな関町さんに気持ち悪いとか言うでもなく、「いや、オレもテンション上がってるよ!」と言う田所さんは本当に優しいなと思ったし、
めんどくさいことで文句を言う妻のご機嫌を取る旦那さんにしか見えませんでした。
夫婦か!夫婦漫才やってんのか!(笑)

加えて、寝不足の福田さんが車を運転して事故ってもそれはそれでいい、などと言い出す関町さんの狂気ったらありませんでした。
本当に怖いのでやめてほしい(笑) 
でも以前から関町さんって、こういうリアルにネジぶっとんでるんじゃないかっていうエピソードありましたよね。
同期と一緒にドライブに行った時に、その車のブレーキが急に効かなくなって、なんとか路肩にタイヤをこすりつけて車を止めたということがあって。
車の中のみんな冷や冷やしていたのに、なぜか関町さんだけ大笑いしていたっていうやつ(笑)
ライスで本当に頭おかしいのは、田所さんじゃなくて関町さんだと思う。
時々、リアルと想像の境目がつかなくなってる感じがする。
でもとりあえず今回の旅行は無事に帰って来れたようで良かったです(笑)


今回の企画は、演技が下手だと思っている人を投票であぶり出すという、
みんなそれは思っていてもやっちゃいけないことでしょ!というガチなライン。
以前から何度も言っていることですが、ライスは、みんながタブーとしていたり、暗黙の了解でなんとなく触れていないところに、
平然と切りこんで企画にしてしまう。
しかも、あまり嫌味な感じにならずに、ちゃんと笑いに昇華して。
その手腕に毎度ながらうならされてしまいます。
ただ、私が今回気になったのは、誰が下手かということよりも、
演技のセンスって、一体どうやって身につけるんだろうなぁということでした。
ライスが、あの人は変だ、あの人はおかしいとキャッキャ言い合っていたところは、「性格悪いなー」と思いながらも笑って見てたんだけど、
2人は、演技に対するこのセンスを、共通の認識を、どうやって体得したんだろうなぁ。
だって、演技の専門的な勉強をしてたわけでもない。
出会った時は、2人とも普通の高校生。
それなのに、お互いの感性が同じで、こだわるところが同じで、「ライスは演技力がすごい」と言われるようなコンビになって、
そのきっかけは、どこにあったんだろうなぁ。
同じようなことを押見さんにも思います。
日本体育大学の中では劣等生だった彼が、今こうやって、
演技のセンスが評価されて、誰にも真似できないネタを書いて、押しも押されぬKOCファイナリストになって。
今回、「演技が下手な芸人」に不名誉にもノミネートされてしまった人達はほぼ漫才師ですが、
彼らが演技が下手だからって、漫才が下手だという人はいないだろう。
人には、それぞれ、輝ける場所があって、自分を自分らしく発揮できる場所があって、
そして同じ志を、同じ感覚を持った人と相方になって、自分達のフィールドで戦う。
普段当たり前のように見ている一つひとつのコンビが、奇跡なんだなぁって思うよ。

そしてもう一つ、今回の企画から感じたことは、竹内健人という人の才能でした。
私は今回、本当にびっくりしました。
竹内さんが、関町さんを演技が上手い芸人3位に挙げた後のコメントで、「コンビ間の声量のバランスが悪いからネタが見づらい」って。
そんなことダメ出ししてる人、私、見たことなかった。
芸人さんの中には、もしかしたら、ネタがウケるかどうかは、ネタの面白さという一点だけの要素だと思っている人もいるかもしれない。
でも、実際は、ライブでウケるかっていうのは、そのネタの面白さだけじゃないんだよね。
演技力、表現力、声量、服装、照明、ライブ全体の雰囲気、客層、イスの座りやすさ、前の芸人さんのウケ具合……まだまだあるな。
それくらい、様々な要素が合わさって、その日の結果が出るんだと思うんです。
このうち、自分達のコンビだけじゃどうにもしようがないことの方が多い。
けれど、自分達のコンビだけで、直そうと思えば改善できるところも多々あるし、
そういう細かい気配りで、ウケ具合が全然違ってくる場合もある。
それが出来なくて、壁にぶつかっているコンビを見るのは忍びない。
観客目線に立って、そういうことをよくわかってくれている竹内さん、本当にすごい人だなと思う。
無限大でピースが卒業する前、綾部さんが、遅刻や礼儀に厳しくて、後輩から「劇場ポリス」と恐れられていたけれど、
でもそれは、自分より先輩に叱られる後輩を見るのはかわいそうだから、その前に自分が叱ろう、という綾部さんの優しさだったそう。
竹内さんもまた違った意味で、観客的な視点からダメ出しして、厳しくも優しく後輩達を導いていけるような、
そんなプロデューサー的な役割を担ってくださったら嬉しいなと、期待してしまいます。
もちろん、プレイヤーとしての竹内さんも大好きですけれどもね。


……あぁ、私はやっぱり、「レポ」より「感想」を書く方が向いてる(笑)
っていうか、それしかできないや。


2人だけでトークしているライスを毎月見れるということが、とっても嬉しいです。
耳愛撫復活ありがとう。
次回も楽しみにしています。