本日、地盤改良でした。
地盤改良と言えば湿式の柱状改良が主流ですが、今回は木杭での施工です。
若干具合悪そうな色していますが、K4相当という高耐久のお墨付き品です。
土壌や人体にも安全な薬品を使っている非常に環境に配慮された杭です。
支持力以外の最大の特徴は、なんといってもCo2を排出しない事。
セメントを使わない事でCo2を削減しつつ、木そのものがCo2を貯め込んだまま地面の中でひっそりと建物を支え続けてくれます。
既成杭の安心感も得られます。
トルクを管理しながら木を直接地面に埋め込む訳ですから、数字的にも見た目的にもしっかり建物を支えてくれると感じられます。
6mの木を地面に入れています。
ぶっちゃけ話、ミニストックの柱より長い杭です。
こんなの良く地面に入るなぁって感心しちゃいます。
この杭を入れやすくするためには先端を尖らせれば入りやすそうですが、それだと建物が乗っかった時にも杭が地面に入る恐れがあります。入りやすいと言うのは、杭としてはデメリットです。
だから杭の先端は平ら。
建物を支えるのが一番の目的なので。
だからこそ、6mの木が地面に入っていくのがすごいと思えます。
その秘密は杭の左脇のオーガー(ドリル)にあります。
重機の荷重を杭に乗せるだけでは、思うように杭を入れられません。加えられるトルクも小さいし。(ホントは結構大きいけど)
なので、このドリルを深ーく入れて重機が充分に固定された状態で杭を入れるので、とんでもないトルク(15㌧)がかかります。
どのくらいとんでもないのか。
設計上、この杭1本あたりに乗る建物の荷重はせいぜい5㌧。
注:この数字以下になる様に配置を決めるのが設計士の仕事。地盤改良屋さんの仕事ではありません。なぜなら、建物の荷重を地盤改良屋さんは知りません。設計士が構造計算で出すものです
建物以上のトルクをかけて杭を支持層まで入れるので、この杭にとって建物を支えるなんて朝飯前の仕事。
冬の新潟とは思えない青空の下での工事でした。
幸先良し!!!
木の杭ってまだ使えるんですね!ちなみにこの長さ、1本ものなんですか?
木造建築物の様に、CO2を封印できるんですね。コスト的には、柱状改良や鋼管杭と比べていかがなんですか?
昔の万代橋の木杭や古代建築物の木杭が現代に発見されてるぐらいだから、防腐耐久処理が施されていれば、永久に持ちそうですね。
ますます木の素晴らしさを感じました!
ここ最近の地盤改良と言えばセメント系が主流でしたが、木の杭も見直されて普及し始めています。
復活と言えばいいんですかね。
コスト的には柱状改良に比べて少し割高ですが、12mまで改良が可能な事と腐植土に対しても改良が可能という事で、地盤との相性によっては、一番おすすめです。
現場施工の杭に比べて高いというよりは、安い既成杭と言った方が素直なような気がします。
そのため、コストパフォーマンスはとてもいいと思いますよ。
新潟市周辺の地盤は支持層の手前に腐食土が多いので、その影響を受けない事と周辺摩擦でも支持できるのが大きな理由です。
やっぱり木はいいですね。