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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

長い話

2018-10-16 22:11:32 | 建物探訪

福島県にある国見町役場を見学してきました。
震災で被災した自治体庁舎としては復興第1号の建物です。

とにかく印象的な外観ですが、この建物

木造3階建ての庁舎です。

法律的には、この規模だと特殊建築物に該当するので、耐火建築物にする必要がありますが、耐火と木造ってピンとこないですよね。

実は、ここ数年国産林業の復興を目的として、木を利用した耐火建築物が色々と開発されています。
鉄とのハイブリッドだったり、石膏ボードとのハイブリッドだったり。

この方法、

当たり前ではありますが、単なる鉄骨より予算が高くなります。鉄で済むのに、わざわざ木を足してるんですから。
噛み付きたがりさんは、「なんて、無駄な!」と思うかもしれませんが、実際にその場所に立つと分かります。

これが鉄骨造だとなんの感情も湧かないと思います。少なくとも私は湧きません。
ところが、木だと途端に居心地が良くなるんです。少なくとも私は良くなります。

これって、すごいなぁ。

中規模建築物に木造は、ちと勿体ないと思っていたんですが、ちょっと考えが変わりました。

また、この特徴的な

出っ張りは、非常用進入口というデザイン的にちょっと邪魔な存在なんですけど、これを逆手に取ったデザイン。

すごく力を感じました。

そして、目と鼻の先にある道の駅


こちらは鉄骨造ですが、内装に木がふんだんに使われています。


加えて、本場新潟 三条金物市の登り。

力ありすぎ。

とても勉強になりました。




の、ために福島に行ったわけでなく、メインは元上司が設計した建物の見学。
新潟ではありえない、パッシブデザインのお住まい。

設計の奥深さに感心をするのもそうですが、特に印象に残ったのが、なんと設計のスタートが2011年だったという事。

7年間て。

7年の奥深さ。

今日の見学会には、お施主様も出席されました。

お施主様が、すごく細かく説明してくれるんです。
まだ住んでないのに、設計期間の濃さがあって、完成をすごく喜んでいて、住んでないのに、思い出話のようにあれこれ話してくれるんです。

長けりゃいいってもんじゃないですが、

先日の神田陸さんの見学会でもあったように、設計期間もとい、打ち合わせの濃さが住まいに染み込んでいるんです。
設計者冥利につきる話じゃなくて、住まい手冥利ではないでしょうか。

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