
タバコ屋から少し離れて、結果的にタバコ屋が必要だったというお話です。
これはどちらかというと、いつも通りのネイティブディメンションズのお話し。
一石二鳥を狙うのがネイティブディメンションズ。
タバコ屋にすることで狙ったもう一つのテーマは「お屋敷論」
タバコ屋でありながらお屋敷とは。
そんな大層な話でもないんですが、ちょいちょい過去物件でも片鱗を見せています。
例えばこんな感じ

あとこんな感じとか

こんな感じとかも

ポイントは、道路から玄関まで「まっすぐ入れない」
単純に私の好みです。
そして、「狭い」
強めの欲しがりです。
一目見て玄関の位置は分かるのに、そこにはなかなかたどり着けない。
これが私の偏った好み。
ただしこれをまともにやると外構費がかさむんです。
それを脳内変換して「お屋敷論」と言ってるんですけど、だからタバコ屋で作っちゃえば省略できるんじゃないかと。
まずは、タバコ屋の脇を通らないとアプローチにたどり着けない、大変ご迷惑な通路。

見る人が見ると、まるで門の様に見えちゃう。
で、やっぱりと言いますか、ここにのれんを下げたいなと考えています。
この通路を抜けるとようやく玄関アプローチにたどり着きますが、このアプローチは駐車スペースと最短距離で繋がっているので、
・家族は使いやすく
・訪問者に対しては動線を絞り、玄関へは潜り抜けるような感覚で進んでいただいて、最後に「ひらける」というようなアプローチ。
という想いで自宅とタバコ屋をレイアウトしました。
これらは、元々私のデザイン思考が和風住宅寄りで、屋外も屋内も少し身をかがめて歩くようなスケール感を採用しているところにあります。
過去の施工例を見ても窓の位置がイマドキの住宅と比べるとかなり低く付けられているのも、その影響からです。
・在来工法+構造を積極的に見せた室内
・道路に面した見世(店)
・身をややかがめるようなスケール感
時間さえあれば家族と重要文化財など古い建物を見て回るのが好きな私が結果的にたどり着いたところが「日本臭い住まい」
建築士は経験によって色々なことができるようになりつつ、その中で自分のスケール感が積みあがっていきます。
見た目の部分というよりは、ギョーカイ用語でスケール感といって、建築士それぞれが持つ黄金比みたいなものです。
「あの人らしい設計だな」というのは、スケール感から来ていると思っていいでしょう。
私らしいアプローチを作るためのタバコ屋でもありました。
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