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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

通り土間

2021-07-10 18:30:10 | こだわり設計
なかなかの人気キーワード
玄関の土間が建物の奥までずーっと繋がっていて、そのまま反対側の外に出られる空間。

中間領域的な空間で憧れる方が多いのですが、とにかく場所をくう

余程の理由がないとなかなか採用できないレアキャラなので、憧れる方も多いんだと思います。

そう。余程の理由。

コラボ05では、正面と裏が道路に面していて、両方から出入りできます。
敷地の間口は9mしかないのですが、奥行きがなんと47m弱もある「超うなぎの寝床」敷地。

だから、通り土間が必須なんです。

玄関が正面にしかなかったら、裏から来た時にずーっと正面まで回り込むの面倒くさいし。

単純に玄関を2か所設けただけでは、靴を持って家の中を行ったり来たりすることになってしまいます。

だから、表と裏がつながる玄関が必要。

正面は、コラボの定番となっている外壁と同じ杉板張りの玄関ドア。
ポーチは少し玄関を取り囲むように作ってあって、のっけから洞窟感を出しました。

そして、玄関を開けると通り土間の登場。
一体どこまで続くんだっていう長さ。
土間の全長は11.83m

そして、その先に裏の出入口からの光が差し込んでいます。
規則正しく並べたペンダント照明で、さらに奥行き感を強調しました。

ちなみに裏の玄関はこんな感じ。
裏のポーチも杉板張りの外壁とフェンスで囲んで、玄関引き戸としています。

単純に使いやすそう。
そして、この土間の陰影が何とも上品。
光と影のバランスが絶妙です。

だけど、ただの通路だとなんも面白くない。
かつての町屋に見られた通り土間も土間とお部屋のつながりがあってこそだったと思います。

今回は、セオリー通り和室と接しています。(その他は玄関ホールと接しています)
利用方法は客間。

和室と通り土間の上は吹き抜けとして、十分に光が入るようにしています。
また、和室側の吹き抜けの上はキャットウォークとして、少し光の入り方を遊んでみました。(他にメインの理由があるんですけどね)

ポイントとしては、和室が通り土間だけではなく玄関ホールにも面しているので、開口面積がより広いこと。

わずか4帖の和室ですが土間に面しているので、6帖もしくはそれ以上の広がりを感じることができます。吹き抜けもありますし。

その結果、和室の灯りが障子からこぼれる雰囲気がとても土間を柔らかくしてくれました。

そして、私が一番したかったこと。
この2面開口にすることで、玄関とのつながりがより強くなるので、玄関を入った時にギャラリー感が生まれるんです。

絵や掛け軸を飾ると土間が映えそうですね。

土間と床の高さも絶妙じゃないですか。
段差は9cm
一般住宅の半分くらいの段差です。
これがつながり感をより出してくれていますし、土間スペースの通路感や窮屈感が軽減されています。

なかなか素敵な通り土間ができました。


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