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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

【ministock-12(lab)】何を見ているか。視線の先-新潟産小さな家-

2021-07-08 22:17:28 | ministock-12(lab)
先日YKKさんのショールームでサッシのお打合せをしたので、Zの断熱仕様が確定しました。

なので早速外皮計算。
部位別の面積や熱貫流率(面積当たりの熱の逃げやすさ)、外皮熱損失(実際に逃げてく量)が表の通りで、

家全体から逃げてく熱の量が、表の下から3番目で59.332w/kです。

これを建物の表面積で割り算した値が外皮平均熱貫流率UA値
結果は表の一番下の通り0.315w/㎡k

新潟市における国の基準が0.87w/㎡k以下だから「よかったね」っていう話でもあり、
さらにその上のG2グレードも満たしているので、「お、いいじゃん」ってなるわけです。

でも、私はこれがしたかったわけじゃないんです。

国の基準とかどーでもいいし。

どーでもいいと思っている理由は、単位面積当たりの値に一体何の意味があるのか」と思っているから。

一番大事なのは、家全体から逃げていく熱の量がどの位かということ。

ということで、簡単なシミュレーションをしてみました。
下の表はミニストックと同じ断熱性能で、床面積が2倍の場合の計算結果です。
屋根や基礎の水平投影面積はミニストック-12の2倍にして、
壁や窓の垂直面積はミニストック-12の1.4倍(√2)の面積で計算しました。

結果は表の一番下の通り0.291w/㎡k

外皮平均熱貫流率は数字が小さければ小さいほど性能がいいという見方をします。
つまり外皮熱貫流率で比較すると、「ミニストック-12の2倍の面積の建物」の方が、「ミニストック-12」よりも性能が優れている、性能がいい、高性能、すごいね、やってんね、ということになります。

ところが、この計算結果で燃費計算をすると、
ミニストック-12のシミュレーション結果が
年間の冷暖房費¥62,291に対して

ミニストック-12の2倍の面積の建物のシミュレーション結果は
年間の冷暖房費¥95,090

年間¥32,799も違います。

しかも、
2倍の面積差で生まれる断熱材コストの差額は約¥120万円
(ネイティブディメンションズの仕様で比較した場合)

仮に借り入れ期間の30年で¥120万を割り算すると、
1年間で¥40,000節約できたことになるので、

面積の違いだけで、1年に¥32,799+¥40,000=¥72,799
得する計算になります。

浮いた¥73,000を貯金して住宅のメンテナンス費用に充てるでもよし、旅行資金にするもよし、車のローンに充てるもよし。

結構色んなことできちゃいます。あ、いや単なる比較差だから実際には浮いてないんですけどね。

面積の大きいと光熱費は増えるのは当たり前の話なんですが、大きくしたばっかりに断熱材のコストに回せないとなっては、建物寿命を縮めてしまうばかり。

かえって損しちゃうことになりかねません。

かといって、断熱材のコストをかけすぎて、味気ないデザインのお住まいになっては寂しい限りですし、教科書に載っていること通りにするだけなら建築士はいりません。

ネイティブディメンションズでは、限りある予算に対してどのようなコストの割り振り方が適正なのかを考えて、快適性や建物寿命を延ばす提案を心がけています。
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