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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

【ministock-08(modern)】おかえり-現代版最小限住居-

2018-08-17 22:02:52 | ministock-08(modern)
今回の玄関はしつらえに重心を置いています。
完成後、Wさんと玄関前に立ち、ボソッと「こりゃ、お店だな」ってつぶやきました。



入る前から玄関が開いてるなんて事ないはずですが、フェンスと引戸の隙間の奥から覗く明かりに妙に惹かれます。

道路から玄関までのアプローチ距離は短いですが、奥行き感を十分に感じられます。

玄関の様子

コンクリートの階段に、オークのフローリングを敷きました。
一番下で靴を脱いで階段を上がりますが、玄関に立つと飾り棚がちょうど目線の位置に留まり、階段を上がると地窓となり、2種類の表情があります。



特注色で仕上げた塗り壁の質感がいいです。
そして、何気に大分不思議な雰囲気を醸し出している飾り棚。

なんの変哲もなさそうに見えますが、よーく見ると障子から明かりがこぼれていて、障子の手前にも棚が随分せり出しています。
非断熱の玄関なので、隣の部屋と障子だけで仕切られてるはずないのに

誰も不思議に思うはずがない場所に、実は謎が盛りだくさん。
こんないたずらが私の大好物。


っていうか、階段上がったところで、次どこ行けばいいの?ってくらい、次の出入り口の存在感を消してあります。Wさんのアイディア。ナイスっ。

それよりも目立っているのが、

玄関すぐの右手にありました。

10年前には、まだ市民権を得てなかったと思うんですけど、今や「ない家はない」っていうスペース。

シューズクロゼット

には、見えないですけどね。

だって、いかにもシューズクロゼットですっていう引戸にしちゃったら、

・・・ねえ、

って話です。

この空間がなんだか分からない期待感透け感
これだけで十分広がりを見せることができます。

また、照明の明かりのこぼれ方が何とも言えません。(←最後の最後でWさんから要望が出ました。結果、大正解)


この引き戸の手前ギリギリまでフローリングを敷いたので、靴を脱いで階段を上がれますから、玄関に靴が散らばりません。

スペース的には靴以外にも、ちょこちょこ置ける広さです。


普段は「使い勝手」ばかり言ってるのに、珍しくしつらえなんて言い出したなと思ったかもしれませんが、やっぱりネイティブディメンションズらしさは外しませんでした。

だって、振り返れば


目の前に外部水栓。

そう、奥行きが~とか、立体感が~とか言ってたフェンスは、すべてこの外部水栓を隠すため。

手が汚れている時は、洗ってから玄関に入れますね。

玄関全部が「おかえり」って言ってます。




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