加地尚武の佐倉新町電気街

「福音の少年 Good News Boy」シリーズ(徳間書店 徳間デュアル文庫)著者による電脳生活と意見。

【えいが】「裏切りのサーカス」をCSで観た! 大好きな映画になった!

2014年07月06日 18時17分42秒 | 音楽・映画のこと
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ゲイリー・オールドマン,コリン・ファース,トム・ハーディ,ジョン・ハート,トビ―・ジョーンズ
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あー、なんで映画館で観なかったんだろう?
と思ったんだけど、シネコンではやってなかったと思う。
雨が降っていてどこにも行けないので、録画してあった「裏切りのサーカス」を観ました。
正直、あんまり期待していなかった。
「難解」とか「未消化」とかいった批評の方が多かったので。

で、居間でだらだら観てたんだけど、ラストは思わず正座していました。

いやあ、よかったですね~!

大雑把にいうとソ連と西側諸国がいがみあっていた時代、イギリス情報部幹部(通称「サーカス」)にもぐりこんだ「もぐら」=二重スパイを、いろいろあって諜報部を追われた元中年スパイが緻密な捜査で炙り出していくという感じのストーリー。
こう書くと単純そうだけど、原作は非常に多くの登場人物が入り組んでいて、複雑な展開を見せる。

原作は元MI6に勤めていたというジョン・ル・カレ。
翻訳された長編はほとんど読んでいるくせに、この映画を遠出してまで観に行かなかったのは、痛恨であります。

この映画のどこがいいって、そのまま映画化してもややこしい話を、過去を唐突に交錯させながら描いていて、さらにややこしくなっているという(笑)。

難解といわれりゃそうかもしれない。原作を読んでいたも戸惑いそうになったくらいだし。

しかし、ね。
ラスト、以外な名曲で登場人物たちの「その後」をさらっと描いてくシーン、しびれました。

もともと原作をはじめ、ル・カレの長編は渋いスパイ小説なんですが、その渋い中にも「国家・体制に押しつぶされていく人間性」というはっきりとしたテーマを持っています。
で、この映画も、そのあたりを非常にしっかりと、エモーショナルに描いていると思いました。
だから少々ややこしい感じがしても、観た後はすばらしい余韻が残るんですね~。

いやー、この監督さん(スウェーデンのひと)、いいわあ。
あと、現在のイギリスを代表するような俳優陣の演技と70年代ファッションのかっこよさも見所です。

今となっては「時代小説」という趣のある原作小説(三部作)も並べておきますね。
この中では一番長い「スクールボーイ閣下」が一番好きです。衝撃的で切ない結末が忘れられません。

ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫NV)
村上 博基
早川書房


スクールボーイ閣下〈上〉 (ハヤカワ文庫NV)
村上 博基
早川書房


スマイリーと仲間たち (ハヤカワ文庫 NV (439))
村上 博基
早川書房

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