まともなデジカメを持って行ってなかったのでボケボケだが、四国の新居浜市にある公園の中にある池を撮った一枚。
この間の桜の公園とはちがう。距離も三倍以上。自宅から30キロほど離れた場所に、自転車で行った。
湖面に映るメルヘンチックな建物は実はトイレである。
そのトイレの前にある手すりにもたれかかって、老人がハーモニカを吹いているのだ。目を凝らして見ると、彼の足下の水辺には、一羽の白鳥が羽を休めるようにじっとしている。まるで老人がハーモニカで奏でるメロディに聴き入っているようだった。
むかし、京都で学生だったころ、鴨川の欄干にもたれかかって、真っ白なユリカモメにパンくずを投げてやっている老人のことを思い出した。毎日、夕暮れになるとその老人はやってきて、カモメたちに餌をやっていたのだ。
ハーモニカのお年寄りも、そうかもしれない。
日課のようにあの白鳥にハーモニカの演奏を聴かせに来ているのかもしれない。
曇り空の昼下がり、静かな公園と湖水との対比。おもしろいな、と思ってスマホで撮った。
欲を言えば老人の吹く曲はレイ・チャールズの「我が心のジョージア」あたりであって欲しかったのだが、残念ながら昭和歌謡であった。だから、なんとなく夜市の見世物のような趣もあった。