うたかたの夢暮らし 睡夢山荘にて(Dream life of Siesta hut)

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せめて、ごまめの歯ぎしりを聞いとくれ

9条を語る(改憲論議について)

2013-05-26 10:40:58 | ブログ

先日、内田樹、平川克美、小田島隆、町山智浩といった同世代と若手論客のトークイベントへ行った。

テーマが“9条どうでしょう”といって、昨今の改憲論議について語っていた。

内容はともかく、聴衆の構成が20代~40代前半の人が80%を占めており、其の内の半数が女性だったことに意外な感じを持った。

文京シビックホールの350人くらいの会場が満席で立ち見も出るような状況にもびっくりだ。

改憲はアメリカが許容しないので出来ないだろうとの楽観論と日本人の外圧頼み“4杯の蒸気船”体質は伝統的になっている。

戦後のアメリカに対する面従腹背世代が去り、勇ましい事を言っていながら実は面従腹従が体質化した世代が今の政治リーダーだと言っていた。

そして、憲法とは原理的にお仕着せ、押し付けなものである。革命や征服により旧体制を全否定して現体制のための支配システムとして施行するものであるから、旧体制側にとっては押し付けの何者でもない。

ということは今の改憲論者は現体制をひっくり返してもう一度違う体制に作り変えなければ、改憲は出来ないという論法でした。ちょっと詭弁ぽいかな・・・

過去、自らの憲法を罵倒して改憲し、政体を独裁体制に作り変えたのは、あのナチスのみなのである。

なにはともあれ、憲法は国内体制向けと、外国向けのメッセージ{日本とはこんな国になりますよ}の意味もあるから、今の改憲論議は中国や韓国その他の諸国、加えて中国と軋轢を持ちたくないアメリカが許さないだろうということでした・・・

事実、ニューヨークタイムズが立て続けに取り上げた日本の話題に、安倍首相の村山談話否定的発言や猪瀬都知事の民族差別発言、橋本大阪市長の慰安婦正当化発言に対する嫌悪感を表明した記事がある。

これは、アメリカオバマ政権の意思を酌んだアメリカ側の意思表示と云えるだろうとのこと。

また、民主主義を構成する一般大衆とは、マスコミの取り上げ方や権力側の繰り出すプロカバンダ、そして又、鰯の群れのように外的ショックにより群れの方向を簡単に変えたり、離合集散したりするものである。

民主主義とは、このように場合によっては大きく振れ動く一般大衆により左右されるものであり、ある意味大変危険な不安定な体制といわざるを得ない。

事実、数年前には安倍政権を無能扱いにして政権を引き摺り下ろし、民主党政権を歴史的な投票行動で誕生させたかと思うと、当政権の安定的政策運営能力熟成を待つ余裕も無く追い落とし、世界中から震災後のパニックにも社会的混乱を巻き起こさない国民性を賞賛されたかと思うと、自らの困窮の前には復興後回しで予算を逆回しにしたり、国会や官邸を取り巻き反原発を盛り上げたかと思うと、原発再稼動や国外売り込みを見て見ぬ振りをして許すなど、文字通り鰯の群れではないか・・。

だからこそ憲法でその方向性を簡単には変えられないような仕組みを作って、社会の安定性を担保しているといえる。

今回の自民党改憲案は、ここに着目した点に新しさが在る。この担保したものを取り外そうとしているところが、更に危険な内容といえる。

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