うたかたの夢暮らし 睡夢山荘にて(Dream life of Siesta hut)

夢から覚めた泡沫のごときだよ、人生は・・
せめて、ごまめの歯ぎしりを聞いとくれ

65の新入り

2015-05-30 22:01:35 | 季節労働者

45年務めた仕事を辞めて、悠悠自適と生きたいのだが習い性とは、中々身体から出でいかないものである。生活のリズムと生活の糧を狙って、果樹園でアルバイトを始めた。

時給760円群馬県の最低賃金だということである。

みなかみ町=旧新治村は果樹の村である。リンゴが最も多く栽培されているが、農業公社で運営している当アルバイト先では、リンゴ、ブドウ、ブルーベリー、さくらんぼ、桃、ネクタリン、和梨、洋梨、苺など多岐にわたって栽培している。

此処は観光農園であるから、市場出荷はしていない。もっぱら果樹狩りで訪れる客を相手の果樹栽培である。

この時期、果実が実り始める前の様々な作業に、文字通り猫の手も借りたい忙しさだ。

5月連休明けから骨折った作業を並べてみよう。

リンゴ(赤城、陽光、富士)の摘花、摘果作業に始まって、葡萄の摘果と房整理、リンゴ陽光の袋かけ、サクランボのビニールハウス地上4mでのビニール屋根設営、桃の摘果、梨の摘果と殆どが、いわゆる間引き作業である。大量に実を落とすのである。いやはや勿体ないのである。

これをやらないと、糖度は出ないし大きくならないし次年度の結実が極端に落ちるのだそうである。要するに必須の作業なのである。

ご覧の写真はブドウ房になる赤ん坊である。上は房形が悪く摘み取られるものであり、下は合格品である。実は旨いのだが、房の形が悪く商品価値がないのだそう。

その前は、リンゴとナシの摘果前と摘果後である。

わが同僚の76歳の人である。敢えてお婆さんとは言うまい。僕より元気であるから・・・・。

午前8時30分から夕方5時まで10時と3時の30分休憩と昼食1時間を挟んで、脚立を上ったり下りたり、殆どが仰向けの姿勢での作業である。これが月曜日から土曜日までの週6日の労働である。現役時代よりハードな毎日を送っている。

身体が背中が腰が痛いのである。約一か月経っても夜9時になると起きていられぬ位、疲労困憊の体である。

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山いで湯 赤湯温泉

2015-05-17 22:25:32 | 旅行

苗場山登山道の途上に天然露天風呂のある山小屋があると聞いた。 夏場なら苗場スキー場ドラゴンドラの軌道下を通って約30分車止めまで林道を車で入れば、其処から2時間の山歩きで着く距離だそうである。 今は未だ林道も開通していない早春である。山小屋管理人の山口さんの言によれば、ギリギリまで車で入れば4時間で来れるでしょうとのことであった。

まあ林道を4時間ならチョットしたハイキングであろうと、高を括ったとは此の事である。

ドラゴンドラの下の林道を10分も走ったであろうか?     4駆とはいえ、倒木は越せない。せいぜい2Km進んだ程度であろう?   諦めて路肩に駐車し、ベテラン山菜取りの4人グループと前後しながら残雪の林道を歩き出す。 九十九折りを繰り返し、帰りはきっとショートカットしようと思いつつ進むと、瀑布の音とともに視界が開けた。

梓川の周辺にも似た広大な河原が広がっている。東京電力がダムでも計画していたのでは・・・・???

夏の林道最終地点である。ここまで約1時間半

さあ、ここ迄である、突然の山道である。鷹巣峠に向かっての急登が始まって、今までの散歩気分が一挙に吹き飛んだ。一汗出して、吹き上がる上昇気流に一息つくと鷹巣峠である。視界は無い。

尾根筋を上り下りを繰り返し、時折の雪崩と土砂崩れの音を耳に先を急ぐ。思いの外の難路にいよいよハイキング気分は吹き飛んだ。

そして、最大難所の大急坂の下りである。細かな砂地の急坂トラバースしながらの下りほど、苦手はない。捕まるのは頼りない枯れ木である。申し訳程度のフィックスロープも冬の間に歩行ルートに合わなくなっている。

温泉だー!!!  誰もいない! 独り占めで女性専用湯も・・・・

夕食は山菜尽くし、これが旨かった。3代目の小屋守り山口さんは、冬季はホテルの料理人なのである。旨いはずである。山菜のテンプラなど食べた途端に「旨い!」の声が出たものである。

他に客もなく、持参の焼酎を酌み交わし、薪ストーブの煙の香りに包まれて夜も更けた。

山小屋の朝は早い。下りの急坂も上りは楽である。順調に鼻歌交じりで、突然であったのがカモシカくん。彼もビックリしていたのだがね此方もビックリである。互いに1.2分見合ってしまった。

 

小日橋の景観を見て一息、カモシカには出会ったが、熊にも出会わず無事帰還した。ハイキングではなかった赤湯行であった。

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渋谷 道玄坂のカレー

2015-05-16 22:00:32 | グルメ

青春の味である。

知る人ぞ知るカレーライスの名店である。今は昼間だけの営業で、久しく訪問していなかった。腹いっぱい食べたい年頃である。何より田舎出の舌には何とも刺激的で旨い、ハウスインドカレーではない、これがカレーだと思わせた思い出のカレーなのである。友人Nと事ある毎に食したものである。二人して「ムルギー卵入り辛口大盛りで!」と注文すると、店のマスターが心配顔で「大丈夫ですか?辛いですよ」と厨房から顔を出したものである。何度目かに1回はビールを頼むと「一寸作ったので」とカレー味の餃子様のつまみを出してくれたものである。 もう、そのマスターも亡くなって、どうやら姪御さんらしき人が後を引き継いだらしい。

ご覧のように、長粒米のご飯が山のように盛り付けてある。腹を空かせた20代前半である、とても嬉しく特徴的でもある。カレーの味はカシミール的??カシミールどんな処か?何がカシミールなのかトンと不明ではあるが、僕の中ではこれはカシミール地方の味なのである。 乾いた香りと辛さであるが、左程飛び上がるような刺激的であるわけではない。 お皿の底に残る ギー という油の香りがこの旨さを引き立てる。横に添えられた チャツネ が絶妙な甘さで実に旨い。

お店は、当時はもう少し薄暗くて天風扇が回り、カレーの香りと黴の匂いが混ざったような、それでいて何ともエキゾチックな風であった。今は外光を取り入れたずい分明るい店内になり、女性店主らしい清潔な感じとなっていたが、十分昔を彷彿とさせてくれた。 僕と似たような年代の男性がチラホラ見えるのも、同様に昔を懐かしんで遠くから訪れたような人のように思えた。

そして渋谷の街も変わった。

最後に、もう一度、普通のムルギー卵入りカレーをご覧ください。

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