うたかたの夢暮らし 睡夢山荘にて(Dream life of Siesta hut)

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緊急事態条項への改憲策動

2016-02-06 10:32:42 | 社会・経済

25()の立憲デモクラシー特別講座で、安倍政権が成立を目論んでいる緊急事態条項の危険性・問題点をテーマにシンポジュウムが開かれた。

何のことか一般市民には理解不可能と言って良い話だ。

要するに、法律の災害対策基本法や武力攻撃事態法が有るのに、これを憲法の条項にしようと言っているらしい。

これについては、神奈川新聞の1/25刊の記事に首都大学東京の木村淳教授が簡潔に指摘している記事がある。(後転載)

憲法というのは法律の上にあり、ここに規定されるという事は、法律を制定する国会や、憲法により最終判定を行う裁判所をも凌駕する力を持つことになるという事だろう。

憲法は権力の暴走を抑止するためにあるという一面があるが、この条項を憲法に規定するという事は逆に、執行権力(内閣)がこの憲法規定を背景に国会、裁判所を超えた強大な権力を持てるという事らしい。

当夜のシンポジュウムではナチスの全権委任法へ至るまでの大統領緊急令や現代ドイツの緊急事態条項の憲法規定の状況、戦前日本の天皇緊急勅令、非常大権による治安維持法の死刑適用法へ改変等、歴史的事例を示しながらのパネラー各氏の意見提示が有った。

ドイツは連邦制の国家であり連邦各州の自治が有る為に、これを統制する必要性の為に緊急事態条項を憲法規定に組み入れているのであり、日本の状況とは全く異なるので例引きは全くの見当違いであるとのこと。

日米安保によって国外脅威への対処は可能であるのに緊急事態規程を欲しがるのは、目的は国内向けの戒厳権に有るとしか見えないこと。

神奈川新聞掲載の木村教授を始めパネラーの長谷部早大教授、石川東大教授等が総じて指摘しているのであるが、戒厳権、独裁権への狙いを秘めて居そうである。

全電通会館 約700人収容の会場が通路階段まで溢れる程の盛況だったという事は、それだけ多くの人が危機感を強めているということだろう。

この立憲デモクラシーの会主催の連続講義イベントは、このように毎回盛況であるが、安倍政権の暴走を止める力にどのように収斂出来るかが問われている。



「内実は独裁権条項」 改憲焦点の「緊急事態条項」に気鋭の憲法学者・木村草太

01月25日神奈川新聞より

 憲法の公布から70年目の今年、安倍晋三首相は年明け早々から憲法改正に向けた意欲を鮮明にしている。その焦点は聞き慣れない「緊急事態条項」だ。気鋭の憲法学者、首都大学東京の木村草太准教授は政権の思惑をどうみるか。
 自民党は野党だった2012年4月に憲法改正草案を策定、その中に「緊急事態条項」を盛り込んでいる。今月初旬、神奈川新聞社のインタビューに応じた木村准教授は「緊急事態の具体的な内容があいまい。それにもかかわらず緊急事態を宣言した後に政府に与えられる権限は極めて強大になる。統治機構の根幹である三権分立を破壊する可能性さえあり、内実は『独裁権条項』と言っていい」と断じた。
 そもそも緊急事態条項を憲法に盛り込む改正自体の必要性に疑義がある、とみる。想定しているのは自然災害や武力攻撃だが、そうした緊急事態には既に、災害対策基本法や武力攻撃事態法といった法律がある。実際の運用面で不備がある場合にはまず法改正を検討するのが筋、という立場だ。
 説得力のある改憲根拠を示さないまま、改憲議論を進めようとする手法についても矛盾があるとし、「順序が逆。改憲自体を自己目的化してしまっている」と政権の姿勢を批判する。
 ただ、集団的自衛権行使容認や安全保障関連法に対するこれまでの世論の反応を踏まえると、「緊急事態条項についても議論が深まれば反対する意見が多くなっていく可能性は高い」と指摘。その上で、「結局、この国の民主主義のシステム、つまり表現の自由や報道の自由がきちんと機能するかどうかが問われることになる」と見通した。


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