那田尚史の部屋ver.3(集団ストーカーを解決します)

「ロータス人づくり企画」コーディネーター。元早大講師、微笑禅の会代表、探偵業のいと可笑しきオールジャンルのコラム。
 

一目惚れの話

2012年10月12日 | 恋愛 愛情

八王子五行歌会(http://gogyoka.bbs.fc2.com/)の代表をさせて頂いている関係もあり、恋の歌について考えているうちにフト思いついたことがある。

元気な人は中高年になっても一目惚れをするかもしれないが、普通思春期から40代ぐらいまで、シンクロニシティと共に一目惚れ体験が頻繁に起こるものだ。
 まさに見詰め合った瞬間から魔法にかかったようになり他のことが考えられなくなる。

これはユングに言わせると、男の場合は自分の中の女性的な部分(アニマ)、女性の場合はその逆でアニムスという元型があり、偶然そのタイプに出会ったことから生まれるらしい。

現在の精神医学は薬の投与と問診が主流だから、ユングは超心理学という怪しげな神秘主義と見られているようだが、一目惚れのシステムや意味のある偶然の一致について研究し続ける、というのは非常にロマンティックだなぁ、と思ってしまう。

考えてみると、歌謡曲やハリウッド映画などはほとんどがラブストーリーだ。種の保存という本能から見れば、恋や性欲は当たり前だが、一目惚れというのはその中でも非常に特殊な体験で、元型といった概念を取り入れないと説明がつかないように思う。

こういう一目惚れ体験は想像力の源でもあると同時に、典型的なのが「嘆きの天使」という映画で、大学教授がキャバレーの踊り子に夢中になって社会的信用を全て失う、という破壊的な側面もある。逆バージョンは「八百屋お七」の物語で、近代詩歌の翻訳の大家・堀口大学は 

八百屋お七が火をつけた
お小姓吉三に逢ひたさに
われとわが家に火をつけた
あれは大事な気持ちです
忘れてならない気持ちです

と歌ってこの狂恋を称えた。この話が元になってエミール・ゾラの「ナナ」という小説になったといわれている。
 日本というのは面白い恋愛文化があり、「よさこい節」もそうだが、どうせやるなら磔や火あぶりになるほどの恋をしろ、という極論を愛する傾向がある。

それはともかく、一目惚れという体験があるうちが花で、忙しすぎたりストレスが溜まりすぎたりすると、美人はおろか美しい風景を愛でる余裕も無くなる。また若いときに遊びすぎると女性に対する謎が消える。
 自分自身の体験を言えば、全て美人という前提の上で、暗い病んだ印象の女性に一目惚れし、次第に頭が良くて気が強い女性に惹かれ、今は嘘がつけない幼子の仕草が可愛い。
 ちなみに女性の場合、女らしさという社会的な仮面(ペルソナ)が弱まり、アニムスが強くなりすぎると、頑固なフェミニストになって男を困らせたり、強烈な教育ママになって子供を困らせたりするらしい。

これから後、まだ一目惚れ出来るだろうか?それぐらいのエネルギーがあればいい歌が詠めるんだが・・・


 




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