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「アンカレッジ・コーリング」
河合奈保子さんの15枚目のオリジナルアルバム「Members Only」の5曲目に収録されている曲です。
作詞:吉元由美
作曲:河合奈保子
編曲:永島広&NATURAL
哀愁に満ちた音色のシンセサイザのイントロから始まる、マイナー調でグループ感、ビートの効いた曲です。
深い思いが込められた歌詞でありながら感情の機微が表現されている内容ですが、奈保子さんはこういった曲の表現力はすばらしいと思います。胸にグッとくるものを感じます。
このアルバムのリリース当時に聴いたときにはこの曲のシチュエーションとして、彼がアンカレッジにいて日本から電話しているとばかり思い込んでいました。歌詞を読み返してみると、アンカレッジにいるのは女性の方で彼はロンドンだったのですね。
ヨーロッパ便は直行便がほとんどなく、ほとんどアンカレッジ経由だった1980年代ならではの設定です。
歌詞の1番、赤い文字のトランジットカード、2番の白い大地。
女性の諦められない熱い思い(赤)と、男性の愛から離れた思い(白)との対比も歌詞に込められているように思います。
歌詞の要約
***
あなたを追いかけ遠い国へ
トランジットの空港から
あなたの住む街へ電話をつなぐ
私の捨て台詞を拒むことも無く受け止め
あなたはひとり去っていった
冷たい風が夢から覚めろと
私を突き刺す
私には分からない
愛を捨ててまで
あなたは何を追いかけようとしているの
北の大地に沈まぬ太陽
あなたと私の
もう交わることのない心のよう
想い出ばかりがよみがえる
あなたのいない受話器の向こう
まだ愛していると涙でつぶやく
最後のコールでサヨナラと心に決める
もうふたりそれぞれの道をゆくのね
それでも心の中にはあなたの懐かしい声
本当は私に待ってろと言っているの?
***
先ほど書いた、哀愁を帯びたシンセサイザのイントロは、洋楽のロックバンド系の曲で当時よく聴かれたようなフレーズのように思います。
余談ですが、私はこの曲を聴くと「アランパーソンズプロジェクト」の「運命の切り札」(1980年)というアルバムを思い出してしまいます。
曲が似ている訳ではないのですが、哀愁を帯びた雰囲気は近いものがあるように思います。
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