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「砂の傷あと」
河合奈保子さんの5枚目のアルバム、「あるばむ」の4曲目に収録されている曲です。
作詞:竹内まりや
作曲:林哲司
編曲:林哲司
失恋、傷心を歌った悲しい曲のはずなのですが、格好いいと思えるくらいのアレンジ、アップテンポのリズム、心に押し寄せる哀しみを表すかのようにスピードのあるストリングスのイントロが切なさを表現しています。また、この曲を含め竹内まりやさんの作品ついては特にドラムの音(リズム)を際立たせたアレンジになっているようにも感じらます。この曲でも比較的激し目のドラムアクションも印象的です。
この曲では、竹内まりやさんもコーラスに参加されており、その声をはっきりと感じることができます。
作曲、編曲は林哲司さんなのですが、コーラスアレンジは竹内まりやさんや山下達郎さん風のものが感じられるように思います。
このアルバムがリリースされる以前から、竹内まりやさんと山下達郎さんの音楽的つながりはあったようなので、そういった曲調が取り入れられたとしても不思議ではないと思います。
そのため、竹内まりやさんが歌っていても全く違和感のない曲だとも私は思います。そして、「砂の傷跡」は奈保子さんの曲の中でも、比較的ニューミュージック色の強い曲なのではないかと思います。
この曲のフルコーラスでのメロディ構成は次のようになってます。
サビ(*) A A' B サビ A A' B サビ サビ'
比較的シンプルなメロディ構成でサビ部分は、ほぼ同じフレーズの2回繰り返しを1組として構成されています。(*:但し、出だしのサビは1フレーズのみです)
2コーラス後の最後のリフレインでは「サビ'」の冒頭半小節分が切った形でメロディを作っていると思っていましたが、あらためて拍子を取りながら聴き返してみたら逆でした。
最後のリフレイン「サビ'」の方が小節の先頭から入っていて、1,2コーラスの通常のサビの方が、頭に休符を入れたメロディになっているようです。
なので「サビ'」では他のサビに比べて音が少なくなります。歌詞に合わせてそうしたのか、そうなるように歌詞を合わせたのかは不明ですが、大サビとも感じられるくらいに盛り上がりを感じさせてくれます。
この曲は4拍子ですが、A A'部分のキーボード伴奏は(たぶん)8分音符で3+3+2でコードを刻んでいて、メロディ構成がシンプルな分、リズムの変化を際だたせているのかも知れません。
こうやって見ると、「あるばむ」の竹内まりやさんの作品についてあらためて見てみるとリズム、あるいはその変化に特徴をおいた作品となっているように感じます。
「あるばむ」の1曲目、Invitationについては先日書きました。以前別の掲示板でこの曲のイントロをある方が楽譜に書き起こしてくれたもの見ました。
3つの音の繰り返しが続くイントロですが、これを8分音符の4連符でつないでいた譜面でした。
その時は深く考えなかったのですが、これは3拍子と4拍子のポリリズムだと最近気づきました。
林哲司さんの曲は私の好みのメロディという事もあり、この曲は奈保子さんの曲の中でも特に好きな曲の一つです。
なので、この曲について書き出すとささいな事でも書いてしまい、どうしても長くなってしまいます。(笑)
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河合奈保子さんの歌声については私はよく「切ない響き」とたびたびこのブログに書き込んでいます。
前回、書いたLagunaさんの歌声を聴いた時、奈保子さんとは異なりますが「切なさ」を感じました。
その切なさは、いったいどこから来るのだろうかと最近よく考えることがあります。
もちろん、メロディやサウンド、声そのものによる部分もあるとは思います。
ただ、それだけで心振るわせる程の「切なさ」感じる事が出来るだろうかと。
曲をじっくり聴き返してみると、歌詞に込められた機微を表現しようと歌い方を変えているように感じられます。要は感情の込め方なのですが。
それはただ大げさにとか、パフォーマンス的にやったとしても伝わるものではなく、心の中で語りかけるように歌の心を伝えようとし、聴き手の心に響くのではないかとも思います。
曲をさらりと聴き流しただけでは歌声の変化は分からないことは多いのですが、それでもその歌声は心の一番深い部分に直接響いて来ます。
この曲では、細やかに変化する奈保子さんの心を込めた感情表現を聴くことができます。
歌詞の要約
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あなたに恋してた夏が終わろうとしている
私の心に深い傷あとを残して
あなたとふたり訪れた想い出を探すように
心さまようままに辿り着いたこの浜辺
恋にあこがれ心躍らせていた私
あなたの心ははじめからここには無いと気づき
深い悲しみが私の胸を埋め尽くす
あなたとふたり撮った写真
今の私に残された、たった一つの想い出
見上げた空はいつしか涙色へと移りゆき
吹き抜ける秋風が悲しい胸をしめつける
心に刻まれた傷あと
もう二度と同じ気持ちで
誰かを恋することはできない
あなたに恋したときと同じ
無邪気な心で
あなたに恋していた私は
どんな夢もかなうとさえ思えていた
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