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靴工房nico. diary

靴教室&注文靴 靴工房nico.のときどき日記 
靴のこともそうでないこともイロイロお伝えしていきます!

革の話3     sonoko

2012-10-26 13:10:27 | Weblog
3回ほど書いたのに、消してしまうという『不注意の悪夢』を繰り返し、すっかり書く気が削がれてしまった「革の話」。。。

でもなんとか気持ちを立て直して、書きます。

今回は、革を「鞣す(なめす)」前の、話。

前回は、動物の「皮」をなめしたら「革」になると言いました。

でも、いきなりその「鞣し」作業に入るわけではありません。
実にたくさんの工程を経てから「鞣し」作業に入ります。その工程をぜひご紹介したく。

手作り靴の話を、みなさんお友達やご家族に話されてると思いますが、その時にぜひプラスでウンチクを(笑)


1、水漬け・・・ 皮についてる血液や汚れを落とす。
2、裏打ち・・・ 機械で皮についている肉や脂肪を落とす。
3、脱毛・石灰漬け・・・ 石灰につけると繊維がほぐれ、毛や脂肪、表皮の層を分解除去する。
4、分割・・・ 機械で表面(銀面、といいます)と肉面(床革、といいます)に分ける。

床革は、いつも木型の修正の時の「乗せ甲」に使ってますね。

5、再石灰漬け・・・ 石灰に漬けて、皮のコラーゲン繊維のからみをほぐす。
6、脱灰、酵解(だっかい、こうかい)・・・皮の中に残る石灰を取り除き、なめし工程におけるなめし剤の浸透をスムーズ にさせたあと、 酵素によりタンパク質を分解除去し、なめらかな銀面を得る。
7、浸酸・・・クロームなめし剤は酸性でないと溶けないので、なめしに先立って皮を酸性溶液の中に漬ける。

タンニン鞣しの場合は、この工程はありません。

それぞれの鞣しの後は、水分を取ったり、加脂、染色、乾燥、アイロン・・・などなどがあります。


クローム鞣しで作られる革工程は、3~5日間に対して、タンニン鞣しは10~25日間もかかります。

価格にも、その差がよーく表れてますね。


革のお話、まだ次回に続きます(笑)



革のお話2     sonoko

2012-10-06 19:13:42 | Weblog
革の話、続き。

たまに、まじめな話もします(笑)




前回はタンニンなめしをご紹介しました。


今回は、クロム鞣し(なめし)について。

クロムなめしは、「塩基性硫酸クロム塩」という鉱物のクロムから作った溶液を使用して、なめしたものを言います。

タンニンなめしと比べると、世界の皮革のほぼ9割がこのなめし方法で革をなめしています。

特に衣料はほぼ全てと言っていいくらいに、使用されています。
タンニンと比べて、こんなに出回るのは、軽く、柔らかく、伸縮性に富んでいるし、何より手間もかからず、ローコストで大量生産できるのです。
ただ、燃やすと有害物質を発生させるので、処分には注意が必要。。。
最近では使用液を何回も利用して、環境に配慮しているようです。

クロムなんて、普段の生活でなかなか出てくるものではありませんが、あの「ニクロム線」は、ニッケルとクロムが結合したものです。

ステンレスは、鉄とクロムの合金。
鉄だけでは水にぬれると錆びますが、クロムを入れることで、ステンレスになり、水にぬれても錆びにくくなりますね。

クロムにもいいことはたくさんあります。

クロムなめしと、タンニンなめしの「いいとこどり」が、混合なめしです。

色々使用してみて、自分に合った革を選んでみてください。


次回は、「鞣す(なめす)前」についてお話します。






嵐の夜に、革のお話     sonoko

2012-09-30 23:22:07 | Weblog
最近、革を自前で用意される方が多くなったせいか、在庫の分も含め、革について聞かれることも増えました。

ここに書くことは、ちょいと調べれば今時、たくさんの情報が得られるものではあるのですが・・・

基本的なコトを少しお話しておこうと思います。

話が長くなるので、ちょっとづつ。

今回は「鞣し(なめし)」のお話。



本革は、まずもちろん、天然の動物の皮からできています。

この動物の「皮」皮膚、の皮を、一般的に加工できるようにされたものを「革」といいます。
もちろん読み方は同じですが。

「皮」を「革」にするには、「鞣す(なめす)」作業をします。
「皮」はそのままですと、皮が腐敗したり、硬くなってしまいます。使用できませんね。
その鞣し方によって、革の表情、性質に変化が出来ます。

大別すると

1、タンニン鞣し

2、クロム鞣し

3、混合鞣し

とあります。

nico.には3つともあります。

1のタンニンなめしは、植物の渋(タンニン)と、皮の中にあるタンパク質(コラーゲン)を結合させるものです。
植物はミモザ、チェスナット、オーク、タラ、(家具でよくありますね)
などの樹皮や根、葉から抽出したエキスを使います。

この鞣し方は、他の2つと比べるととても時間がかかります。
方法によっては大量生産が不可能です。

特長は、堅くて丈夫なこと。コシやハリがある、型崩れしにくい。日焼け・酸化しやすい。油分吸収しやすい。使用すればするほどにアメ色(褐色)に変化していきます。

革らしい、革ですね。


使ってみると、他との違いがすぐ分かりますね。



では続きはまた次回にしましょう。



ゴールドシューズ     sonoko

2012-09-23 23:17:08 | Weblog
眩いばかりの、ぴかぴかシューズ、完成。

制作中、気になってた方も多かったように思います。

kさんの初めてのクツ。



お手持ちの革で、フルブローグで、押し縁で、革底で。

なんか、いきなり難関な気もしましたが
そんな心配はどこへやら。

とても丁寧な仕事されてました。
じっくり、過程を楽しみながら頑張ってました。




中敷きも、こだわり。

ボルドーとの組み合わせ。

とても高級感出てます。おっしゃれー!


10years     sonoko

2012-09-22 00:34:26 | Weblog
靴の世界に入って、10年が過ぎてしまいました。

10年ってあっという間というか。

まだまだ半人前というのか。


私自身は、靴の学校の専門課程の前に、1年趣味のコースに通っていたので、正確には11年。
12年目、ということになります。

工房を立ち上げてからは、6年。夏で7年目に入りました。

立ち上げ当初、から比べると「手ほどきの仕方・内容」「作り方」などなど、だいぶ変化したと思います。

制作中に、いろんな難題が降りかかっても、
「じゃあ、これは?」「こっちは?」「あれは?」と、切り札も多くなったように思います。

素材や革、パターンなど、新たなものに少しづつ挑戦して、自分たちのストックも(少しは)増えました。

通ってくださるメンバーも徐々に増えて、革在庫も昔より充実してきました。


先日、工房オープン当初から通ってくださっていたoさんが、久々にベビーシューズを作りにいらっしゃいました。
久しぶりにお電話いただいて、ものすごくうれしかったです。

荻窪工房が懐かしい。


昔通われてた皆様。もしこのブログをご覧になっていたら、修理をしにまた来てください。
席が空いていればいつでも。修理の材料費のみ戴きますが、よかったらまた手を動かしに来てください。





岡山から     sonoko

2012-08-17 16:49:56 | Weblog
ある日の訪問者。

岡山に住んでいる友達家族が、お盆の帰省で立ち寄ってくれました!


すごいでしょ、このファミリー。




なにが?

って、

三人とも私が作った靴を履いて来てくれたんです!
感激ですね。

お揃いの革で作ったので、家族で履いてくれるといいなぁ、、、と妄想してたことが現実に。

1歳になったばかりのお子ちゃまも、しっかり歩いてました。



お財布教室の続き     sonoko

2012-07-30 00:00:00 | Weblog
前回から約一か月後の、第二回目「お財布教室」終わりました。

残念ながらお休みした友達の分まで、しっかり勉強しなくてはいけなかったのですが
いろいろ細かな手順が難しくて、先生のご指導の様子を撮影する間もなく・・・

お休みした友達には、組んだ状態の自分の(まだ途中段階)お財布を、数枚写真撮っただけで
なんら説明もできずに、ただメールしただけ、の有様。

ごめんなさいねーーー


今回も緻密さ、そして正確さを要求されることに一杯一杯になりました。。。


「わっ!」


とか。


「あっ」


とか。




普段、こうやってよーああやってよー と言う立場の中で

ちょっと初心を思い出しました。


そんなこんな。


第三回目に続きます。
次は完成すると思う。きっと。



靴の刺繍     sonoko

2012-07-25 22:48:32 | Weblog
kさんが、ミシンでふきんに刺繍をしてきてくれました!
この刺繍はオートのもので、読み込んだデータをミシンが勝手にやってくれます♪
細かい仕事してますねっ。



わざわざnico.のためにやってきてくれたことに感謝!

どーやって使おうかな・・・









変わってこちらは、

どんぐりの木

というオーガニック食材を使ったスイーツのお店でいただいた、おやさいシュークリーム。


さといも、さつまいも、まいたけ、えのき、にんじん、玉ねぎを重ね煮してやわらかくしたものに、
生クリームを加えたシュークリームです。
(カスタードクリームも入ってます)



かなり珍しいーと思いつつ、おやさい、と聞いてちょっとこわごわ、、、でしたが
なんら普通のシュークリームと変わらない(いい意味で)、
やさしい甘さのおいしいスイーツでした。






活版の涼    miki

2012-07-25 12:08:13 | Weblog



街にくわしいhさんから
阿佐ヶ谷の古道具屋さんを教えてもらいました

たくさんある箱の中から
文字を探すのはちょっと楽しい

これはプレゼントの一文字


そう言えば以前
誰かが言ってた 「小口さん」のハンコは泣き顔に見える。。。と



情けな顔
これは押してもらう価値あり