3回ほど書いたのに、消してしまうという『不注意の悪夢』を繰り返し、すっかり書く気が削がれてしまった「革の話」。。。
でもなんとか気持ちを立て直して、書きます。
今回は、革を「鞣す(なめす)」前の、話。
前回は、動物の「皮」をなめしたら「革」になると言いました。
でも、いきなりその「鞣し」作業に入るわけではありません。
実にたくさんの工程を経てから「鞣し」作業に入ります。その工程をぜひご紹介したく。
手作り靴の話を、みなさんお友達やご家族に話されてると思いますが、その時にぜひプラスでウンチクを(笑)
1、水漬け・・・ 皮についてる血液や汚れを落とす。
2、裏打ち・・・ 機械で皮についている肉や脂肪を落とす。
3、脱毛・石灰漬け・・・ 石灰につけると繊維がほぐれ、毛や脂肪、表皮の層を分解除去する。
4、分割・・・ 機械で表面(銀面、といいます)と肉面(床革、といいます)に分ける。
床革は、いつも木型の修正の時の「乗せ甲」に使ってますね。
5、再石灰漬け・・・ 石灰に漬けて、皮のコラーゲン繊維のからみをほぐす。
6、脱灰、酵解(だっかい、こうかい)・・・皮の中に残る石灰を取り除き、なめし工程におけるなめし剤の浸透をスムーズ にさせたあと、 酵素によりタンパク質を分解除去し、なめらかな銀面を得る。
7、浸酸・・・クロームなめし剤は酸性でないと溶けないので、なめしに先立って皮を酸性溶液の中に漬ける。
タンニン鞣しの場合は、この工程はありません。
それぞれの鞣しの後は、水分を取ったり、加脂、染色、乾燥、アイロン・・・などなどがあります。
クローム鞣しで作られる革工程は、3~5日間に対して、タンニン鞣しは10~25日間もかかります。
価格にも、その差がよーく表れてますね。
革のお話、まだ次回に続きます(笑)