浜矩子語録(155)チルドレン、大人度検定必要だ

２９日のＴＢＳ・時事放談は“「小沢一郎の逆襲が」～どうする野田総理”をテーマに放送された。同志社大大学院教授・浜矩子と元総務相・増田寛也が呼ばれた。

以下は番組中盤の小沢無罪に関する放談でＱがキャスター御厨貢、Ａは妖艶なエコノミスト・浜矩子の語録である。

●小沢一郎元民主党代表に無罪判決、号外も出た。朝日新聞判決のポイントは

※強制起訴は有効である

※元秘書による虚偽記入は認定

※小沢氏は元秘書らから報告を受け簿外処理を認識していた

※しかしながら、元秘書らとの共謀は肯定できない

これに対して小沢氏は２６日判決後「本日の判決は虚偽記載について共謀したことは断じてないというかねてからの私の主張にそうものである。裁判所の良識と公正さを示して頂いた事に経緯を表する」などとコメント。

Q～・～　（東京地裁が）小沢さんに褒められちゃいました。

A～・～　そもそも、このテーマで号外が出るか？　と抵抗感を強く持ちます。有罪でも出たのでしょうと思いたいのですが、無罪だから（号外が）出たのならこれはゆゆしきことでございます。

このあたりのメディアの認識はさておくとして、判決について小沢さんが「本当にありがとうございます」ということで（東京地裁に対して）お褒めの言葉をおくったことはおかしいと思います。

判決の中身はそうとうぎりぎりのところまで行っていて、苦しいながら「共謀性は認めるわけにはいかない」と判決しているわけですから、その中身をもっとまともに受け止めて然るべきところでして、かつての昔のお侍さんならば容疑を懸けられたことでそれを恥として腹を切ったわけですで、そのようなテーマなのであって、そこを開き直ったような受け止め方をしていることは（国民の）納得性が低いと思います。

 ●小沢個人の４億円の事件と消費税増税の問題がどういうわけかリンク

Q～・～　すっきりしない判決と同じく更にすっきりしないのは、小沢個人の４億円の事件と消費税増税の問題がどういうわけかリンクしちゃって関係があるように言われて、しかもまたマスコミなども「小沢が動く」「力を増して行く」と騒いでいます。

A～・～　「小沢無罪＝消費税増税危うし」という方程式はいったい誰が作ったのでしょう？関係ないところを結び付けて考えていくというのが政治村に付着しているメディアの感覚なのだなと見えてきてしまって、そこがもう・・・、なんと言ったら良いのでしょう？

小さな、どこにあるかわからない宇宙に閉じこもっている人たちの論理で政治・政策が振り回されことをやめないといけないですね。

 Q～・～　一方で、（小沢）チルドレンが元気回復、判決の夜に７０人が集まったということです。前に党の役職者で辞表を出した人が３０人、これが倍になっています。この勢いはどうなっているのでしょう？

A～・～　まさにチルドレンの幼稚園、繰り返しになりますが、日本の政治という名の小宇宙から切り離したい。　私は毎日毎日、火星に移住したくなっているのですが、私が移住する必要がないわけで、こいつらをカプセルに入れて地球上から追い出すのが筋で、我々が逃げなくてはならないのはおかしいのであって、この人たちが認識を変えることが必要です。

 ●小沢一郎の逆襲

Q～・～　増田さんは「小沢がぶれている」と、どうけじめを？

A～・～　（小沢は）ノーとしか言えない政治家です。　ノーというのは簡単ですが、なぜ消費税増税反対なのか、国民が納得できないという事は国民を人質にとっていることと同じですからアンチョコに行って欲しくないと思いますね。　やっぱり、自分の政策にかかわる発想とか位置の取り方とか、考え方に従って「これは良い、これは悪い」と言っているのではなくて、「ノー」と言って点数稼ぎしているだけ、そうとしか思えない。　そんなことにかくも振り回されている民主党に問題があります。

この人（小沢）の特性とか力を巡って我々が右往左往するのではなくて、振り回されている民主党に「自らの振る舞いを何とかして欲しい」と言う、そこに焦点があるのです。

Q～・～　そのような小沢に何故チルドレンが付いて行く？

A～・～　チルドレンはチルドレンだから付いて行くのでしょうね。　自分の頭でものを考えることができない、何か寄る辺になるものを求めている。　この発想は政治家たちの中に相当ある、派閥を作ったりとか。　一人ではいられない子供たちだということが露骨に見えていますね。　政治に打って出る人に対しては“大人度調査”をやってから“大人度検定”というのでしょうか・　

（増田）～・～　小沢さんは、バックベンチャーは数だと思っていますから、大人度検定に落ちるような人を候補者に集めていますよ。

●無罪判決に、喜びの声続々

※輿石幹事長：（無罪は）当然でしょう、（党員資格停止処分は）解除手続きする

※鳩山元首相：早く小沢さんに大いに頑張ってもらえる状況を作って欲しい

※東祥三：思っていたとおりになった。今後全力で戦っていく。新たなスタートだ

※松本謙公：嫌疑が晴れた

※鈴木宗男：無罪を期待していた

※石川知裕：裁判所が良識ある判断を下した

などなど

Q～・～　増田さんは「みんな、うれしくてしょうがない」状態と言っています。

A～・～　この番組でも繰り返し申し上げておりますが、野田さんがスタート時点で「ノーサイド」と言ったことに根源的な彼（野田首相）の弱さがあります。　自分のサイドはどういうサイドなのかということをあらゆる場面で訴えかけて自分のものにしていかなければ「喜びの声」をあげている連中に思うようにされてしまう、このことは有権者に対する背徳行為であるという事を考えていただきたい。（以下次編）